黒き鎧は手を伸ばす   作:黒烏ノ艮

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・「」通常会話
・『』機械音、電話、一部用語や単語
・《》アバター名、技名
・【】思念発声


2話

夢を、見ていました。

夢の中のボクは、激しい痛みに必死に耐え続けていました。

絶え間なく襲いかかる苦痛。

逃げたい、逃げ出したい。

ボクはすぐにそう思いました。

しかし、その人の思いは違っていたです。

その人は、少しも諦めてなんかい。

仲間を守れる頑丈な体が欲しい。

仲間の危機にいち早く駆けつけられる早さが欲しい。

でも、その心の中で、見ている事しか出来ない自分に強い怒りをほとばしらせていました。

その片隅に、仲間に力を借りなければなにも出来ない、悔しさと悲しみがあったのです。

 

 

 

 

いつもどうりに目覚めた後上半身だけ起こした格好で、寝ているニコちゃんを見るとはなしに眺めつつ、昨日の事を考えます。

 

結局あの後話は終わりだとばかりに、お風呂出てからそのままお布団に潜り込もうとするニコちゃん。

 

なんとか押し留め話をしようと布団にくるまる上から跨がり叩いてみたけれど寝息が聞こえて来て断念したです。

 

消灯時間ギリギリのため諦めて寝るための準備をしたです。

 

 

 

 

いつも通りの支度を済ませて食堂広間に向かうと畑から寮長先生が戻って来るのがみえた。

 

「寮長先生おはようです。」

 

畑で収穫したキャベツを持って部屋に上がって来た寮長先生に挨拶をしながら、キャベツを一つ受け取る。

収穫されたキャベツは3つあるけど、同学年と比べても小さいボクはそれでもう手がいっぱいになってしまう。

 

「おはようございます、朝凪さん。今日はこれがいい感じでしたから使ってしまいましょう。」

 

渡されたキャベツを流し台に置いてエプロンを着ける。

 

半分程度は千切りにするとの事で寮長先生に持ちやすい程度に包丁で切り分けて貰い、ボクは

スライサーやザル、ボールを用意する。

 

踏み台を準備して寮にいる皆の分の千切りを作る為にひたすらスライサーでカットしながら、どうやってニコちゃんにインストールして貰うか考える。

 

ニコちゃんはゲーム内がゴタゴタしてしまっていて楽しめない上に、事が始まってしまっている今ではボクが十分に戦力になるまでキー君の事を放置、時間伸ばしする訳にいかない。

であれば、全てが終わり落ち着いた頃にゲームを始めた方が良いと判断した訳だ。

 

でも、ボクはゲームを楽しみな気持ちもあるけれど、一番の気持ちは助けたい。キー君も助けたいし、ニコちゃんも。その為には一度話を聞きに行く必要が…

 

『警告、警告』

 

「あっ…」

 

そんな事を考えながらスライサーを使っていた為か指先を切ってしまいました。警告が視界に表示されたため大事にはなりませんでしたが、

 

「あらあら。朝凪さん大丈夫?」

 

寮長先生に心配させてしまいました。

 

「大丈夫です…けど、一応病院で診て貰わないとです…」

 

「そうね。放課後にでも行ってらっしゃい。今はこれで」

 

そう言って寮長先生は水が染みない様に防水の絆創膏を貼ってくれました。

ボクも多少の擦り傷なら問題ないですが、スライサーの傷口は削ぐ感じですから一応病院で診て貰った方が安心です。

 

「でも珍しいわね。朝凪さんが上の空なんて。なにか心配事でもあるの?」

 

寮長先生がボクに目線を合わせて問いかけてくれるです。

でも、ニコちゃんが隠したがっているゲームの事をボクが話す事はできないです。

でも、ゲームであることは話しても大丈夫ですよね?

 

「実はニコちゃんとキー君がゲームでケンカしてしまって…」

 

ボクはそのゲームが現実の世界を舞台にARを使ってアイテムやポイントを集め、交換やバトルを楽しむゲームだと説明したです。

そしてニコちゃんのチームで二人は一緒に遊んでいたけれど、キー君が最近焦ったように無茶ばかりしてニコちゃんが怒ってしまったと話しました。

 

「もしかして、そのゲーム、GPSを使ったものかしら?」

 

寮長先生が少し考えながら聞いて来たので「ボクはやって無いので分からないですが」と前置きした上で「街中を歩き回る必要もあるそうなので使ってるかもです」と答えた。

 

「寮長先生キー君の事何か知りませんか?」

 

本当はキー君本人に聞きに行くのが一番なんですが、何か知っていそうな寮長先生に聞いてみる。昨日のかたくなな様子ではボクがいっても話してくれるか分からないですし。

 

寮長先生はなんだかとっても話し辛そうにしたあとジッと見詰めているボクに「皆にはまだ内緒よ」と言って話しだした。

 

曰く、まだ本決まりではないが里親が決まった。

 

曰く、相手方はキー君の遠縁の親戚である。

 

曰く、相手方の家は福岡である。

 

曰く、曰く、曰く…

 

「きっと由仁子さんと一緒に遊べなくと思って焦ってしまったのね」

 

と、そこまで話した所で他の朝食当番が来たためお話はおしまいとなってしまったです。

寮長先生は皆の方に挨拶をして向かう前にこっちに向き「まだナイショよ?」と念をおしてから調理へと戻って行った。

 

ボクは怪我した為調理はお休みし、キッチンから出てホールのソファーに向かいながら、教わった事について考える。

 

「キー君に家族ができるのは良いことです」

 

もちろん別れる事は辛いけどキー君の為に仕方ない事です。

でも、笑顔で見送れないような状態はダメです。

それと

 

「ゲームは続けて貰うですから!」

 

 

 

 

 

 




BD&DVD発売記念!!

って事で急遽書いた物を投稿。

家で付属の小説読んでから書いたから予定の半分の文章量。

今後どうなるかは妄想してるけど、続くかは不明
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