仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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……どうしよう。(某映画の特報を見ての最初の言葉)いや、期待してなかったわけではない。むしろ、5年目だから出てもおかしく無かったわけで、でもどうしよう展開的に……。この小説、今年中にプリキュアの世界が終わると思えないんだよな……。


プリキュアの世界chapter36 裏切り

ー某小学校ー

 

 人っ子一人いない廊下。そこで、引き戸が開く音が響いた。ある教室から、赤色のランドセルの紐を片方の肩にかけただけの少女が駆け出してくる。それに続いて先生が廊下に出て彼女の背中に言う。

 

「ちょっと相田さん!せめてホームルームが終わってからにしなさい!後、廊下は走らない!!」

「すみません先生!でも、急いでいるんです!!」

「あっ、ちょ……もう」

 

 相田さんと呼ばれた少女は階段のある方向に曲がって姿を消した。それを見て、教師は頭を抱えた。後はホームルームが終われば帰っていいというのに、それを待たずして早退するなどどういうことだろうか。彼女は、こういったことが多々あったのだが、それにしたって明日明後日には終業式で冬休みに入るというのにどういうつもりなのだろうか。と、その時後ろからその先生に声をかけてくる子供がいた。

 

「まぁまぁ先生、あの子にも事情があるんだししょうがないよ」

「私はその事情が何なのか知らないんですけれど花咲さん」

「え、えっと……ははは」

 

 と、花咲ふたばはその言葉に苦笑いしかできなかった。彼女は知っている。姉の正体や、先ほど出て言った相田愛の正体も。しょっちゅうというわけではないが、時たま彼女は突然教室から出て行ってしまうことがあったが、その理由は知っているものの、話すことはもちろんできない。教師からしてみれば、かなり気になるがしかし、親兄弟からはそういう時は無視してくださいと言われてしまうし、校長からも彼女は構わないと言われてしまうため、特別扱いとして無視している。

 

「はぁ……教師としてこれでいいのかしら……」

 

 こんな軽いことで悩めるのだから、教師としては優秀と言っていいのだろうかわからないが、とにかく無理やり自分を納得させてふたばと一緒に教室に戻る。

 なお、教室を飛び出した少女はと言うと、下駄箱には向かわず、図書室へと向かっていた。ホームルーム前最後の授業が終わりに差し迫っていたころ、彼女の携帯に連絡が入った。彼女のパートナーの少女が緊急事態に付き、変身しなければならないため来てもらいたいというもの。ここ最近はパートナーがプリキュアから引退したために頻度はそう多くはないが、時たま彼女のことが呼ばれることはあった。しかし、授業中に呼ばれるということは異常だ。これはただ事ではない。少女は、図書室に到着して本を手順道理に移動させる。そして次の瞬間、光が彼女を包み込んだ。

 

ー城南大学ー

 

「これって……」

 

 ふしぎ図書館を通り、彼女が現れたのは城南大学の図書館の中であった。そしてその騒がしさから窓の外を見た愛の見た物、それは複数体のザケンナー、ウザイナーの姿そして……。

 

「なぎささん……」

 

 キュアブラック、美墨なぎさの姿だった。しかも、変身していないほのかと対峙している。一体どういうことなのだ。ふたりは、一方が変身して、一方が変身しないということはない。ふたりが一緒に変身するプリキュアなのだ。今のこの状況とは矛盾する。状況の把握が全くできない。彼女は、その場で固まってしまっていた。その時、彼女に後ろから声をかける者がいた。

 

「アイちゃん!」

 

 振り返ると、その先には彼女の母であり、姉である女性の姿があった。

 

「マナ!」

 

 マナの後ろには、士や海東、ありす、エレン、それから四葉財閥の本社のほうからみゆき、六花、日向咲、美翔舞が来ていた。ほか、妖精のシャルル、ラケル、ランス、フラッピ、チョッピの五体。誠司とめぐみ、響、奏、レジーナ、ハミィと言った者たちは、逆に本社の方へと戻ってもらっていた。士は、アイの顔を見ながらありすに聞いた。

 

「……プリキュアか?」

「いえ、プリキュアではなく、妖精です。そう言った事情に関しては、走りながらと行きましょう。今は一刻を争うときです」

「分かった……大体な」

 

 そして、外にいるザケンナー、ウザイナーへと向かいながら彼は聞いた。彼女、相田愛はもともと赤ちゃんだった。当たり前の事なのになんでそんなことを言うのだろうと士は思ったが、よく聞くと事情があるらしい。十年前、アイちゃんは恐竜よろしく大きな卵から産まれた妖精で、産まれて最初に目にしたマナの事を母親として認識しているらしい。彼女は、当時『アイ』という言葉を喋ったことから、『アイちゃん』とありすが命名し、ある時期から妹としてマナと一緒に暮らしているとか。血のつながりはないが、マナの家族の記憶を操作してマナの妹として認識させたらしいと聞かされた時は悪寒が感じたのは気のせいではないだろう。話している時間がない為かなり省略されたが、ある国の王女の生まれ変わった姿で、ドキドキプリキュア五人目の少女が変身するために必要な存在なのだとか。そして、ドキドキプリキュアとしての戦いが終わった後は、共和国となった元トランプ王国と、この世界の日本とを交互に行き来する生活を、また国際留学という形でこの世界の学校に通いながら、ドキドキプリキュアの五人目のメンバーが変身しなければいけない状況の時にこうして駆けつけてくれるのだとか。五人目という言葉を聞いて、レジーナの事かと思ったが、彼女は響たちと一緒に四葉の本社に帰ってしまっているため違うだろう。もう一人プリキュアがいるということになるが、先ほど窓から見た様子では怪物以外はほのかとキュアブラックと呼ばれた女性しかいなかった。では、プリキュアはどこにいるのだろうか。なんにしても、まずは彼女の救援に行かなければ話は始まらない。

 階段を降り切り、外に出た士達はまずなぎさに声をかけ続けているほのかに合流した。着ている白衣がボロボロであることから、つい先ほどまで彼女と戦闘を行っていたと考えるのが妥当だろうか。いくらPC細胞の力があるとはいえ、変身したプリキュアを相手にするのは、相当に根気がいる事だっただろう。

 

「やめて、なぎさ!私の声が聞こえないの!」

「ほのかさん!」

「ッ!みんな!」

「一体何があったラピ!?」

「分からないわ。メップルが現れたと思ったら、突然……」

「ほのか!」

 

 その時、二人の女性が大学の構内から現れた。一人は、月影ゆりだが、もう一人の赤い髪の女性は何者なのだろうか。

 

「ゆりさん、避難の方は?」

「概ね終わったわ」

「マドカ!」

「アイ、よく来てくれました」

「なるほど、あいつがドキドキプリキュアの五人目ってことか」

「えぇ、円亜久里さん。現在城南大学二回生のニ十歳です」

 

 円亜久里、ドキドキプリキュアの五人目のメンバーキュアエースの正体だ。当時のプリキュアは、大体が中学生であったが高校生が一人、小学生が二人いた。その小学生の内の一人が円亜久里であった。当時、小学四年生であった彼女は現在色々な出会いと別れを経験し、甘いものが好物ということからパティシエを目指している。その場合、専門学校に行けばいいのではと思いがちだが、これには理由がある。実は、パティシエになるために必要な資格と言った物はない。しいて言えば、菓子製造技能士や、菓子衛生師といった資格を取った方が就職や転職の際に役に立つというぐらいだ。そのため、パティシエを目指すには、専門学校に通う必要はない。しかし、全くの素人がパティシエなんてしてもたかが知れている。そのため、円は大学は普通の所に行き、その後は南野奏のカップケーキ店で菓子職人の修行をするという選択肢を選んだ。ただ、これは彼女の近くに修行に適した店があったからということもあるので、普通にパティシエになるのなら専門学校に行った方がいいだろう。それはさておき。

 

「あれがキュアブラック、美墨なぎさか?」

「えぇ、十年前に、私ともう一人の子と一緒に戦ってたの……」

 

 因みに、そのもう一人は現在仕事場と一緒にこの大学に向かっている途中らしいというのはありすの談である。

 

「それが、なんでこの大学を襲う」

「分からないわ、メップル……なぎさのパートナーの子が言うには今朝からおかしかったって……」

 

 メップル曰く、今朝残業から帰ってきてからお風呂にも入らず、一人部屋に閉じこもっていたとか。そして、邪悪な気配を感じたと思ったら、次の瞬間彼女の寝室から悲鳴が聞こえ、彼が駆け付けたその時には、彼女はキュアブラックとなっていたとか。

 

「それじゃあれかな?」

「あれ?」

 

 海東が言った。

 

「仕事のストレスで八つ当たりとかさ」

「なぎさはそんなことをする人じゃないわ!」

 

 しかしほのかはもちろん反論した。しかし、海東はそれをあざ笑うかのように言った。

 

「どうかな、人の期待や信頼なんて、簡単に裏切ることができるんだ……だろ?士」

「お前、思い出したように俺を非難するな」

「色々あったけど、僕は君の裏切りを忘れていないからね」

 

 こんなところにまでこの話を持ってくるあたり、本当に怒っているのだろう。正直もうそろそろこの扱いにはうんざりする。これは、本当に仲直りしたほうがいいのではないだろうかと、彼が思っていたその時、ほのかはなぎさを見つめて言った。

 

「なぎさは裏切らない……絶対に」

「たとえ親友であったとしても、裏切るときには裏切る……それがにんげッ!」

「……」

 

 海東はさらに彼女に何か言おうとしていたが、しかしそれはもう関係なかった。目にも止まらない速さで彼女は海東の頬を叩いたのだ。そしてほのかは、海東の目から目線を外さずに言う。

 

「信じて何が悪いの?……なぎさは、私の親友よ。例え疑心暗鬼になったとしても、一度信じた友達を最期まで信じ切るのが、親友なんじゃないの?」

「……」

 

 ほのかは信じる。たとえ、それが綺麗事と言われたとしても、それでも友達を信じることができるのは友達だけだから、それが真の親友であるだろうから。

 

「私は、信じる。例えどれだけ人間が薄汚い人間だと言われても、私は信じる……なぎさを、人の心を!」

「ほのかッ!危ないミポ!!」

 

 ほのかは、なぎさ目掛けて走る。その目の前まで来ると、ほのかは拳を握って殴りかかった。しかし、それはあっさりと受け止められ、逆にカウンターのようにその腹部に重い一撃を貰った。

 

「ゲホッ!ケホ……ッ!」

 

 蹲ったほのかを、なぎさは右腕を振り上げて殴りにかかる。しかし、どういうわけかなぎさは自分の左腕で右手を抑えているため、その腕が下がることはなかった。

 

「なぎさ?」

 

 一瞬の間を置いて、なぎさはサッカーボールを蹴るかのように左足を振り切ってその顔を蹴り上げた。その一撃でほのかの身体は浮かび上り、追撃をかけるようになぎさの蹴りがその腹に突き刺さり、彼女の身体は吹き飛び、何度も転がって元の位置にまで戻る。

 

「ほのか!」

 

 マナやありすがほのかに駆け寄る。しかし、ほのかは心配するなと声をかけ立ち上がった。しかし、その身体はすでにボロボロである。海東は、そのほのかの行動が理解できなかった。

 

「どうしてそこまで信じることができるんだ。……人は簡単に人を裏切る、いざとなったら親友をだますくらいに……それが分からないのか?」

「人が変わることが事実だったとしても、友情は絶対に代わらないってことも事実だから……」

「なに?」

 

 海東の言葉に、ここまで士と海東の二人の喧嘩を見てきて、我慢の限界に達したマナは言う。

 

「貴方と士さんがどれくらい一緒にいるのか分からないけれど、友達だったら分かるでしょ?士さんが、口下手で、自信過剰で、照れ屋でそして優しくって……私、士さんと出会って一日もたっていない私でも、士さんがどういう人なのか私よくわかった……私なんかよりも長く一緒にいる海東さんなら……」

「……あぁ、もちろん分かっているさ、でもそれでも僕は許すことができない……彼の心も踏みにじった士を……」

「……」

「……」

 

 士は、その言葉に疑問がわいた。彼とは誰の事だろうか。少なくとも、あの事件に関連した人物であろうことは分かるが、しかし海東の言っているような人物が思い当たらなかった。しかし、マナはフッと笑うと言う。

 

「やっと本音が少し聞けた」

「なに?」

「今まで話をごまかしたり、自分で考えろって言ってみたりして、どうして自分が怒っているのか正直に話していなかったでしょ。はるかも言ってたじゃん、一人一人が考えることができる事は限られている。だから、言葉を交わして理解し合うことが大事なんだって。……そりゃ、自分で考えることも大事かもしれないでも……分からないことをどれだけ考えたとしても、無駄なことなの。だから話して、聞いて、間違いを正して……それが理解へと繋がっていくの」

「……」

 

 この言葉が、海東の心にどう変化をもたらしたのかはまだ海東自身にもわからない。しかし、一つだけ分かることがあった。もちろん、士を許すことはできない。いや違う。自分は士を許せないのではない。士を許そうとする自分が許せないのだ。そんなことをすれば、自分たちの友情が脆いものだと証明してしまうような気がして、裏切りの果てに傷ついた彼に申し訳ないような気がした。そう、自分と同じように傷ついていた……。いや待て、そういえばどうして彼は許すことができたのだろう。どうして、笑いかけることができたのだろう。どうして自分のように……。

 

「マナちゃん、海東さん話はそれぐらいに……」

「うん、分かってる」

「……」

 

 見ると、キュアブラック他数体の黒い巨体がこちらに向けて歩き出していた。よくもここまでの時間待っていてくれたものだ。本社の方から来たという、士にとって初対面の少女、みゆきは言う。

 

「メップルは、なぎささんから邪悪な気配を感じるんだよね」

「そうメポ、それからなぎさはおかしくなったメポ」

「ミップルも感じるミポ。なんだか気味が悪いミポ……」

 

 なぎさやほのかと言った初代と言われるプリキュアの妖精は、邪悪な気配らしきものを感じることのできるセンサーがあるらしいが正確な詳細は不明である。

 

「ということは……」

「その邪悪な何かがなぎさを操っているかもしれないラピ!」

「それじゃ、それを払いのければ……」

『それは決して不可能です。彼女の心は完全に埋めさせていただきました』

「!」

 

 声がした。心の奥底までネットリと覗かれるような鈍い感覚。それは、あの遠藤止にも勝るとも劣らない、いやもしかしたらこっちの方が気色が悪いのかもしれない。だが、どこから声がしているというのだろうか。なぎさの口から出たような気もした。しかし、違うような気がした。虚空から響いた形のない悪意、何者だ。その時、なぎさの身体からオーラのような何かが霧のようにあふれ出し、何かの形を作る。メイクや鼻についている赤い物から察するに、ピエロだろうか。

 

「あれって……!」

「知ってるの、みゆきちゃん?」

「うん、間違いない……あれは!」

『久しぶりですね、プリキュア』

「ジョーカー!!」

「ジョーカー?」

「うん、ジョーカーは私達スマイルプリキュアの敵で……」

 

 今から十年前、星空みゆきが所属するスマイルプリキュアは、バッドエンド王国という組織と戦った。おとぎ話の悪役、狼や魔女や鬼と言った者ばかりが集まった国で、ピエーロという悪の皇帝を復活させ世界をバッドエンド、つまり最悪な未来にすることを目的としていた組織だ。しかし国と言ってもその構成人数はピエーロを除けば四人と少なかった。その内の一人がジョーカーだったのだ。さらに、ジョーカー以外の三名はジョーカーにそそのかされて悪落ちした妖精であったことが判明し、実質バッドエンド王国に所属していた完全な悪者はジョーカー一人であった。そのジョーカーは、ピエーロが復活した際、溶けてピエーロの一部になり、ピエーロがスマイルプリキュアの活躍で倒されて消滅したものとみゆきたちは思っていた。それが、まさか生きていたとは……。

 

『ククククク……驚きましたか?あの時、ピエーロ様が消滅する寸前に脱出したのですよ。しかし、肉体を構築することができずこうして怨念としてあなた方の前に現れるのにもかなりの時間をかけました。ただ……』

「ただ?」

『退屈しませんでしたよ。プリキュアが絶望する姿を見るのは、滑稽でした。特に、このキュアブラックを含めた何人かは、見ていてむずがゆくなるほど面白い物でした』

「ッ!」

『親友だから、心配かけたくないから、そうして自分を追い込んで絶望に沈み、心にぽっかりと穴をあける。そのおかげで、こうして身体を乗っ取ることができました』

「乗っ取る?」

 

 ありすは、その言葉に疑問を感じた。ジョーカーは奇妙な笑みを浮かべながら言葉を続ける。

 

『私とキュアブラックはすでに一心同体、離すこともできません。もしも無理やりそのようなことをしようものなら、それは美墨なぎさという人間の死を意味します』

「なぎさ……」

「大丈夫ですほのかさん……」

「まだ、希望はあります」

「え?」

 

 マナ、そしてありすは小声でそう言った。

 

「ジョーカーは先ほど、乗っ取ったと言ってました。でも、本当にのっとったんだったらなぎささんの口からそのことを言うはず」

「きっと、なぎささんの身体はまだ完全にジョーカーに飲み込まれていないのです。だったら、まだ救う方法があるかもしれません」

「でも、いつまでなぎさが持つかどうか……」

「私たちが時間を稼ぎます……行こう」

「はい」

 

 そして、ほのか以外のプリキュアの女性たちは前に出る。士は、一度手錠をされている手を見てありすに言った。

 

「ありす、この手錠を外してくれ」

「士さん……」

「いいのかい士?僕が逃げるかも」

「今はそんなことを言っている場合じゃない。それに、その時はその時だ。……俺は、お前を信じているからな」

「……」

 

 海東の少し意味深な沈黙をした。そしてありすは鍵を取り出して言った。

 

「分かりました。手を出してください」

 

 約五、六時間ぶりであろうか、二人を繋いでいた手錠はついに外された。士は、手錠がなされていた手首を上下に振る。やはり、自由に動けるということはいいものだと、手錠をしまいながら思った。

 

「けど、まだカードは返せない」

「必要ない。変身できるか変身できないかなんてものは二の次だ……今はな」

「フッ……」

「準備はいいわね……行くわよ!」

「はい!!」

 

 瞬間、妖精の何体かは煙と共にそれぞれの変身アイテムへと変化した。咲と舞は、フラピとチョッピが変化したクリスタル・コミューンを、ゆりはココロポットを、エレンはキュアモジューレを取り出し、みゆきはスマイルパクトを、マナとありすと六花はそれぞれのパートナーが変化したラブリーコミューンを操作し、海東はディエンドライバーをクルクルと回転させながら取り出した。そして……。

 

「「デュアル・スピリチュアル・パワー!」」

「プリキュア・オープンマイハート!」

≪ララ♪≫

「レッツプレイ!プリキュア・モジュレーション!!」

≪Ready?≫

「プリキュア!スマイルチャージ!!」

≪go!go go! let’s go HAPPY!≫

≪シャルル~!≫

≪ラケル!≫

≪ランス~!≫

「「「プリキュア!ラブリンク!」」」

≪≪≪L!O!V!E!≫≫≫

「プリキュア!ドレスアップ!!」

「キュピラッパ~!」

≪KAMENRIDE≫

「変身!」

≪DIEND≫

 

 瞬間プリキュアたちは光に包まれた。色とりどりの光だ。果たして、次の瞬間には彼女たちの変身は終わった。そして、それぞれが導かれるように言葉を発する。

 

「輝く金の花!キュアブルーム!」

「煌めく銀の翼!キュアイーグレット!」

「「ふたりはプリキュア!」」

「聖なる泉を汚すものよ!」

「アコギな真似は……おやめなさい!」

「月光に冴える一輪の花……キュアムーンライト!」

「つま弾くは魂の調べ……キュアビート!」

「キラキラ輝く、未来の光!キュアハッピー!」

「みなぎる愛!キュアハート!」

「英知の光!キュアダイアモンド!」

「ひだまりポカポカ!キュアロゼッタ!」

「愛の切り札!キュアエース!」

「「「「響け!愛の鼓動!ドキドキプリキュア!!」」」まこぴーがいないけどね……」

「……士、僕も何か言った方がいいと思うかい?」

「別にいいだろ、スーパー戦隊じゃないんだからな」

「だね」

 

 そして士もまたライドブッカーをソードモードにして持った。こうして、彼女たちの友達を取り戻すための戦いは開始された。

 

 蛇足だが、愛は変身の時の言葉である「キュピラッパ」という呪文のようなものをなんとかできないものかと悩んでいる。これは、彼女が赤ちゃんの頃から幾度となく使っている言葉なのであるが、小学生にもなってくると、だんだん言うことが恥ずかしくなって来はじめているのだ。今はまだギリギリ大丈夫であるが、これが中学、高校とまで続いた場合どうしようか、彼女にとってはある意味自分の羞恥心と尊厳を守るための決断が、すぐそこまで迫っていた。が、決断してもしなくても、結局は大人になってもこの言葉を使わないとならないのだろうなと私は思う。以上蛇足終わり。




 小説版スマイルプリキュアの展開は諸事情によりこの際完全スルーします。また、変身シーンもいつもより簡略化しました。毎回毎回全部書いてたら飽きられますし。

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