仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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ネギまの世界2-5

「ユウスケ!」

「明日菜さんどこへ!?」

 

明日菜をはじめとした白い翼のメンバーたちは諭介と共に戦うために下に降りようとしていた。しかしそれを止めたのはもちろんあやかであった。

 

「委員長たちはここにいて!ここは私達が……」

 

そういう明日菜の言葉を聴いてか聴かずしてか、あやかは明日菜の手をつかみその頬に一発平手打ちをくらわした。

 

「!委員長…」

「正義の味方面しないでください!」

 

その言葉は明日菜だけでなく全員に響く言葉であった。そしてそれに続くように3-Aのメンバーたちが口々に言う。

 

「確かに私達は足手まといかもしれない…けど!」

「それでも仲間たちを見捨てていくなんてできない」

「私たちはみんな集まってこその麻帆良学園女子中等部3-Aだもん!」

「みんな…」

 

もう秘密も何もない、すべての事情をここにいる全員で共有している以上彼女たちは本当の意味での仲間であった。

 

「学園祭で使った杖が倉庫に保管されています!それを使いましょう」

 

学園祭の時のイベントで使われた『対非生命体魔力駆動体特殊魔装具―量産型―』のことである。言葉には力があることを示す言葉として言霊というものがある。人間の言葉には魔力や霊力がこもっているというものだ。その力は他人を自由に操ることができ、最終的には自分で自分を殺せと言えば死んでしまう。そのため世の中のすべての人間の名前は偽名で、本当の名前が別にあると言われている。彼女たちが言う魔法具は一般人が持っている魔力でも動くものだ。

 

 

「…お嬢様」

 

刹那は木乃香に危険な目にあってもらいたくなかったためここに残ってほしいと言おうとした。

 

「うちにも逃げろなんて言わんとってな」

 

だが彼女はこれでいて強情なのである。科のjがそういうなら梃子でもひかないだろう。しゆである刹那にはそれが痛いほどわかっていた。

 

「わかっています。…みなさん行きましょう!」

 

全員が外に出る。この街を守るため?世界を守るため?そんなんじゃない。ただ自分たちの未来を守るために。

 

「はぁ!グッ!うりゃ!」

 

クウガは大量のグールを相手に戦っていた。彼は数の多さに対してよく戦っている方である。

 

「フフフ…いつまでもつかな。さぁだめ押しだ」

 

ラミアが指を鳴らすと近くの建物から人型ロボットと蜘蛛のようなロボットが出てきた。海からは巨人のようなロボットが出てきたこともここから見える。

 

「なっ!ロボット!?」

 

これらは麻帆良祭の時に超一味が使っていたロボットたちである。人型ロボット「T-ANK-α3」通称田中さん、蜘蛛のようなロボットは「BUCHIANA」…タチコマじゃないはず。そして30mはあろうロボット麻帆良祭の時「巨大火星ロボ」という名前はあったが特別な名称はない。魔法世界では「鬼神兵」という名称を持つ類似した巨人兵器があるためここではその名前を使おう。

 

「なッ!くそ…このままじゃ」

 

このままではいずれジリ貧になる。士が帰ってくるまでの辛抱だと思っていたがこのままだと…。そう思っていたユウスケは後ろの方から女の子の声を聴いた。

 

「アデアット!」

「!」

「咸卦法!そりゃ!」

 

その少女は明日菜だった。明日菜はユウスケの周りにいたグールを弾き飛ばした。彼女が使った咸卦法は気と魔力を融合して身の内と外にまとい強大な力を得る高難度技法である。これを使えば身体能力がアップして攻撃力や瞬発力が上がるのだ。

 

「大丈夫!?ユウスケ!」

「アスナちゃん!ありがとう!」

「あれは、学園祭の時のロボットか!」

 

千雨はその手に例の魔法具を持ちながら言う。彼女のように魔法を知っていたメンバーでも戦闘に向き不向きがあるメンバーもいる。こういう時は後ろに下がるはずの千雨がここまで前に出るのは珍しいことであった。いやこれは彼女なりの責任感のようなものが作用したのかもしれない。

 

「全部、ぶっ倒すわよ!」

「気を付けるアル!どうやら戦闘用に魔改造されてるアル!」

 

麻帆良祭ではけが人がでたものの死者は出なかった。その理由はロボットたちが出す兵装にある。例えば「鬼神兵」などが出すビームは脱げビームと呼ばれるほど出力が弱く服を消すぐらいしか効果がない物だった。だが今回はラミアの改造により出力を上げたため十分すぎるほどの殺傷能力が付いたのだ。

 

「絶対に当たるなってことでしょ!」

「行きましょう!『敵を撃て』!」

 

命の危険があっても相手に向かっていく彼女達を見ている影がいくつもあった。その中には当然魔法生徒の姿もあった。中には明日菜たちの姿をみて心が揺れ動く者もいた。

 

「お姉様…」

「あの子たち…まだ結界が回復していなというのに」

 

ウルスラの脱げ女こと高音・D・グッドマンとその高音に師事している佐倉愛衣と夏目萌である。正式な魔法使いではないと言え、こんな時に魔法を使えばただで済まない。龍宮真名や桜咲刹那、それにいつもは面倒事に首を突っ込まないようにしている春日美空まであの中にいるところを見ると、彼女たちはその覚悟があるのだろう。高音は迷っていた。彼女たちを手伝うべきか。

 

「手伝わなくていいんでしょうか」

 

佐倉愛衣は彼女たちを手伝った方がいいと高音に進言する。それに答えたのは高音をはさんで反対側にいる夏目萌である。

 

「先生たちと連絡が取れない以上むやみに動かない方が…」

「でもっ!」

 

今現在で学校内にいるはずの魔法先生からなんの連絡もこなければ携帯もつながらないのだ。先生の指示を仰ぐべきだと進言した萌の言葉に愛衣は納得がいかない。

 

「愛衣さん。掟を破ったら『立派な魔法使い』の道も閉ざされるんですよ。それでもいいんですか?」

 

もうネギの行動によって秘密も何もないのだが、掟を破ると重大な罪になるのは変わらない。ここで魔法を使えば彼女たちの夢でもある『立派な魔法使い』にはなることは到底かなわないだろう。しかし、愛衣は間髪入れずに反論する。

 

「お姉様。私は自分の夢のために誰かを犠牲にすることはできません!」

「お姉様言ってましたよね。『立派な魔法使い』は人々を守る正義の仕事だって」

「ここで何もしないことが正義だと言うなら、私、『立派な魔法使い』になんてなりたくありません!」

 

彼女の精いっぱいの気持であった。もしここで止めたとしてもきっと彼女は一人で明日菜たちのもとに向かうであろう。そして…

 

「…わかりました。私も同じ気持ちですわ」

「お姉さま!」

 

彼女は愛衣の気持ちを試したのだ。もし彼女が反対しても高音は戦場に赴くつもりであった。たとえこの後オコジョが待っているとしても、自分が今できることをする。高音はもう一方の萌の方を向いた。彼女の目を見ると萌もまた決心したようだ。もう彼女たちを止めるものなどなかった。

 

「行きましょう!この麻帆良は私たちが守るのです!」

「はい!」

 

今、麻帆良中の力が集結していく。

 




そういえば、オコジョで思い出した…カモ君が出てないじゃん……。
ワッペンにしてどこかに紛れ込まそうか…。

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