仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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基本的に僕は大人が苦手です。だから、僕の小説で光り輝くのは基本的に子供たちということになります。


ネギまの世界2-7

一方ここは空港である。ネギと士はここで本国の使者と合流する手はずになっている。

 

「…士さん、後のことはお願いします」

 

そういうと彼は副担任である士に頭を下げる。

 

「本当にいいのか、ネギ」

「掟を、約束を守れない人間が先生なんてやったらダメなんです」

「何故そう思う」

「…」

「確かにお前は魔法使いとしては約束を破った。けど先生としての責任は果たしたじゃないか」

「先生としての責任…」

 

彼の言葉にネギは考える。先生としての責任…それは。その矢先、テレビが臨時ニュースを報じるのが目に入った。

 

『こちら麻帆良学園です!えー昨日の怪物がまた現れ、街の学生とおもしき子供たちが闘っているんですが、キャッ!』

「!みなさん…」

 

そこには3-Aだけでなく麻帆良の学生たちの姿が写っていた。だがどうやら劣勢のようだ。いくら数や気力で上回っても実力に関してはラミアたちの方が上手であった。

 

「どうするネギ…、お前の教え子たちは皆戦っているぞ」

 

彼は今までの麻帆良で過ごした日々を思い出す。はじめてあの街に足を踏み入れ、同日にアスナの服を吹き飛ばしたり、惚れ薬を作ったり、成績が悪い人たちで勉強会をしたり、お風呂場で体を無理やり洗われたりしたこともあった。エヴァに負けて落ち込んでいた自分のために全員で励ましてくれた。思い返してみるとイギリスで魔法に触れていた時間よりもあのクラスのあの少女たちに囲まれていた時、その方が楽しかった。彼女たちが自分を先生と呼んでくれた時、自分のことを認めてくれたと思った。嬉しかった。最初は全員お姉さんのように思えていたけれど、いつのまにか自分の生徒だと言う自覚を持っていた。明日菜をはじめとした人たちをこちら側に、こんな危険な世界に引き込んだのは自分だ。でも彼女たちは文句を言う人は一人を除いていなかった。その一人も言葉の口々に自分のことを心配してくれているようだった。みんな、みんな、大切な人たちだ。大切な思い出だ。その人たちを置いていくことなんてネギにできるはずもなかった。思い出なんてものにできるはずがない。

その時…

 

「ネギ・スプリングフィールド」

 

ローブを着た怪しい男たちがやって来た。よく見ると周りに人がいなくなっていた。人払いの魔法を彼らが使ったのである。数は合わせて10数人程である。

 

「お前たちが迎えか?」

「そうだご苦労だったな門矢士」

 

お前の役目は終わった後はこちらが引き継ぐと言った風に彼らが言う。しかしそれに反論したのは

 

「…僕は」

「む?」

「僕はまだ帰れません!」

 

そういうとネギは空港の入口の方に向かってく。いきなりのその行動に使いの者たちはすぐに反応できなかった。

 

「なっ!待て!」

 

彼らが止めようとするとネギは振り向きざまに言い放った。

 

「僕は麻帆良学園女子中等部3-A組担任、ネギ・スプリングフィールド…生徒を見捨てるなんて…絶対にできません!!」

 

彼は魔法使いである前に先生であった。彼にとって大事なもの、それは掟ではない、プライドでもない。生徒たちである。あの街に来て手に入れた自分のクラスの生徒たちである。そのことを彼はようやく思い出した。

 

「フッ、その言葉が聞きたかった。そういう事だネギは俺と一緒に麻帆良へ帰る。無駄足ご苦労様」

 

士はネギのその言葉を待っていたのだ。ネギは自分の本当に守るべきものをすでに知っていた。だがここ最近父を探すことや魔法の修行のために授業がおろそかになることが多かった。彼は自分の大切なものを自分から失うすんぜんだったのだ。だが無論彼らが帰ることを許すはずもなかった。

 

「!そんなことが許されるわけが…」

「だったら力づくでいかせてもらう」

 

士は彼らを足止めしようとする。そもそも彼らがたった1人のために大人数で来たことも、こうなることを予想していたのかもしれない。が、その2組の前に第三者が現れた。

 

「足止めは僕らがやろう」

「!お前らは…」

「タカミチ、それに学園長に先生方…」

 

そこにいたのは麻帆良学園にいる全魔法先生であった。

 

「君たちはすぐに麻帆良へ行ってくれ」

「でも…」

「これがわしらにできる罪滅ぼしのようなものじゃからのう」

 

彼らはネギのために来たのだ。掟のために子供たちを見捨てようとしてしまった自分たちの償いのためにも。ち、士はあることに気が付いた。

 

「おい!お前らがここにいるってことは、麻帆良は今ガキしかいないんじゃないのか?」

 

実際にいま麻帆良は子供しかいないいや実際には一般教諭がいるのだが…

 

「そうね無責任かもしれないけど私たちはあの子たちにすべてを任せてるわね」

「未来は与えられるものじゃダメなんだ、未来は自分でつかまなきゃいけない。それができるのが子供だから。僕達はそう教えられたよ…」

 

それは昨日の夜、新田から教えられたことである。未来を作るのは子供たちだ。大人はその道を作るだけでいいのだ。

 

「お前たちは本国の決定に逆らうと言うのか!」

「悪いけど今の僕らは魔法使いとしてでなく…先生としてここにいるんだ」

「タカミチ…わかりました!ここはお願いします!行きましょう士先生!」

「フッ…あぁ」

 

そういうと彼はネギと共に麻帆良に向かっていった。

 

「がんばれよ、ネギ先生…」

 

高畑はその姿にナギ・スプリングフィールドの姿を重ねた。いや今の彼はそれよりも大きく見えた。彼の戦いはこれからである。

 

「キャァッ!」

 

戦況は劣勢に陥っていた。幸い死人は出ていないものの全員傷だらけであった。木乃香のアーティファクトを使っても、けが人の数は増すばかりである。

 

「くぅ…」

「明日菜さん!」

 

あやかが明日菜の近くによる。自分にもっと力があれば、彼女たちのサポートしかできない自分が恨めしかった。

 

「クッ、くそぅ」

 

そして中でもユウスケはラミアや七人衆相手に善戦したと言えよう。彼は信じていた。ネギが、士が来てくれることを。しかしそのユウスケももう変身が解けていた。

 

「フフフ…」

 

一方ラミア側は倒されてもそこに新たに敵を追加するので、圧倒的に優位であった。

 

「あきらめたらどうだ…あのバカは来ない…」

「あいつは来るわ!!!」

「明日菜…」

 

まだ回復していないのに立ち上がるアスナを木乃香は心配する。しかしそれに構わず彼女は続ける。

 

「だってあいつは…私たちの先生だから!!!」

 

先ほどからその言葉を何度も聴いていたラミアはついに怒り心頭に達した。

 

「先生先生ってうっとおしいんだよ!!!」

 

ラミアはその手から光弾を明日菜に発する。しかしそれが彼女に当たることはなかった。

 

「なに!」

 

銀色のオーロラ、それが攻撃から彼女を守った。さらにそのオーロラからバイクのエンジン音が響いてくる。そして…

 

「!」

 

そこから現れたのはバイクにまたがった士そしてその士の後ろから飛び上がったのは…

 

「僕の生徒に!何するんですかぁ!」

 

まぎれもなく、ネギ・スプリングフィールドであった。そして士はバイクから降り、ネギはその横に降り立つ。




次回、ラミアの正体、そして説教がさく裂する。
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