「「「「「「ネギ先生!!!」」」」」」
「先生!」
「ネギ坊主!」
「ネギ!」
「「来るのが遅いんだよ、まったく」」
ネギが突然現れたことに多くの学生は困惑しながらも、皆喜んでいる。千雨はネギに悪態をつきながらもしかし、唇の端をつり上げ、微笑んでいる。士はそれに疑問を持つ。
「みなさん大丈夫ですか!?」
「ネギ先生!空港に向かったはずでは!」
「みなさんを放ってなんていけませんよ!」
「ネギ坊主…」
「僕はみなさんの…先生ですから!」
それは彼の決意の表れであった。その時の彼の背中は大きくそして頼もしさがわきたっていた。そのすがすがしい顔は、傷ついた彼女たちをいやすのに十分であった。
「ククク…先生だと……笑わせるな」
そういうのはラミアである。
「お前みたいなやつが先生なんて名乗るなっ!!」
「ちょっと!あなたにネギ先生の何が分かるっていうの!?」
桜子はそんなラミアの言葉にすぐさま反論する。しかし彼女はつかさず反論を返した。
「分かるさ!なんてったってそいつとは……30年の付き合いだからな……」
「え!?」
ラミアとネギが30年の付き合いだと言うしかしそれでは矛盾が生じるのだ。
「ちょっと待ってください!30年って……ネギ先生はまだ10歳ですわ!」
「そうだよ30年前には先生はまだ生まれもいないはずです!」
そう彼は今10歳である。30年前など、まだ生まれてもいないはずなのだ。この矛盾を解く答え、それは。
「そう……『いま』はな…」
「『いま』?」
「その言い方はまさか…」
かつて、いつか、すぐには、今度は、昔から、時代を表す言葉は津々浦々様々にある。しかしこの場面で『いま』という言葉を使うという事はある一つの可能性以外考えられない。そしてその答えは『未来人』超が答えてくれた。
「そう彼女は……私達元3-Aの一員だった少女ネ」
「なっ…!」
「そんな……」
元は自分たちの仲間の一人だった。その事実はまだか弱い少女達にはショッキングなことであった。さらに間髪入れずに彼女は語る。それは、まるで自分に味方を作るかのように。
「そうさ……今から40年前…」
「平凡で、それ相応に楽しかった普通の学園生活だった……」
「だが、周りの普通が普通に見えなくなっちまったその時……あたしは終わっちまったんだ……」
「…!まさか……あんたは…」
ラミアはさらに続ける。
「…世界記録よりも大きな木、世界記録よりも速く走る人、世界技術の推移を集めても完成しなさそうなロボット……」
「そして極め付けが……『子供先生』…お前だ!」
「…」
そう言いながら彼女はネギを指さす。その青白い目は今にもネギを殺してしまうかの如くであった。
「あんたが現れて、あたしまでいろんな事件に巻き込まれて、そのたびに傷ついて、悲しくなって、周りのクラスメート達が死んで行って!!」
「!!!」
死、その言葉にネギはショックを受けた。このまま自分が彼女たちを巻き込んでいくと、いづれ自分のクラスの皆全員が死んでしまうのだと。確かにもし自分がナギのような英雄になったら、自分の周りの人間にも被害が出てしまう事だろう。関係者であるか、そうでないか関わらずにだ。自分と関わってしまったがために自分の教え子たちが全員死んでしまうという事は、彼らだけでは精神を折るには十分だったのかもしれない。
「全部あんたたちなんかがっ!『魔法使い』なんてものがいたから!!」
そう、彼らだけでは……。どの世界でも最後にはこの人物が決めてきた。この人物が最後の最後にすべてを否定してきた破壊者…。
「そんなの、ただの責任のすり替えだな」
「なに!?」
士だ。
「確かに…この世界の魔法使いは秘密主義で気にくわねぇ。掟のために平気で人の命をないがしろにするどうしようもない馬鹿どもだ」
「だがこいつは違う、こいつは生徒の命のために、掟をないがしろにして魔法を使える」
「掟は人間を縛る碇に過ぎない。それを外すのはいつだって自分自身の覚悟だ」
「その覚悟があるこいつなら……魔法使いどもも変えていける!」
「だったら……なんであたしはこんなことになった!!」
「どうしてあたしは……こんな醜い姿に…」
「お前は、先生を本当に信じられなかったんだ」
「こいつの…今ここにいる生徒たちはみんな今の先生を、そして自分の仲間たちを信頼している」
「その通りだね」
その声と共に現れたのは海東大樹だ。その手にはネギの父親ナギの杖を持っている。
「あなたは…」
「やっぱりこんな棒っ切れが宝物じゃなかったね」
「え?」
「君の本当の宝…大きすぎて僕には盗めない」
そして彼はネギの後ろを指さした。そこにいたのは……
「ネギ!」
「ネギ先生!!」
「ネギ坊主!」
「ネギッ!!!」
「みなさん……」
彼を信頼し、そして彼と共に歩む者たちである。未来がどうとかはもう関係ない。未来は未来過去は過去、そして今は今なのだから。
「もう未来は変わった……これからの未来は…ここにいる小さな光達が決めていく」
「その光を大きく、強くしていく者……それを『先生』というんだ」
「貴様…いったい何様のつもりだ!!」
「通りすがりの仮面ライダーだ……覚えておけ」
「行くよ…ネギ君」
「……はい!!」
海東に促され彼と共に士の隣へとネギは並ぶ。そして海東はディエンドライバーを構え、士はディケイドカードを構え、そしてネギもまだ杖を構える。
「「変身!!」」
《KAMENRIDE》
《KAMENRIDE》
「ラス・テル・マ・スキル・マギ・ステル」
士、海東それぞれがカードを挿入し、海東は銃口を空に向け引き金を引く。ネギは呪文を唱え始め、杖が浮かび始め、風と光が纏まる。
《DECADE》
《DIEND》
「戦いの歌!!」
ディケイド、ディエンドそしてネギ。マゼンダ、シアンそして金色の色が並び立った。
おそらく考えるだけでも一番最悪の未来から来たラミア。
果たして、ネギは彼女を救えるのだろうか。