仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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IS〈インフィニット・ストラトス〉の世界後編
IS〈インフィニット・ストラトス〉の世界2-1


―これまでの仮面ライダーディケイドエクストラは―

「IS学園、ISという兵器の操縦者を育成するための学校よ」

「私……織斑千冬はモンド・グロッソ第一回、第二回総合優勝という経歴を持っている」

「生徒会長の君なら知っているかい? 織斑千冬の専用機、『暮桜』を」

「くそ! あと、もう少しなのにッ!! 届け……届いてくれッ!!」

「俺は、オルフェノクだ」

「俺は……ワームだ」

「小娘たちには手を出すな」

「なら望み通り殺してやるよ……織斑、千冬!!!」

 

 千冬は動じなかった。例え、すぐ目の前にオルフェノクの≪使途再生≫が迫っていたとしても、もしかしたら自分が死んでしまうかもしれないと知っていてなお、動くことは無かった。

 果たして、それは弟をないがしろにしてしまった罪の清算か、それとも最初から覚悟を決めていたのか。どちらにしても、すでに彼女は死を受け入れているようだった。

 それが、人間として決してやってはいけない行為であることを知っていてなお、彼女は死を選ぼうとしている。

 彼には、そんな彼女の行いを許すことが出来なかった。

 例え、自分は偽物でも、例え千冬が自分の本当の姉ではなかったとしても、人間織斑一夏の記憶を持つ彼には、それを許すことはできなかった。

 

「グアァァッ!!」

 

 だから、彼が千冬の目の前に、ワームの織斑一夏が千冬を助けたのは当たり前のことだったのかもしれない。

 

「一夏……」

 

 一夏の肩にオルフェノクの指先が刺さった。狙いが外れていたのか、それとも最初から脅しのつもりだったのか、その場所は彼がいなかったとしても千冬の心臓を射抜くには程遠い場所。どちらにせよ、千冬が死ぬことは無かった。

 

「ッ……ハァッ、ハァッ……」

「……」

 

 それを見たオルフェノクの一夏は、それを見て指先を戻すと彼、彼女たちに背中を見せると言った。

 

「興がそがれた……俺はこれで抜けさせてもらうぜ……」

「一夏……!」

「だが、忘れるな……お前らの罪……俺の復讐は、まだ始まったばかりなんだからな」

 

 オルフェノクの一夏は、そういうと再び≪黒曜≫を出現させて空高くに飛び立った。その痕跡の白色の煙を残して。

 脅威は、去った。だが、その場に残ったのは耐えがたい痛みだけだ。特に、ワームの一夏にとっては、それまでのIS学園での人生すべてを否定された気分。いや違う。否定されたのではない、元々ない物だったのだ。

 自分が歩んできたこの学校での人生は、全てが偽物だった。本物の織斑一夏が経験するはずだった四年間を、全て奪ったのだ。本当は自分には何の誇りもない、何の強さもない、何の目的も、目標もない。それなのに、本物の織斑一夏が持つはずだったソレらをあたかも自分の物のように錯覚していい人生を送っていただけ。本物が苦しんでいる間も、与えられた幸せをただやみくもに消費していただけだ。青春というかけがえのない物を貪り食っていただけだ。

 

「千冬姉……皆、俺……」

 

 ワームの一夏は、彼女たちに振り返った。かつて、家族だった、友達だった、学友だった仲間たちに、それは、救いを求めての行動だったのかもしれない。だが、そこにあったものは……。

 

「一……ッ」

「ッ!」

 

 一つを残してひきつった顔。もう、いつもの笑顔を向けていた仲間たちの姿はなかった。あるのは、ただ目の前の化け物をどうするべきなのか困っている少女たちの顔だけ。ただ、それだけだった。それだけで、十分だった。

 

「ッッッッ!!!!!」

 

 声のない叫びがその場に響き渡る。

 それは、怒りに満ちた虫の声にも、悲しみに満ちた獣の声にも聞こえた。

 そしてそれは、人間の声では決してなかった。

 誰も、彼に話しかけることなんてできなかった。

 

 世界は生で作られている。

 生きたいという願い。

 生きたかったという怨念。

 生きる意味がないという諦め。

 生きる意味があるという自己満足。

 世界は死で作られている。

 死にたくないという後悔。

 死んではダメだという呪い。

 死を選ぶのは悪いことだという偽善。

 死んでもいいという覚悟。

 世界は、生と死で形作られている。

 生と死は表裏一体。

 生と死は水と油。

 生きようとすると、人は死に近づく。

 死が近くによると、人は生を実感する。

 人生というあいまいなくくりの中で生きる人間。

 死という物と一緒に生きている怪物。

 果たして、どちらが真に生きていると実感できているのだろう。

 どちらが、真の人生を謳歌しているというのだろう。

 生きる意味を見失った人間。

 生きる意味を知っている怪物。

 死を覚悟した人間。

 それでも生きたい怪物。

 果たして、どちらが人間らしいと言えるのだろうか。

 人間とは何なのか。

 怪物とは何なのか。

 そのボーダーラインは誰が決めるのか。

 人間を殺そうとする人間。

 人間を守ろうとする怪物。

 あなたの心は人間ですか。

 あなたの心は怪物ですか。

 あなたは、どちらが正義だと思いますか。

 あなたは、どちらを応援しますか。

 あなたは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 本当に人間ですか?

 

ー世界の破壊者ディケイド、いくつもの世界を巡りその瞳は何を見るー

最近、自分としては文字数が少ないとおもうのですが……

  • 最低でも5000文字欲しい
  • 最低でも6000文字欲しい
  • もう少し心理描写を描いて欲しい
  • もう少し会話を増やして欲しい
  • このままの文字数でもいい
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