仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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魔法少女リリカルなのはの世界1-14

「シャマル、ヴィータやザフィーラは?」

「もうすぐ近くまで来ているはずよ」

 

 はやて、シャマルそしてなのはの三人は戦場から少しだけ離れた場所にあるビル中にその身を隠していた。ただ闇雲に走り回って逃げるよりも、こうして身を隠して増援が来るのを待っていた方が安全だとはやてが判断したのだ。

 マスカレード・ドーパント程度であれば、補助魔法専門であるシャマルであっても捕縛することはできる。しかし、それ以上の力を持つドーパントとなると相手をするのは難しい。特にリハビリの途中であるはやてやなのはを連れて戦うのは骨が折れる。この逃げという選択よりも隠れるという選択は、現在の状態を鑑みると最善の選択であるのだ。あるはずだ。

 ドーパントの力が未知数であることを考えると、これでもまだ不十分な様な気がする。けど、信頼している仲間達がすぐそばまで来ているのだ。それまで耐えるしかない。

 

「……」

 

 その中で、なのはは一人自問自答する。何故、フェイトが自分を突き放す様な言葉を言ったのか。

 もう、自分は彼女にはいらない存在なのか。もう、また一緒に戦おうといってくれないのか。

 あの時みたいに、あの時一緒に戦っていた時のように。

 2年。そう、まだ2年しか経っていない。自分と、フェイトと出会って、魔法と出会ってから。2年しか。

 自分は、その2年間ずっと戦い続けてきた。ほとんど休むことなく、多くの人間のために。自分を犠牲にして、それでも戦った。

 その間、ごく稀に小さな怪我をすることはあったけど、それでも戦うことができていた。だから、自分は、今回も戦うことができるはず。

 なのに何故みんな戦わせてくれないのか。何故親友は、自分に戦うなと言ったのか、まるで理解ができないでいた。

 

「なのはちゃん」

「はやてちゃん……」

 

 はやてが、なのはの身体を抱き締める。まるで、親が子を抱き抱えるかの様に優しく。

 

「そんなしんみりした顔せんといてな」

 

 そんなに、自分の心が顔に出ていたであろうか。

 また、あの時見たいに、心配をかけてしまっていたのであろうか。

 自分が、弱いから。

 

「なのはちゃんは弱くないて、けどな……強くもないんや」

「はやてちゃん……」

「やから、私達をもうちょっと信用してな」

 

 信用していないわけじゃない。頼りにならないわけがない。

 自分は、みんながそばにいるだけで安心できる。みんなと一緒にいるからこそ強くなれる。

 だから、今に不安を感じているわけじゃない。

 ただ、自分が、自分が、自分が。

 自分が、戦いたいだけなんだ。

 

「はやてちゃん!」

「どうしたんシャマル!」

「大きな魔力が近づいてきてるわ! それも、真っ直ぐここに!」

「なんやて!?」

 

 付近を索敵していたシャマルが、見つけた物。それは、怪我をする前のなのはよりも巨大な魔力を持った存在。それが、真っ直ぐ隠れているはずの自分達に向かってきていると言うのだ。

 何故。そんなことを考えている余裕なんて彼女達にはなかった。

 

「とにかくここにいると見つかる! 早く別のところにいかな!」

「待って! このスピード、逃げ切れるはずがないわ! 私が、戦闘は得意じゃないけど、時間稼ぎなら……」

 

 病院の時のシグナムと同じく、シャマルは殿を買って出る。だが、戦闘に特化したシグナム達とは違い、彼女は後衛サポートが得意であるため、戦闘には向いていないのは確実。危険がすぎるのだ。

 このままじゃ一貫の終わりだ。何かしなければならない。なのはは、胸元からレイジングハートを取り出すと言った。

 

「レイジングハート!」

《NO、master(ダメです。マスター)》

 

 当然、レイジングハートの返答はつい先ほどと同じモノであった。

 

「レイジングハート、今は私の体のことなんていいの! 早くしないと、はやてちゃんやシャマルさんが!」

《For me, the most important thing to protect is the master. I can't do anything that puts the master's life at risk(私にとって一番守るべき存在はマスターです。そのマスターの命を危険に晒すような真似、私にはできません)》

「レイジングハート!」

 

 レイジングハートは頑なであった。まるで、本当の人間がその中に入っているかのように。

 本当はそんなことはない。レイジングハートの中に入っているのはただのAIであり、彼女はただの機械だ。でも、機械にだって感情はある。それを証明するかのように彼女はなのはのことを守ろうとしていた。

 けど、そんなものなのはにとっては要らぬお節介に過ぎなかった。

 

「お願いレイジングハート! 私に、みんなを守らせて!」

《NO Master》

「お願いだから、私にも戦わせて……」

《NO Master》

 

 次第に、なのはの声に涙と悔しさが混じるようになってくる。

 何故、こんなにもみんな自分に戦わさせてくれないのか。

 いつもだったら、一緒に戦ってくれるはずなのに、いつもなら何も言わなくても共に戦ってくれるのに、仲間も、相棒も絶対に自分を戦わせようとしない。

 何故。こんなに自分が苦しまなくちゃならないのか。

 何もなかった自分に与えられた魔法で、大勢の人を救うと言う道が開かれたのに、何故こんなに苦しめられなければならないのか。

 自分が守ったものに見捨てられ、守ろうとした者にも断られ、共に守る相棒にも愛想を尽かされて、一体自分に何が残る。

 戦えない自分に、一体何の価値がある。

 何もありはしない。自分に残っているのは、ただ戦う才能のみ。その才能で大勢の人の命を救うと言う大義だけが彼女を突き動かしていた。

 だからである。

 彼女にとって、命とは大切な物。

 しかし、彼女の命は他人の命とは比べ物にならないくらいに安い物。

 本人は全く自覚していない、無意味にすり減らされていく寿命という死神は、彼女の心に鎌をヒンヤリ当てて待っている。

 だから彼女以外の人間が止めなければならないのだ。その刃を、そしてその命を、その未来を、守るために。

 

《Master》

「え?」

 

 悲しみに濡れる彼女を励ますことは逆効果。ならばとレイジングハートは語る。彼女の思いを。作り物の自分が一所懸命に考えたその言葉を。

 

《No one has an indomitable heart. But Raising Heart is by your side》

 

 その言葉の意味するところ。それは。

 

「え?」

 

 その時、レイジングハートは消失した。まるで、最初からそこにいなかったかのように。

 

「レイジングハート?」

 

 なのはは、目の前で信じられないことが起こったと言わんばかりに周囲を見渡して相棒の名を呼んだ。

 だが、返事が返ってくることはない。

 どこ、どこに消えたの。問いかけても、誰も答えてはくれない。

 もしかして、夢だったのか。今までのことは、そんなふうに現実逃避をしようとしていたなのははしかし、ある声に呼びもどされる。

 

「なのはちゃん!」

「!」

 

 はやての声だ。なのはは、その声を頼りとしてはやての方へと顔を向ける。その瞬間だった。

 殺気を感じる。自分を、ソレでい頃瀬そうなくらいに暗く、冷たく、そして優しい殺気だ。なのはは、まるで壊れた扇風機のように急激に顔を逆方向に向ける。そこにいたのは……。

 

「ニャー」

「フフッ、こんにちわ。高町なのはちゃん」

「ドーパント……」

 

 猫をその手に抱えているドーパントが、空中からゆっくりと床に降りようとしていた。

 不思議だったのはその姿形に見覚えがあったからだ。似ている。自分が魔導師として戦う時のバリアジャケットに似ている。

 白を基調とした制服のような身体の色と形、でも自分が着用していたバリアジャケットはもう少しふわりとしていた。しかし、そのドーパントの場合は服自体が怪物のそれと一体化しているかのように張り付いており、また悪魔のような毒々しい形のツノや血のような赤い色彩も混じっている。

 それを見たなのはは思う。

 ≪私みたいだ≫と。

 

「後ろに下がって、なのはちゃん!」

「ッ!」

 

 その声と共に、シャマルがなのはとドーパントの間に立ちふさがり、言った。

 

「貴方は何者!? レイジングハートを消したのは貴方なの!?」

 

 警戒を怠らない、すぐに魔法を放つことが出来る体勢で問うたシャマル。

 床に降りきったドーパントは、ただ猫を人撫ですると、笑みをこぼしているかのように言った。

 

「正確にはこの子よ」

「その、猫……?」

「もしかして、ロストロギアか!」

「そう、その通り」

 

 直感のような物。と言ってもいいのか、あるいはそんな芸当が出来るのはロストロギアしかないと断定しての言葉か、はやての言うようにその猫はロストロギアに間違いなかった。

 しかし一つ疑問が生まれる。

 

「どうして、レイジングハートを……」

 

 レイジングハートは確かになのはを魔導師へと変身させるための大切な相棒だ。それは間違いない。

 しかし今のなのはは変身することが難しいのだから消失させる意味はないはず。むしろ今消されなければならないのはシャマルやはやてというなのはを守る二人のほうのはずだ。それなのに、何故。

 

「そんなの、決まっているわ」

「え?」

 

 そう言うとドーパントは、手のひらを上に向けてなのはに手を差し出してから言った。まるで、手全体でなのはを指名しているかのように。

 

「例えどれだけ彼女が拒んだとしても、いずれあなたに押し通されて変身されてしまう。そうなったら、貴方がまた傷ついてしまう。それを止めさせるためよ」

「ッ!」

「つまりなんや……なのはちゃんのためやって、そう言いたいんか!」

「まぁ、広義的な意味では……ね」

 

 あまりにも独善的すぎるやり方だ。だが、もしかしたらそんな未来もありえたかもしれない。なのはを変身させないためにはその方法しかなかったのかもしれない。そう思ってしまうほどになのはの心がかたくなであるのだから、そんな野蛮な方法でしか彼女の事を止められなかったのかもしれない。

 残念だが、彼女の方法は最も暴力的で、かつ最も現実的になのはを止める方法だった。

 けど、もちろんそれ自体を完全に許せるわけじゃない。しかし、はやての想像だと彼女の罪はそれだけじゃないはずだ。

 

「まだあるで! なんで夏海さん達を消したんや!」

「え!?」

「はやてちゃん、それってどういう事!?」

 

 確かに夏海やユウスケが突然失踪したという話はシャマルやなのはも知っていた。しかし、まさかその犯人もまたそのドーパントであったと、本当にそういうのか。はやては苦虫を嚙み潰したような表情を浮かべて言った。

 

「さっき、レイジングハートは一瞬でなのはちゃんの手から消えた。夏海さんやユウスケと同じや……それだけやない! 夏海さんたちは、消える直前にこう言ってたんや! ≪猫の鳴き声≫が聞こえたってな!」

「猫……それって……」

 

 今、ドーパントが抱いているのも、猫。

 ならば、二人を消したのは、その推理にたどり着くには十分な材料だった。

 

「そう、≪私≫よ。中学生の女の子たちを消したのも……ね」

「!?」

 

 中学生の女の子たち。それは、まさかあの麻帆良学園から来たという少女たちの事か。まさか、彼女たちまで。

 それに、その一人称。まさか、このドーパントの正体は女なのか。

 中学生の女の子たち、中学生の、女の子たち。≪あの二人≫を追って出て行った、中学生の―――。

 

「ッ! あ、アリサちゃんとすずかちゃんは!?」

「あ……」

「せや、あやかさんたちが消されたんなら、二人も……」

 

 ここではやてもまた思い出した。そうだ、あやか達は病室から飛び出して行ったアリサとすずかの二人を追って言ったのだ。四人が消されたという事は、あの二人もまた。

 

「どうなの!?」

「……」

「ねぇ!」

 

 なのはは、問い続ける。私の友達をどうしたのかと。何をしたのかと。そして、何処に行ったのかと。

 いつぶりだろうか。これほどまでに二人のために怒るのは。二人のために行動をしているのは。

 二人の、ために。

 

「え?」

 

 そこでなのはは気が付いた。どうして、いつぶりなんて言葉を使っているのかと。

 だって、自分は先ほどもう二人のために行動していたではないか。二人のために、家族のために早くミッドチルダに帰るって、そう言葉を発してるじゃないか。なのに、何で今自分はいつぶりなんて。

 本当に、二人のために。二人のために。ために。

 

「ッ!」

 

 突然だった。あまりにも突然なのはは気が付いてしまった。自らの過ちに。

 そうだ、何が二人のためを思ってだ。なにも二人のためになっていないじゃないか。

 いつ死ぬか分からない任務に就いて、もしかしたらそれで二度と逢うことがない可能性だってあったはずなのに、簡単に帰るなんて言葉を使って、本当にそれで二人のためになるのか。

 

「あ……」

 

 また、気が付いてしまった。自分が、とんでもないことを口走ってしまったという事に。なんで、それを不思議にすら思わなかった。ソレが、彼女たちを傷つけているのだと考えるに至らなかった。

 帰る場所なんて、一つしかないじゃないか。居たい場所なんて、一つしかないじゃないか。

 けど、自分はそのたった一つを見誤った。そして、二人を傷つけた。

 

「あぁぁぁ……」

 

 友達なのに、はやてやフェイトよりもずっと前からの友達なのに、親友なのに。なのに、自分は二人に友達らしからぬことを言ってしまって、それどころか、絶交宣言に近い言葉を発して、それを理解することもできずに、自分は一人酔っていた。自分の中の考えが正しい物であると信じ切っていた。

 自分の愚かさに、眼を背けていた。

 

「私……私……ぁぁぁぁああああ゛ぁあ゛あ゛ぁぁ゛!!!」

「なのはちゃん!」

「なのはちゃん!?」

 

 突然叫び出したなのはに、一瞬の恐怖を覚えたはやてとシャマルは同時に声をかける。

 だが、まるで聞こえていないかのようになのはは顔を手で覆い崩れる。

 どうしてこのことに気が付いていなかったのか。その絶望に苦しむ彼女に、何を言っても無駄なのだ。

 

「苦しいのね、辛いのね……私には、分からない絶望を感じているのね……」

「ッ!」

 

 ドーパントは、まるでなのはの心境を理解していないように、しかし同時になのはの絶望に理解を示すように、そして聖母のようにそう言った。ドーパントの眼からは一筋の涙が流れ出す。まるで、なのはのことを憐れんでいるかのようだ。

 

「でも、もう大丈夫。私が貴方≪達≫を解放してあげる」

「貴方達って事は……」

「私たちもターゲットか!」

 

 これは想定外だった。ドーパントの目的がなのはただ一人だと考えていたのに、自分たちまで標的に入っていたなんて。ドーパントは続ける。

 

「両親を失い、孤独だったあなたにできた心優しい家族。でも、その中の一人は失われてしまった……」

「ッ!」

「たくさんの人達の不幸を産み、奪い、苦しめてきて、でもその記憶も失くして、それでも懺悔する日々は終わらない……」

「くッ……」

「そして……自分自身を偽り続けて友達と、家族との生活を犠牲にして、もう決して止まることが出来ない、引き返せないところまで来てしまった……待っているのはたった一人きりの死だけ……」

「ッ゛!」

「その悲しみから……私が、解放してあげる」

 

 偽善者だ。はやては彼女のことをそう断じて見せる。あまりにも自分勝手に、誰かの人生が悲しい物であると決めつけている。そんな人間に自分たちの事をどうこうさせる筋合いなんてない。

 

「ふざけんなや! 人はたくさんの悲しみや後悔と一緒に生きとるんや! それに目を背けてなんて生きていけへん。背負って生きていくしかないんや!それを、ただ悲しみの一言で終わらすなんて……そんなん私はいやや!!」

「そうやって、貴方たちは自分に言い聞かせて生きている」

「なんやて?」

 

 ドーパントは、まるで怒りに震えている自らを制しているかのように握りこぶしを作るそして―――。

 

「ハァッ!!」

「!」

 

 その時、4階の高さを飛び上がって窓を突き破り、仮面ライダーディケイドが現れた。

 

「無事か、なのは! はやて!」

「士さん!」

「つ、かささん……どうして、ここが?」

 

 何故これほどの数のビルの中から自分たちがいた場所を突き止めることが出来たのか。弱弱しく疑問を口にしたなのはに対し、士はライドブッカーをソードモードにしてドーパントに向けながら言った。

 

「そんなことどうでもいい」

 

 勘だからな、と彼は心の中でつぶやく。何とも適当な男であるが、しかしその適当さのおかげで助かったともいえる。

 

「仮面ライダーディケイド……」

「お前か、なのはを狙っているのは?」

「そうでもあり、そうともないと言える……」

「何?」 

 

 ドーパントはそれだけを答えると。腕の中にいたネコをその場に降ろして、腕を振り上げた。その瞬間、その腕の先に光弾がいくつも出現する。

 

「あれは!」

「なのはちゃんのつこってる……」

「ディバイン……シューター……」

 

 それは、射撃魔法の一つ≪ディバイン・シューター≫という物で、なのはが使用している魔法の一つであり、彼女が頻繁に使用する魔法だった。しかしおかしい。本来魔法で生成された物からは魔力が感じ取れるはずだ。なのに、何故何も感じない。魔力で作られたものではないというのか。

 

「行け!」

「フッ! ハァ!」

 

 ディケイドは、次々と繰り出される光弾を切り落としていく。数も多くなく、一発一発の攻撃力は低い。これならば、苦労せずともドーパントの元にたどり着けるだろう。

 

「やっぱり、この程度じゃ止まらないか……なら……」

 

 ドーパントは、両腕を前に付きだす。と、その手から二つの桃色の魔法陣を出現させる。

 

「なんだ?」

「私の……お仲間よ」

「なに?」

 

 敵を出現させる能力なのか。であるのならば、その敵が出てくる前に倒すだけだ。ディケイドは、ライドブッカーを振り上げると、ためらうこともなくドーパントに向けて振り下ろした。

 

「ハァァァァ!!!」

 

 カードを使用していないため致命傷とまではいかないだろうが、魔法の使用は何としても防がなければならない。

 現在この場で戦えるのは自分ただ一人、フェイトたちがこちらに向かっているとはいえ敵は一人でも少ないほうが良い。そう考えたのだ。

 しかし、ドーパントを攻撃するために振り下ろされたその剣は―――。

 

「!?」

「え……」

 

 魔法陣から現れた二人の少女を前にして止められた。

 なのはは、今自分の目の前に映る光景が信じられないでいた。

 なんで、どうして二人はそこにいるの。だって、貴方たちは夏海のように消されたはず。なのに、なんで。

 それだけkじゃない。確か、ドーパントは彼女たちを出現させる前に自分の仲間を出現させるという話をしていた。という事は、必然的に彼女たちがあのドーパントの仲間であるという事になる。

 嘘だ。嘘だ。嘘だ。

 信じられない。信じたくない。だって、二人は、二人は私の大事な友達で、大切な友達で、かけがえのない友達で、無くしたくない者で、そして―――。

 

≪flameeyes≫

≪snowwhite≫

 

 親友なのに。

 少女達は、なのはの見ている目の前で自らガイアメモリを身体の生体コネクタに差し込んだ。

 ガイアメモリは、ゆっくりとしかし確実に二人の体内に侵入し、途端に二人の身体を異質なソレへと変換させる。

 マグマのような赤を基調とした燃え滾るような身体を持つドーパント、≪フレイムアイズ≫。

 凍えるような白い身体を持ったドーパント≪スノーホワイト≫。

 そして、その変身者は―――。

 

「アリサちゃん……すずかちゃん……」

 

 彼女が、命を賭けて守りたかった存在であった。

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