仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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 実は今回、話を練っている中で余りにも暗くなりそうだなぁと思ったので緩衝材を一つ取り入れることを考えました。


魔法少女リリカルなのはの世界後編
魔法少女リリカルなのはの世界2-1


―これまでの仮面ライダーディケイドエクストラは―

「高町なのはちゃん!?」

「あの女には組織をつぶされた借りがある」

「……士先生は、子供が仕事をすることを望んでいない……いえ、憎んでいる?」

「俺は……死んでいた方がよかったのかもしれない」

「もういい……ミッドチルダにでもどこにでも……いけばいいじゃない!」

「これから君は、こう名乗るがいい……」

 

 春の暖かい風が窓から入ってくる。外を見れば近未来的な建物が並んでいた。その場所がどれだけ発展を遂げたかは今からおよそ100年前の姿と比べて一目瞭然であった。中でも遠くに存在している宇宙エレベーターはその違いの極みであると言ってもいいだろう。

 この街、旧麻帆良市はその昔、不思議が不思議じゃない、非常識が常識とうたわれるほどの街であった。しかし今はこの街の常識が世界の常識になっている。いやこの世界にいた者たちが広めた非常識が常識となったと言っていい。そんな町のある一つの家のベッドの上に横になっている女性がいた。その顔に刻まれたしわが年齢を感じさせるが、しかしそのしわさえもきれいに映っていた。

 

「おばあちゃん!」

 

 そこへ年老いた女性にどことなく似ている子供、彼女の曾孫である子供が廊下に通じるドアからひょっこりと顔を出した。

 

「ん?どうしましたか?」

「おばあちゃんにお客さん!!」

「有難う……お通しして下さい」

「うん!!」

 

 そういうと子供はドアの外に出ていく。そして少し後に現れた者は人形を大きくしたかのような童顔の金髪の少女であった。

 

「あなたは……」

「久しぶりだな『雪広あやか』」

「えぇ……あなたはお変わりありませんねぇ」

 

 この二人が同級生であるなど、誰が思うであろうか。あやかの言葉を聴いて当然だと言う風にフッと笑う。年老いた女性と中学生のような少女、果たしてどこで知り合ったのかとハタとみれば疑問に思うであろう。

 

「今日は報告に来た」

「なんですか?」

「昨日、長谷川千雨が死んだ」

「そう……ですか……」

 

 長谷川千雨というのも又雪広あやかの同級生だ。115歳という年齢で亡くなったのだから長生きしたと言えよう。その死因は老衰。ただ、その最後をみとったものはここにいる少女だけだと言うのが何だか寂しさを感じさせる。

 

「これであのクラスで……人外以外で残っているのはお前だけだな……」

「そうですね……」

 

 あの時の、麻帆良学園女子中等部の3-Aで今生きているのは俗に人外という長生きをする人種、そしてここにいる雪広あやかだけであった。実際には40年も生きていない人間もいる。何人かの生徒は自分の理想のために自分の正義のために死んでいった。それが間違いであると多くの人間に言われた。巻き込まれて死んだ者もいる。ただ友人であると言うだけで殺されたものもいる。しかしそれでも彼女たちは、世界の平和のために、ただそれだけのために―――。そのたった一度しかない人生を捨ててしまったのだ。

 

「……結局戦争を止めることができず、再会の約束までも果たせそうにありませんね」

「お前は長生きした方だ。あいつが寝坊するのが悪い。其れに戦争うんぬんはお前ひとりが何とかできる問題ではなかろう」

「フフフ……あの人らしいですわ……」

「……」

 

今から100年前、彼女の親友『神楽坂明日菜』が眠りについた。これは死んだという意味ではない。ある事情から100年間の眠りにつかなければならなければならなかった。もしかしたら目覚めたら人格が変わっているかもしれないと言われたときにはショックだった。しかしそれ以上にショックだったものもいる。あの当時のクラスのほとんどが彼女が眠りについた『後』に聞かされた話だったからだ。

 結果半分以上の生徒はそれに納得できずに、怒りや悲しみの感情がその場に流れていた。そしてその時の小さな先生にあやかは約束した。絶対に100年間生き残って、明日菜に会ってやる、と。実際に100年生きた彼女の執念は素晴らしいものがある。しかし彼女はまだ目覚めない。これには戦争による影響があると言われた。しかし今はそんなものはどうでもいい。ただ彼女との約束が果たせないことが彼女にとって心苦しいことであった。

 

「……明日菜さんが目覚めたら……例の木に行くはずですわ」

 

 そう言いながらある写真を少女に渡す。そこにはあやかが写っていた。この時代の写真は音声も残せるものになっており、そこには明日菜に対するメッセージが入っている。いわば遺言である。

 例の木というのは、タイムカプセルを埋めた木のことである。一度埋めた後、様々な人物が幾重にも掘り返し、中に写真を追加していった。彼女が目覚めた時、自分たちはこうやって生きたのだと、知らせるために。彼女の写真はその最後の一枚である。

 

「よかったら……あの子を迎えに行ってもらえないでしょうか?」

「……あぁ分かった。だからもう休んでもいい」

 

 彼女も分かっているのだろう。あやかに潜んでいる死の影のことを。

 

「死ねるということが人間にとって最大の幸福なのだからな…」

「そうですね……向こうに行ったらみなさんがいます……喧嘩してなければいいのですが……」

「そうだったのなら、お前が何とかしてやればいい。だろ、『委員長』?」

「えぇ……」

 

 少女は吸血鬼であり不老不死の身である。この姿でも700年生きている。その間に彼女の知り合いはほとんど死んでしまった。別れというのも、もうなれてしまっていた。しかしそれでも―――。

 

「さらばだ雪広あやか…お前は意外と面白い奴だったよ……」

「エヴァさん。長い間ありがとう……」

「さらばだ……」

 

 そうして彼女は窓から外に出ていく。ふと見ても、それはすでに空の青に溶けて行ってしまっていた。

 

「さようなら…………」

 

 この一週間後彼女は安らかに旅立っていった。さらに30年後神楽坂明日菜は目覚め、そこでエヴァと再開し、過去に戻っていくのだが、そんなことをこの時のあやかが知る由もなかった。いや別の意味では知っていたのかもしれない。なぜなら明日菜の事を一番知っているのは彼女なのだから。

 

 バラバラになった「友情」は戻らない。決して、絶対に。そう感じながら彼女は死んでいった。

 

 自分が死ぬ夢というものを見たことはないだろうか。

 それは、ただの夢だ。

 どれだけ夢の中の自分が傷ついても、死んでも、その結果現実の自分がどうなるというわけではない。

 けど、痛い。

 夢の中の自分が傷付けば、傷ついた場所が痛くなる。殺される夢ならば、殺される恐怖に襲われる。

 いやだ。いやだ。死にたくない。そう叫んでも夢の中の自分は動かない。動けない。まるで、自分が自分じゃないみたいに。

 あの時の自分は本当に夢の中の自分であるのか、時に考えることがあるだろう。

 もしかしたら、現実の方の自分が、夢の存在であるのかも知れない、そう考える時もあるかも知れない。

 夢と現実、曖昧な世界で生きる者。

 その世界での死は現実ではない。ではなんなのか。

 夢という空間、その正体はなんなのか。

 こうは考えたことはないだろうか。

 夢、とは平行世界の自分の記憶なのだと。

 そうだとしたら、あの痛みは本当に自分が味わった痛み。あの苦しさは、あの恐怖は。

 実際に自分が味わった畏怖。

 そして、その存在が転生した結果生まれたのが、現実という世界の自分。

 であるのならば、こう考えられるのではないだろうか。

 今生きている人間全てが、転生者であるのだと。

 

ー世界の破壊者ディケイド、いくつもの世界を巡りその瞳は何を見るー




 はい、こちら前編第一話と同じく【バッドエンド・ガールズ・リターン】通称【B・G・R】の第一話抜粋です。付け加えたのは最後のポエムと一番最初のみ。因みに≪UQ HOLDER!≫の設定は全無視しております。理由は原作を読むモチベーションがなかったからです。
 いつか【B・G・R】のあらすじや設定、出す機会があれば出します。
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