SAOの世界には3つの派閥がある。一つは第一層始まりの町にいるプレイヤー郡、一つは中間層でレベル挙げやアイテム集めをしているプレイヤー郡、そして最前線で戦いをしているプレイヤー郡である。始まりの町にいるプレイヤーは自分で攻略することを諦めいつの日にか、ゲームがクリアされることを待っているプレイヤー達、約2000人いるとされている。2つめに中間でプレイしている組は、まだ、前線で戦うほどの力は有してはいないもののいつかはそこに加わりたいとしてレベルアップに勤しんでいる者達である。そして3つめ、前線でたたかうものたち、通称攻略組である。約6000人いるプレイヤーの中でそれに属しているのはわずかに500人程度とされる。しかし前線で戦うということは一番死亡率が高いということであるため、数が少ないと言うのも理解できよう。さらに攻略組も2つにわけられる。ギルドという組合作って戦う者達と一人で戦うソロプレイヤー。ギルドにも有力な組織が3つある。一つは『アインクラッド解放軍』SAO最大の規模を誇ったそれは、前線には出てこないものの、多数の人員を持っていた。しかし、ある事件の後上層部が解散を発表し、今は軍の名前を使ったごくわずかなプレイヤーで構成されるのみであった。次に『血盟騎士団』SAO最強と称されるギルドである。構成メンバーは50人程度と中規模であるものの、その全員が攻略組の強者である。そして、最後に『聖龍連合』。彼らは他のギルドと違ってある一点意外は特出すべき点はない。しかし、その一点が厄介なのだ。彼らを評するのなら危険。レアアイテムを取るためであるならPKも辞さない集団である。この中で、始まりの町にいるプレイヤー郡は何をしているのだろうと想う者もいるだろう。前線で戦うこともせず、ただただ他力本願で時間が過ぎるのを待つばかりだと思うものもいるだろう。しかし、考えてみると、彼らが人間として、普通の世界で生きる者として一番まともなのかもしれない。この狂気に満ち、非現実的現実であるその世界では。
「くっ!はあッ!」
ユウスケは、クウガに変身し戦うものの
「うわっ!」
劣性にたたされていた。
「くそっ…」
三つ巴とはいえ、どちらも本来の敵は自分なため、集団で一対多であることはかわりない。何より、ユウスケ自身があまり戦おうとしないのもあった。無理もない、先程から彼らの話を聞いていると、どうにもこの世界はリーファのいたALOではないのだ。彼は言ったアイングラッドと、ソードアートオンラインの舞台となっている場所であり、写真館の背景もまたソレである。ということは、この世界は…。そう考えると彼は戦う気にはなれなかった。彼らは確かに自分と戦っている敵だ。だが、ソレと同時にSAOに囚われた被害者でもある。そんな彼らと戦う等とは…。彼の心のなかにある優しさが災いした瞬間であった。
「おらぁ!」
「ッ!」
その時、キバオウと呼ばれたアイングラッド解放軍のリーダーがユウスケに襲いかかる。キバオウの迫力は鬼気迫るもので、その勢いにユウスケは飲まれてしまった。
「ぐあぁッ!」
頭に血がのぼり本来の目的を忘れたのか、キバオウは剣を構えユウスケに止めをさそうとする。構えられた剣をは光のエフェクトが走り、一瞬ソレが弾けた。ソードスキルを放つ溜めが終わったのだ。
「これで終いやッ!!」
「くっ!」
(こうなったらやるしかないのか…けど!)
ユウスケは死が目前まで来ているというのにまだ悩んでいた。いました超変身してタイタンフォームになれば、その鎧の耐久性から耐えることができ、反撃もできる。だが、防御はともかく反撃は…。その時だ。
「ぬおぅ!」
「なっ、なんだ…」
青い光の球が降り注ぐ。その攻撃によってキバオウは怯みソードスキルがキャンセルされる。ユウスケはその隙に後ろに飛び退いてキバオウとの距離を開けることに成功する。ユウスケを救った青い弾丸。それは、見覚えのあるものだ。
「今の攻撃…まさか」
ユウスケは咄嗟に後ろを振り向く。そこには、彼とは顔馴染みとなっているシアン色の仮面ライダーが立っている。
「海東!」
「やぁ、小野寺ユウスケ君…こうやって君と面と話すのも久しぶりだ」
そこにいたのは、士と同じ、世界を渡る能力を持っている仮面ライダー、ディエンドの変身者海東大樹であった。前回、ネギまの世界では戦闘中であったこともあり話す機会は全くなかった。なので、こうして顔と顔を付き合わせて話すのは、ライダー大戦の世界以来だ。
「なんやおのれは!」
「僕はただの通りすがりの怪盗さ」
彼はそういうとカードを三枚とりだしディエンドライバーに充填する。
KAMENRIDE SAIGA IBUKI
現れたのは、白を基調とし、Ψのマークに似たマスクとそのマークの間を埋めるような紫色の光が特徴的なサイガ。黒く、青色も所々にみえ、頭に角が3つあるのは、威吹鬼である。威吹鬼は、言葉を発することなかったが、サイガはプレイヤーの方を指差し、手を自分の首の前て右から左にスライドさせながら言う。
「It's show time!」
それは原典、あるいは原作と言われる世界のサイガであった。もっとも、もとの世界の彼はもう少し大人しかったらしいのだが。
「行ってきたまえ」
「ワッフー!!」
「…」
ディエンドのその言葉を皮切りにサイガ、威吹鬼は走り出す。威吹鬼は、トランペット型の銃、『音撃菅・烈風』で、空気弾を放ち攻撃していく。
「なにぃ!?この世界で銃だと!!」
それまで、ほとんど剣しか存在しなかった世界で初めての銃による攻撃に聖龍連合は戸惑い、そして集団は散らばっていく。確かにそちらもそちらで大変なことになっているが、もう一方ももう一方で、軍の面々を驚愕させていた。
「HEY!come on!!」
「そ、空を飛ぶなんて卑怯だぞ!!」
この世界では確かに現実よりも高くジャンプもできるしジャンプをしながら攻撃することも可能である。しかしサイガは、背中に背負った飛行用バックパック『フライングアタッカー』で空中を飛びながら銃で攻撃を途切れなくするものだから反撃する隙など与えられなかった。
「目には目を、歯には歯を…」
今さらであるもののはっきり言おう。
「剣には銃を…てね」
チートにも程がある。特に近接武器しか存在しないこの世界にとっては。
「それぐらいにしろ海東!彼らはもしかしたら…」
「SAOのプレイヤー…」
「!」
ユウスケは海東に向かって聖龍連合と軍のメンバーを殺さないように進言しようとする。しかし、その前に語られた海東の言葉に思わず声が止まった。
「この世界は、ソード・アート・オンライン…死のゲームの世界さ」
「やっぱり…」
ユウスケの嫌な予感が的中した瞬間であった。ここは、ソードアート・オンライン、いまだ6000人もの人間が捕らえられている架空の世界であることが確定した。
「けど、だったら尚更…」
「うぉぉぉぉ!!」
「!」
ユウスケがさらに海東に詰め寄ろうとしたそのとき、一人の男が大剣を振りかざして走り込んでくる。キバオウだ。ユウスケと海東は、それぞれ降り下ろされた剣から逃れるように左右に飛び退いた。そして、キバオウがターゲットにしたのは海東である。
「わいはッ!負けることなんてできへんのや!!」
キバオウは、焦っていた。そもそもの始まりはあの時、軍が解散した時からである。それから、キバオウは新しい軍を作り、前線組へと返り咲こうとした。しかし、キバオウがしでかした数々の悪行、そして、元々軍がいい目で見られていなかったことから、前線では、冷たい目で見られ、元々の軍のプレイヤーも自分のもとに戻ってきたのはごく少数だけだった。ここでレアなアイテムを手にいれることができたら、きっと誰もが羨み、尊敬し、自分のもとに集まる。そんなことを考えて、キバオウはこのクエストに参加した。しかし、正直なところ相手にしたのが悪すぎた。
「死にさらせ!!」
≪ATTACK RIDE BARRIER≫
キバオウが放ったレイジスパイクは、しかしディエンドのバリアによって阻まれてしまう。キバオウはさらに困惑した。この世界でそのようなことができるのはそのようなものを見たことはある特定した状況しかないのだから。
「シ、システム的不死…そ、そんなんビーターよりもチーターや…」
システム的不死、SAOの世界でNPCや建物に使用されているプログラムである。それを人が使えるなどということを知らなかったため、キバオウは驚愕したのだ。厳密にいえばディエンドの使ったものは全く違う物なのだが、テンパりにテンパりまくっているキバオウにそんなものを考える暇などなかった。
「相手の実力も把握しないで戦うなんて…」
≪ATTACK RIDE≫
ディエンドは、恐怖に顔をゆがませているキバオウの目の前でゆうゆうとディエンドライバーにカードを挿入する。
「おいたが過ぎたようだね」
≪BLAST≫
そして銃口を上に向け、放つ。青い銃弾は幾重にも分かれて、キバオウの周りへと着弾していく。その衝撃に、キバオウは尻餅をついて倒れる。
「な、なんなんや…何なんやお前は!?」
「さっきも言ったはずだ…僕は…」
ディエンドは歩く、それに対してキバオウには何かをする気力はなかった。実力の差、能力の差、それらによって彼の心は完全に折られていた。そして、銃口とキバオウとの距離がゼロ距離になる。
「ヒッ!?」
「やめろ海東!!」
ユウスケが叫ぶ、しかしディエンドは…。
「バーン!」
「う、うあぁぁぁ!!!!」
キバオウはその声に後ろにのけぞる。そして数秒、キバオウはあることに気が付いた。自分が死んでいないという当たり前のことに。
「な、なんでや…」
「いったろ、僕は怪盗…だけれど、命まではさすがに盗らないさ」
「海東…」
その言葉に、ユウスケは安心したような、思わせぶりな行動をした海東にあきれたような言葉を出す。
「それよりどうする?まだ戦う気かい?」
「ぐっ…て、撤退や!何ボケっとしとるんや!早うせい!!」
後ろにいた、自分の部下にそう叫び、自身も森の奥に消えていった。そしてもう一組、聖龍連合の姿はというと、いつの間にか消え失せてしまっていた。どうやら威吹鬼に責め立てられていつの間にやら遠くに行ってしまったようだった。
「ふぅ、やはり2年間外界から隔離された世界にいたとはいえ…人間は人間だね」
「…海東」
ユウスケ、海東ともに変身を解く。もう何年もこの姿で話をしていないようにも思えるが、あのディケイドの物語最後の、そして始まりの戦いからまだ数か月しかたっていないというのが嘘のようである。
「一応、助けてくれたことに関しては感謝しておく」
「…」
「けど、流石にあれはやりすぎじゃないか?」
剣だけの世界なのに銃を使ったり、バリアを使ったり、もしそれで死人がでたらどうするつもりだったのか、と彼は海東を糾弾する。海東はそれを意に返さないように言う。
「君は優しすぎる…君だって、ショッカーの怪人たちと戦っただろ?」
「それは…」
海東の言葉の真意は分かる。確かに、ショッカーの怪人たちはあんな姿になったとはいえ、もとは自分と同じ人間だった。それがショッカーに捕まって、改造されて、中には脳改造による洗脳で悪に染め上げられてしまった怪人だってほとんどであろう。海東の言う通り、ユウスケは優しすぎ、故に甘かった。
「…君は、士との旅で一体何を学んだんだい?」
「…」
士との旅、確かに自分はあの戦いで何を得たのだろうか。慕っていた姉さんは死に、変身しても負け、ただただ足手まといになっていただけなのではないだろうか。自分は、このまま士の旅に同行してもいいのだろうか。そんな思いがユウスケの心に宿った。
「…」
「まぁ、答えを出すのはいつだっていいさ…元の世界に戻りたくなったらいつでも行ってくれたまえ」
その言葉と同時に海東は現れた灰色のオーロラの中へと消えていった。士は、自分にはあれを出せる時と出せない時があると言っていたのだが、海東にはそういう物はないのだろうか。
「…とにかく、今は帰ろう…」
ユウスケはバイクにまたがり元来た道を帰っていく。自分の存在意義を考えながら。
威吹鬼、サイガを登場させた理由は、一つ目にどちらも銃を使うライダーであること、2つ目に、森の中だから威吹鬼はあっているかなということと、サイガは台詞からです。というか、あまりにも筆が遅すぎてエグゼイド始まっちまった…どこかに出せる場所あるかな?