仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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そういえば、エヴァの別荘って地下にあるんだったけ?部屋の奥にあったような…。


ネギまの世界1-6

「マスター!お邪魔します!」

 

刹那と士が今まさに対決し始めたころ、職員室帰りのネギがエヴァの家にやって来た。

 

「さっきぶりです。ネギ先生」

「あっ茶々丸さん。マスターは?」

「私はここだ。さきに言っておくが今日の修行は無理だぞ」

 

エヴァがどこにいるかと聞くがエヴァは寝床から起きてきた。エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルは吸血鬼である。彼女は裏の世界では知る人がいないとされるほどの有名人である。ついた異名が『闇の福音』一時期600万もの賞金がその首に出ていたほどの少女である。…が15年前にネギの父親ナギに力を封印されて以降麻帆良学園で警備員並びに生徒を続けている。紆余曲折あり今はネギの師匠をしている。

 

「え?何でですか?」

「今桜咲ともう一人が使用中だ」

「もう一人?それっt「エヴァちゃんいる―!」明日菜さんに木乃香さん?」

 

ネギが誰が今使っているのかを尋ねようとすると、ついさっき自分が入って来たドアから2人がやって来た。

 

「なんだうるさいぞ」

「桜咲さんと士先生が来ているはずなんだけど?」

「え!士先生ですか!?」

 

そう士だ。ネギはそのことに驚いた。なぜなら、ネギにとって士は一般人という認識であったため刹那がその先生を連れて別荘に行ったなどとは思いもよらなかったからだ。

 

「確かに二人はきたが?」

「ッ、やっぱり。じゃあ2人は別荘にいるのね!」

「どういうことですかマスター!?」

 

明日菜はその場に2人がいないことから2人は下にいることを悟った。そしてネギは一体どういうことなのかをエヴァに問いかける。

 

「さあな私にm「アスナさーん」…まったく今日は何だ」

 

今日はいったい何人来客があるんだと思いながらも外を見る。するとそこには女性が走っていた。エヴァはその女性のことを知らなかったが明日菜や木乃香、そしてネギは知っていた。

 

「うぇ、夏海さん」

「ハァハァハァ、士君はどこですか?」

 

夏海は先ほど麻帆良学園の目の前から明日菜を見失わないようにしながら全速で走って来たのだ。明日菜のスピードについてきただけでさすがだと言える。

 

「?あいつの関係者か」

「士君は…フゥ…士君はうちの居候です」

 

夏海は息を整えながらしゃべる。エヴァは士の関係者という事から何にか彼のことを知っているのではないかと尋ねた。何分士の情報があまりにも少ないため、一つでも情報をとろうとしているのだ。

 

「ふむ…。丁度いいあいつはいったい何者だ」

「士君ですか?…士君は―――」

 

夏海は士のことや自分たちのことを話し始めた。

 

「神鳴流奥義 雷鳴剣!!!」

「っく!」

 

ダライラマ魔法球の中では、桜咲刹那とディケイドの戦いが続いていた。その状況はどちらかというと士の方が押されていた。士からすると相手は生身の人間であるため、どうにか引き分けに持ち込める方法はないかと模索しながら戦っていたのだ。しかしさすがに刹那も裏の社会で戦ってきた人間だけあって、手加減しながら戦うのはなかなかに難しいことであった。

 

「どうした!その程度か!」

「ッ、だったら少し本気を出す!」

[ATTACK RIDE SLASH]

 

士はライドブッカ―から取り出したカードをベルトにスキャンした。そのカードはライドブッカ―ソードモードに力を与えるカードであった。士が剣を振ると、その斬撃が分身したかのように見えるほど速くなった。

 

「剣先が増えた!?」

「ハァ!」

 

刹那はいきなり変わったその攻撃にすぐに対応したが夕凪に攻撃を受け、その衝撃で後ろに大きくつき飛ばされてしまった。うまく夕凪に加わる力を流したため刃が欠けることはなかったが、この時刹那は不利に立たされてしまった。

 

「ック!こうなったら!」

 

刹那は懐からカードを取り出した。士はそれを見て、龍騎やブレイド、そして自分のようにどこかに力を託すカードあたりだと思った。

 

「アデアット!!」

 

そう言葉を発すると、そのカードは剣へと変わり、刹那の周りに小刀が浮かんでくる。さらに刹那の背中から翼が生えてきた。そして刹那はその翼を羽ばたかせ空に舞い上がった。

 

『七首・十六串呂!』

「!なにっ」

「稲交尾籠!!」

 

小刀が士の周りの地面に突き刺さり、そこから稲光のようなものがつつんでくる。そして士が拘束されている間のその隙に刹那は刀を振るう。

 

「神鳴流 斬鉄閃!!」

「クッ!…なるほど、スピードと技の切れが上がったみたいだな」

 

その剣から放たれたと思える攻撃を受け士は後ろに飛ばされ、刹那はそれを見ながら空を優雅に舞っていた。そう、先ほどのカードは龍騎の世界のカードのように武器を召還するものだったのだ。

 

「これが本当の私です」

「本当の…か。なら!」

 

本当の姿、本当の自分という言葉を聴きある世界でのことを思い浮かべた。そしてその世界で出会った仮面ライダーのことも。そのライダーとは、

 

[KAMENRIDE FAIZ]

「!姿が変わった」

 

仮面ライダーファイズ、ある世界で尾上タクミという高校生が変身した仮面ライダーだ。彼もまた刹那と同じ人ならざる者であった。彼はその世界の怪物オルフェノクでありながら同じオルフェノクを倒していた。すべてはちっぽけなものをただ守るために。その彼の姿になった士はまたカードを取り出す。

 

「まだ変わるぜ」

 

[FORM RIDE FAIZ AXEL]

「また!」

 

赤いラインの入ったライダーはその姿を変え、白と銀を主要とした姿になった。又目も黄色から赤色へとなり、たてつづけに姿が変わった士に刹那は面を食らった。

 

「相手してやる。10秒だけな」

 

『START UP』

 

その電子音が流れたと思ったその瞬間その姿は刹那の視線から消えた。いや消えたのではないあまりにも早いスピードのため刹那の目が追い付いていないのだ。

 

「何!?ぐわっ!」

『3…2…1…TIME OUT』

「…ッフ」

 

そしてまた電子音がしたときには刹那は地面にひれ伏していた。流石に顔を殴るといったことはしなかったが、それ相応のダメージは与えた。これでしばらくは起き上がれないはずだと士は確信していたが。

 

「っぐまだ私は…」

 

刹那には守るべきものがあった、それは麻帆良学園都市という大それたものではなかった。守りたいもの、それは幼いころからの親友である木乃香であり、またこの街に来てできた多くの友達であった。その友を救うためにならその命など欲しくない。その思いが彼女を突き動かしていた。彼女もまたちっぽけなもののために戦っていた。しかし彼女にとってもそれはかけがえのない物だった

 

「まだやるのn「ラス・テル・マ・スキル・マギステル!」?」

 

殺しはしない、だが気絶でもしてもらおうと思った士ではあったが突然聞いたことのない言葉が聞こえてきた。いや確か聴いたことがあるなと士は頭の中で考えた。しかし考えがまとまる前にその風はきた。

 

「風化・武装解除!」

「うぉっ!」

「きゃ!」

 

その言葉が出た瞬間刹那の衣服や剣は吹き飛んでいった。そして持ち主のもとを離れた剣は消えてしまった。士も服が飛ばされるという事はなかったが、変身が解除されてしまった。そしてそんな二人の前に現れたのは、ネギや明日菜たち、そして夏海であった。あの声はネギの声だった、と士は漸く気が付いた。

これが麻帆良の裏の正体「魔法使い」であった。ネギの使った魔法は、相手の武器や着ているものを吹き飛ばす魔法である。その前の呪文のようなものは始動キーという魔法の暴発を防ぐために魔法使い個人個人が持っているものだ。ネギは士と刹那の間に立ち、刹那に言い放つ。

 

「もうやめてください!刹那さん!」

 

夏海は桜咲刹那のことを初めて見る。そしてその背中から翼が生えている人間も初めて見る。その純白の翼の美しさに夏海は一瞬だけ心を奪われていた。

 

「なぜです!あの悪魔を放っておくとお嬢様や、麻帆良g「士君は!」!」

「士君は悪魔じゃありません!」

 

士は悪魔だ、そういい放った桜咲の言葉に夏海は反論する。

 

「夏海…」

「士君は、写真好きで自己中で、自信家でちょっとナルシストだけれど」

「おい、夏みk「それでも!士君は私たちの仲間です!悪魔なわけありません!!」…」

「私が保証します!」

 

若干の悪意を士は感じたがしかしそれでも自分を信頼してくれる奴が一人でもいることの幸せはいいものだと士は感じていた。誰が何と言おうと絶対に違うとそういってくれる人がいることの幸せを、一度だけ手放してからよくわかった。この大切なものを守りたいからこそ前回の事件の時に、夏海たちを置いていったのだった。

 

「…」

 

その夏海の迫力にやや押され刹那は黙ってしまった。そしてそこにエヴァの別荘から持ってきたと思われるタオルをその手に持ち、長い黒髪の少女が駆け寄る。近衛木乃香だ。

 

「せっちゃん…」

「このちゃん…」

 

2人は京都にいたときからの親友であった。一度離れたときもあったが、この麻帆良で再会して、そして妖怪とのハーフである自分を何のためらいもなくまた友達として迎えてくれた。そうだこの街で友達になってくれたものはみんな異端者である自分を受け入れてくれた。そのことを思い出したその時、刹那は自分と士は同類ではないかと気づいた。ディケイドは悪魔だと浮浪者風な男性に言われたが、本当に悪魔だったら、最後の攻撃の時に自分を殺せたはずだ。なのにそれをしなかった、それは彼は悪魔などではないという証拠ではないか。彼も自分と同じく自分の存在を受け入れて分かり合える人がいてくれる。その喜びを彼女は確かに知っていた。

 

「一度話だけでも聞いてみよ…な」

「…わかりました」

 

そういうと刹那はタオルを羽織った。さらにこの魔法球内は一度入ると1日が経過しなければ外に出られない設定になっていると聞き、士が呼び出した灰色のオーロラでダライラマ魔法球の外へと士たちは出ていった。

そしてその様子をエヴァの別荘の屋上から見る影が二つあった。




灰色のオーロラっていったいどうやって出しているのでしょうね?
因みに、作者はファイズをリアルで見ていたのですが…ハッピーエンドで終わったな!って感想だった。
…後年、ウィキペディアを見てどこがハッピーエンドだ!と思いました。

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