仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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 こっちもこっちで、必要のない裏設定を大量に持ってきています。


ゼロの使い魔の世界2-6

「はいはい、今日の晩御飯はカレーライスですよ」

 

 そう言いながら、栄次郎はいくつかの皿を台所から持ってくる。その中には、きれいな茶色のカレーと、白く輝いているライスが入っている。玉ねぎを飴色になるまでじっくり焼き、十五~ニ十種類ほどのスパイスを使用していることによって、鼻に抜けるいい匂いがして、そしてスパイスの効果によって一層食欲を増してくれる効果がある。そして、出てきたカレーのさらに我先にと鳴滝姉妹、並びにティファニアが食いついた。

 

「で?これからどうするんだ、ルイズ?」

「え?」

 

 食事を始めて数分ほどたって、士がルイズに聞いた。その言葉に、ルイズを含めた何人かもスプーンを止めて、そして士のその先の言葉を聞く。

 

「働くと言っても、トリステインで働くのは簡単じゃない」

「うん、ワームに見つかる危険があるし……」

「そうですね、ガリアや神聖アルビオンも戦時中……ゲルマニアもいずれは戦乱に巻き込まれるかも……」

 

 士の言葉に続いて、ユウスケ、アンリエッタが続いた。トリステインは、かなり広いと言ってもワームの軍団に探し回られれば、風の噂だって耳に入るだろうから、すぐに見つかってしまう。かといってガリアや神聖アルビオンは戦時中のため危険。ゲルマニアは、国境がヴァリエール家のすぐ近くだから危険なのは危険、なのだろうか。

 

「じゃあ、東にでも行くかい?」

「今二人が言った中で一番危険じゃない」

 

 マチルダの提案を即座にルイズは拒否した。確かに東は貴族よりも強いエルフたちが生活しているため、ワームを防いでくれるかもしれないが、その前に自分たちの命が危険で大ピンチである。

 

「それじゃ、私がルイズさん達と一緒に行くというのは……」

「それもまた、無理だろうな」

 

 エルフであるティファニアはそう言った。しかし、今度はアニエスに否定された。

 

「こういっては酷だが、ティファニアはハーフエルフ。こちらからしても異端であるなら、向こうから見ても異端だろう……」

「……」

 

 ティファニアが、こんな森の奥深くに住んで、人から逃れているのもすべては人間とエルフの間に生まれた存在だからだ。だが、結局のところそれが何だというのだろうか。血が混ざったからどうだというのだ。この世界にも、地球にも、どの世界にも、完全に純潔の血を持つ人間なんて存在しない。血で差別されるとか、特別視されるとか、そんなのは全然違うこと。同じヒトという人種なのは、間違いないのだから。同じ、今を生きる人間であるということは、間違いないのだから。

 

「それじゃ、二人はどこに行けば……」

「そうね……海を渡った先にある北の大陸に行くか、西の大陸……南の浮遊大陸に行くのもいいかもしれないわね」

 

 あやかの言葉に、キュルケがそう面白そうに答える。

 

「そんなのもあるんだ……」

「えぇ、私たちもよく知らないけれど、何もハルケギニアだけがこの世界の全てってわけじゃないもの」

 

 実は、東以外にも海の向こうには大陸があり、そこまでいけば自分の事を知っている人間はいないだろうから、働くことは可能と言えば可能だろう。しかし、と士は言う。

 

「何も知らない場所に生活の基盤を築くのは難しいぞ」

「そうよね、特に北は治安が悪いって聞くし、西も南も、怪物で溢れてるらしいし……あなたたちについていくって手もあるわね」

「俺たち?」

 

 と、ルイズは士に言った。ルイズは続けて言う。

 

「そう、もうこの世界に私の場所はないのだし、あなたたちについていくのも手かなってね……」

「だめだ」

 

 だが、士はすぐにその言葉を即答で否定した。

 

「なんで?あやか達はついてきているのに」

「こいつらは、事故のようなものだ。いずれ、元の世界に送り届ける」

「それじゃ、私もいつかはこの世界に戻る。だから……」

「だめだ」

「……」

 

 しかし、士は拒否。そして、カレーを口に運びながら言う。

 

「第一に、この世界はお前たちのいるべき世界だ。……わざわざ別の世界に行くのは現実から逃げているだけだ」

「現実から……」

「……第二に、そもそもこの世界を救わなければ俺たちは次の世界に飛ぶことはできない。お前が逃げてばかりなら、俺たちも次の世界に行けなくなる」

「……だったら、どうすればいいのよ」

 

 どうすればいい。自分は、どうすればいい。ワームに立ち向かってもたかが知れ、奇跡的にワームを倒したとしても、次には現実的な戦乱の世の中。その中で、魔法もろくに使えない自分はすぐに死んでしまうだろう。それに、家族も皆……家族。そういえば、ルイズは一つ気になっていることがあった。

 

「ねぇ、ワームって相手の思考とか、性格を全部コピーするのよね……」

「あぁ、そのせいで本物との区別がつきにくくて……」

「なら、あの屋敷で私に優しかったちい姉さまも、きつく当たっていたエレオノール姉さま達も……全部現実なのよね」

「……」

 

 分かっていた、昔から家族の自分への風当たりはきつい物だった。頭のいいエレオノール、誰にでも優しく接するカトレアと違って、何をやっても失敗ばかりの自分を、母も父も見限っていたに違いない。だから、学院から連れ戻された後のあの仕打ちも、本来なら、本物の家族がしていたはずの物なのだろう。やっぱり、自分は……。

 

「ルイズ」

「え?」

 

 その時、士が自分のカレー皿をルイズの目の前に差し出した。

 

「食ってみろ」

「へ?」

「いいから」

 

 士にそう言われてしぶしぶスプーンをルーの中に突っ込んで食べる。だが、見た目は自分の食べているカレーと同じ、味もまた同じ……同じ?

 

「辛ッ!!!!!」

 

 驚くほどの辛さ。舌が燃えてしまうのではないかと言うほどだ。辛い、というかもはや痛い。何なのだこれは。

 

「な、なによこれ!!!!!????」

「あぁ、お前が下を向いている時に色々いれといた」

 

 ルイズは、急いですぐそばにあるコップを掴み、その中に入っていたジュースを一気飲みする。しかしそれでも収まらず、お替りを鳴滝姉妹に依頼する。辛いカレーの対処に四苦八苦しているルイズを尻目に、士は言う。

 

「そのカレーと同じだ」

「な、何がよ」

「カレーの辛さと、他人への評価は目の前にある物が全てとは限らない」

「どういうこと?」

「そのカレーを食べてみてどう思った?」

「ど、どうって……か、辛かったわよ!」

「見た目が同じだから、普通の辛さだと思ったか?」

「そ、そうよ……」

「そう言うことだ」

「どういうことよ!?」

 

 と、士は皆まで語らなかった。そんな問答を続けているうちに、ようやく舌の上の辛み成分が消えていき、まだヒリヒリしているもののなんとか会話を続けられるようになった。

 

「ついでだ。これをお前に渡しておく」

「え?」

 

 そして士がどこかから取り出したのは、ピンク色をした小さな棒。よく見ると先端には透明なクリスタルが引っ付いている。そしてそれはあやか達どころか、夏海やユウスケも初めて見る物であった。

 

「何ですかコレ?」

「でも、見ていたらなんだか心が暖かくなってきます」

「あぁ、お前らにも渡しておこう」

「え?」

 

 そして、麻帆良組四人にもソレが渡された。

 

「余ってるからな、在庫処分のようにどの世界に行っても必ず一つは残している」

「在庫処分って……」

「あっ!そういえば……」

「?桜子さん、何か……」

「ほら、前の直葉さん達の世界の時に!」

「え?」

「士さんが、ベッドの上にこれと同じものを置いていた気が……」

 

 そう、前の世界、そこで和人の病室から去るとき、彼のベッドの上に同じものを置いていたのだ。ほとんどの人間からは死角になっていたため見えなかったが、桜子だけは偶然にも見ることができていたのだ。

 

「ほう、よく見ていたな。今度のテストは優遇しておこう」

「え、本当!?」

「士君、突然先生ぶらないでください」

「まぁ、それはともかくとしてだ」

 

 と、夏海に怒られたのでルイズに向き直る。因みに、士は実際彼女たちの勉強が遅れることの内容栄次郎やユウスケと共に勉強を教えたり、テストを救っていたりしていた。と言っても、元の世界ではあの後すぐ夏休みに入るため、普通に元の世界に戻っても最低一か月半は問題ないのではあるが。

 

「こいつは、ある世界で手に入れ、そして俺たちを救ってくれた。海東曰く宝物だそうだ」

「宝物……」

「ちょっと前までこの先端のクリスタルが光っていたんだがな、その世界以来、光を見せることはない」

「……また、光ることがあるの?」

「わからん。お前が未来を願うんだったら、光るんじゃないか?」

「……」

 

 夜は更けていく。ルイズは、寝室に戻ってもソレを見続けていた。なんだかソレを見ていると、勇気が湧いてくるような、そんな気がしてならなかった……。

 

 

 

 

 

 

 因みに、超激辛カレーは、士が夏海に監視されながら完食した。その後はすぐに寝たらしいが、どう考えてもあれは気絶だったと周りの者は証言している。




 この設定がいつ生かせるか?知らぬ。存ぜぬ。というか、生かしたらこの世界がやばい。少なくとも『この世界』だけでも三回は世界滅亡の危機が……。ということは、その物語を書かないといけなく、そんな時間ないので裏設定のまま沈むことでしょう。
 というか、この小説ネタ枠がユウスケから士に変わってないかこれ?なんで?
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