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あたりに、草が焼けたいい匂いが漂う。結局、ルイズの放った魔法はサイトには当たらず、その後ろにいたワーム数体に当たった。結果、ワームは何体かが緑色の炎へと姿を変えた。何故、彼女の魔法が外れたか、その理由は彼女を羽交い締めしている少女にあった。
「落ち着いてルイズちゃん!」
「あんた……!」
サイトと一緒に出てきた女の子。ルイズよりも濃いピンク色の髪を持つショートヘアーの少女。服は、サイトやあやか達と同じ平民の服のように見える。いったい誰なのだろうか。しかし、そんな疑問に答えたのは、ルイズの使い魔としての役割を終えた士だった。
「ルイズ、なんでこいつがここにいるのか俺には分からん。ついでに、どこにいたのかも分からんが多分問題ない。こいつがサイトに何かしたということはない」
「な、なんであんたにそんなのが分かるのよ!」
「こいつはな……」
士がその正体をしゃべろうとしたその時、足元に転がってくる姿があった。クウガとディエンドだ。そのダメージによって、二人の変身は解けてしまった。マッハ、ゼロノス、ギャレンの姿はないので、いつの間にかやられてしまったのだろう。その様子をみた公爵、そしてアンリエッタが回復魔法によって、二人の傷を回復させる作業に入った。
「や、やっぱり強いです……」
「うん、分身がみんな倒されちゃった……」
鳴滝姉妹も、戦闘は分身に任せていたためにけがなどはしていないが、しかしほとんどの分身が倒されてしまったようだ。そして、分身の最後の一体が今、リオックワームによって倒された。リオックワームはこちらを向き言う。
「くっ……やはりマシンが故障したのか……」
「でも、そんなことどうだっていいわ」
「そう、ゼロのルイズを殺せば、それでいいじゃない……ねぇ?」
「……」
グロリアンクトゥスワームは、キカークィルスワームにそう言った。マシンが故障した理由は、おそらく彼女にあったと思っているのだ。だが、それは半分正解で、半分は間違いだ。確かに、彼女は故障していることに気が付いて、それを報告していなかったが、実際に故障の原因となったのは、リオックワームだ。あの屋敷での士との戦い。負けてしまい、その後ルイズ達と合流するために彼らは逃げ出した。その時、逃げるのを援護するために鳴滝姉妹が分身攻撃でリオックワームに突撃した。だが、結果的にはあまり時間稼ぎにはなることはなかったが、その際ワームは一気に何人も吹き飛ばしていた。その内の一人がマシンに激突したのだ。その衝撃で誤作動を起こし、故障してしまったのだろう。
「まだ、ゼロという言葉にこだわるか」
「当たり前だ。それが彼女、虚無と言えどもゼロはゼロなのだからな」
「むっ……」
ルイズは、その言葉に少しイラッときた。だが、本当の事なのでしょうがない。虚無は、結局のところゼロだ。だから、自分がゼロだというのには同意する。だが、だから何だというのだ。自分は、それがもはや気に入ってさえいる。確かに自分がゼロかもしれない、だが……。
「違うな……」
その時、士が……。
「ルイズは……」
「ルイズちゃんは確かにゼロだよ」
言おうとした瞬間、あの少女に阻まれる。
「でも、それの何が悪いのか分からないな」
「なに?」
「貴方……」
「人ってね、みんながゼロから始まるの。ゼロ以外から始まる人生なんて存在しない。何も知らないことから始まって、辛いことがあって、楽しいことがあって、そしていろんな人達と出会って成長する。それが人として正しい姿じゃん。記憶も、思い出も、力も、心も、最初から持っている状態で始まるなんて、そんなの……私は嫌だ。だからこそ、人は努力していく」
「……」
「フッ、綺麗事を。ゼロはどんな数字をかけてもゼロのまま。努力なんてなんの意味も持たない」
「ゼロだったら!誰かと一緒に始めればいいの!!」
「!」
ワームは、突然彼女が叫んだということに驚いて、後ろに引く。士もまた、彼女の突然の叫びに驚いた。少女は続ける。
「確かに、ゼロは何をかけてもゼロかもしれない。だからこそ、一緒に歩く人がそこには必要なの。そうすれば、その人の力も一緒に混ざって一になって……人は、一人じゃ生きられない。だから、周りの人の力を借りて、どんどんと成長することができる。だから、ゼロはとても素晴らしい数字なんだよ。私たちは完璧じゃない。完璧じゃないから、足りないところを補い合って助け合うの。息が合わないこともあるけど、皆と手を取り合えば勇気が湧いてくる。一人では無理でも、二人ならできる、みんなと一緒ならできる。違う生き方をしているからこそ、みんなバラバラだからこそ、手を取り合った時に大きな力になる。私は……私達はそう思っている」
人は、一人では生きられない。だが一人で生きていられると思い込むのもまた人間の性。最初は、親の助けを得て、そして兄妹と一緒に成長し、いずれ独り立ちするだろう。だが、その時人はまた別の他人という存在を求めてしまう。それは、弱いから。だが、弱くてもいい。弱くても、人間は人間なのだから。そして、別の他人という物を求めるからこそ、人間は彼氏、彼女を求め、そして結婚するのだ。その時、ヒトは一人じゃなくなる。ヒトの人生は、一人の物ではなくなる。
「笑わせる。ゼロという醜い数字が二つ並んだところで……」
「どうかな?」
「士?」
「言ってやれ、ゼロとゼロが合わさったその先に、何があるのか」
「ゼロとゼロが合わさった先?」
ルイズには、その言葉の意味が分からなかった。だが、少女にはそれが容易に想像ついた。
「0と0が合わさった時、そこに何が見えるのか……答えは決まってるよ」
少女は、その両手で二つの0を作り出す。そして、それを近づかせ、引きあわせる。そこに現れた記号……それは……。
「∞……無限の可能性だよ」
「あっ……」
「そして、それが少しづつ変わっていって……」
そう言いながら、ゆっくりと親指を伸ばしていき、そして両の親指の平合わさった時、この世界で一番脆く、強力で、尊く、そして奇跡を起こしてくれる可能性が現れた。その形は……。
「愛情に変わる。それが、ゼロ……それが、人間だよ」
「愛情……」
「だよね、サイト君」
なにが、だよねなのかはサイトにはいまいちわからなかった。だが、二つ確かなことがある。一つ、彼女の言う通り、自分もルイズもゼロだった。自分は、空っぽだった彼女と一緒に冒険して、結果的にそれが愛情になった。だが、それは依存でも、なんでもない。正しき、誠の愛情。依存でも、恐怖でも、ましてや快楽や偶然で形作られたものではない。これは、必然の愛情なのである。そしてもう一つ、自分は……。
「ルイズ」
「え?」
「俺はもうどこにも行かねぇ!!お前と一緒にいる!」
「サイト……」
自分は、もうルイズと絶対に離れない。離れたくない。彼女へのこの思いを、気持ちを離してなるものか。なぜなら俺は……。
「俺は、ゼロの使い魔だからな!」
「……えぇ、信じるわよ!私のサイト!」
「あぁ!」
その時、ルイズは見た、一羽の鳥が木から飛び立ったのを。自由に大空を飛び、空の青に消えそうな鳥。だが、それも今の内、いつかもっと大きな鳥が来て、襲われて。いや、あそこにいるのは一羽だけじゃない。一羽、二羽、三羽、いや数え切れないほどの同じ種類の鳥が一緒に飛び立っていった。そして、最初に飛び立った鳥と皆隣り合わせになって、まるで大きな鳥のようになっている。あぁ、そうか。あれで自分達を大きな鳥のように見せているのだ。そして、もっと大きな鳥に襲われないようにしているのだ。鳥だけじゃない、小さな小魚も、虫も、そしてヒトも。みんながみんな、集団で集まって大きくなっていくのだ。そして、外敵に力を合わせて立ち向かう。それは、どんな動物でも同じこと。
そして、鳥たちは空高く、青に染まる空へ向かって飛んでいく。さぁ、好きなだけ飛びなさい。自由を楽しみなさい。貴方には、仲間がついている。そして、私にも、私と一緒に飛んでくれる仲間たちがこんなにいる。だから私は、大丈夫。
「だから言ったろ、ゼロも悪くないってな」
「士、お前の出番取られたな」
「ん?」
ユウスケがそう茶化した。そう、いつもだったらこういった役どころをしているのは士なのだ。それを見知らぬ少女にとられたのだから、きっと悔しいに違いない、そう思ったのだが士は一つ笑うと言う。
「まぁ、あいつならしょうがない」
「あぁ、しょうがないね」
「え?海東お前もあの子が誰か知っているのか?」
「あぁ、彼女は……」
「次から次に減らず口をたかが少女がッ!何なのだ、お前は!?」
しびれを切らし、イライラしているリオックワームは怒鳴り散らすように少女に言った。たかが少女か、確かにそうかもしれない。そう思いながら士は、そして少女は言う。
「ふっ、たかが……な、一応言っておこう。こいつを誰だと持ってる?」
「私を誰だと思ってるの?」
少女は腰に両手をあてがえて、胸を張って言った。
「大貝第一中学元生徒会長……相田マナよ!!」
その声は、空高く、どこまでもどこまでも届くように響き渡った。まるで、全世界に宣言するように、自分はここにいると言っているように、それが敵にとっての死刑宣告のように反響し、伝わっていった。
「相田……」
「マナ……?」
「そして、この子が……」
と言ってポケットの中から取り出したのは、スマートフォンのような形のものを取り出した。瞬間、それは煙と共にその姿を変え、ピンク色のぬいぐるみのようなものになった。が、それがぬいぐるみなどという普通な物ではないということに気が付いたのはすぐであった。
「初めてましてシャル!わたしはシャルルシャル!」
「わぁ!ぬいぐるみがしゃべった!」
桜子は驚き、そして物珍しそうに眺めた。
「この子は、私のパートナーの妖精なの」
「妖精?」
と、ティファニアが反応した。
「なんだか、ここ最近妖精に縁がありますね」
「だな、ともかくだ……マナやれるか?」
「もちろん!……というか、貴方は?」
「俺は、通りすがりの仮面ライダーだ」
と、士はドライバーを付けながら言った。これで役者は皆そろった。先ほどケガを負った二人も回復し、二人の横に、そしてサイトもルイズも、キュルケ達も並び立った。
「行くぞ」
「シャルル!」
「シャル!」
シャルルは再びスマホ型のラブリーコミューンに戻り、そして士、ユウスケ、海東はいつも通りポーズをとった。
「シャルル~」
「「「変身!!」」」
「プリキュア!ラブリンク!!」
≪KAMENRIDE≫
≪KAMENRIDE≫
「L!O!V!E!」
≪DECADE≫
≪DIEND≫
士達三人の変身については省略。マナはキュアラビーズという宝石をシャルルの額にセットし、ラブリーコミューンの画面を触り『LOVE』の文字をなぞった。すると、画面の書かれている模様がハート型に点滅し、矢のような形の模様が浮かび上がった。そして、マナの身体は光だし、まずショートカットでピンク色だった髪が長く、そして光がはじけると、金髪となりシュシュでまとめられた彼女の髪が現れる。そして目を閉じ、祈るようなポーズを取ると、ハート型の髪飾りが髪の左側に付く。そして、リボンのようなものが二本身体に巻き付くとそれがピンク色の衣装へと変化する。そしてラブリーコミューンがケースに入れられスカートに装着された。そして、左胸にピンク色の宝石が出現し、腕と足の光が弾けピンク色の靴があらわにされる。最後に腰にリボンが出現して変身が完了した。
「みなぎる愛!キュアハート!!」
相田マナ改め、キュアハートがポーズを決めると、ハート型の光が一瞬だけ出現した。そして彼女はルーティンとなっている行動を取る。
「愛を無くした悲しい虫さん!」
手で先ほどのようにハートの形を作って、顔の左側に持ってくる。
「このキュアハートが、貴方のドキドキ取り戻して見せる!!」
彼女のその姿は優しくも見えた。愛に満ちているようにも見えた。たくましくも見えた。神々しくも見えた。
その時、士の手に二枚のカードが現れ、そして姿を現した。それはブランク、つまり何も書いていないカードのはずだったのだがしかし、今度はちゃんと絵柄が書いていた。だが、これは今までのファイナルフォームライドのカードではない。これは……。
「ほう、面白い」
士は、ディケイドライバーにカードを入れる。
≪ATTACKRIDE DERFLINGER≫
その瞬間、空中に穴が開きそこから唐突に一本の剣が降ってくる。士達は知らない。だが、その剣を見てサイトが反応した。
「デルフ!?」
サイトは空中を一度見てから、地面に刺さった剣を抜く。その瞬間、サイトの左手にある模様が光だしだ。そして、光が収まるとあら不思議。
「よう、元気してたか?相棒」
「デルフ!お前……どうして!?」
「言ったろ、お前さんのルーンの中で眠っていたってな。それが、器になる物に触れたおかげで、こうして無理やり起こされたわけよ」
「そうか……」
「まったく、器はあの時壊れたと思っていたのに、本当に驚いたのなんのってよ」
デルフ、正式名称デルフリンガーは、この世界で手に入れたサイトの相棒たる剣だ。しゃべる剣、通称インテリジェンスソードと呼ばれるその剣は、一年前にルイズの使い魔となった直後にある武器屋で手に入れた。だが、剣自体は実はただの器。本体はその刀身に憑依した6000年前の霊魂だ。自称ガンダールヴの相棒だったその剣は、長い戦いを得て破壊されたものの、その魂はサイトのルーンの中で生き続けていた。それが、ディケイドが呼び出した前の器と同じものに憑りついたことによって、こうして復活したのだ。サイトは、ディケイドの方を見て言う。
「お前、すげぇな」
「当たり前だ」
「それじゃ、今度は僕の番だ」
そう言うと、海東は三枚のカードをディエンドライバーに装填する。そして、その名前が放たれた。
≪KAMENRIDE BLADE φ’S DRIVE≫
その瞬間、三人の仮面ライダーが出現した。ファイズ、ブレイドは以前さわりだけでも紹介したため省略し、ドライブについて説明せねばなるまい。
仮面ライダードライブ、変身者は泊進ノ介刑事である。警察に所属している彼は、左腕に装着したシフトブレスにシフトカーという物を装填し、ドライブドライバー並びに赤い車トライドロンに信号を伝達することで変身する、対ロイミュード用のパワードスーツ戦士だ。赤い車トライドロン。そう、ドライブの左肩から斜めにたすき掛けされているタイヤからも分かるように、トライドロンは車なのだ。仮面ライダードライブは、仮面ライダーの中に二名しかいない車にのる仮面ライダーの一人なのだ。そして、彼もまた戦闘前の決め台詞のようなものがある、ドライブは右腕を片膝に乗せて言う。
「ひとっ走り付き合えよ!」
これで、本当に役者はそろった。とここであることに気が付いたサイトがルイズに言う。
「そうだ忘れてた。ルイズ、これお前に返す」
「これって……」
それは、学院で自分が使っていたマントだ。そう、サイトが謎の穴に吸い込まれたとき、これを掴んで一緒に消えてしまっていたのだ。それがついに、彼女の元に戻ってきた。
「ありがとう、サイト」
ルイズは、そのマントを羽織る。貴族を外側から見て判断するにはどうするか。それは、杖とマントだ。その両方がそろっていて初めて、他人はその人物を表面上は貴族として扱う。ルイズにとってはもうそんなものなくても、自分が貴族であるとはっきりわかる。だが、それでもそれを羽織るということは、感慨深いものがある。これでついに彼女は元通りのルイズになることができた
役者はそろった。仮面ライダーディケイド、仮面ライダーディエンド、仮面ライダークウガ、仮面ライダーブレイド、仮面ライダーファイズ、仮面ライダードライブ、キュアハート、雪広あやか、椎名桜子、鳴滝風香、鳴滝史伽、シャルロット・エレーヌ・オルレアン、キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー、イルルクゥ、フレイム、マチルダ・オブ・サウスゴータ、アンリエッタ・ド・トリステイン、アニエス・シュヴァリエ・ド・ミラン、ヴァリエール公爵、カリーヌ・デジレ・ド・マイヤール、エレオノール・アルベルティーヌ・ル・ブラン・ド・ラ・ブロワ・ド・ラ・ヴァリエール、平賀才人、そしてルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。その後ろにいるシエスタ、ティファニア・ウエストウッド、カトレア・イヴェット・ラ・ボーム・ル・ブラン・ド・ラ・フォンティーヌ。人数も多ければ、本名も長い。そんな面々が並び立った。激突、そしてついにその世界のラストバトルが開始された。
と、言うわけで少女の正体はドキドキプリキュアのキュアハート、相田マナでした。え?なんで彼女が矛盾の解決法だって?違う、彼女がサイトと同じ境遇になったおかげで矛盾が解決されたんだよ。ただ、彼女の存在はあまりにも大きすぎて彼女たちは完全に忘れていませんでしたが。
あと、ゼロノス、マッハ、ギャレンファンの方々へ、彼らの活躍の場面はどうしても作れず、かませ犬っぽくなってしまいました。誠に申し訳ございません。
余談、今回の彼女登場の伏線というか、こじつけに近い何かが何のことか、というかそもそも矛盾ってなんのことだ?ということを教えてもらいたい方は感想ください。活動報告にそれっぽいこと書いときます。
あと、彼女に言わせたいセリフを何種類か考えて、その中から何個かピックアップするつもりが、決めることができずこうなっちゃいました(これでもまだ減らした方である)。ついでに、次回予告に『!』とかつけるのもうやめよう。