仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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 かなり前にディエンドが出した響鬼がしゃべらなくて寂しいと言われたため、頑張って召喚したライダーをしゃべらせてみました。
 あと、ゼロの使い魔後編の最初に恒例の『これまでの仮面ライダーディケイドエクストラは』というのをいれるの忘れてましたのでいずれ追記しときます。


ゼロの使い魔の世界2-12

「ファイヤーボール!!」

「!!」

 

 キュルケの魔法、ファイヤーボールそして、キュルケの使い魔のフレイムの吐く炎がワーム数体に襲い掛かる。その業火は身体を包み、何とか消そうと地面を転げまわるがしかし、それもすぐに無駄になる。

 

「ストーム!」

 

 横から、カリーヌが風魔法を唱える。その瞬間、猛烈な竜巻が起こり、キュルケとフレイムの炎も巻き込んで火災旋風となって森とワームを襲う。これをもし地球でやろうものなら地球温暖化の原因になるとか環境破壊だとか言われそうだ。

 

「ヒュ~……さすがルイズのお母さま」

「なんてことはない。お前の母親とも昔はこうやって魔法を合わせ、不届きものを懲らしめてきたからな」

「へぇ……失礼ですけど、ヴァリエール家とツェルプストー家は昔から仲が悪いと聞いておりましたが?」

 

 キュルケはニヤリと笑った。何度も言うが、ツェルプトー家とヴァリエール家は、国境を挟んだすぐ近くに家がある。トリステインとゲルマニアの両国での戦争ではしばしば杖を交えた、つまり争ってきた間柄である上、ヴァリエール家の恋人をツェルプトー家の恋人を先祖代々奪ってきたという因縁がある。そのためかなり双方仲が悪かったはず。だが、そのような因縁があるということは。

 

「確かに、私たちはことあるごとに争っていた。だが、それはつまり、どちらも相手の事をよく知っている……いわば好敵手ということ」

「なるほど、そう言うことでしたか……」

 

 自分とルイズの関係はあながち間違っていなかったようだ。よく言う喧嘩するほど仲がいいというあれと何ら変わらない。おそらく、ルイズの母親と自分の母親もまた、自分とルイズのように昔から喧嘩して、そして何かあった時には協力していたのだろう。だから、自分のような火系統の魔法と合わせることは朝飯前なのだ。

 

「呆けている暇はない。行きますよツエルプストー」

「はい。ヴァリエール婦人」

 

 いつか、自分も大人になったらルイズとこんな関係になるのだろうか。背中合わせで、後ろを任せることができるようになるだろうか。いや、きっと大丈夫。今すぐそれをやれと言われてもきっとできる。なぜなら自分と、彼女は、好敵手なのだから。

 

「カトレア!あなたは下がってなさい!」

「はい、お願いしますエレオノール姉さま、お父様」

「任せておけ!」

 

 カトレアは、おそらく心筋系の病気のために身体が弱い。そのため、魔法を使える物の他の面々のように戦闘に参加することができない。だから彼女は応援に回った。そして、そんな彼女を守るために公爵、エレオノールの二人が上手く立ち回る。その時、超巨大な石の怪物。ゴーレムが現れる。無論その魔法を使ったのは……。

 

「マチルダ姉さん……」

「テファ、あんたのことはあたしが守る!……今度こそッ!」

 

 ティファニアもまたルイズと同じく虚無を使う。しかしそれはすなわち、彼女もまた普通の魔法は使えないということ。一応忘却の魔法という相手の記憶を消す魔法を使えるには使える。しかし、それは戦闘に使うには不向き極まりない。結果、彼女もまた後ろに下がらずを得なかった。

 そして、マチルダはそんなティファニアを見ながら彼女の事を最期まで守る決心をした。彼女もまた思い出したのだ。自分がここに本来ならいない人間なのだということを。本来の歴史であったら、自分は港町ラ・ロシェールでサイトたち一行をレコン・キスタの命令で襲った。その後は神聖アルビオンに属し、タルブの村を襲い、キュルケやタバサとあともう一人と戦った。そしてその後は……。自分は、結局ティファニアに会えないままだった。だから、その後どんな経緯があってサイトたちと一緒にいるのか分からない。だからこそ、今度こそ。今度こそ、自分が彼女を守って見せる。サウスゴータ家なんてものは関係ない。テファにとってのマチルダ姉さんとして、彼女を守る。

 

「ハァァァ!!!」

 

 ゴーレムは先制パンチを繰り出す。その重さに地面はえぐれ、クレーターのようなものが出来上がる。それはまるで、マチルダの思いを表すかのようだった。

 

敵を撃て(ヤクレートゥル)!!」

 

 そしていつものように麻帆良ガールズ。そしてディエンドとファイズもそこにいた。しかし、戦況は不利極まりない状況にあった。

 

「ッ!また外しましたか……」

「やっぱりクロックアップってのがないとだめなんですか!?」

 

 そう、蛹態から成虫態となったワーム達は高速で移動する。そのため、その身体を捉える事すらも難しかった。数々の戦いを潜り抜けた者たちはともかく、彼女たちのような普通の人間がそれを捉えることは不可能に近いだろう。ディエンドもまた、高速で移動できる能力を持つものの、弾のスピードは変わらないため、打撃のみでの攻撃しかなく決定打にかけてしまった。かろうじて何発かは当たっているように見えるので、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるという考えで撃ちまくれば何発は当たるだろうが、どっちにしろそれでは時間がかかってしまう。せめて、それが全部当たるというのなら、話は別であろうが。

 

「フッフッフッ……」

 

 と、その時桜子がカードを持ちながら笑い出す。ついに頭がいかれただろうか、いやそうじゃなかった。

 

「このカードを手に入れて一週間と数日。ようやく我が世の春が来た!」

 

 と、言うとカードを天に掲げて言う。

 

来れ(アデアット)!!」

 

 瞬間、彼女の衣装が変わる。その衣装は……。

 

「え?」

「え?」

「?」

 

 チアガール姿であった。ご丁寧に両手には色の違うポンポンを持っている。

 

「で?それで何をするつもりなのかな?」

 

 海東は、呆れながら言うがしかし、あの世界の魔法はふざけたように見せかけて実はかなり有用性のある物がある。例えば、和泉亜子という少女は、ナース姿であったが、そのアーティファクトはドーピング効果を与えるものであり、全てがスローに見ることができるという物だった。では、あの服にも何かあるというのだろうか。

 

「もちろん応援に決まってるじゃん!」

「応援?」

「そう、海東さんはとりあえず銃を撃ってて!私が応援するから!」

「言っておくけど、僕に命令できるのは」

「僕だけだでしょ?そんなのどうでもいいからさっさとやる!」

「……」

 

 正直、女子中学生のノリという物には付いていけない。そう思いながら彼は銃を構える。その瞬間……。

 

「READY OK!」

「ん?」

「LET’S GO DIEND! LET’S GO KAITOU!GO!FIGHT!WIN!!」

 

 海東は、自身の内に力が入ってくるような感触がした。彼は銃を放つ。銃口から放たれた青い弾丸は、真っすぐ飛んでいき、一体のワームに当たった。

 

「なるほど……そういうことか」

 

 何かに感づいたディエンドは、その後もどんどんと弾を放つ。一発、二発。それらが全てワームに当たり、そして体制を崩す。

 

「全部当たってるです!」

「なんで!?」

「そういえば、桜子さんのアーティファクトは確かラック値を上昇させるものと……」

「「ラック値?」ですか?」

「はい……つまり、運がよくなるということです」

 

 椎名桜子、柿崎美砂、釘宮円、この三人はチアリーディング部に所属している。チアリーディング部と言えば応援で有名だ。そのためなのか、彼女たち三人のアーティファクトは、応援によって能力を上昇させるという物だそうだ。中でも桜子の応援は、ラック値を上げるものである。これは、桜子自身が運のいい、ラッキーを引き寄せることのできる人物であるといいうことと無関係なはずはない。

 

「そっか、運がよくなるってことは!」

「高速で動いていても当たる確率が高くなるということですね!」

「そう言うことです。さぁ、私たちも体制を崩したワームを狙いましょう!」

「はい!」

「です!」

 

 そして三人もまた杖を構えて攻撃を始めようとする。だが、彼女たちは気が付かなかった。彼女たちに迫るワームの事に。その時……。

 

「ッ!!」

「!」

「え?」

 

 その攻撃を受けたのはあやか達でも、桜子でも鳴滝姉妹でもなかった。

 

「くっ……!」

「ファイズさん!」

 

 四人の目の前に飛び込んできたのは、仮面ライダーファイズ。彼がワームの攻撃から彼女たちを守ったのだった。だがその衝撃はあまりにも大きく、片膝を付いてしまうほどの激痛が彼を襲ったことだろう。

 

「大丈夫ですか!?」

「俺のことはいい、お前たちは敵を倒すことだけを考えろ」

「は、はいです!」

 

 ファイズはそう言うと立ち上がり、そして左手首に付いているファイズアクセルからプログラムキーであるアクセルメモリーという長方形の物を取り出すと、ベルトに付けている携帯型の機械ファイズフォンに付いているミッションメモリーと入れ替える。

 

≪COMPLETE≫

 

 その電子音と共にファイズの胸部の銀色の走行が開いていき、中から機械的な装備が現れる。これは、ネギまの世界でもディケイドが変身した仮面ライダーファイズアクセルフォームである。

 

「仮面ライダーとして、子供の夢ぐらいは守ってやる」

≪START UP≫

 

 ファイズが、ファイズアクセルのボタンを押すと、そう電子音が鳴った。これによって、最高十秒間彼は超スピードで動くことができる。しかし、アクセルフォームは行動、思考等を加速し、時間に応じてすべてを引き延ばしするのクロックアップに対して、ただ動きを高速にするだけ。確かに動きは速くなるだろうが、しかし思考はそのまま。さらにカブト達クロックアップの使用できる仮面ライダーは、その眼にクロックアップをする際に使用されるタキオン粒子が流れているためクロックアップした者を視認することができるのだ。それがないファイズにとっては、動体視力のみでワームを捉えなければならない。だが、それでもやらなければならない。子供たちの夢を守るそれが、仮面ライダーの使命なのだから。

 

「ハァッ!!」

 

 ファイズは走る。ディエンドは撃つ。桜子は応援する。そして、あやか達は、そんなファイズの想いに応えるべく戦う。

 

「私も、戦えれば……」

 

 戦場の後ろの方で戦闘能力を持たないシエスタは彼、彼女達の戦闘を見てそうつぶやいた。確かに、自分は戦闘能力を持たないが、しかし鳴滝たちのように小さな子供も戦っているというのに、自分が戦わないなんて……そう思った時、あることに気が付いた。

 

「あれ?夏海さん?」

 

 光夏海の姿が見えないのだ。いつからいなかっただろうか。士とルイズ達が並び立った時には姿が見えなかったような気もするが……その時、声が聞こえた。

 

「シエスタさん!!」

 

 夏海の声だ。振り向くとそこには、何かを両手に同じ平べったい物を持ってこちらに向かってきている夏海の姿があった。夏海は、自分の元に来ると、右手に持っているソレを渡す。どうやら取っ手が付いているようだが、それ以外を触ると危ないので、絶対にそこを持つようにと念を入れられる。というかこれって……。

 

「フライパン……ですよね?」

「はい。おじいちゃんから借りてきました」

 

 どうやら、朝食を作る際に熱していたフライパンを拝借してきたようだ。なるほど、取っ手以外の鉄の部分は熱しられて熱いから取っ手の部分を持てと。しかし、いったいこれでどうしろというのだろうか。

 

「あの……」

「これで戦いましょう」

「……はい?」

 

 耳を疑った。フライパン一つで戦うとは、どういう意味なのだろう。いや、そのままの意味だというのは分かる。だが、相手はあのワームという怪物だ。それにフライパンで戦うのは……。

 

「士君たちばかりに任せるのもあれですしね」

「正気ですか?」

「私は至ってまじめです!行きますよ!!」

「えっ、ちょ、夏海さん!夏海さ~ん!!」

 

 シエスタが止めるのも空しく、夏海はワームに突撃していった。

 

「フッ!ハァ!!」

 

 夏海が、フライパンをフルスイングすると、ワームは力なく倒れる。夏海の後ろからワームが近づくが、しかしつかさず腹部に横蹴りすると、頭上目掛けて上からフライパンで殴る。

 

「えぇ……」

 

 シエスタは、あまりの光景に言葉を失った。あの凶悪なワーム達がフライパン一つに次々と倒されていく。自分は、なんという物を見せられているのだろうか。ともかく、シエスタにできる事と言ったら……。

 

「えっと、ええっと……う、うぉぉぉぉ!!!」

 

 思考停止してワームに向かって行くことぐらいだった。結果的に、向かってくるワームを次々と倒せているわけだからいいのだが、果たして平民とは何のことだろうか。戦闘力だけで見ればそんじょそこらの貴族より目を見張るものがある。なお、そのシエスタの様子を遠目に見ていたアニエスが、後で彼女をスカウトしようか悩みだしたということは、余談として受け取ってもらいたい。




 桜子のアーティファクトはラック値があがる物と「ネギま!パーティーBook」というものに書いていたそうです。ただ、応援の掛け声はいまいちわからないため、ある団体のかけ声を参考にしたオリジナルです。
 ついに夏海が生身で戦いだしました。でも映画になると一般人程度の力しか持たない人たちが雑魚と戦うのはよくあることですから関係ないね。きっとこの話からアクション監督が変わったんだよ。
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