仮面ライダーディケイド エクストラ   作:牢吏川波実

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 暴走が今始まる。今回の一連の小説を見る前に一度活動報告をご覧に張ってくださいまし。……いかん、彼女の言葉遣いが移ってしまった。また、今回から時々前書き、後書きがかなり長くなる場合があります。ご注意ください。


プリキュアの世界
プリキュアの世界chapter1 あの世界の出来事


―それまでの仮面ライダーディケイドは―

「俺は旅を続ける。なぜなら……旅そのものこそがおれの世界だからな」「すべての戦隊は俺が倒す」「悪を倒すためなら、どんなに汚れた泥でもかぶる。それがヒーローってもんだろ」「見事だよ。でも、見事すぎて気に入らないね」「その心の痛み、君も味わいたまえ」

 

「ってことがあった」

 

 士は自分が夏海達に合流するまでにあった出来事、主にスーパー戦隊と協力してショッカー・ザンギャック連合を打倒した時の話をした。因みにここは、トリステイン魔法学院の学院長室だ。なぜ光写真館ではないかと言うと、麻帆良ガールズのように事故を起こさないためであると言うことは前にも言っただろう。これ以上人数が増えたりしたらたまったものではない。ルイズの使っている部屋で話すというのも手ではあったが、あの部屋はこれだけの人数を収容できるほどの大きさがない。そのためこの学院の学院長であるオスマンの好意によってこの部屋を使わせてもらっているのだ。

 

「そんな大事件があったんだ……」

「というか……え、何?スーパー戦隊と仮面ライダー総勢約200人でギリギリ?」

「士さんと同じかそれ以上の力を持つ人たちがそれだけ集まって何とか壊滅まで追い込んだって、ショッカー・ザンギャック連合ってどれだけなんですか?」

 

 それはこれまで士の事を見続けてきた麻帆良ガールズにとっても驚くべきことだ。というか、自分よりも上の人間がいるという事実を彼が認めるというのも驚いたものだ。だがそれほどの人数が集まってギリギリ勝つことができたというのはどれだけの激戦だったのかが言葉尻だけでも分かる。

 

「でも、今日の様子じゃまた……」

「あぁ、復活したんだろうな」

「一体、いつまでその連鎖は続くんでしょうか……」

 

 あやかがそう言った。どれだけ敵を倒しても、どれだけ人数をかけても、何度壊滅させたとしても彼らはゴキブリのようにしつこく復活し、そして世界を征服しようと企みを続けていく。まさに堂々巡りである。

 

「平和なんて、どこの世界にもないってことだな」

 

 アニエスがそう締めくくった。確かに悪の組織が何度倒しても復活し、人々の不安が解消されることのないのなら、平和な世界など来ないに等しい。例え一時の間それが続いたとしてもいずれはまた平和は奪われ、そして悲しみが増えるばかり。こんな繰り返し、誰もが嫌になってしまう時が来るかもしれない。そしていずれ世界は……。

 

「だったら、いつまでも戦い続ける」

「え?」

 

 そう答えるのは相田マナだ。

 

「今を生きる私たちが戦って、それで未来に生きる子供たちに勇気を与えられたら、それでいいんじゃないかな?」

「未来に生きる子供たち……」

「うん、例え今悪い人たちがいなくならないのだとしても、それが未来永劫続くわけがない。だって私たちは皆未来を夢見て生きているんだから。その希望が、邪な悪の心に負けるわけない……そう信じてる。だから私たちは戦い続ける」

 

 たとえ今潰すことはできなくても、いつかは未来を生きる人間たちが悪の組織をつぶして平和を手にしてくれるかもしれない。例えそれが、一時だけのことだとしても。だが、そのためにはまず今の悪をつぶさなければ意味がない。今がなければ未来もないのだから。そのために彼女たちも、彼らも戦い続ける。今も、そしてこれからも。

 

「やっぱり、お前は相田マナだな」

「当たり前でしょ」

「あぁ、どの世界の相田マナも、どの世界のプリキュアも……いや、それは女の子全員に言えることかもしれないな」

「え?」

「女の子全員ですか?」

「あぁ、未来を形作る可能性。それを持っているのは、女の子のみ。男は、それの手助けしかできない」

「なんだ海東?さとりでも開いたか?」

「そう言うわけじゃないさ」

 

 なんだか、このままだと話が変な方向に行きそうな気がするのでここでサイトが話を入れ替えるために言う。

 

「と、ところで本題だけれどさ。士さんと海東さんは、どこでマナと出会ったんだ?」

「あぁ、あれは……」

 

 そう言うと、士は一枚の写真を取り出した。この場所からはよく見ることができないが、しかし彼はその写真を感慨深げに見るばかりだった。それはまるで、旧友の写真を見ているかのように、うっすらと笑みもこぼれていた。

 

「そうだな、あれはあの世界から離れて、海東に奪われたカードを取り戻すべくオーロラを使って海東を追ったときのことだ」

 

 以前にも言っただろう。彼は、士が自分をだましていたということに腹を立てて、ロボットを使いライダーと戦隊を倒し、その頂点に立とうとしたが、ライダーと戦隊の間にある絆によって倒された。そして、次の世界に渡る際に彼はディケイドのカードをくすねたのだ。

 これは、士がカードを取り戻し、海東と仲直りするまでの一連の物語。二人が出会ったのは未来に希望を持ち、それを叶えた。叶わなかったかつて少女たちだった女の子たち、その記録である。

 

 旅の途中、生涯の親友、友達と呼ぶことのできる人達と出会うことができる。だが、それは時がたち、一度崩れたりすると直すのは困難。いや、もう治らないかもしれない。『さようなら』という言葉に込められているのは、『もう会いたくない』という醜い言葉。我々は、その言葉を簡単に使ってはいけない。本当に会いたいのであれば、本当に友達でいたいのなら、別れの言葉はもっと違う物になるはずだ。我々は、その魔法の言葉を知っている。一度壊れそうであっても、壊れたと思っても、その言葉があればいつだってやり直すことができる。その言葉があれば、何度だって立ち上がることができる。魔法の言葉、『またな』。悩んだ時、凹んだ時にはその人の所に行けばいい。きっと相談に乗ってくれる。きっと向こうはうっとうしいに決まっている。そんなの、自分の思い過ごしなのかもしれない。だから、ちゃんとあって話し合おう。なぜならあなたは、私の真の親友なのだから。さぁ、遡ろう時を。逆走しようその道を。そこであなたは待っていてくれるから。

 

―世界の破壊者、ディケイド。いくつもの世界をめぐり、彼は何を見たのだろうか―




 ステマと思うならステマで結構。
 活動報告にも書きましたが今回、暴走しております。

要は誰か止めてくれ。と、言うことです。今回誰にも止めることのできない私の妄想がプライドを凌駕してしまいました。皮肉なものです。自分が毛嫌いした反則技を出してしまうなんて……。

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