東方ウィザード×スマブラⅩ 大乱闘!仮面幻想郷R【凍結中】   作:放仮ごdz

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今回は紅魔館を破壊されたその主と、霧の湖side。変わり果てた氷精の登場。かなりリメイクした内容です。お楽しみください!


第三話:霧の湖のレックウザ

紅魔館と呼ばれる、幻想郷有数の屋敷がある。しかし今ここは、ほぼ完全に崩壊していた。そこに二人の人影が見えた。

一人は大きな蝙蝠の翼を背中に生やしピンクのドレスで身を包んだ水色の髪で幼く見える程小さい紅い瞳の少女【運命を解き放つ紅い悪魔(スカーレットデビル)】レミリア・スカーレット。フランの姉の吸血鬼であり、紅魔館の主である。

もう一人は紺色のミニスカメイド服を身に包んだ銀髪碧眼の瀟洒と言う言葉が似合う女性【完全で瀟洒な従者】十六夜咲夜。紅魔館のメイド長にして唯一の人間だ。

 

二人とも、いつにもなくシリアスムードだ。無理もない。数時間前に紅魔館はいきなり襲撃してきた亜空軍の幹部・大魔王クッパに完膚無きままに壊されたのだから。咲夜が有する能力「時間を操る程度の能力」で時間を止めて逃げ出してないとアウトだった。命からがら逃げ、そして戻ってきたらこの有様だ。紅魔館の主として、メイド長として、逃げ出した結果がこれというのはあまりにも悔しい思いを抱いていた。

 

 

「…ねえ、咲夜…」

「何でしょうか、お嬢様」

 

無言を貫いていた主の言葉に、同じく無言で佇んでいた従者は応える。その声に、怒りと恐怖が混じっているのを察して必要以上の言葉は出さない。

 

「貴方のおかげで私は助かったけど、他の皆はどうしたのかしら?魔理沙の家に出かけていたフランはともかくパチェやこあ、美鈴に妖精メイド達は…」

「多分ご無事でしょう。皆、そこまで弱くはないですよ。妖精メイドも一度死ぬ(ピチュる)くらいなら生き返りますし」

「…そうよね。それより私たちは、あの亀を追いかけてお礼をたっぷりしないとね。異論は?」

「もちろんありません、御意にでございますわ」

 

その会話を終えた後、紅魔館の残骸からまだ使える物をいくつか集めて無事だった旅行鞄に入れて咲夜が運び、レミリアを先導に森に入って行く二人。その背中は、何処か寂しく感じられた。

 

 

 

 

 

 

 

その頃紅魔館跡近くの森の中…

 

「…はあ、一体ここはどこなんだろうな?コキリの森でも迷いの森でもフィローネの森でも無い…ミドナもチャットも居ないから確かめる術もない」

「ヨッシー!」

「ああ。早くここを出ないとな、ヨッシー」

 

そこで、緑色の帽子と服を身に着けた金髪の青年「リンク」と、緑色で蔵と靴を身に着けた恐竜「ヨッシー」が歩いていた。リンクは背に立派な大剣『マスターソード』と盾「ハイリアの盾」を装備している。旅の途中、迷い込んだこの森の中に広がる広場に佇んでいた台座にマスターソードが突き刺さっているのを見つけて引き抜き、何かしら巨悪が迫っている事を知ったリンクであったが、自身の有する「二人分」の記憶でもここがどこか分からず、途中で遭遇した以前のスマブラで知り合ったヨッシーと共にしているのだが…二人は今、迷っていた。

 

「とりあえずあっちに行くか」

「ヨッシー!」

 

リンクは四次元ポーチから取り出した鞘に納められているトアルの剣を引き抜くと棒倒しの要領で方角を決めるとトアルの剣を仕舞い東に向かい、ヨッシーは異論なく(喋れないが)着いて行く。すると、バシュッ!という音と共にいきなりナイフが飛んできてリンクの目の前を掠って木に突き刺さり、リンクは咄嗟にマスターソードを抜刀して切っ先をナイフの飛んで来た方向を指す。

 

「いきなり何者だ!出てこい!」

「そちらこそ、ここらで見ない顔ですが?」

「気配からして獣と人がいり混じった不思議な気配、しかもそれは退魔の剣ね?…一体何者かしら?」

 

すると、草薮の中から爪を伸ばして警戒体制のレミリアと、ナイフを数本指の間に挟んだ咲夜が現れた。マスターソード・・・退魔の剣と言う吸血鬼の天敵とも言える剣を構えるリンクに二人は警戒していたが、ヨッシー(の純粋な目)を見て顔を見合わせるとまずレミリアが警戒を解いた。ススーッと戻っていく爪に今まで戦ってきた魔族を思い出したリンクは警戒を解かずに問いかける。

 

「どういうつもりだ?」

「なんかやる気が失せちゃった。そんな目の奴が悪い奴な分けがないし、それが何の懸念も無く着いてるって事はアンタも似た部類でしょ?少なくとも、悪い奴じゃない」

「いいのですか?」

「ええ。…それに、もしもの時は咲夜、貴方が守ってくれるのでしょう?ところで貴方達はなんて名前かしら?」

 

咲夜に見せた笑顔に毒が抜けたのかリンクも警戒態勢を解き、マスターソードを鞘に納めて笑う。イケメンなので大抵の女は靡いてしまうだろうがレミリアと咲夜は既に「とある少女」に恋していたためそんな事は無い。

 

「…俺はリンク。ハイラル王国出身、トライフォース『勇気』の所有者。それでこっちはヨッシーだ」

「へえ・・・ハイラルなんて国は知らないけどトライフォースってリリアンヌが言っていた奴ね。って事は女神ハイリアの世界の出身か。…あ、こっちの話だから気にしないで。私はレミリア・スカーレット。吸血鬼・・・貴方の言うところの魔族よ」

「私は十六夜咲夜と申します。レミリアお嬢様の従者をしています。もし危害を加えるようであるなら覚悟してくださいまし、生憎賊に手加減する情は持ち合わせておりませんので」

「ははは…俺も、悪い奴じゃない魔族が相棒だったからそんな偏見しないよ。アンタの言う通り、狼だった時もある」

「…それは難儀ね」

 

人狼はちょっとした天敵であるレミリアはリンクの境遇に少し同情して苦い顔になるが、こてんと首をかしげているヨッシーに視線を寄せると目を輝かせた。

 

「それよりもあなた…」

「ヨッシ?」

「あーもう可愛いわね!ちょうどいいわ!私を乗せなさ~い!」

「ヨッシー!?」

 

そのまま輝く笑顔でヨッシーの背中の鞍に飛び付き、ヨッシーは慌てて暴れるもレミリアはそれを乗りこなす。暴れ牛程度ならしがみ付いて血を吸い尽くした事もあるのでこれぐらいお茶の子さいさいである。とはレミリアの談だ。

 

「あの、お嬢様?」

「咲夜、今からリンクたちと一緒に行くわよ!文句はないわね?レッツゴー!」

「ヨッシ~」

 

ヨッシーの頭を叩き、前進するレミリアを見て咲夜は唖然とすると涙ぐんだ。

 

「お嬢様…何はともあれ元気になってよかった…」

「いったい何があったんだ?」

「あ、それはですね…」

 

そして、リンクに説明しながら共にそれを追い掛けるのであった。

 

 

 

 

 

 

霧の湖から数kmの森

そこでは、バナナが山のように荷台に乗せられている『カーゴ』と呼ばれる乗り物が爆走していた。

 

「へっへ~い!」

「貴重な食料だ、落とすなよ!」

「待てー!バナナ泥棒~!」

「ウホ~!」

 

カーゴには二足歩行のカメ「ノコノコ」と栗頭の「クリボー」が乗って運転しており、それを赤いシャツを着た猿「ディディーコング」と、DKと描かれたネクタイを付けたゴリラ「ドンキーコング」が追いかけており、木を薙ぎ倒し、崖の上で咆哮し、ゴリラ特有の機動力でカーゴを追い掛ける様はジャングルの王者であった。

 

「ああもう、うっせーな。クリボー!」

「了解!」

 

それに嫌気がさしたのか、運転してるノコノコの言葉で荷台に乗ったクリボーはカーゴの後部についている砲台から手や目が付いている砲弾「キラー」を三体撃ち出した。

 

「借りるよドンキー!」

「ウッホイ!」

「ピーナッツポップガン!」

 

それを見たディディーはドンキーの背中を介してジャンプ、飛び上がると背中に付けたバレルジェットが火を噴いて滑空、空中で木製の銃を二丁取り出し銃口からラッカセイ型の弾丸を発射した。それは見事にキラーを二体撃ちぬき爆散させる。

 

「ドンキー!」

「ウッホ~イ!」

 

そして落ちてきたディディーをドンキーが掴んで空高く投げ飛ばし、ディディーはさらに狙いを定めてポップガンを撃ち出し最後のキラーも撃ちぬき爆散。それに驚愕しアクセルをふかして逃げようとするノコノコだったが…

 

「ついでだ!」

 

さらにディディーは滑空して狙いをつけて撃ち出し、カーゴの前方に炸裂させた。その一撃によりカーゴは横に倒れ、ノコノコとクリボーは投げ出され、逃げ出そうとするも落ちて来たドンキーに丸ごとぶん殴られ、空へと消えて行った。

 

「ウッホホ~イ!」

「どんなもんだい!」

 

スタッと着陸したディディーはドンキーと共にガッツポーズをとる。そしてドンキーはバナナの山に駆け寄り大喜び。ドンキーにとってバナナは命よりも大事なのだ。…バナナが潰されただけでボスに喧嘩を売るぐらいには。

 

「それよりドンキー、ここは一体どこだろう?」

「ウホ~?」

「やっぱりわからないよね…海が近くに見えないからドンキーアイランドでもないし…」

 

どうやら二人はカーゴを追いかけているうちに道に迷ってしまったようだ。ちなみにではあるが、幻想郷に海は存在しない。

 

「こんなところにいたのか、探したぞ。ドンキーコング」

「クッパ!?」

「ウホォオオオッ!…ウホッ?」

 

するとズシンズシンという足音が聞こえ、森の中からクッパが現れ、雄叫びを上げる。それに対してドラミングし威圧し返すドンキーであったが、バナナの山からクッパに目線を映したドンキーは、クッパの後ろ手に握られている巨大な銃らしき武器を見た。そしてその銃口がディディーに向けられようとしているのを見て、野生の勘のままに殴りかかるドンキー。しかしクッパはそれを軽く跳躍で後退して避け、その銃・・・と言うよりは大砲を構えた。

 

「ウホッ!」

「どうしたの、ドンキー?」

 

ドンキーは嫌な予感が浮かび、振り返って腕をぶんぶん振り回して困惑するディディーにパンチを浴びせ、先程のノコノコ達と同じように大空へ殴り飛ばした。

 

「ウッホ~イ!」

「なんでだよ、ドンキ~!」

 

凄まじい速さで遠ざかりながらディディーが見たのは、クッパの大砲から発射された矢印型の光線が直撃し、光に包まれフィギュアになっていくドンキーの姿だった。

 

「ドンキ―――――――――――ッ!」

 

ディディーは叫びながらどこかに落ちて行った。

 

 

 

 

 

 

 

「う、う~ん。ここは・・・?」

 

殴り飛ばされたディディーは湖の畔で目を覚ました。

 

「あ、起きた?お猿さん」

「君は…?」

 

ディディーの目の前に立ち笑ってそう問いかけたのは、背中に氷の羽が生えていて青いワンピースを着た水色の髪を黄色いリボンで纏めた少女【最強の大氷精】チルノであった。彼女はここに住んでおり、過去に親友を失ってからあまり人と関わり合わなくなった妖精だ。

 

「えっと、君は誰?おいらを助けてくれたの?」

「あ、紹介遅れたね。私はチルノ。さっきアンタが湖に浮いていたのを見かけてここへ連れてきたんだよ。で、君は?喋れるって事は妖怪?」

 

チルノは森から取って来たのか果実を一つディディーに差し出し、ありがたく頂戴するディディー。心地よい甘みと水分が喉を潤し、リラックスした彼は帽子を取り自己紹介する。

 

「おいらはディディーコングっていうんだ。ディディーで構わないよ。あ、ドンキーはどうしたんだろう?」

「ドンキー?…外の世界のハンバーグレストランのこと?」

「ハンバーグって何?」

「あ、違うのね」

 

自己紹介からのディディーの呟きに?マークを浮かべながら自己完結するチルノ。数年前に⑨…いわゆるバカではなくなった彼女ではあるが、勝手に自己完結してしまうのは最早癖なのだろう。とりあえずそれは違う。

 

「うん…ここに飛ばされる前に、おいらを庇って撃たれた相棒なんだ」

「それは…ごめん。…でも相棒か、だったら後で探さないとね」

「え、いいの?」

「おうよ!相棒=親友でしょ!親友がピンチなら助けなきゃ!…失うのは、私が許さない」

 

チルノの思いつめた顔に、過去に何かあったのかと想像するディディーだが生憎彼は相棒と違って考える男。自己完結はできない。なので、その提案をありがたく受ける事にした。

 

「…ああ、おいらもドンキーを失うのは嫌だ。手伝ってくれるならありがたい。よろしくね、チルノ!」

「おうよ任された。…そうだ、ディディー。あれが何か知っている?」

 

えっへんと胸に手を当てたチルノは、何かを思い出したかのように数メートル離れた湖畔を指差した。その方向をディディーが見てみると…戦闘機に見えなくもない機体が煙を上げていた。…何か見覚えがあるなぁ、確かアレは前回のスマブラで…とか思い出しかけていたその時だった。

 

ズズズズズズ…

「「うん?」」

 

湖面が波打ち地面も揺れ始め、何事かと慌てるディディーと、これまでにない事態に「冷気を操る程度の能力」で氷剣を作り構えるチルノ。

 

「な、なにごと!?」

「むっ…妖怪でも怪人でもない奴が来る・・・ディディー、少し下がっt」

 

チルノが言い切る前に湖の中からそれは飛び出して来た。その存在は、幻想郷では滅多にどころかほとんど見ない幻想種・・・体中に金色の紋様が刻まれた緑色の東洋龍と言った容姿のドラゴンだった。

 

「「え?」」

「ギャオォォォオオオオオオオオオオオンッ!」

 

7mはあろう細長い巨体で、一対三本指の前足と、黄色い紋様が全身に刻まれており二本の角?が生えた様な頭部でとぐろを巻いたその姿。とある世界で天空ポケモンと恐れられる「レックウザ」は高らかに咆哮を上げ、あまりの出来事に呆然としてしまった二人を見下ろして威嚇するべく口の炎を溢れさせるとそれを放出。「かえんほうしゃ」が迫り来る。

 

「ええええっ!?」

「とりあえずディディーを守るか、仮面符【電王】」

 

ディディーがてんやわんやと狼狽える中、チルノは冷静に氷の剣を巨大な盾の形状にして防ぎ、その隙にスペルカードを取り出して詠唱する。

するとチルノの瞳が赤くなって雰囲気が荒々しくなり、水色の髪には赤いメッシュが入り、腰に「デンオウベルト」が、手には「デンオウパス」が握られる。

 

「それは…?」

「大丈夫だって。…任せな」

 

ディディーが困惑する中、チルノはベルトの赤いスイッチを押して待機音を流し、デンオウパスを構えて叫ぶ。

 

「変身!」

≪Sword Form≫

 

するとチルノは炎に包まれて姿を変える。髪と服が赤く染まってリボンの色はそのまま黄色だが、額に電王Swordフォームの仮面を模したバイザーが付けられ、氷の羽が炎の蝶に近い羽に変化し、胸部両手両足に電王と同じ装甲が付けられる。チルノはライダー少女電王・ソードフォームに変身した。

 

「私、参上!」

 

チルノは両腕と両足を広げるちょっとかっこいいポーズを決めると、ベルトに付いている四つのパーツ「デンガッシャー」を組み立てソードモードにすると炎の羽を燃え上がらせて飛翔すると一閃。レックウザの頭部に炎を纏った荒々しい斬撃を繰り出す。とても、変身前が氷精とは思えない戦闘スタイルだ。

 

「グギャアアアアッ!?」

 

それはもろに入りレックウザは痛みで暴れまくり、口から光線をめちゃくちゃに発射する。しかしチルノはデンガッシャーで光線を全て捌き斬り、ディディーに来ない様にすると突進し、デンガッシャーで光線を弾き飛ばしながらデンオウパスをバックルにかざし、赤いフリーエネルギーを剣身に集中させると踏み止まり、デンガッシャーを大きく振り被る。

 

≪fullcharge≫

「そんな薄い弾幕、当たるか!業火【エクストリームスラッシュ】PART2ダッシュ!」

 

するとデンガッシャーの刀身がパージ、刀身は炎を纏ってレックウザの細長い身体を斬り上げるとそのまま急降下して袈裟斬りを繰り出し、レックウザの体に必殺の一撃を斬り込んだ。レックウザはたまらず咆哮し、水中に逃げ込んだ。満足気に頷くと振り返り、ディディーの無事を確かめるチルノ。だがしかし…

 

「ディディー、無事?」

「うんチルノちゃん、守ってくれて…!?」

 

その時ディディーは気付いた。こちらに振り返るチルノの背後でレックウザがまた姿を現し、口内に紫色の光を溜めて攻撃を仕掛けようとしているのを。チルノは気付いていない、このままでは…そこまで考えたディディーの身体は、自然に動き出していた。

 

「危ない!」

「なっ?」

 

チルノを掴んで森側に投げ飛ばし、その攻撃・・・「りゅうのはどう」を真正面から受け止めようとするディディー。しかし、次の瞬間先ほどの壊れた機体「アーウィン」から飛び出し、レックウザの頭部に蹴りを叩き込んでその反動でディディーとチルノの傍に着地した存在がいた。

 

「全く。アーウィンが壊れて途方に暮れていたところにこんな奴と出会うなんてな?」

 

パイロットスーツの上に白地のジャケット、通信用のヘルメット、スカーフを身に着けたキツネ人間「フォックス・マクラウド」はやれやれと溜め息をつき、その手に「ブラスター」を握ると照準をレックウザに向け、引き金を引いた。

 

「グギャース!」

 

しかしレックウザは素早い動きで湖から飛び出すと放たれたレーザーを回避、上空から隕石群に似たエネルギー体「りゅうせいぐん」を放ち、フォックスは腰のベルトに付いている六角形の物を操作し水色のエネルギーバリア「リフレクター」を張り、チルノはディディーを守る様に氷の盾を形成、何とか防ぎ切るとフォックスはやれやれと溜め息をつき、チルノ達の方を向く。

 

「おい、そこのお前等!」

「な、なによ?」

 

チルノが強気で答えると、フォックスは湖上から急降下してくるレックウザを見ながら叫ぶ。

 

「こいつの確実に黙らせる方法があるか?」

「私の【覚醒】なら行けると思うけど、ちょい時間がいるよ」

 

チルノが答えると同時にレックウザの「ドラゴンダイブ」が迫り、フォックスは咄嗟に自身に炎を纏い突撃する「ファイアフォックス」を発動。何とか軌道を逸らさせ、レックウザを湖に叩き込むことに成功すると矢継ぎ早に叫んだ。

 

「だったら時間を稼ぐからその【覚醒】とやらをさっさとしろ!」

「りょ、了解!」

「おいそこの猿!少しは戦えるんなら手伝え!」

「お、おう!おいらだって!」

 

フォックスがブラスターを構え、ディディーがピーナッツポップガンを二丁構える中、チルノは一度変身を解いて目を瞑ると、湖畔に広がる冷気を自身に集中させていく。これは、「親友」を失った際に身につけた自身の奥の手。冷気を操る程度の能力を最大限に扱うための、下準備だ。

 

「時間稼ぎぐらい、任せて!」

 

レックウザは次々と口から「りゅうのはどう」を放ち、フォックスとディディーはそれを撃ち落としていく。時にはチルノに迫るそれをリフレクターで跳ね返し、時には蹴りを入れて興味をこちらに向ける。しかし埒があかないと思ったのかレックウザは今まで以上のエネルギーを口に溜めて絶大な威力を誇る「はかいこうせん」を放った。

 

「なっ!?」

「ふん、そんなもの」

 

ディディーは驚愕の表情を浮かべるが、フォックスは余裕の表情でリフレクターを発生させ、はかいこうせんを跳ね返してレックウザに衝突させる。

 

「グギャアァアアアアッ・・・・・・・・・!?」

 

レックウザは少なくないダメージを負って一瞬動きが止まり、そのまま動かなくなった。

 

「あ?」

「え?」

 

フォックスとディディーは困惑するがその背後では、氷の羽が巨大な翼となり、瞳が鮮やかな血の様に紅く染まり、心なしか少し髪が伸びていて体の所々を凍り付からせたチルノがいた。その手には氷の両手剣が握られている。これがチルノの【覚醒】形態、自身への負担を顧みずに冷気を操る程度の能力を「ありとあらゆるものを凍らせる程度の能力」に一時的に昇華させステータスも上昇させる奥の手である。

レックウザは湖に半身を沈めていた事で、彼女の放った膨大な冷気で動きが止められたのだ。

 

「グゥ…オォオオオオッ!」

 

だがレックウザは諦めず、頭部のV型の角を赤く白熱させて「Ⅴジェネレート」を発動、自由を取り戻すとV字の熱線を放ち、排除すべき敵を蒸発させるべくはかいこうせんも放つ。しかし、今のチルノには焼け石に水、否吹雪に火である。

 

「完璧【パーフェクトミラージュ】」

 

そう詠唱するだけで、周囲に雪の結晶の形をした衛星が複数出現、それは鏡の役割を果たし、Ⅴジェネレートとはかいこうせんを受け止めると絶妙な反射角度でレックウザに二つとも全く同時に反射、再び少なくないダメージを負った事で気を取られたところに、「それ」は発動した。

 

「冷剣【永遠の氷河期(エターナル・アイスエイジ)】」

 

構えたままさらに冷気を纏わせた両手剣をチルノが地面に突き刺した途端、そこから氷結していきレックウザを包み込み一つの氷柱にする。湖まで凍りつくその様はまるで氷河期を思わせる光景であり、あまりの冷気にフォックスとディディーは身を震わせる。

 

「自分が砕ける音を聞きな」

 

チルノがそう呟いたと同時に凍りついた全てが一気に砕け散る。レックウザがいた湖上には、フィギュアに戻ったレックウザが浮かんでいた。ブラスターをしまったフォックスはそれを拾い上げながら通常状態に戻ったチルノの方を振り向くと、苦笑気味に告げた。

 

「お前、凄すぎだろ。何だ今の?」

「チルノちゃん、すげ~」

 

二人の動物からの評価で「えへへ~」と笑うチルノは、先程の冷酷な表情を作っていた人物と同一人物とは思えない。すると思い出したようにフォックスに問いかける。

 

「そういや貴方、誰?」

「「今更(か)!?」」

 

二人(二匹?)の声が重なった。

 

「まあいい。俺の名はフォックス・マクラウド。フォックスでいい。先ほどハルバードと言う戦艦に撃ち落とされてここに不時着したんだ」

 

そう言ってフォックスは壊れて畔に落ちたままのアーウィンの方を向くと溜め息を吐く。正直嘗めていた。

 

「あれ、貴方のだったんだ」

「ああ。俺はこれからハルバードを追いかける。その前に仲間と合流するがな」

「あ、ちょっと待って」

 

立ち去ろうとしたフォックスをディディーが呼び止める。

 

「なんだ?」

「フォックスは一緒に来てくれないの?」

「何の話だ?」

「ディディーの相棒がクッパって奴にやられたんだって。だから…」

「俺も忙しいんだ。敵討ちに付き合う時間は無い。すまないn」

 

フォックスが言い切る前にディディーはフォックスの襟を掴み、チルノの手を握ると走り出す。問答無用である。

 

「ちょっおま!」

「チルノ、行こう!」

「了解♪」

 

そのまま二人+引きずられた一人はとりあえずと『妖怪の山』に向かって歩き出した。…その妖怪の山も、明らかな異常に晒され、断崖絶壁の雪山と化しているのに気付き、慌ててディディーが飛ばされてきた方角に向かうのは、フォックスにそのことを指摘される後の話だ。

もっとも、彼自身は妖怪の山にいると言うとある技術屋にアーウィンを直してもらおうと思っていたのだが乗りかかった船には乗る性分らしい。そんな彼にチルノが好印象を抱いたのは別の話。




チルノは最強である(確信)では、いつも通りのキャラ紹介です。


・レミリア・スカーレット
「運命を操る程度の能力」を持つ紅魔館の主で吸血鬼。【魔皇牙】の仮面符を有する。普段はカリスマ高めだが、事あるごとにブレイクしてしまう。500歳以上なのだが幼い姿なのはとある事情のため。何よりも家族を大事にし、守るためなら殺しも厭わない。武器はグングニル。作中最強クラスの実力の持ち主。ヨッシーはお気に入り。クッパ絶許。

・十六夜咲夜
「時間を操る程度の能力」を持つ紅魔館のメイド長で唯一の人間。【誇り高き守護者】の仮面符を有するが、とあるトラウマを抱いている為に未だに使いこなせない。普段は瀟洒の言葉が似合う完璧超人なのだが、事あるごとに愛は鼻から出るちょっとした変態。血にも過剰に反応する。ナイフ捌きは幻想郷一。

・ヨッシー
マリオの相棒とも言えるヨースター島の恐竜。卵を産んだり卵を纏ったり舌を伸ばしたり空中に踏ん張ったりと多種多様の能力を持つが、残念ながら喋れない。乗り物としてのスピードなら仮面ライダーのバイクやリンクの愛馬であるエポナとも張り合える。カービィに負けず劣らずの食いしん坊。

・リンク
トライフォース「勇気」の保持者であり、聖剣マスターソードを使いこなすハイラル王国の勇者。厳密には「二人分」の記憶とアイテムを有した特別な勇者。魔王を倒し、相棒と別れてから旅していた所で二つの記憶が繋がった。ファイターきってのオールラウンダーであり、その実力はマリオと拮抗する猛者。何かと苦労人。

・ノコノコ&クリボー
クッパ軍団の兵士。何かと物量が多い軍団のためにジャングルからバナナを強奪してドンキーから逃げていた。

・キラー
クッパ軍団の兵士というか兵器。自動で相手を追尾し爆発する。ただし砲台が無いと出て来れない。

・ドンキーコング
ドンキーアイランドを根城とするジャングルの王者。月をも殴り飛ばすほどの剛力を有し、機動力も申し分ないのだが喋れない。基本的にディディーが通訳しており、頼れる兄貴分。バナナのためなら命を懸ける。クッパに倒された後、行方不明。

・ディディーコング
ドンキーの相棒。ピーナッツポップガンとバレルジェットを用いる空中戦が得意。頼れる人間ならとことん頼る性分。ドンキーのためならどこまでも頑張れる弟分。

・チルノ
霧の湖の主で夢月の親友の氷精。仮面ライダー電王の仮面符を有し、イマジンを呼ぶと自由に動けないため自力でそのフリーエネルギーを用いて性格と属性を変える事で変身できる様になった。かつては「最強」を名乗るだけの⑨だったが過去に大親友を失った事で精神的に成長、誰もが認める「最強」になった。切札として「覚醒」を有するが、ちょっとしたトラウマの発現であるためあまり好まない。

・チルノ(赤)
炎属性になった赤い髪のチルノ。モモタロスの様に気性が荒く、目立ちたがりで隙だらけになる。犬が苦手で泳ぐこともできない。プリンが好物。この状態でも冷気は操れるが、他に「炎を出す程度の能力」も持つ。

・フォックス・マクラウド
宇宙義賊で雇われ遊撃隊「スターフォックス」の隊長。ハルバード相手に仲間と共に交戦していたが撃ち落とされた。非常に真面目で正義感も強く仲間思いであり、曲がった事が大嫌いな典型的な主人公タイプで、少々融通が利かないという短所がある。アーウィンと言う超高性能全能型戦闘機を操縦できるパイロットではあるが白兵戦もできる。

・レックウザ
天空ポケモンの癖して霧の湖から出現した伝説ポケモン。その理由は、亜空軍が戦力になるかと持ってきたが言う事を聞かなかったためにポイ捨てしたと言うくだらない物。暴れていたのは怒りに触れていたため。Vジェネレートと言う特殊技を覚えている個体なのだがひこう・ドラゴンじゃ氷には勝てなかったよ。


リメイク前と違って咲夜さんに仮面符を導入。次回は不死鳥と人里の教師が登場。お楽しみに…?
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