魔法使い子育てに興ず   作:久遠@雷

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紅霧異変―弍―

~???~

 

いつからだろう、あの子がおかしくなってしまったのは、いつからだろう、あの子が心を塞ぎ混んでしまったのは・・・・・・・・・何故?・・・・・誰のせい?・・・・きっと、私のせいなんだろう、私があの子の手をとることが出来なかったから・・・・あの子は、妹は私を恨んでいるのだろう。吸血鬼は傲慢で有名だが、私はそうじゃないのかもしれない、一言で表すなら、怠惰、そう、怠惰だ。私は姉としての努めを怠り、妹から目をそらし、あまつさえ傲慢にも誰かがきっと助けてくれると半ば諦め、ただただ惰性に時間を過ごした。

 

もっと、もっと!他に方法があっただろう!!助けてくれるわけないじゃないか!私が!あのとき!あの子の手をとることが出来ていれば!!助けられた筈だろう!!私の臆病者!!あの子に伝えたいことは沢山あるのに!!あったのに!!!!!!!もう、届かない!届けられない!!!!!!!!

 

あぁ、フラン・・・・・フランドール・・・・私の妹、私の唯一の肉親、血を分けた家族、貴女に殺されても私は文句は言えないし言わない、でも、もし叶うなら、叶うなら、貴女を思いっきり抱き締めて愛していると伝えたい・・・・・ごめんなさい、ごめんなさい、こんなダメな姉でごめんなさい、フラン・・・・私は・・・・貴女を・・・・この世の誰よりも・・・・

 

 

 

 

 

―愛しているわ―

 

 

 

 

 

 

 

 

紅魔館―パーティーホール―

 

今、私、博麗霊夢は玄関から入り、この館の内装に少し驚いた、外から見たわりにはスペースが広くまるで外観とは違う空間のように思えた、辺りを見回してみると敵の気配はない、慎重に一歩前に進んだときだった。

 

バタン!!

 

「!?」

 

突然、玄関が閉まった、それとほぼ同時にコツコツと足音が聞こえる。先程まで感じなかった気配のある方へ目を向けるとそこには、メイドが立っていた、頭にはカチューシャをつけ、スカートはフリルなどあまりなくこれといった目立った装飾品は着けていない、メイド服など初め見たためよくわからないが、しかしこれほどあの服装が似合う女性はそうは居ないと思う。彼女はこちらをまるで見下すように、またやや挑発じみた口調で話始めた。

 

「ようこそいらっしゃいました、侵入者、博麗の巫女様、私は此処、紅魔館のメイド長をしている十六夜咲夜と申します。今回はどういったご用件でしょうか?まさか我々の計画を邪魔しに来たとは言いませんよね?」

 

「あら、話が早くて助かるわ、この異変を起こしているのは、この館の吸血鬼の仕業だとさっき門番から聞いたわ。何が目的か知らないけれど、あんたのご主人に会わせてくれないから?」

 

「侵入者風情にそう言われてはいそうですかと主に会わせるほど、私の忠誠心は薄くないわ。お嬢様の進む道に転がっている石ころをどかすのもメイドの役目、侵入者は・・・・」

 

咲夜はそう言いながらどこからかナイフと懐中時計を取り出し、瞬間

 

「排除する」

 

霊夢の背後に現れ、ナイフを突き立てた

 

 

 

 

 

紅魔館―大図書館―

 

霊夢と咲夜の勝負が始まる数分前、私、霧雨魔理沙と梨奈は窓から図書館らしき場所へ出た。

 

「ひゃー、凄いな本が一杯だ」

 

「本がいっぱい、すごい」

 

見渡す限りの本の列、どれもきっちりと整理されており、本棚にしまわれている。

よく見るとそのほとんどが魔導書で幻想郷でもあまり見掛けないものばかりだ正直羨ましい。

そんなことを考えていると

 

「おかあさん」

 

「ん?どうした、梨奈・・・・」

 

梨奈が指を指す方を見ると

 

「全くここの住人は玄関から入る事を知らないのかしら?」

 

見るからに体が弱そうな、紫色のパジャマを着た女性が立っていた。

 

梨奈は何故か目をきらきらさせて彼女を見ていた

 

 

 

博麗霊夢vs十六夜咲夜

 

咲夜の突き立てたナイフは霊夢の首筋にしっかりと刺さった、しかし

 

「!?」

 

突然霊夢の体が光り辺りに札がばらまかれる。少しでも反応が遅れていたらどうなっていたことか。

 

「なるほど、やるわね」

 

「あんたもね、何をしたのかわからないけれど、一筋縄じゃ行かないことはわかったわ」

 

不意打ちはお互い失敗に終わったが両者とも一歩も引かない、お互いに引けない理由があるからだ

 

「ひとつ、貴女に教えてあげる」

 

「へぇ、何を教えてくれるのかしら?」

 

「私は時間を操る能力を持っている。この能力から逃れられたものはお嬢様以外にはいないわ・・・・つまり」

 

咲夜は時間を止め

 

「貴女じゃ私に勝てないのよ」

 

霊夢にナイフを突き刺そうとしたとき

 

「!?」

 

咲夜の動きが止まった。咲夜は何が起こったのかわからず辺りを見回すと足とナイフを持っている手がお札で封じられていた。

 

「な、な、」

 

「もしかしたらって思ってたけど、やっぱりそうだったのね」

 

霊夢はゆっくり咲夜に近付く

 

「それにしても、あんた弱いわね、こんな罠に引っ掛かるなんて、ちょっと拍子抜けだわ」

 

「なんですって!?」

 

これは咲夜にとってはショックだった何故ならいままでこの能力を持ってして自分の主以外に負けたことなど無かったからだ

 

「確かにあんたの能力は強力よ、でもねあんたはその能力を過信しすぎて一番大事なことを怠ったのよ。それは、」

 

霊夢は一呼吸おき、拳を握りしめ、続けてこう言った

 

「能力を磨き研ぎ澄まそうとする努力、あんたはそれを怠った。現状に満足して進むことをやめ、ただ慢心して油断し侮り警戒することを怠った怠け者、磨けば磨くほどあんたの持ってるその銀のナイフに匹敵するほど輝きを放つ刃になるのに、錆び付いたままの状態で振り回すだけ、その程度ならいくらでも対処できる。・・・・そんな人もろくに傷つけられない刃でやられるほど・・・・・・・・あたしは弱くないのよ。」

 

霊夢の拳が咲夜の腹部に直撃、そのまま吹き飛ばされ壁に激突し、咲夜は気を失った。確かにある悔しさと目標を胸に宿しながら。

 

 

紅魔館―大図書館―

 

「うぅぅぅううぉぉぉぉぉぉおおおおおっっぉぉっぉぉ!!!!!」

 

ドガガガガガガガガガガガガガ!!

 

はいどーも!霧雨魔理沙と梨奈でーす!今すっげー事になってまーす!今私は梨奈を抱えながら向こうのパチュリー・ノーレッジって言う人と段幕勝負をしてまーす!ヒュン‼あっぶね!向さん殺る気満々、殺意しか感じねぇ、完全に怒ってるよやばいよ。何でこんなことになってるのかと言うとだな、数分前に遡る

 

~数分前~

 

「全くここの住人は玄関から入る事を知らないのかしら?」

 

紫色の髪の毛でパジャマのような服装の女性、パチュリー・ノーレッジは溜め息をつきながら言う。

 

「しかたねえだろ二手に別れたんだから」

 

「そんなことは知らないわ。何にせよ侵入してきたんだからただじゃおk・・・・」

 

パチュリーは突然お腹の部分に違和感があるのを感じた

 

「おぉ、これがルーミアちゃんの言ってた抱き心地・・・・」ムニムニ

 

いつの間にか梨奈がパチュリーに抱きつきお腹周りを触っているからだった

 

「ちょっ、ちょっと!何して」

 

子どもとは純粋だが時に残酷である。大人が気にしていること、隠していることをダイレクトに攻撃してしまうのだ。そして今回のその子ども特有の残酷さの餌食になったのは、不幸にもパチュリーであった

 

「おかあさん、このお姉ちゃん、見た目のわりにお腹プニプニ」

 

「!?」

 

それはこちらでも見てわかる、それは梨奈がパチュリーのお腹を触ったときパチュリーの体型が細身から少し太めに変わったからだ。恐らくこうだろう服の大きさと光りを屈折させる魔法で体型を誤魔化していたのだ。・・・・ここは軽くフォローをいれるべきだったかもしれない。もしフォローできていたらあんなことにはならなかった。しかし、このときの私はそんなことにも気付かず

 

「ぷっ、あははははははははははははははははははははははははははははは!!」

 

大笑いしてしまったのである

 

「ひー!ひー!は、腹痛ぇ!まさか紫モヤシだと思ってた相手がこんなムッチリしてるなんてっ、ははははははは!まさか服の大きさと光りを屈折させる魔法で誤魔化すなんて、ぷふっ!思いもしねぇよぉ!あはははは!!」

 

「あなたたち、・・・・」

 

「はぇ?」

 

嫌な予感がした、恐る恐るパチュリーの方を見るとそこには、目元にうっすら涙を浮かべ、顔を真っ赤にし、辺りに魔法陣をこれでもかと展開し、今にもぶちギレてリアル図書館戦争を引き起こす寸前の賢者パチュリー・ノーレッジの姿があった

 

「ただで済むと思わないことね!!!!!!」

 

 

初めてだぜ、これほど過去の自分をぶん殴ってやりたいと思ったのは・・・・

 

 

 

 

「ぱ、パチュリー様の隠していた秘密をたった一瞬で見破るとは!あの梨奈って娘・・・やりますねぇ!」

 

本棚の陰に隠れて赤髪のロングヘアーの小悪魔は静かにでもしっかりと梨奈にグッジョブサインを贈ったそうな

 

 

 

次回、紅霧異変―参―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




あれ?霊夢ってこんなキャラだっけ?てか魔理沙との温度差が大変なことに
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