魔法少女リリカルなのはStrikerS ケロロ小隊ミッドチルダ戦記《更新一時停止中》   作:マシュ・マック

4 / 6
大変遅くなりました。
漸く書き上がったので投稿します。
尚、後書きにてお知らせがあります。
それではどうぞ。


ケロロ 訪問機動六課 であります

  NoSide

 

「おお〜、此処がなのは殿達の拠点でありますか〜」

 

「中々立派な建物でござるな」

 

「ふふっ、ありがとうございます。ケロロさん、ドロロさん」

 

「え〜、そうですか? モモッチのお屋敷よりも小ちゃいですぅ」

 

「いやいやタママ二等、そもそも比べる対象が違い過ぎるでありますよ」

 

なのは達と共に時空管理局、機動六課の隊舎にケロロ小隊のメンバーはたわいの無い雑談をしながら隊舎の中を歩いていた。

その途中・・・、

 

「なのはさーん! フェイトさーん!」

 

ケロロ達が歩いている廊下の後ろからなのはとフェイトを呼ぶ声が聞こえてきた。

声のした方を見ると、眼鏡をかけた女性がケロロ達の方に向かって走って来ていた。

 

「シャーリー!」

 

「頼まれていた腕輪の解析の準備が出来ました。なのはさん、フェイトさん」

 

「ありがとう、シャーリー。あっ、ケロロさん達にも紹介するね。彼女は六課のデバイスマスターの・・・」

 

「シャリオ・フィニーノです! 始めまして、皆さんの事はなのはさん達から聞いています。私の事はシャーリーと呼んでください。」

 

「おぉ! これはどうもご丁寧に。こちらこそよろしくお願いするであります。シャーリー殿!」

 

元気よく挨拶をするシャーリーに、ケロロ達も敬礼で返す。

 

「それで、腕輪の解析に立ち会いたいというのは・・・」

 

「俺だぜぇ」

 

シャーリーの問いに、クルルが前に出る。

その手には小隊のメンバー全員の腕輪があった。

 

「分かりました。では、私についてきてください」

 

「んじゃ隊長、そっちは任せたぜぇ〜。ク〜クックック」

 

そう言ってクルルはシャーリーと共に彼女が来た道を戻って行き、残ったメンバーはなのは達と共に再び歩き出した。

 

 

 

 

 

暫く歩いていると、なのはは一室の扉の前に立ち、ノックをする。

 

「どうぞ」

 

部屋の中から声が返ってくると同時になのはとフェイト、ケロロ達は扉を開け、部屋の中に入る。

部屋の中には茶髪のショートカットの女性が机の上の書類を見ながら椅子に座っていた。

 

「失礼します。高町なのは一等空尉、ただいま任務から帰還しました」

 

「ご苦労さん。で、そこにいるのが報告にあった宇宙人さん達?」

 

「はい。えっと、すいません。自己紹介してもらっていいですか? ケロロさん」

 

「ゲロ、了解であります。なのは殿」

 

そう言ってケロロは前に出て姿勢を正し、敬礼する。

 

「我輩はガマ星雲第58番惑星宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊、ケロロ小隊隊長、ケロロ軍曹であります。後ろにいるのが我輩の部隊の隊員達で、右から順番にタママ二等兵、ギロロ伍長、ドロロ兵長。後この場にはいないでありますがもう一人、クルル曹長がいるであります」

 

ケロロの自己紹介に合わせてタママ、ギロロ、ドロロの三人も茶髪の女性に敬礼する。

 

「ご丁寧にどうも。私は時空管理局、機動六課部隊長の八神はやて二等陸佐です。よろしくお願いします」

 

茶髪の女性、はやてもまた、椅子から立ち上がりケロロ達に敬礼し、再び椅子に座る。

 

「早速なんやけど、多分ケロロ君達は次元漂流者なんやないかと私らは考えとるんや」

 

「ゲロ? 次元・・・」

 

「漂流者、ですか?」

 

はやての口から出た謎の単語に、首を傾げるケロロとタママ。

 

「うん。極たまになんやけど、何らかの原因で自分達のいた世界から別の世界に移動してしまった人の事を言うんや。ケロロ君達の場合だとレリック、あの赤い宝石が原因やろうね」

 

「ゲロォッ!! なんですとぉ!!!」

 

「別の世界だと!!」

 

「じゃあ此処はペコポンじゃないんですか!?」

 

「皆の言うペコポンが地球の事やとしたらその通りや。此処はミッドチルダっちゅう地球とは全く別の次元世界や」

 

「何と・・・」

 

驚きを隠せないケロロ達。

無理も無い。さっきまで自分達の部屋にいたのに、いきなり自分達がいた世界とは別の世界に来てしまったと言うのだから。

 

「しかもケロロ君達の状況は更に厄介な事になっとるんかもしれへんのよ」

 

「どういう事でありますか?」

 

真剣な表情で話すはやてにケロロは続けざまに問う。

 

「・・・・・・・・・、実はな、私となのはちゃんは地球の出身で、更に言えばミッドと地球を行き来するんはそんなに難しい事では無いねん」

 

「何!?」

 

「本当でありますか!?」

 

「だったら僕たちの事も・・・」

 

「うん。送ってあげる事は出来るんよ。でもな、さっき調べたんやけど・・・、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私らの地球に、奥東京市ちゅう名前の町は存在せぇへんねん」

 

「「・・・・・・え?」」

 

はやての口から語られた衝撃の事実にケロロ、タママは呆然とし、ギロロ、ドロロも声こそ出さなかったが、驚きを隠せなかった。

 

「この事から、ある一つの可能性が考えられるんや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケロロ君達は私達の地球とは違う地球から来たかもしれへんのや」

 

「ゲロ・・・、はやて殿達のペコポンとは・・・」

 

「違うペコポン、ですか?」

 

「どういう事だ?」

 

はやての言う事がイマイチ理解出来ないケロロ、タママ、ギロロ。

そんな中・・・、

 

「はやて殿、もしや平行世界、パラレルワールド、でござるか?」

 

「その通りや」

 

ドロロだけがはやての言った事が理解出来た。

 

「パラレルワールド?」

 

「ドロロ、それは一体何だ?」

 

話についていけず、ドロロに説明を求めるケロロとギロロ。

二人の問いにドロロが答える。

 

「パラレルワールドとは、拙者達がいる世界と同一の次元に存在する、拙者達の世界とは似て非なる世界、又の名を、もしもの世界、と言うでござる」

 

「もしもの世界?」

 

「例えばでござる。拙者達は現在五人で一つの小隊を組んでいる。これがもしも五人ではなく四人だったら、或いは十人だったら。更に言えば隊長がギロロ殿だったら、或いは拙者がだったら。そういった、もしもが現実として存在する世界。それがパラレルワールドでござる」

 

「ちょっと待てドロロ」

 

「ギロロ殿?」

 

「もしお前の言う事が本当だとしたら、そのパラレルワールドという世界は数え切れない程ある、と言う事になるが・・・」

 

「その通りでござる。パラレルワールドは、もしもの数、つまり、無限に存在しているでござる。で、ござろう、はやて殿」

 

「その通りやドロロ君」

 

粗方話し終えたドロロが話し手のバトンをはやてに渡し、はやてはドロロから渡されたバトンを受け取る。

 

「更に私から言わせてもらうと、今の管理局の技術じゃ平行世界を移動する事は出来ひんのや」

 

「ゲロッ! それはつまり・・・」

 

「そうや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今の私達には皆を元の世界に送り返す事は出来ひんのや」

 

「「「「・・・・・・・・・・・・」」」」

 

今度こそ何も言えなくなってしまうケロロ達四人。

そんな中、一番に口を開いたのは・・・、

 

「・・・・・・・・・いであります」

 

「ん?」

 

「冗談ではないであります!!」

 

ケロロだった。

 

「我輩達は何としても自分達のペコポンへ帰らなければならないのであります!」

 

「そうですぅ! 僕も帰りたいですぅ!!」

 

「何より俺達には成さなければならない大切な使命がある! 此処でのんびりしている暇はない!!」

 

「その通りであります! ギロロ伍長!」

 

「使命?」

 

「何なんですかそれは?」

 

気になったなのはとフェイトはケロロ達に問う。

 

「我輩達には大切な使命があるのであります! そう!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さっき買ったガンプラを! MG RX-78 限定版モデルを完成させるという大切な使命が!!!」

 

「ケロロ貴様と言う奴はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「ゲロッ!!」

 

突然ギロロは渾身のアッパーをケロロに打ち込み、打ち込まれたケロロは天井まで飛び、そのまま天井に激突し、跳ね返り、床に叩き付けられた。

 

「「「えええええええええええっ!?!?」」」

 

また、突然の出来事になのは、フェイト、はやての三人は思わず声を上げて驚きを露にした。

 

「痛ったたたた・・・、いきなり何をするでありますか!? ギロロ伍長!!」

 

「うるさい!! 俺達の使命と言えばペコポン侵略だろ!! それを貴様、言うに事欠いてガンプラなどと!!」

 

「何だよ! 侵略だって大切でありますが、それよりもガンプラの方が重要でありましょうが!!」

 

「そんな訳あるか!! このボンクラが!!」

 

先程までの真剣な空気はどこへ行ったのか。

口論をしだしたかと思えばそのまま喧嘩を始めるケロロとギロロ。

 

「わわわっ! ちょっ・・・、軍曹さん! 伍長さん!」

 

「二人とも落ち着くでござる!」

 

そんな二人を慌てて止めようとするタママとドロロ。

そして・・・、

 

「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」

 

なのは、フェイト、はやての三人は状況についていけず、呆然とするしかなかった。

 

 

 

 

 

数十分後

二人の喧嘩は漸く治まった。

 

「いやぁ、面目ない。恥ずかしい所を見られてしまったであります」

 

「い、いえ、気にしないでください。アハハ・・・」

 

ボロボロになりながら恥ずかしそうに後頭部を掻くケロロに、なのはは苦笑いを浮かべる。

 

「えっと・・・、少し、訊いてもええ、かな?」

 

「なんでありますか?」

 

同じく苦笑いを浮かべたはやてがケロロに問う。

 

「さっき、ペコポン侵略、とか聞こえたんやけど、もしかしてケロロ君達は地球を侵略する為に宇宙から来たの?」

 

「ゲロ? そうでありますが?」

 

「・・・・・・・・・・・・」

 

とんでもない事を、何でも無いことを言うように答えるケロロに、はやては戸惑いを隠せず、再び苦笑いを浮かべる。

 

「えっと、じゃあもう一つ。さっき、侵略、って言葉と一緒に、ガンプラ、って言葉も聞こえたんやけど・・・、ガンプラってもしかして、あのプラモデルの事?」

 

「勿論であります」

 

これ又先程と同じようにさらりと答えるケロロに、はやては何とも言えない表情を浮かべ、その様子にケロロは首を傾げる。

 

「・・・・・・・・・、えっと、最後に一つ。プラモデルと侵略と、一体どう関係があるの?」

 

「ゲロ? そんなの決まってるであります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

関係ないであります!!!!」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

さも当たり前のことを言うように堂々と答えるケロロに、遂にはやては頭を抱えてしまう。

 

「ゲロ? どうしたでありますか? はやて殿」

 

「・・・・・・ううん、ごめん、何でもないんや、何でも」

 

『なのはちゃん、フェイトちゃん』

 

『『何? はやて(ちゃん)』』

 

ケロロには何でもないと言っておきながら、なのは、フェイトの二人に念話で話し掛けるはやて。

 

『・・・・・・・・・、ホンマにこの子が隊長なん? 悪いけど全然そうは見えへんのやけど・・・』

 

『『・・・・・・、ごめん、何か私達も自信無くなってきた』』

 

「ゲロ?」

 

「「「・・・、はぁ〜」」」

 

自身の評価が下がっている事に全く気付かない隊長と、それを察し、溜め息をつく部下達。

何とも言えない光景である。

 

「・・・、えっと、じゃあ、今度は私が訊いていいかな?」

 

そんな空気の中、今度はフェイトが手を上げて、質問する。

 

「何でありますか? フェイト殿」

 

「うん。さっきの話を聞いてると、ケロロ達は侵略者なのに、随分と地球での暮らしに馴染んでるみたいに聞こえるんだけど・・・、何でそうなったのかな?」

 

「何故と訊かれると・・・」

 

「そりゃあ・・・ 、まあ・・・」

 

「当然ながら・・・」

 

ドロロ、タママ、ギロロの視線が一カ所の集まる。

そしてそこには・・・、

 

「ゲロ?」

 

ケロロがいた。

その光景にフェイト達三人は・・・

 

(((やっぱり・・・)))

 

と思った。

 

「えっと、詳しく訊いて、いいかな?」

 

困惑した表情で問うフェイト。

その問いに答え、ケロロ達は自分達が地球での暮らしに馴染んでいる理由、及びそうなった原因を話し始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・・・・、と言う訳であります」

 

「・・・。えっと・・・、つまり話を纏めると・・・」

 

「地球侵略の為の先遣隊としてやって来たは良いんだけど・・・」

 

「隊長であるケロロ君がうっかり地球人に見付かってそのまま捕まってしまい・・・」

 

「その事が本隊に伝わって、結果、小隊メンバー全員置き去りにされて・・・」

 

「そのまま色々とあって、結局小隊メンバー全員が地球の生活に馴染んでしまった、と」

 

「・・・・・・・・・、何て言ったらええんやろな、これ・・・」

 

ケロロ達の話を聞き、何とも言えない心境になる三人。

 

「・・・・・・・・・、それで、皆はこれからどないするん?」

 

若干戸惑いつつも、気持ちを切り替え、はやてはケロロ達に問う。

 

「ゲロ? どういう事でありますか?」

 

「さっきも言うたけど、今の私達にケロロ君達を元の世界に送り返してあげる事は出来ひん。でもケロロ君達はどうしても帰らなくちゃ行けない。そんで皆は今後どうするのかっちゅう事や」

 

「そういえば・・・、僕たち、これからどうしましょうか? 軍曹さん」

 

「ゲロ・・・、そう言われてみればそうでありますな・・・」

 

「今の俺達に元の世界に帰る為の手掛かりは何も無い」

 

「唯一あるとすれば、拙者達をこの世界に連れてきたあの赤い宝石、なのは殿達で言うレリックの変化した腕輪だけ。しかもそれは現在クルル殿がシャーリー殿と共に解析中」

 

「今俺達に出来る事は何も無く、その上俺達にはこれからどうすればいいのかも分からない」

 

「僕たち寝る所も今日のご飯も無いですぅ」

 

「今冷静に考えてみたら、我輩達、結構ヤバイ状況でありますな・・・」

 

これから先、どうすればいいか分からず、途方に暮れるケロロ達。

そんな中・・・、部隊長室に誰かが入ってきた。

 

「失礼します! 八神部隊長!」

 

「ク〜クックック。邪魔するぜぇ」

 

「ゲロ? クルル曹長に・・・」

 

「シャーリー? どないしたん? そんなに慌てて」

 

入ってきたのはクルル曹長とシャーリーだった。

尚、クルルの腕には先程の腕輪がはまっており、残りの四つはシャーリーの手の中にあった。

 

「はい! 先程、皆さんからお預かりした腕輪の解析が完了しました。そしたらとんでもない事が分かりました!」

 

「とんでもない事?」

 

「何が分かったのシャーリー?」

 

「はい! 解析の結果、この腕輪がデバイスである事が判明しました!」

 

「ええっ!?」

 

「それ本当なのシャーリー!?」

 

「はい!」

 

シャーリーの報告に声を上げて驚く3人。

 

「ゲロ? デバイス? それはなんでありますか?」

 

イマイチ状況が掴めないケロロ達は首を傾げる。

そんなケロロ達になのは達はデバイスの事を簡単に説明した。

 

「つまり、その腕輪は、なのは殿達、魔導士の使う武器のような物であった。と言う事でありますか?」

 

「はい、そうなります」

 

「でもどうしてレリックがデバイスに・・・」

 

「こんな事は今まで一度も無かったのに・・・」

 

今までに無い状況に戸惑いを隠せない三人。

 

「それだけではありません!」

 

「どういう事? まだ何かあるの?」

 

「はい! それは「おっと、ストップだ眼鏡っ娘」クルルさん?」

 

シャーリーの言葉をクルルが遮る。

 

「此処から先は俺達も無関係じゃねぇからな。俺の口から説明させてもらうぜ」

 

「僕たちにも無関係じゃない?」

 

「どういう事だクルル?」

 

クルルは自身の腕にはまった腕輪を見せながら口を開く。

 

「驚くべき事にこので腕輪には・・・、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達の故郷、ケロン星のテクノロジーが使われている」

 

「ゲロォ!!」

 

「何!?」

 

「ええっ!」

 

「何と!」

 

クルルの言った事に今度はケロロ達が声を上げて驚く。

なのは達も声こそ上げていないが、驚いている。

 

「どういう事でありますかクルル曹長! 何故この世界の物であるデバイスに、ケロン星のテクノロジーが!?」

 

「それに関しては俺様にもさっぱりだ。只確かなのは、この腕輪が俺達にとってだけでなく、嬢ちゃん達にとっても、とんでもねぇ代物だってことだ。そうだろう? 眼鏡っ娘」

 

「はい。そうなります」

 

「私達にとっても?」

 

「どういう事なの?シャーリー」

 

「八神部隊長、なのはさん、フェイトさん。落ち着いて聞いてください。驚く事にこのデバイス・・・、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ自体がリンカーコアと同じ働きをする事が出来るんです」

 

「「「え・・・・・・?」」」

 

「「「「???」」」」

 

驚き余り、はやては椅子から立ち上がり、なのはとフェイト何も言えなくなる。

一方、事態がよく分からないケロロ、ギロロ、タママ、ドロロの四人は首を傾げている。

 

「シャーリー・・・、それってつまり・・・」

 

「はい、このデバイスはリンカーコアを持たない人でも、魔導士と同じように魔法を使えるようにする事を可能にします」

 

「・・・、シャーリー、それ・・・、ホンマなんか・・・」

 

「はい。信じられないかもしれませんが、調べた結果、間違いありません」

 

「・・・・・・、この事を知っている人は他に・・・」

 

「いません。この事を知っているのは今この部屋にいる人達だけです」

 

「そうか・・・」

 

落ち着きを取り戻したはやては椅子に座り直し、真剣な表情になる。

 

「シャーリー、その腕輪の技術を再現する事は?」

 

「・・・・・・・・・、結論から申しますと今の私達には不可能です。八神部隊長」

 

「そうか・・・」

 

シャーリーの返事を聞いたはやては、今度はクルルに視線を移す。

 

「そこの黄色い君、確かクルル君、やったっけ?」

 

「ん〜?」

 

「君はどうなん? あの腕輪の技術を再現する事は?」

 

「・・・・・・、状況から考えれば、分からない、ってトコだな」

 

「分からない?」

 

「確かにあの腕輪に使われているのは俺達の故郷のテクノロジーであり、俺はそれがどんな物なのか理解している。だが、それを今ここで再現出来るか? と訊かれれば、それは分からないだろうな。更に俺達は現在手ぶら同然。ここまで言えば分かるよな。ク〜クックック」

 

「成る程な・・・」

 

はやてはクルルの言いたい事を理解する。

つまり、いくらそれがどんな物か理解出来ていたとしても、自分達にとって全くの未知の世界で、しかも自分達の世界の物が殆ど無い今の状況で、それを再現するのは難しい。

しかし、もしかしたら出来るかもしれない。

だからクルルは、分からない、と答えたのだと。

クルルの答えを聞いたはやては暫く何かを考え込み、少ししてから再び口を開く。

 

「なあ、ケロロ君」

 

「ゲロ?」

 

「もし良かったら、私らに協力してくれへんか?」

 

「協力、でありますか?」

 

「せや。協力してくれるんなら、皆が元の世界に帰る方法が見つかるまでのまでの衣食住と身の安全、ある程度の自由を保障するし、勿論、私らも帰る方法を探す為の協力は惜しまへん」

 

「何と! 本当でありますかはやて殿!? それなら「待てケロロ」ゲロ? 何でありますか? ギロロ伍長」

 

はやての提案に返事をしようとするケロロをギロロが止める。

 

「ペコポン人の女、はやてと言ったな? お前達の目的はこの腕輪・・・、いや、この腕輪に使われているケロン星のテクノロジーだな? 何故この腕輪の技術を欲しがる?」

 

「・・・・・・、その技術が、私らがずっと求めとったもんやからや」

 

「求めていた物、だと?」

 

「どういう事でありますか?はやて殿」

 

ケロロに問われ、はやては事情を説明する。

 

「・・・・・・、話を纏めるとつまり、はやて殿達の組織の中で、なのは殿達のように魔法が使えるのはごく一部だって、寧ろ魔法が使えない人間の方が多い」

 

「成る程な。確かにそんな連中からしてみれば、この腕輪は文字通り、喉から手が出る程欲しい代物、という訳か」

 

「そう言う事や」

 

「・・・・・・、それで、どうするんだ? ケロロ」

 

「ゲロ?」

 

「こいつらに協力するのか、否か、と言う事だ」

 

「ああ、その事でありますか。決まってるであります。無論、協力するでありますよ、はやて殿」

 

「ホンマか!?」

 

「勿論であります。皆もそれで良いでありますな?」

 

ギロロ達の方を向きながらケロロは問う。

 

「・・・、はぁ〜、隊長はお前だ。その判断に従おう」

 

「僕も軍曹さんについていくですぅ」

 

「クックック〜、ま、良いんじゃねぇの?」

 

「拙者も賛成でござる、隊長殿」

 

「決まったであります! と言う訳ではやて殿。ケロロ小隊一同、お世話になるであります!」

 

「こちらこそ、よろしくお願いします」

 

そう言ってケロロとはやてはお互いに握手を交わす。

こうして、ケロロ小隊のメンバーは機動六課の民間協力者となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんなら早速で悪いんやけど、ケロロ君達にお願いがあるんや」

 

「おっ! 早速でありますな。何でありますか? はやて殿」

 

「皆に私らと模擬戦をしてもらいたいんや」

 

「模擬戦、ですか?」

 

「そうや。皆が軍人やっちゅう事はさっき聞いたけど、皆の具体的な強さを知りたいんや。それにあの腕輪のデータ収集したいし、良えやろか?」

 

「成る程な」

 

「了解であります。はやて殿」

 

はやての言葉に納得するギロロとケロロ。

 

「ちょい待ち隊長」

 

「ゲロ? 何でありますか? クルル曹長」

 

突然クルルがケロロに待ったをかける。

 

「悪いがその模擬戦、俺はパスさせてもらうぜぇ」

 

「何だと。どういう事だクルル」

 

「おいおい考えてもみろよ。今回の模擬戦の目的の一つはこいつのデータ収集だろ? 俺が抜けたら誰がやるんだよ?」

 

睨みながら問うギロロにクルルは腕輪を見せながら答える。

 

「それにこいつを実戦使用するにはまだ調整が必要だ。俺はそっちに回らせてもらうぜぇ。それとデータ収集の時にはこのメガネっ娘を借りるぜぇ。ク〜クックック」

 

「成る程。それでその調整にはどのくらいかかるでありますか? クルル曹長」

 

「大まかな調整はもう終わってる。後は細かな調整をするだけだから、そんなにはかからねぇぜぇ」

 

「了解であります。んじゃま、クルルはケロバイスの最終調整、及びデータ収集の為に外れるっつー事で、模擬戦は我輩とギロロ伍長、タママ二等とドロロ兵長の四人で行うであります」

 

「あの、ケロロさん。ケロバイスって何ですか?」

 

ケロロの口から出た聞き慣れない単語になのはが問う。

 

「ゲロ? この腕輪の事であります。ケロン星のテクノロジーの使われたデバイスだから、ケロバイス。折角だから名付けてみたであります」

 

「成る程。ほんならクルル君、シャーリー、データ収集は頼んだで」

 

「了解です」

 

「了解だぜぇ」

 

そう言ってクルルとシャーリーは五人分のケロバイスを持って部隊長室を出て行く。

 

「さて、そうなると模擬戦はケロロ君達四人と・・・」

 

「私となのはとシグナムとヴィータの四人で良いんじゃない?」

 

「ま、それが妥当やろうな」

 

フェイトの提案にはやては頷く。

 

「ゲロ? はやて殿、シグナム殿とヴィータ殿というのは・・・」

 

「ああ、シグナムとヴィータは私らの仲間で、前線メンバー、『スターズ分隊』『ライトニング分隊』の副隊長をしとるんや」

 

「因に私はスターズの隊長で」

 

「私がライトニングの隊長だよ」

 

はやてに続いてなのはとフェイトもそれぞれの立場について説明する。

 

「何と! なのは殿とフェイト殿も隊長だったでありますか!」

 

なのは達の説明を聞き、共感を覚えるケロロ。

するとそこへ・・・、

 

「只今戻りました。主はやて」

 

「ただいま、はやて」

 

ケロロ達の知らない二人の女性が部隊長室入ってきた。

一人はピンクの髪をポニーテールにした女性。

もう一人は赤い髪を三つ編みにした、女性、と言うよりは少女。

 

「お帰りシグナム、ヴィータ。グッドタイミングや」

 

「どういう事ですか? 主・・・、ん?」

 

「おい、なのは。何だこいつら?」

 

「あ。紹介するね、ヴィータちゃん、シグナムさん」

 

なのははシグナム、ヴィータと呼ばれた二人にケロロ達を紹介し、先程まで話していた事を説明した。

 

「成る程。そう言う事でしたら、我らは主の決定に従うだけです」

 

「にしてもこんなチンチクリン共が本当に役に立つのか?」

 

疑いの眼差しをケロロ達に向けるヴィータ。

そんなヴィータの態度が気に食わなかったのか、ムッとした顔でタママが言い返す。

 

「お前なんてチンチクリンどころか子供じゃないですか!」

 

それがヴィータにとって禁句だとも知らずに。

 

「誰が子供だ!! あたしは大人だ!!」

 

激怒したヴィータはタママに怒鳴る。

だが・・・、

 

「・・・・・・、ぷっ! あっはははははははははははは!!」

 

そんなヴィータを余所にタママは大笑いしだす。

 

「そんな身長で大人って・・・、どう見ても子供じゃないですかあっははははははははは!!」

 

大笑いされたのが余程頭に来たのか、ヴィータは額に青筋を浮かべながら再び怒鳴る。

 

「そう言うテメェはどうなんだよ!! お前らがカエルの宇宙人だって言うんならオタマジャクシのテメェも十分ガキだろ!!!」

 

「ンだとゴラァァァァ!!!」

 

今度はタママが激怒しヴィータに怒鳴る。

 

「アァッ!! やんのかテメェ!!」

 

「上等だゴラァァァァ!!」

 

「「ぐぬぬぬぬぬぬぬぬ!!」」

 

「わわわわわ。ヴィータちゃん落ち着いて!」

 

「タママ殿も落ち着くでござる!!」

 

互いに睨み合うタママとヴィータ。

そんな二人を必死に止めるなのはとドロロ。

 

「はやて!! 確か今からコイツらと模擬戦やるんだよな!!!?」

 

「えっ!? う、うん。まあ」

 

「上等だ!! テメェはあたしがこの手でぶちのめしてやる!!」

 

「それはこっちのセリフだゴラァァァァ!!」

 

タママとヴィータは模擬戦を始める前から既に殺る気満々だった。

 

「えっと・・・、ごめんなケロロ君達。ヴィータが騒いで・・・」

 

「いやいやはやて殿、こちらこそタママが失礼したであります」

 

互いに謝り合うケロロとはやて。

と、そんなはやてにシグナムが眼を輝かせながら声を掛ける。

 

「ところで主。彼らの実力はどれほどのモノなのでしょうか?」

 

「え? えっと・・・、私は直接見た訳やないけど・・・、確か・・・、ガジェット相手に完勝、したんやっけ・・・? なのはちゃん、フェイトちゃん・・・」

 

「本当なのか? 高町、テスタロッサ」

 

「えっ!? えっと・・・、はい・・・」

 

「うん・・・、まあ・・・」

 

引きつった笑みを浮かべながら曖昧に答えるなのはとフェイト。

だが、そんな答えでもシグナムは更に眼を輝かせる。

 

「それは良い! お前達! たしかケロロ小隊と言ったな!?」

 

「ゲロ!?」

 

「お前達との模擬戦楽しみにしているぞ!! 行くぞヴィータ!!」

 

「おうよ!! テメェらゼッテェぶっ潰してやるからな!! 特にそこのオタマジャクシ!!」

 

そう言ってシグナムとヴィータは部隊長室を出て行った。

 

「・・・・・・・・・、ホンマごめんな、ケロロ君、皆」

 

「いや・・・、まあ、気にしなくても、良いであります。はやて殿・・・」

 

複雑な顔で再度謝るはやてに、ケロロは引きつった顔で返した。

 

その数分後、クルルとシャーリーが最終調整を終えたケロバイスを持って再び部隊長室を訪れ、ケロバイスを受け取ったケロロ達は、はやて達と共に部隊長室を後にした。

 

 

 

 

 

部隊長室を後にしたケロロ小隊一行は、はやて達に案内され、機動六課の訓練場に向かっていた。

途中で用事があると言い、なのはが別行動をとるが、特に問題なく訓練場に到着する。

 

「来たか」

 

「遅ぇぞテメェら!!」

 

訓練場には既にバリアジャケットを纏ったシグナムとヴィータがいた。

その後、別行動をとっていたなのはも、ケロロ達に合流した。

 

「ほんなら、早速始めよか」

 

「ゲロ。了解であります、はやて殿」

 

「OK。シャーリー」

 

「はーい」

 

はやての声に答えたシャーリーは空中に出現させたパネルを操作し始める。

 

「機動六課自慢の訓練スペース、陸戦用空間シュミレーター。ステージセット」

 

最後の操作を行うと、海上に浮かんでいたプレートから光り出し、廃墟都市が出現した。

 

「おお! これは!」

 

「凄いですぅ!」

 

「ほう!」

 

「何と!」

 

「クック〜」

 

その光景に驚くケロロ小隊の面々。

 

「それじゃあ、まずは私達から。先に行きますね」

 

そう言って、各々のデバイスを手に取るなのは達。

 

「行くよ! レイジングハート!」

 

「バルディッシュ!」

 

「「セーットアップ!!」」

 

瞬間、なのはとフェイトが光に包まれる。

光が収まった時、二人の姿はケロロ達がミッドで初めて会ったときと同じバリアジャケット姿になっていた。

 

「おおおっ!!」

 

「かっこいいですぅ!」

 

二人の姿に興奮を隠せないケロロとタママ。

 

「じゃあ、行こっか、フェイトちゃん」

 

「うん。ヴィータ、シグナム」

 

「おう!」

 

「ああ」

 

そう言ってなのは達は廃墟都市の方へと飛んでいった。

 

「では、今度は我輩達の番でありますな。クルル曹長!」

 

「方法はさっき二人がやったのと同じ様にすれば良いぜぇ」

 

「了解! 行くであります! ケロロ小隊! 出撃であります!」

 

「「「了解!!」」」

 

各々の腕にはまったケロバイスを空に掲げ、自身の相棒の名を高らかに呼び、

 

「「「「セットアップ!!」」」」

 

起動の言葉を口にした瞬間、ケロロ達は光に包まれる。

 

 

 

 

 

今ここに、ケロロ小隊の、新たな戦いの幕が上がる。

 

 




ミッドチルダ戦記、久々の投稿になりました。
読んでいただきありがとうございます。

さて、突然ですが、この作品内の事でアンケートをとりたいと思います。
活動報告にてアンケートを実施しています。
どうかよろしくお願いします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。