映画 プリキュアオールスターズVS魔法少女まどか☆マギカ 悠久の絶望は永久の希望に   作:牢吏川波実

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 久々の投稿になりますね。実は、自分の作品に納得がいっておらず、これ投稿したらダメなんじゃないかなとかいろいろ考えすぎて、投稿に踏み切れませんでした。このプリまどのほうの投稿、今年中にもう一回あるかないか分からないというほど現在悩みに悩みまくっていまして、特に時系列をいじくりまわした結果、バブル期のアイドルばりにスケジュールがギュウギュウとなっておりまして……。


魔法少女になったのは間違いだったのかなって

 一つ、疑問に思うことがある。彼女、暁美ほむらはどうして自分にこうも固執しているのだろうか。彼女に会った記憶はない。彼女と話したことも、あの結界の中が初めてだと思う。だが、何故彼女は自分と話す時ああも悲しげな表情をするのだろう。どうして、彼女は時が止まった中で自分に謝罪したのだろうか。それを聞いたのはつぼみ一人だったために後からその話を聞いたが、それがどうにも気になって頭から離れないでいた。それに、何だろうか。自分は彼女に会った記憶はないしかし、どうにも彼女の顔を思い出そうとすると懐かしい気持ちになってしまう。そして、申し訳ない気持ちにも。こんな気持ち、生まれて初めてかもしれない。誰かに罪悪感を感じたことなんて、それもあって間もない人物に。いや、自分は確かに彼女と一緒にいたはず。あれは、確か……。

 

「鹿……、……目さん」

 

 そう自分と、マミと、それから彼女と……。一緒に……。

 

「鹿目さん!!」

「ッ!」

「どうしたのボーッとして、もうすぐ魔女のいる部屋よ」

 

 自分は少しだけボンヤリとしていたようだ。放課後、彼女と今日の見回りの最中に見つけた魔女の結界の中、ここはあまり使い魔が現れることのないようで簡単に最奥部へとたどり着けることができた。だが、容易である分集中力が途切れて考え事をする時間が生まれてしまったようだ。マミがいなかったらどうなっていたことかわからない。

 

「す、すみません。ちょっとほむらちゃんについて考えてて……」

「暁美さんね……彼女と呉さん、ここ最近は現れないようだけれどどうしたのかしらね」

「はい……」

 

 あの、つぼみが襲撃された日から一度も目撃したことのないほむらとキリカ、一体どうしたというのだろうか。あそこまで殺気を立ててつぼみたちプリキュアの事を狙っていたというのに、音沙汰がないのは流石におかしすぎる。彼女たちに何かがあったのか、ほむらはあの日から学校も休んでいて、家に行ってもいつも留守のため心配でしょうがない。

 

「でも、今はこの魔女の事だけに集中しましょう。あれこれ考えるのは、その後よ」

「はい」

 

 やっぱり、こういう時の彼女は頼りになる。先輩として、自分の至らない所を指摘してくれ、そしてまずどうしたらいいのかを適切にアドバイスしてくれる。彼女が魔法少女としても先輩でよかった。

 それはともかくとして、先ほども言った通り彼女たちは易々と魔女のいるであろう部屋の前にたどり着いた。今はまだ弱い部類の結界で、おそらく魔女もそれなりの弱さなのだろう。だが、このまま成長していくとどうなるか分からない。今は一刻も早くこの魔女を倒さなければならないのだ。

 

「行くわよ」

「はい!」

 

 大きなドアはゆっくりと開かれていく。そして、その先にいたのは……。

 

「え?」

「……」

 

 その巨体を地面に横たわらせた魔女と、その前に立つ一人の魔法少女の姿だった。

 綺麗な白い衣装をまとったその姿、頭にかぶった帽子は、十字を少し斜めにしたような物。僧侶の帽子という印象があった。あのような魔法少女は見たことないが、彼女もこの見滝原に住む魔法少女なのだろうか。少女は、ゆっくりこちらに歩いてくると変身を解いて言う。

 

「初めまして、美国織莉子と申します」

「え、あの……」

「危ないわよ。まだ魔女が起き上がってくるかもしれないのに……」

 

 確かにマミの言う通りだ。以前病院で戦ったなぎさの魔女のように再生能力を有している可能性だってある。そもそも倒し切れなくて、また起き上がって襲い掛かってくる冠毛性だってある。その中で変身を解くなど、自殺行為に他ならない。

 

「フフ……心配なんて必要ないわ。だって、あの魔女が起き上がる未来なんてないもの」

「え?」

 

 その時、彼女の後ろにいる魔女の形が崩れ、そして崩壊しその姿をグリーフシードへと変えた。その瞬間、周りの景色は元通りどこかのビルの屋上へと姿を変える。

 

「未来なんてないって……」

「私の魔法は未来予知。大きな物には魔力をたくさん消費するけど、簡単な物だとそれほど浪費しないのよ」

「未来……予知」

 

 織莉子はそう言うと、後ろに下がりグリーフシードを取ると、自分のソウルジェムに近づける。すると、ソウルジェムの汚れはグリーフシードへと吸い込まれ、元の色であろうパールっぽい光沢が戻ってきた。すると織莉子は、そのグリーフシードをまどか目掛けて放る。まどかは、それを危うく落としそうになるがなんとかキャッチする。その様子をみた織莉子は苦笑しながら言う。

 

「あと一回ぐらいは使えるから、あなたが使いなさい」

「え?でも、私のソウルジェムはそんなに……」

「今じゃないわ。この後、私の話を聞いた後の事よ」

「織莉子さんの……話?」

「……暁美ほむら」

「!」

「聞きたくはない?彼女がどうして魔法少女になったのかを」

 

 その名前を発したとたんマミはその手にマスケット銃を出して、彼女に狙いを定める。しかしそれを見ても織莉子は微動だにせず、話を続けたのだ。マミは、いつでも拘束できるような準備を整えてから言う。

 

「貴方、彼女の仲間?」

「仲間……そうね、友達ではないかしら。むしろ、あの子にとっては私は憎むべき敵……と言ったところね」

「あの、ほむらちゃんが私を気にかけてくれてる理由も……知ってますか?」

 

 まどかが、おどおどとした様子で彼女に聞いた。織莉子は微笑みながら言う。

 

「えぇ、その辺は聞いたことはないけれど、見たことはあるわ」

「見た?」

「未来予知というのは、決められた未来を見る事じゃないの。いくつもある未来から取捨選択してそれにあった未来を形作るために行動しているだけなのよ」

「へぇ……」

「なるほど、その中に彼女があなたにすべてを話した未来もあるということね」

「いいえ、ただ彼女がそこにいる鹿目まどかさんに話したいくつかの未来を統合しただけ。彼女が私と話す未来は、大抵殺気立ったものだもの」

 

 と、彼女は笑いながら言った。色々と聞きたいことはあったものの、しかしマミが直に話を始めるように促す。彼女のペースに乗せられることを恐れての事だろうか。

 

「そうね。まずどこから話してもらいたいかしら。やっぱり、最初の時間軸について?」

「最初の、時間軸……」

 

 そして彼女は話す。暁美ほむらの過去を。

 

 彼女、暁美ほむらは病弱で、心臓に病気を抱えた少女だった。この見滝原にある病院で手術を受けたことによって心臓病は完治した物の、病み上がりに加えて今まで運動という運動をしてこなかったために、転校生として見滝原中学校にやってきた彼女は体育ではいつも途中で休ませてもらったり、またもともと内向的でおどおどした性格だったこともあって友達作りに四苦八苦していた。

 そんなある日、上手くいかない学校生活に落ち込んでいた彼女は魔女の結界に迷い込んだ。この時間軸ではまどかがさやかと共に倒した凱旋門の魔女の結界だ。訳も分からずに死ぬところだった彼女を救ったのはマミとまどかの子弟コンビだった。因みに、その時のまどかが魔法少女になった願いは、車に轢かれた猫を生き返らせてという物だったらしい。

 

「ね、猫?」

「あら、鹿目さんらしいじゃない?」

「因みに、その猫はこの時間軸だと無事だったけど、念のために知り合いの猫屋敷に無断で置いてきたから安心してね」

「む、無断って……」

「話を戻すわね」

 

 それから、ほむらは魔法少女でないものの二人の、魔法少女としての活動についていくこととなった。それは、この時間軸でも一番最初にまどかがマミに誘われたものだった。と言っても彼女はすぐに魔法少女の契約を結んだのだが。それはともかく、見滝原で初めてできた友達であり、あこがれの存在となったまどかと先輩であるマミとの生活は、とても楽しいものであった。それは、病弱のために友達と遊びに行くという経験が全くなかった彼女にとって、初めての経験ばかり、彼女はそんな生活が続けばいいと、そう思っていた。しかし、そんなある日にこの日常が終わりを迎えてしまったのだ。

 

「ワルプルギスの夜」

「!」

 

 彼女の口から出た言葉に、マミの表情は一気に驚きの表情へと変わる。

 

「巴マミ……あなたは知っているでしょう?」

「……」

「ワルプルギスの夜?」

「……ワルプルギスの夜は、伝説の魔女とも言われている魔女よ。行く先々に多くの災害をもたらすと言われていて、今までに倒すことのできた魔法少女はいない……通り過ぎた後にはガレキと悲しみしか残さない最悪の魔女……風の噂では聞いたことがあったけど、まさか本当に……」

「でも、事実よ。見滝原に現れたワルプルギスの夜に対して、あなたたち二人は立ち向かった。けど……」

「……」

「先に死んだのはマミ、貴方の方だったそうよ」

「……そう」

 

 それが、暁美ほむらが初めて見た魔法少女の死。そして、ワルプルギスの夜は倒された。鹿目まどかの死体と、悲しみを残して。

 

「……」

「『あなたと友達になれてよかった。貴方が魔女に襲われたとき間に合って、今でもそれが自慢なの。だから、魔法少女になって本当によかったって、そう思う』それが、貴方が彼女に送った遺言だったそうよ」

「ほむらちゃん……」

 

 自分が死んだ。その事実を簡単に容認することはできないしかし、もし自分が本当に誰かの事を助けることができていれば、魔法少女になる前の自信の持てなかった自分がそれをしていたのならば、そう言っていたのかもしれない。それだけは分かった。

 

「一人生き残った暁美さんは、鹿目さんの死体の前でひとしきりに泣いたそうよ。そして、そこにQBが現れた」

「なるほど、これで彼女の能力の謎が解けたわ」

「能力の謎?」

「えぇ、時間停止能力。それを手に入れたということは、願いも時間に関係する物のはず。私や花咲さんが回復系統の魔法に特化しているようにね」

 

 魔法少女の願いと能力については以前開設したと思うので省略する。

 

「彼女の能力の時間停止能力、一体どんな願いだったのか気になっていたけど、タイムスリップだったのね」

「そう。正確に言うと、『鹿目さんとの出会いをやり直したい。貴方に守られる自分じゃなくて、貴方を守る私になりたい』というね」

「……」

「なるほど、それでもう一度だけやり直したわけね」

「一度じゃないわ」

「え……」

 

 この時、マミのつぶやいた言葉は疑問でも、驚きでもなかった。先ほど、彼女が言った最初の時間軸という言葉も含め、まさかそんなことがという慄きに近い物だった。

 彼女が時を巻き戻した時間軸、そこで彼女は魔法少女仲間となったまどか、そして今度は魔法少女としての師匠としてのマミと三人で魔法少女として戦った。最初は、不慣れなこともあって、時間停止能力を上手く扱えず足手まといになっていたが、自作の爆弾を用いることによってなんとか能力を上手く駆使することができ、連携を取ることも可能となった。

 そして、ワルプルギスの夜到来当日。マミという犠牲はあった物の、まどかとほむらは、なんとかワルプルギスの夜をやり過ごして生き残った。しかしその瞬間、まどかのソウルジェムは黒く変色し、グリーフシードへとその姿を変えた。まどかは魔女となり、ほむらはまた次の時間軸へと跳んだ。

 

「その時に、魔法少女はQBに騙されていると知った彼女は、次の時間軸では皆にその事実を言いまわったそうよ。三回目にはあの美樹さやかさんもいたらしいわ」

「さやかちゃんも……」

「でも、それも悲劇の一端を担ったのだけれどね……」

「……」

 

 みんな、QBに騙されている。そんなことを突然言われても、特にQBと長い間一緒に暮らしていたマミに信用されることはなく、ほむらは一人孤立。いや、その時にもまどかは一人マミ、さやかそしてほむらの仲介をしていたそうだ。そしてそんなある日、最悪な出来事が起こってしまった。美樹さやかが魔女となったのだ。三回目ともなるともうベテランめいてきたほむらによって、すぐにさやかだった魔女は倒されたが、もしかしたらそれがいけなかったのかもしれない。次の瞬間、経緯は不明だがその場にいた佐倉杏子のソウルジェムをマミが破壊し、そしてあの病院で、魔法少女の真実を知った時のようにマミはほむらを拘束しそして……。

 

『ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない!!あなたも、私も……!』

 

「……」

「それで、どうなったの?」

「間一髪、暁美さんは助かったわ……あなたがマミのソウルジェムを射抜いたことによってね」

「……」

 

 織莉子はまどかに向かってそう言った。マミは、その言葉に唇を噛み締め、そして右手で左腕を掴んだ。それは、何かを我慢するように力強く、そして悔しそうに握りこぶしを左手は形作っていた。おそらく、その時の自分の絶望は、この自分が体験したそれの比ではなかったのだろうと思う。多分、その世界でもさやかを魔法少女に誘ったのは自分。そんなさやかが目の前で魔女になって、そしてそんな彼女を容易く、そしてためらいもなく殺せたほむらに恐怖を抱いたのだとしたら、ほむらとの仲が険悪になっていたのなら、彼女を拘束して殺そうとするのも察しがいく。杏子を殺したことについてはよくわからないが、多分その中で自分と同じくらいベテランである杏子を先に殺さなければならないといけないとでも思ったのだろうか。ともかく、当時の自分の絶望、そしてまどかの絶望は計り知れない。ただでさえ目の前で親友が魔女になったばかりだというのに、そのすぐ後に師匠であった自分を殺したのだから、よくその場で魔女にならなかったものだ。それほど、彼女の心が強かったのだとしか思えない。

 そして、たった二人だけ生き残った彼女たちはまたもワルプルギスの夜を迎え、そして……。

 

 

 崩壊した町、その中で横たわる二人の少女、まどかとほむら。双方がその手に持つソウルジェムは二つとも真っ黒で、いつグリーフシードへ変わってもおかしくなかった。

 

『私達、もうおしまいだね……』

『グリーフシードは?』

 

 まどかは首を横に振った。事実上の死刑宣告だが、どこか二人の心は安らかだった。それは、すでにそれぞれ別の覚悟を決めていたから。

 

『ねぇ、私たち……このまま二人で怪物になって……こんな世界、何もかもめちゃくちゃにしちゃおうか……。やなことも、悲しいことも全部なかったことにしちゃうくらい……壊して、壊して、壊しまくってさ……それはそれで、いいと思わない?』

 

 ほむらの眼からは涙が一つこぼれ落ちた。そんな、彼女のソウルジェムに一つ、グリーフシードが当てられる。

 

『ッ!』

『……さっきのは嘘。一個だけとって置いたんだ……』

 

 そのグリーフシードが誰の物だったか分からない。しかし、後のほむらはたぶんさやかが魔女となったグリーフシードだったんじゃないかと語っている。親友が姿を変えたものであるが、だからこそ使うことができなかったんだろうと。

 

『そんな、なんで私にッ!』

『私にはできなくて、ほむらちゃんにできる事……お願いしたいから。ほむらちゃん、過去に戻れるんだよね。こんな終わり方にならないように歴史を変えられるって、いってたよね』

『ッ……うん』

 

 涙声、それがまどかがどれだけ自分自身辛い中で発している者なのかを簡潔に表していた。

 

『QBに騙される前の馬鹿な私を……助けてあげてくれないかな?』

 

 そして、彼女は結んでしまった。

 

『約束するわ!絶対にあなたを救って見せる……』

 

 約束という名の……。

 

『何度繰り替えすことになっても、必ずあなたを守って見せる!』

 

 契約を……。

 

 

「そして、暁美さんはグリーフシードになり欠けていたあなたのソウルジェムを撃ちぬき、次の時間軸に跳んだ。その時、貴方は自分で彼女にそうしてくれって頼んだそうよ」

「そんな……それじゃ、ほむらちゃんは……」

「鹿目さん!」

「ッ!」

 

 マミは、まどかの手の中にあった先ほど織莉子から投げられたグリーフシードをまどかの胸にあるソウルジェムに無理やり近づける。どうやら、かなり濁っていたようだが、まどか自身は気づいていなかったらしい。

 

「こんな事私が言うのも違うかもしれないけど、しっかりなさい。心を強く持たないと、魔女になってしまうわ」

「は……はい……」

 

 マミは、まどかの腕から手を離す。次第にグリーフシードは穢れを吸い込んでいき、ソウルジェムの汚れはなくなった。完全に真っ黒となったグリーフシード、これ以上使うのは危険だろう。

 

「ねっ、持っててよかったでしょ?」

「……一つ言いかしら織莉子さん?」

「何でしょう」

「こんなことを私たちに、鹿目さんに教えて……一体どうするつもりなの?」

「……」

 

 マミの言うことももっともである。彼女がそれを二人に教えるメリットは何なのだろうか。仮に、まどかを絶望させて魔女にさせようとしたとしても、グリーフシードを放って投げたのは不可解である。ならば、どうして彼女はこの事実を二人に告げたのだろう。

 

「さぁ、自分で考えればよろしいかと。そのための情報は提示していますから」

「……」

「では、私はこれで失礼するわ。家で私の帰りを待っている子がいるの」

 

 織莉子は、そう言うと二人の後ろにある非常階段で下に降りようと、二人の横を通る。その瞬間、まどかが彼女に言った。

 

「あのッ!」

「何?」

「えっと……ほ、ほむらちゃんはその……元気ですか?」

「……」

 

 自分でも何を聞いているのかと思うほどぼけた質問をしてしまったと思う。織莉子もそう感じたのかクスッと一つ笑うと言う。

 

「えぇ、元気よ。今日もあくせく武器集めをしているわ」

 

 そう彼女が言った瞬間、一迅の風が吹きまどかとマミは風邪から目を守るため腕を目の前に移動させる。数秒してから腕を下げて前を見ると、もうそこには織莉子の姿はなかった。

 

「どうやら、逃げたみたいね……」

「……」

 

 まさか、ほむらが自分の事を気にかけていたのにそんな事情があったなど、思いもよらなかった。まどかは、もしかしたら自分が契約したことは間違いだったんじゃないか、そう考える。そもそもの発端である、自分が彼女にかけた言葉が、契約する前の自分を助けてだとするならば、自分が安易に契約してしまったから、そしてその原因がつぼみ達プリキュアにあると彼女が思い込んでいるとしたら……。

 

「ねぇ、マミさん……」

「何かしら?」

「私……魔法少女になったのは、間違いだったのかなって」

「……」

 

 マミは何も言わない。何故なら、それを決めるのはマミではない。まどかなのだから。彼女が、自分で答えを出さなければならない問題なのだから。だから、マミは話の論点を変えることにした。

 

「彼女が鹿目さんに固執する原因、花咲さん達を襲う原因、いくつかは解決したけど、また大きな謎が増えたわね」

「え?」

「何故鹿目さんがすでに魔法少女になっていると知っているのに、彼女は時を戻さないのか。それと、何故美国さんは私たちにこの話をしたのか」

「……」

 

 確かに、ほむらの目的が自分が魔法少女になることを阻止するためというのであれば、すでに時を戻して、織莉子の言葉を借りれば、次の時間軸という物に跳んでいるはず。それに、何故織莉子はこの話を自分たちにしたのか。そのメリットは何なのだろう。二人は大いに悩むがしかし、マミは言った。

 

「とりあえず、一度私の家に行きましょう。佐倉さんもいるし、三人寄れば文殊の知恵とも言うわ」

「そうですね……」

 

 その言葉を受けて、二人は月に照らされる夜の空を跳ぶ。その中でまどかは以前ほむらが語ったある言葉を思い出していた。それは、あの結界の中、魔女が増えた原因を語ったのちのある言葉。

 

『プリキュアが……嫌い?』

『きれいごとばかりを言って、あきらめが悪くて、理不尽にも動じなくて……自分の犠牲を顧みないところも……それに……』

『え?』

『……とにかく、プリキュアが気にくわないの』

 

 あの言葉はもしかすると……。




 
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