映画 プリキュアオールスターズVS魔法少女まどか☆マギカ 悠久の絶望は永久の希望に   作:牢吏川波実

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驚天動地?魔法少女ってなんですか!?

「…え?今、なんて言いましたか?」

 

夜、そこは見滝原中学校が交換留学生のために用意された寮の一室であった。その中では現在、二つのシングルベッドの上にパジャマ姿で乗っている二人の少女と、二体のぬいぐるみのような大きさのシプレとコフレという妖精の姿があった。とりあえず今日の宿題も終えて、お風呂にも入った後の短い時間、えりかが話があると言って3人に向かう。だが、えりかのその最初の言葉を聞いてのつぼみの反応が最初の一行目である。

 

「だから魔法少女がいたの!それで私の目の前で凱旋門をこうバーンっと!」

「えりか……」

「えりか、私を元気づけようと思ってそんな嘘を…」

 

えりかの唐突で突拍子もない話にコフレとつぼみは若干の憐みの目でえりかを見る。

 

「違うよ!ホントの話だって!!」

「でもプリキュアがいるんだから魔法少女もいてもおかしくないです」

 

とりあえず不思議といえば自分たちも体験しているので、とシプレだけはえりかの話を真面目に受け取っていた。

 

「そうなんでしょうか?」

「そうなの!まぁとりあえず…?」

 

と、突然えりかが話を止めて空中を見上げる。

 

「?どうしたんですかえりか?」

「あ、ちょっと待って…えっとこうかな?」

『つぼみ、聞こえる?』

『!』

 

その声につぼみは驚いた。まるで頭の中にスピーカーの音が鳴り響くかのような勢いでえりかの声がなだれ込んできたのだ。

 

「どうしたんですかつぼみ?」

「いま、頭の中にえりかの声が…」

 

どうやらシプレやコフレはその声が聞こえていないようだ。

 

『どう?』

『はい、つぼみも電波を受信できるみたいです』

『で、電波ってそれはとってもおかしいかなって…』

『あれ?この声ってまどか?』

『私もいるよつぼみ!』

『えっと…さやかさんでしたか?もう一人の方は聞いたことがありませんが…』

『そうね自己紹介をしましょうか、私は『巴マミ』3年よ、よろしくね』

『あっはい、よろしくお願いします』

「つぼみどうしたんですか黙り込んで?」

「あっあの今、頭の中でえりかやクラスメートの人の声が…」

「テレパシーっていうらしいよ?」

 

テレパシー、とは超能力の一種である。しかし、それを受け取ることができるのは基本魔法少女、または素質がある物だけである。今日、マミたちとであったえりかはその後のことがあるので、この形で魔法少女のことについて教えてもらおうという根端である。

 

『それでは、これより魔法少女についての講義をしたいと思います』

『よろしくお願いします!』

『あの、魔法少女って何ですか?』

『そうね、魔法少女はQBという生き物と契約をする代わりに魔女を狩ることを仕事にしているものよ』

『魔女?』

『QB?』

『そう、魔女は人間の呪いから、簡単に言うと絶望や嘆きといった負の感情から生まれる存在なの』

『世界中の行方不明や自殺の主な原因とされているわ』

『負の感情…』

『そして、その魔女の逆の存在、魔女が呪いから生まれるんだったら私たち魔法少女は祈りから生まれるの』

『祈り?どういう意味?』

『そうねQBと契約して魔法少女になるってことはさっき言ったわね。QBはその代わりにたった一つだけ願いをかなえてくれるの、まぁ等価交換のような物ね』

「たった一つだけ…願いを……」

 

その言葉に一瞬だけテレパシーから外れ、言葉に出すつぼみ。その呟かれた一言は願いをかなえてくれると言う部分であった。もし、それが本当だとすれば…、そう考えているであろうことは親友のえりかの目から見ても明らかであった。

 

『でも、もし魔法少女になってしまったら、今までの生活を維持することは到底難しいわ』

『なんででしょうか…』

『魔女ってね街中に出るんだけれど、中でも出現率の高いのが真夜中なの』

『だから私たち魔法少女が活動するのも真夜中ってわけ。ま、そのせいで寝不足になったり、宿題をする時間がなかったりで散々だけれどね』

『それにね、もし魔女を狩ることを辞めてしまうとグリーフシードを得ることもできなくなるの』

『グリーフシードって何ですか?』

『あっえっとたしか…あったこれのこと』

 

それは今日まどかたちが倒した凱旋門型の魔女のグリーフシードであった。えりかがとりあえずサンプルとして受け取っていたのだ。

 

『これが…』

『あっ因みにそれ、ちゃんと明日持ってきてね。そのままだと魔女を産んじゃうから』

『そう、魔女がたまに落とすその魔女の卵…それがなければ私たち魔法少女のソウルジェム…宝石は黒く荒んでいって、最後には力を失ってしまうの…』

『それに、魔法少女は命がけよ、いつ死ぬかわからないし、死んだとしても誰もその最後を知ることもなく孤独のまま死んでいくの…』

「…でもそれだけのデメリットで願いがかなうのなら…」

「つぼみ…」

 

自分の命が危険になるぐらいのデメリットで妹の命が救えるのならとつぼみは言う。そもそも自分はこれ前一年間、命がけの戦いを何度も繰り返してきた。いまさら命がけの戦いに出ることなど造作もない、そう考えていた。だが、彼女はこの時忘れていたのだろう。命に他人のも自分のもないという事を。

 

『…まぁそんなに早く考えをまとめるのは無理ね。また次、今度はQBも交えて話し合いましょう』

『それじゃ、あっあとこれいつでも使えるからさ、カンニングにも…』

『もう、そういう事に魔法を使うんじゃありません!』

『え、ダメですか?』

『だめに決まってるでしょ!』

『ティヒヒヒヒ…じゃあねつぼみちゃん、えりかちゃん、また明日』

『じゃあね』

「終わったみたいですね」

「うん」

「もう、えりか!僕達にも話してほしいです!」

「ごめんってだからさ…」

 

とりあえず先ほどのテレパシーで出た内容をシプレとコフレに伝えるのと同時に、その内容をノートに書き留めていく。要約すると

・魔法少女はQBという生物と契約することによってなる。

・魔女は人を襲って自殺の原因にもなっている。

・その魔女を倒すとグリーフシードという宝石を落とす。

・グリーフシードは魔法少女のソウルジェムの汚れをとるために必要で、欠かすと魔法少女になれなくなってしまう。

・魔法少女になると、真夜中に仕事をすることになるので勉学など日常生活に支障が出る。

・その代り魔法少女はQBと契約する際、代わりに願いをかなえてもらえる。

 

「…プリキュア以外にもそんなのもいるんですか…」

「初めて知ったです」

「本当だね~。他のみんなは知っているのかな?」

 

ここで出てくるほかのみんなとは彼女たち以外のプリキュアのことである。彼女たち以外にもプリキュアが神奈川県におり、のべ30人近くいる。

 

「それは分からないです。後でココたちに聞いておくです」

「任せておくね。それでねぇつぼみ…つぼみ?」

 

えりかがつぼみに話を振るがつぼみは下を向いたままであった。そしてつぼみがそうなっている理由にえりかは一つ心当たりがあった。

 

「つぼみ…もしかしてふたばちゃんのために…」

「…もし魔法少女になることと引き換えだと言うのなら、それだけであったなら…私は…」

「…でもマミさんも言っていたけど、そういうのはよく考えた方がいいと思う」

「えりかはこういうのは…簡単に願いをかなえることには反対ですか?」

「反対じゃないよ…たださ……」

「ただなんですか?」

「…ううん何でもない。とにかくさ、ゆっくり考えようよ」

「…はい」

「ところで、魔法少女の人たちにはプリキュアのことは話さなくていいんですか?」

「あ~どうしようか…いや、待てよ……」

「えりか?」

 

えりかは何か考えがあるかのように珍しくシリアス顔になる。魔法少女について何か思うところがあるのだろうか。魔法少女、それは祈りから生まれた存在、プリキュア、それは希望から生まれた存在。似て非なる其れの差は微々たるものと言ってはおかしすぎるものであった。

 

そしてもっと真夜中。

 

「ココ?魔法少女ココ?」

 

と、シプレが連絡しているのはココ、プリキュアのチームの一つプリキュア5の妖精であり、パルミエ王国の王子である。

 

「そうです、ココは何か知っているですか?」

「詳しくは知らないココ。けど、確かパルミエ王国の地下の書庫で前にそれについて書かれた本を見たことがあるココ」

「本当ですか?」

「一度戻って調べてみるココ。でも、シプレも知っている通り今パルミエ王国は復興作業の真っ最中ココ。だから、情報が集まるまで時間がかかるココ」

 

現在パルミエ王国はいろいろといざこざがあった後で復興作業中であった。城も被害を受けていたため、無論その地下にある書庫も崩れていて、掘り起こすのも苦労している。シプレはそれでいい了承を取り、電話を終了した。

 




次回、幕間として、別のプリキュアの話を投稿します。けど短い、なぜならセリフがないから。
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