駒王協定がなってからアザゼルが教師になったりと色々あったらしい。まぁ、あいつは誰かに教えるのとか上手いからな。教師という役目は適任だろうな……下ネタの類を口にしなければの話だが。まぁ、それぐらいはあいつだって分かっているだろう。ついでに俺にもオファーがあったが断っておいた。面倒だから。
今はこの間手に入れた白龍皇の力の検査をしている。多少魔力を奪われるが、問題はなさそうだな。最初は生命力だったんだが、繋がっているパスを魔力の方に変更することで事なきを得た。そしてドライグと共に力の確認をしている最中にそれは起こった。
「ん?魔法陣?しかし見た事がない……何だこれは?」
何が起こるのかはまったく気にしていない。たとえ北極に飛ばされようが冥界の果てに飛ばされようが帰る手段はあるからだ。しかしそこで起こった事は俺の理解を超えていた。飛ばされた先はーーーー駒王学園のオカルト研究部の部室だった。またアザゼルが何かしたんだろう。だが1番あり得ないと思ったのは……
この気配は……ドライグ?いや、ドライグは俺の中にいる。どういう事だ?俺の混乱を余所にアザゼルが話しかけてきた。
「おお、成功したな。調子はどうだ……って言うか、お前本当にイッセーか?」
「……確かに俺は兵藤一誠だが。なんでお前はそんなに俺に対して馴れ馴れしいんだ?俺はお前にそんな風に呼ぶことを許可した覚えはないが。……いや、そうか。そういう事か。ここは俺のもといた世界じゃないのか」
「へぇ……どうやら並行世界のイッセーはとんでもなく頭が良いみたいだな。信じられないな」
「俺の世界との相違点が多すぎるし、何よりそこに俺がーーーーこの世界の俺がいる。しかも悪魔になってるし。俺も知らない人もいるし、疑いようがないだろ。って言うか……またお前の仕業だろ!いい加減にしろ!どっちの世界でも迷惑かけよってからに!」
「待て、待て待て!一先ず俺の話を聞け……って、危なっ!お前、もうちょっとで直撃だったじゃねえか!」
「やかましい!せっかく時間が取れたから久しぶりに白龍皇の力の研究をしている真っ最中に呼び出しやがって!
「向こうのイッセーは一体アザゼルに何されたのかしらね?怒りようが半端じゃないのだけれど。というか、アザゼルも本気でかわしてないかしら?」
「お、おーい。どうかその辺で一回止まってくれよ。話が進まないからさ。先生の事は後回しにしようぜ」
「ぬ……それもそうだな。別にアザゼルはいつでもやれるか。それでアザゼル。俺はちゃんと戻れるんだろうな?」
「あ、ああ。ただ呼びだした機械が壊れちまったから、二、三日の間はイッセーの世話になってくれ」
「そうか。それじゃあ、こっちの世界の俺。少しの間だが、世話になる」
「俺は構わないけど……その、なんて呼べば良いんだ?呼び方を統一しないと不便だしさ」
「それなら高城秀一という事で。それでいきなり悪いんだが、何処かバトルフィールドのような場所はないか?まだ研究が途中だからさっさと進めておきたいんだが」
「そうだ!イッセー!お前、秀一の相手をしてやれ。赤龍帝対赤龍帝の戦いを見てみたい!お前らだって気になるよな?」
「それは……まあ、確かに。秀一さんの実力が如何程の物か気になります」
「お前さ……反省してるの?俺は別に構わないけど、そっちは大丈夫なのかよ?」
こっちの世界の俺が頷くと早速、バトルフィールドに移動した。どうやらこの世界の俺はまだ
『Welsh Dragon Balance Breaker!!』
「待たせたな。こっちは準備万端だ!そっちは大丈夫か?」
「ああ。俺に見せてくれよ。お前の全力って奴をさ。……失望だけはさせてくれるな」
「上等だ!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
急速に倍加された相手の拳はーーーー意図もたやすく俺に掴まれた。あんぐらいの倍加ならこんなもんなのか?それとも単純に宿主の出力不足なのか?まあ、確かにこいつから感じる魔力は本当にあるのか疑う……いや、それは言い過ぎか。そこまで酷くはないな。酷くはないが……弱い。
『Divid!!』
半減すると同時に蹴りを叩き込んだ。相手は吹き飛びはしたものの鎧が壊れる事はなかった。鎧の頑強さはヴァーリよりも上みたいだな。でも評価が割と下回っているのも事実なんだよな。
「ぐっ!あんだけ倍加しても傷一つつけられないなんて……!」
『どうやら向こうの相棒は相当に規格外らしいな。
「それなら……こいつでどうだ!
『Change Star Sonic!!』
鎧が薄くなり、明らかにスピードが上がりましたよ。という感じの姿になった。何だあれは?覇龍と言った感じではない。でも
一瞬だけ俺の認識速度を上回った相手は俺に体当たりをかましてきた。衝突時の衝撃は防御障壁が防ぎきったがこれからどうするつもりなんだ?そう思っていると、今度は鎧の大きさが急に大きく太くなった。これは……
「
『Change Solid Impact!!』
『Divid!!』
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
「そんなもんで止められるか!」
この世界の俺が放った攻撃は確かに俺の防御障壁に小さな物だが罅をいれて俺を吹き飛ばした。視線を向けると、また形態変化をしていた。お前は一体どれだけ形態変化を持ってるんだよ?
「
『Change Fang Blast!!』
「クリムゾンブラスタァァァァァァァァァッ!」
砲撃形態か。ああ、面白かった。俺がまだ出来てない事が沢山あると分かって実に有意義だった。これならアザゼルに感謝しても良いのかもしれないな。だけどさ……俺も負ける気はまったくないんだよね。もう条件は揃ったし、至るとしようかね。
「……
『Welsh Dragon Balance Breaker ver.Vanishing!!』
白色の全身鎧を身に纏い、瞬時に体勢を立て直して向かってくる砲撃に指をかすらせるようにして当てた。
『DividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDivid!!』
放たれた魔力弾は瞬く間に小さくなっていった。お返しとでも言うように圧縮した魔力弾を返した。さすがに当たれば終わりだと本能の部分でも理解しているんだろうな。急いで回避した。それを確認すると、改めて鎧の状態を確認した。ヴァーリとの相違点があるとするなら、この鎧には余分な力を放出するための物が翼ではなく鎧の各所に排出口があるところだろうな。
調整は後回しにしよう。この相手に対してこの状態でやるのは失礼だろうと思っていると、何故かリアスさんが胸をはだけてそこから光の光線状の何かを飛ばしていた。それを受けたこの世界の俺はオーラを回復させていた。
「……どうなってんの?これ」
「お前!リアスのおっぱいを見ても何も思わないとは本当に俺か!?」
「……なるほど。あいわかった。こっちの世界のドライグは大変な目に会ってるんだなってことが。下手したらアルビオンにも飛び火している事がな」
『向こうの世界の相棒は優しいなぁ』
あ、もう重傷だった。あそこまで酷くなるって……この世界の俺は一体何をしたんだ?そして俺もドライグを大事にしようと思った一瞬だった。
「しっかし、お前はまだ全力出してないだろう?そんなもんで俺が満足するもんかよ。ーーーー出してみろよ。有るんだろう?それの
「ああ、出してやるよ!これが俺の全力だ!行くぞ、ドライグ!」
『応よ!俺たちの全力をあの男に見せてやろう!』
「――――我、目覚めるは王の真理を天に掲げし、赤龍帝なり!」
「無限の希望と不滅の夢を抱いて、王道を往く!我、紅き龍の帝王と成りて――――」
「汝を真紅に光り輝く天道へ導こう――――ッ!」
『Cardinal Crimson Full Drive!!!!』
赤ではなく紅ね……ふぅーん、中々洒落た覇龍だな。俺の覇龍を見せてやっても良いんだが……このフィールドが粉々に砕け散る可能性があるからな。一度なっちまえば良いんだが、その時の余波で砕ける。
「うぉぉぉぉぉぉぉっ!
『Solid Impact Booster!!』
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
「それじゃあ、こっちもやるとするかな。やるぞ、ドライグ」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
相手は肘のところに撃鉄のような物が現れてさらに威力が増していた。威力が完全に乗りきる前に身体強化を使って籠手を破壊しつつ吹き飛ばした。そして拡散した衝撃を浴びる前に即座に空中に避難した。その俺の姿に呆然と呟いていた。
「……天使?」
「は?……ああ、これの事か。こいつはただのエネルギーの塊さ。単純に飛ぶ事を目的とした翼じゃない。実際、こんな事も出来るしな」
翼が飛ぶのに必要な分を除き、思いっきり降り注いだ。純粋な
「有意義な時間をありがとな。でもな、俺としてもこれ以上長引かせる気はないんだよ。ここはいっちょ砲撃勝負といこうか」
左手を向けながら魔力を収束させ始めた。相手も翼から砲口を出現させて魔力を収束させた。そこから両者何も喋らず、周りの者も黙りこんでいた。響き渡るのはBoostという言葉だけだった。
「さてと!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
「くらえ!」
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
「ドラゴニック・ブレイカー」
「クリムゾンブラスタァァァァァァァァッ!!」
放たれた砲撃の威力はーーーー互角。だが、放っている本人たちの表情が違う。イッセーが必死そうな表情を浮かべているにもかかわらず、一誠は多少驚いたような表情を浮かべているが全然余裕といった表情だった。一誠の方からすれば、イッセーがこの威力を叩き出した事の方が驚きだった。変態な部分を除けば、イッセーは一誠からすれば高評価だった。
本来ならここで止めるところなのだが、今の一誠はタガが外れている。なので試したくなったのと同時に知りたくなったのだ。イッセーの肉体から感じる妙な波動を。これまでの形態変化から見て悪魔の気配が変化しているだけなのだろうと思っていた。しかしそれではあまりにもおかしい。自分の友と半身と同質の気配がするのは理由がつかない。
一誠は砲撃の威力を弱めるどころか強めた。その光景に多くの者が理解できなかったが、数少ない者たちは止めようと動こうとしたその瞬間。一誠は砲撃を止めて溜めていた魔力を防御障壁に注ぎこんだ。次の瞬間には一誠が吹き飛ばされた。全員の視線の先にはーーーーオーフィスがいた。
その瞬間に一誠はおおよその事情を把握した。ここは未来の並行世界で、この世界の自分は何かしらの理由で身体を消失させた。そしてグレートレッドとオーフィスの手を借りて身体を新生させたのだという事を。これを聞いた者は直感力がありすぎてキモいと思った程だった。
それから三日後、一誠は元の世界に戻った。何処に行っていたのかという質問は軽く流し気味で答えつつ、神器の調整に入った。シエナと八舞はその光景を見ると楽しそうと称したのであった。
どもども、シュトレンベルクです。タイトル通り100話記念回です。実はこの話は前々から考えていました。
次からは五巻目に突入します。……とはいえ、そろそろ創生ことソーセーの禁手を考えなければならないのですが。能力は決まっていても名前と登場場面が思い浮かばない。(汗
今回の話が面白かったら幸いです。なんせ今回の赤龍帝戦は5000文字を突破したぐらいの話ですから。それではまた次回!