リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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パーティ前に

 

 

あの創生龍ーーーーフィーエルガとの出会いからかなりの月日が経った。シトリー宅を訪れて挨拶を交わしたり、シトリー眷属の修行を見てアドバイスしたり、フェニックス宅を訪れたり……まあ、そこそこ忙しかった。今日は魔王主催のパーティだそうだ。三大勢力の重鎮が来訪している事もあるのか、何故か俺も招待を受ける事になった。

 

正装に着替えて肩まである髪の毛を一括りにして出ていくと、高神くんと匙くんが何やら馬鹿みたいな話をしていた。欲があるのは結構なんだが……肉欲に直結しすぎでちょっと引くわ。ばれないように離れようとすると、すごい勢いで振り返ってきた。しかもなんかこっちに走ってきたし、何がしたいんだろうか?

 

「兵藤さん!どうやったら主様のおっぱいを拝めるようになるんでしょうか!?高神の奴は何時も拝んでいるって言うんですよ!?あり得ないでしょう!」

 

「ああ〜……うん、分かったから落ち着け。普通はあり得ないからな。リアスさんぐらいだよ、そんな事が起こるのはな。……あ、ごめん。セラさんもしそうだわ。まあ、振り向かせたかったら必死に努力する他ないな」

 

「そりゃ分かってますよ!……そう言えば、兵藤さんはレヴィアタン様とご好意にしてますよね?一体何があればそんな事になるんですか!?」

 

「ああ……あれはまだ俺がガキだった頃の話だよ。俺が初めて冥界に来た……迷いこんだ?時に俺の目の前にすごいデカい魔物が出てきてな。それに応戦してたのがセラさんとその眷属たち。そこに俺も何の気なしに参加したんだよ。

 

最大倍加の状態で技術も何もなく力任せに殴ったら……上半身が消し飛んだ。これで終わりかなぁ〜と思ったら、上半身が再生してきたんだよ。あれはちょっとフェニックスっぽかったな。何回やってもにょきにょきと再生してくるから鬱陶しくなって……肉体を欠片も残さないように消し飛ばしたんだ。そんでそのままそこを去ろうとしたらなんか止められて、お世話になったのが始まりだったかな?」

 

俺がそう言うと2人とも若干顔が引きつっていた。まあ、我ながらふざけた出会いだと思ってるからな。あの魔物は割と気色悪かったし、いくら潰しても再生してくるから割と吐きそうになった。シトリー卿からはすごい生暖かい視線を向けられていた。多分あの頃から俺は狙われていたんだと思う。今更だけど。

 

「とにかく俺たちみたいに(ドラゴン)系の神器(セイクリッド・ギア)を持っている奴は必然と戦いと女性を引っ張りこんでいくんだよ。強くなれば必然と戦いに巻きこまれるし、強い奴は女性から好かれる。でも……」

 

「でも、なんですか?」

 

「心配はないと思うが、一応言っておく。戦士にはなっても、修羅にはなるな。そうなってしまえば待っているのは地獄だけだ。血で血を贖う……そんな戦場に行くだけだ。ヴァーリはその辺りをちゃんと弁えているようだけど、あのラインハルトは違う」

 

あいつの頭の中には壊すという事しか頭にない。すべてを破壊したい。それこそがあの男の渇望。一体どんな目に合えばあんな渇望を抱く事になるのか……俺には分からない。それでもあいつを放っておけば俺の周りに必ず被害が及ぶ事になる。それだけは避けなくちゃいけない。

 

「……まあ、結局ひたむきに頑張る他ないという訳だ。それにソーナさんに好きな人が出来たなら、それを認められるような度量の広さも必要だぜ?俺としては……下手な欲を抱かない方が良いとは思うがな。欲しい物は実力で手に入れ、守る物を是が非でも守り抜く。そういう強さが必要なんじゃねえの?」

 

「不吉な事言わないで下さいよ!はぁ〜……俺は何時になったら会長のおっぱいを拝めるんだろう」

 

「俺だっていつも拝める訳じゃないぞ。幸運に幸運が重なって拝めるんだ」

 

「なんだよ、その幸運!俺には一回もないぞ!不公平すぎるだろ!幾らなんでも!」

 

「いや、風呂とか一緒に寝たりとかしてるし……」

 

「……風呂?……一緒に寝る?お、俺にはそんな事……」

 

「おいおい、どうすんだよ。完全にへこんじゃってるし。そろそろ女性陣だって来るんだぞ?って言うか、どうしてそんな事を話し合ってんだよ。どう見てもただの馬鹿にしか見えないぞ。……元々だったか。悪い」

 

「勝手に自己完結すんなよ!こっちが文句言う時間くらいくれよ!その通りだけどさ!って言うか悲しくなるから言うなよ!」

 

「はぁ……やれやれ。くれぐれも節度を持った態度を取れよ。主のリアスさんに迷惑をかけないように。まあ、今まで色々と仕込まれたみたいだし余計な心配か」

 

「それなんだけど、なんでやるのは俺だけなんだ?アーシアだってそういうのは知らない筈なのにさ。あんたは出来るのか?」

 

「少し見れば出来るようになったけど?相当酷い事をしない限りは大丈夫だろうさ。シトリー家の家庭教師曰く、あまりにも教えがいのない生徒認定を受けたからな」

 

そりゃ古代ベルカ時代にクラウスやオリヴィエに扱かれたからな。俺がやったのは作法とかの違いの確認だけだったから、そりゃ作法関連は教えがいがないだろう。大抵の事は1時間もあれば習得できる俺が数日かかったからな。オリヴィエが引っ掻き回してクラウスが修正する、なんて事を繰り返していたせいだが。悪魔文字に関しては魔法の習得において必要な事だったから元々知ってたし。

 

シトリー家やら悪魔の歴史にはかなり興味があった。数千年という歴史があったとはいえ、内容は人間の歴史をかなり長くした物だったが。それでもやっていて結構面白かった。元々、そういう歴史や成り立ちなどには興味があったからやっていて損はなかった。……外堀を埋められた気がしたが、気にしない。

 

そんな思考をしていると、ようやく女性陣がやってきた。皆、煌びやかなドレスを着ていた。……ギャスパー君も混ざっていたが気にはしない。ぼけっとその姿を見ていると、赤色のドレスを着ているシエナがなんかニヤニヤしながら近づいてきた。

 

「どう?似合ってるかな?」

 

「馬子にも衣装かな?」

 

「ちょっと!幾らなんでもその言い方はないと思うんだけどなぁ!もうちょっと言い方があるんじゃない……」

 

遊び程度とはいえ、拳を振り上げて向かってきたので両手で花を手折るような優しさで顔を包みこんで掴んだ。そして微笑を浮かべながらじっと瞳を合わせながらボソリと呟きながら顔を近づけた。

 

 

「綺麗だよ。今すぐにでも抱きしめたいくらいだ。いや、実際見違えたよ。今、この場でお前という華を俺の色で染め上げたい」

 

 

「あ、え、あう……」

 

そのまま顔を近づけた。もうあと数ミリ程度で唇がぶつかりそうになったところで、シエナの首を誰かが掴み引っ張った。その方向を見てみると、不機嫌そうな顔をした八舞が立っていた。苦笑しつつ肩をすくめた。

 

「……マスター、たちの悪い冗談は止めてください。こちらの気分も悪くなります」

 

「別に全部が冗談だった訳じゃないぜ?誰も止めなければ俺はやっていただろうしな。……まあ、お前辺りが止めるだろうとは、思っていたがな。さて、そろそろ移動するとしようか。タンニーンたちも来たようだしな」

 

「……まったく、戯れも程々にしてください。心臓に悪いです」

 

「スマンスマン。……大丈夫だって。お前らは俺の自慢の家族だ。綺麗じゃない、なんて誰にも言わせねえよ。それはお前だって例外じゃないんだからな」

 

「軽い人です。……それでも、ありがとうございます」

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