リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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ちょっと短め。


思考の渦

 

空を飛ぶタンニーンの頭の上で俺と高神くんは冥界の大地を見下ろしていた。自分で飛びながら見下ろすのと違うので何処となく爽快だな。ドライグも感慨深い物があるようだが。

 

「そう言えば高神くん。君は神器の中にいるドラゴンとはちゃんと対話しているのかい?あまり君の口からこういう事を聞いた事はなかったし、一応聞いておこう」

 

「また唐突ですね。……うーん、あんまりしてないですかね。って言うより呼びかけても出てきてくれないんですよね。初めて顔を合わした時以外話した事ないんですよ。出会い頭に『違いますね……彼ではない』とか言われましたからね」

 

「違う?」

 

この言葉から類推するなら、彼女が指していたのは神器ではない。ならば俺にあって高神くんにないもの……駄目だ、多すぎる。一体彼女は俺に何を求めているんだ?己の中に存在する可能性。そしてその深淵にある光景。それこそが彼女が俺を呼びだした答え。そして俺が自分の持つ神器しか使っていないとも言った。

 

「前途多難だな……なんで此処にきてさらに問題を増やさなきゃならんのだ。聖書の神。創生龍。そして神器システム。この三つには何か大きな関わりがあることに違いないだろう。だがそれは一体なんだ?」

 

己の中に存在する可能性。神器の深淵にある光景。それに彼女は俺が自分の持つ神器しか使っていないと言った。その言の通りならまるで俺が他の神器を使えるようじゃないか。神器の深淵……そう言えば昔、神器に潜った時にあったな。開けることができなかった巨大な扉が。彼女が言った深淵にある光景というのはその先にあるのか?

 

あの扉の先にはあいつがーーーー聖書の神がいる筈だ。あそこはおそらくすべての神器に直結している物、つまり神器システムがあるんだろう。しかしいざ思い返してみると、あの扉に触れた時の感触はあれに似ていたなーーーー天界のシステムに。

 

考え事をしていると、気がつけばパーティ会場行きの馬車の前まで辿り着いたらしい。馬車に乗りこみながらも未だ考え事は終わっていない。あそこはおそらく聖書の神がいるだろう。黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)に聖書の神の遺志が力を与える覇輝(トゥルース・イデア)がある以上、ない方がおかしい。意識だけだったし、まだ成長途中だったとはいえ俺の身体の支配を一瞬で奪い取るような奴だ。

 

さらに神器を生み出した者である以上は使い方も理解しているだろう。それが神器システムの内部というなら尚更戦いになった時の危険度ははるかに高いだろう。そうならないのが一番良いんだろうが、その可能性は割と低いと思っている。何故かと聞かれれば返答に困るのだが。勘としか言いようがない。我ながら如何かと思う答えだが、仕方ないだろう。

 

「駄目だ。考えてるだけじゃ思考が袋小路に追い込まれる。面倒なことになったもんだ。先がまったく見えてこないし……元々怪しかったけど」

 

「一誠さん、どうかされたんですか?何か悩みがあるなら話ぐらいは聞きますけど?」

 

「ありがとう。でも、これは俺でなんとかしないといけない問題だから。なんとか頑張ってみる他ないんだよ。俺の手でやる他に道はない……というよりは認められないし、皆じゃ多分この問題は分からんよ。神器に関することだからな」

 

「ああ〜、確かにそっち方面じゃ私たちは力になれないね。師匠以外誰も神器持ってないしね。……でも、今更何を考えこんでるの?」

 

「ちょっとしたなぞなぞだよ。その答えに導かれる物は俺にとって必要な物だとは思うし、決してマイナスにはならない……と思う。我ながらはっきりとした答えは導きだせて無いんだ」

 

「まあ、良いけどね。もう到着したし、早く行こうよ。リアスさんも待ってるよ?」

 

「そうそう。ほら、祐樹ちゃんもこっちを睨んでるよ?早く!」

 

「分かった分かった。分かったから腕を引っ張るな!こけるだろうが!」

 

そうは言っても、この元気コンビが腕を離す訳もなく。八舞とアイリスが苦笑しつつも後ろからついて来た。エレベーターに乗って上に上がると、既に重鎮の方々は到着していた。リアスさんに注目が集まっていたので、俺は横からすり抜けてセラフ勢の皆さんのところに向かった。区分的に見ると、俺は天界側と認識されているからだ。実際は違うが。

 

「こんばんは、皆様。相変わらずのご様子で何よりです」

 

「こんばんは、兵藤くん。君も眷属の皆さんもお元気そうで何よりです。……しかし天使長の私が冥界に来る事になるとは、感慨深い物がありますね」

 

「私は悪魔と堕天使と仲良くする事の方が考えられなかったがね。コカビエルの一件がなければあり得ない光景だな」

 

「堕天使は未だしも、悪魔と手を取り合うのは未だに思うところがないわけではないが……これもすべては天界のためだ。我慢するとしよう」

 

「今のは問題発言ですね。聞かなかった事にしておきますが、今後は気をつけてください。……?」

 

「どうかしましたか?」

 

「いえ……なんでもありません。気にしないでください。それじゃあ、俺はこの辺でちょっと失礼しますね」

 

俺はセラフ陣営の方々から離れてベランダに出た。そしてそこから一帯に広がっている森を見下ろした。やっぱり間違いじゃなかったんだ。さっき感じた感覚は……

 

「一体何があったと言うんだい?高神くん」

 

彼がホテルから出てこの森の中に入っていくのを感じた。何か不穏な気配がこの森一帯に漂ってる。そう思っていると小型化したタンニーンが猛スピードで俺の背後から飛び出てすぐに元の姿に戻り、突き進んで行った。すると薄ぼんやりとしていて感知しにくいが結界が張られた。これは……転機なのかもしれない。新たな道を見出すための。そうであって欲しいと願うよ。




どもども、シュトレンベルクです。ここ最近、悪い点を指摘される事が多いです。もちろん批評を受けるということはそれだけ改善の余地があるという事ですので、それ自体は良い事です。

しかし、だからと言って罵倒にまで変わってしまうなら止めていただきたいのです。この作品を通して作者に対する罵倒をするのは辞めてください。はっきり言うと迷惑です。応援のメッセージをもらえばもちろん嬉しいですし、批評をされるのは作品をより良い物にする上で重要なことです。

言われてなるほど、と思う物も多数あります。例えば管理局について。細かい説明をしていませんでしたが、一誠が管理局に良い印象を抱いていないのは地球で違法研究している管理局の研究者たちを見つけたからです。あの当時の一誠は善悪の区別がちゃんとはついていません。

いくら世界最強になったとはいえ、その辺の区別がはっきりしすぎていた……つまり悪いことをする者は悪。良いことをする者は善。と言った具合に。成長することでそこら辺の区別がはっきりした今の一誠は昔ほど管理局を嫌ってはいません。まあ、多少は嫌いですが。

そういう細かい点の説明を省いていたのは申し訳なく思っています。今まで申し訳ありませんでした。この点で多数の感想を戴いておりましたが、今まで説明できずすいませんでした。

批評をするにしても、極端すぎる物は作者のモチベーションを下げることにしか繋がりません。作品を通しての作者に対する罵倒はただの嫌がらせです。そう思ってしまうのなら、この作品は肌に合わないという事でしょう。長くなりましたが、ここで後書きを終えさせていただきます。関係ない方々には申し訳ありません。しかしどうかその点を留意していただきたいのです。それではまた次回。
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