リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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悪神との遭遇

 

 

それから数日、グレモリー眷属と俺たちはオーディンの爺ちゃんの娯楽に巻き込まれていた。キャバクラだのおっぱいパブだの、何しに来たの?と言わんばかりに遊び倒している。まあ、楽しそうにしているから俺は別に全然構わないんだが……他の面子はどうもそうじゃないらしい。

 

「オーディン様!お遊びもほどほどにしてください!こちらの神との対談も近いのですから!」

 

「分かっとるわい。まったくお前は固すぎていかんのぉ。そんなんじゃから英雄(アインヘリヤル)の1人も捕まえられんのじゃろ」

 

「わ、私だって好きで独り身でいる訳じゃないんです!」

 

「……オーディンの爺ちゃん、護衛で遊ぶのもほどほどにしなよ。からかってて面白いのは分かったけど、やりすぎちゃ駄目だぜ?」

 

「ほっほっほ。……のう一誠よ。お主はこのヴァルキリーの事をどう思う?」

 

「どう、って質問が漠然としすぎてどう答えればいいのか分からんのだが……まあ、良いんじゃないか?きちんと言うべき事を言える事は美徳だろうしね。それにそこまで嘆く必要はないだろうね。爺ちゃんの護衛の人は皆、結婚して退職してるし」

 

「お主だったらこやつを彼女にするか?」

 

「さあ?そこはやっぱり彼女の意思も関係あるしね。……来た」

 

一誠がそう呟いたのと同時に、オーディン達が乗っていたスレイプニルが甲高い鳴き声と共に止まった。揺れが収まったのを確認すると、一誠たちはヴァルキリーことロスヴァイセと共に外に出た。そこにはローブを身にまとった1人の男性が立っていた。

 

「やっぱり……ロキかよ。だがまあ、あんたにとっては面白いもんじゃないだろうしな。当たり前と言えば当たり前か」

 

「久しいな。しかし護衛に悪魔に堕天使、さらに天使もどきと赤龍帝……いささか派手過ぎやしないかな?オーディン」

 

「お主のような馬鹿者が来たんじゃ、結果的に見て失敗などではないわ。……お主はそこまで手を取り合うのが嫌なのか?」

 

「嫌だな。我らの技術を他の者たちにバラすなど狂気の沙汰ではない。オーディン、貴様こそ止める気はないのか?今ならばまだ間に合うぞ?」

 

「止めぬよ。向こうもこちらのユグドラシルに興味を持っておる。それにこやつらと遊んでいた方が楽しいからの」

 

 

「そうかーーーーならば黄昏の始まりとしよう」

 

 

『やらせるか!』

 

こちらが一斉に魔力や魔法、魔術を一気に放った。……まったく効果はなかったが。俺はと言えば合間合間に飛んでくるロキの魔法の対策をしつつ、赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)で倍加を続けていた。こんな入り乱れている中に突っ込んで行くほど、俺は剛毅じゃない。

 

「ッ!ドライグ!」

 

『Exprosion!!』

 

ロキの手元に膨大な量の魔力が収束されているのを視認した瞬間、溜め込んでおいた倍加の力を解放して急いで魔力を収束させそれを魔法陣にのせて撃ち出した。そして俺とロキの魔力弾は相殺された。それを見たロキの手は若干赤くなっていた。

 

「手加減して撃った訳ではないのだがな。とりあえず笑っておこうか。ハーハッハッハッハッハ!……そろそろこちらも攻勢に移るとしよう。出でよ、我が息子よ!」

 

その言葉と共にロキの背後から出て来たのはーーーー大体十メートルほどの体系の銀色の狼。完全に格が違いすぎるのだと無理矢理認識させるほどの威圧感に加えて、金縛りにでもあっているかのように身体が少しも動かない。ただ視線に貫かれているだけだと言うのに。

 

「相変わらず……いや、あの頃よりも強くなってるな。皆、下がれよ。ことフェンリルが相手じゃ足手まといにしかならないんだからさ」

 

「言外に自分は何とかなると言っているな。その龍特有の傲慢さは相変わらずのようだな」

 

「確かにお前の自慢の息子は強いさ。今なら大体二天龍クラスなのかな?それならまだこれでなんとかなる領域だ。それじゃあお披露目と行こうかーーーー禁手化(バランス・ブレイク)

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

 

そこから現れたのは普段と同じ鎧の姿ーーーーかと思いきやその姿は変わっていた。より生体的に、例えて言うとするなら覇龍(ジャガーノート・ドライブ)に近しい姿。これが並行世界の自分が使った禁手(バランス・ブレイカー)の形態変化を自分なりにアレンジしてみた形態。まだちゃんとした名前はないがあえて言うとするならば仮覇龍(プリ・ジャガーノート・ドライブ)

 

この状態は性質を覇龍(ジャガーノート・ドライブ)に近づける事で肉体の耐久度、倍加速度、身体能力その他諸々etc.を飛躍的に上昇させる。ドライグ曰く『あれは暴走のない覇龍であり、最もあり得てはいけない禁手(バランス・ブレイカー)』。一誠が新しい覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を作り上げている途中で出来たチートくさい、否チートの塊と化した代物だ。

 

「それじゃあ……スタート」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost......』

 

これが新たな禁手(バランス・ブレイカー)のおかしな処だ。『スタート』という掛け声から始まり『ストップ』と言うまで続く永遠の倍加。肉体の耐久度を覇龍(ジャガーノート・ドライブ)と同クラスまで上げなければならなかった理由。戦闘中には言葉を出すのも困難な場合がある。と言うよりそういう事態の方が普通だろう。これを精神世界で試した結果、十分でギブアップせざるを得なかった。

 

そのため、覇龍ばりの耐久度が必要になったのだがそうすると他の部分も上げなければバランスが悪くなってしまうため、こんな頭のおかしい状態になってしまった。ちなみに覇龍(ジャガーノート・ドライブ)と同レベルである今の状態なら軽く3時間は耐えられる。一誠が覇龍のヤバさを再認識した瞬間だった。

 

そこからフェンリルとのぶつかり合いははっきり言うとそこにいた誰もが視認できないほどの速度だった。ただ火花が散り、影と影がぶつかり合ったさいの衝撃が拡散して伝わってくるのを感じた。さらに延々と『Boost!!』という音が響き続けていた。

 

「あっ!この……駄犬が!」

 

いくら倍加していても、魔法陣を起動させていても、一誠の初速はフェンリルの初速には及ばない。それを見切られ、フェンリルは一誠とぶつかり合うのを止めてスレイプニルに乗っているオーディンめがけて突き進み、眼前にいたリアス・グレモリーをその牙で貫こうとした瞬間に白銀の閃光が迫って来た。

 

『Half Dimension!!!』

 

半減の縛鎖がフェンリルを絡め取りーーーーものの数秒も持たずに噛みちぎられた。しかしその間に莫大な量の天使の力(テレズマ)を収束し、さらに圧縮させた一撃を顔面に放った。残念ながら顔面には当たらなかったが、人間で言う鳩尾のあたりに叩き込んだ。

 

「初めまして、悪神ロキ殿。俺は白龍皇ヴァーリ。……貴殿を屠りに来た」

 

「ふははははっ!白龍皇か!いやはや二天龍が揃い踏みとはな!良い物を見させてもらった礼だ。私はここで退散するとしよう。だが会談の日には再び合間見えよう!それではこれにて」

 

ロキの背後の空間が歪み、そこからロキとフェンリルは何処かへ移動したらしい。……しかし、しくじった。ヴァーリがいなかったら誰か犠牲者が出ていたかもしれない。俺もまだまだ詰めが甘いな。

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