リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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会談当日

 

 

あれから数日、どうもドライグの様子がおかしい。それを指摘しても『ああ、スマんな相棒。ちょっとあってな』としか言わない。何があったのか問い詰めたいところではあるんだが、それもどうかと思うので今のところは何もしていない。戦闘には問題がないため、俺も強くは出られないしな。

 

オーディンの爺ちゃんは会談の会場に入り、俺たちはそこの屋上で待機していた。一度龍門(ドラゴン・ゲート)を開いて五大龍王の一体『終末の大龍(スリーピング・ドラゴン)』ミドガルズオルムを呼び出すなどをした。その大きさには驚いた。いびきも凄かったが。フェンリルを縛る鎖ーーーーグレイプニールの強化をしてくれるダークエルフとドワーフを紹介してもらった。そしてダークエルフが預かっていたミョルニルのレプリカが送られてきた。

 

「俺はいらん。元々、ハンマーなんて俺の得手とする武器じゃないしそんな物がなくてもロキぐらい倒せるさ」

 

「俺もそうだな。俺は俺だけの力で倒す。武器に頼るような事はしない」

 

「私もパスね。神器の性質上、それも壊しかねないし。……まあ、テロリストにそんな物を渡すとは思えないけど」

 

と言うことで、俺とヴァーリと加那(名前呼びを強制された)はミョルニルのレプリカを使う気はないと宣言したから高神くんにお鉢がまわった。前回の覇龍(ジャガーノート・ドライブ)もどきの所為と言うかおかげと言うか、彼も倍加と譲渡の力を手にいれていた。と言うのも大きな理由の一つだと思うが。ちなみに効率が悪いから滅多に使わないらしい。

 

そして現在、それぞれが準備を整えて待ち構えていた。俺はと言うとーーーー知りもしない少年に襲われていた。まあ、襲われていると言っても戯れているに近い状況の所為で誰も助けようとしない。別にいらないが。だんだん飽きてきたし、時間も迫ってきたので刀を奪った。

 

「おい、坊主。一体何の目的かは知らんがここはこれから戦場になるんだ。お前なんかと戯れている時間的余裕はもうない。とっととこいつを持って帰れ」

 

「嫌だ!俺だって剣士だ!戦えるんだ!」

 

「ほざけ。剣士ならお前みたいな愚かな真似はしない。自ら戦力を減らすなんて愚かな真似はな。大体、俺にかすり傷一つ与えられない奴がこんな場所にいられてもお荷物になるだけだ」

 

「天照様を傷つけたお前なんかいなくても平気だ!……お前の所為で天照様は泣いてた!お前が酷い事をやったからだろ!」

 

「……ああ、そうだな。その通りだ。だけどな、世界はお前が考えているほど単純じゃない。何時までも甘ったれた言葉をほざける程世界は優しくねえ。どうもお前には剣士としての誇りみたいなもんがあるらしいから言っておこう。ーーーーお前が戦場に出ても生き残れる可能性は十パーセントに満たない。はっきり言うと、邪魔なんだよ」

 

襟の部分を掴んで空中に浮かせて動けなくしたあとにエレベーターを操作して降ろさせた。最後まで俺の事を睨み続けていた。度胸のある奴だと褒め称えるべきか、鬱陶しい奴だったと罵るべきか。さてはてどっちだろうか?ため息をつきながら頭を掻いていると、日本神話側の戦力として送られてきた茉奈が苦笑しながら近づいてきた。

 

「いやぁ〜なんかゴメンね。高雅は天照様に1番懐いてるから、その分一誠に対する敵対心が強いんだよ。……と言うよりは、高天原にいる子供たちは総じて一誠の事が嫌いなんだけどね」

 

「しゃあねえよ。俺が高天原から離れてもう十年近くは経つんだからな。でも俺はあの時の選択を間違いだったとは思ってない。遅かれ早かれ俺は出て行っていただろうしな。覇道を進む者が一箇所に留まり続けるなんて事はあり得ないんだ、って事さ」

 

「覇道の本質を理解しろ、って言ってたもんね。私は今いる場所を守りたい。そして私を救ってくれた一誠に、今も助けてくれている天照様に報いたい。それが私の願い。私の渇望。これを忘れずにいたいよ」

 

「『守る』……守護の渇望か。ああ、そうだ。俺は傷つけたんだ。あの人をーーーー俺にとって母親のような人を傷つけた。だからこそ、罪滅ぼしとは言わない。だけど、今度こそ守ってみせる。あの時の後悔をもう味わいたくないから。その為なら、守れるのなら、喜んで力を振るおう」

 

身体から赤い闘気が溢れ出した。そして全員の視線は空中ーーーーロキとフェンリルに向けられた。同時に術式が展開され、放置された採掘場に移動した。その間、ロキは一切動かなかった。その様子にヴァーリは一言呟いた。

 

「小細工なしとは、恐れ入る」

 

「必要ないからな……と言いたいところだが、赤龍帝がいるなら不意打ちなど無意味だからな。それにここにいる全員を殺すとはいかないまでも戦闘不能にさせれば良いだけだ」

 

 

「させねえよ。俺はもう失いたくない。だからこそ、守る為にこの力を振るう。周りへの配慮なんて止めだ。……全力を持ってお前を潰す!」

 

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!!!』

 

『Vanishing Dragon Balance Breaker!!!!』

 

『Destruction Dragon Balance Breaker!!!!』

 

『Creation Dragon Balance Breaker!!!!』

 

「赤龍帝、兵藤一誠!お前のような存在は邪魔だ。ここで排除させてもらう!」

 

「白龍皇、ヴァーリ・ルシファー!神格とフェンリル……力を試すにはもってこいの相手だ!俺の今の力を試させてもらう!」

 

「破壊龍、天道加那!貴方は邪悪すぎる。ここで一度破壊した方が良さそうね!」

 

「創生龍、高神創生!会談は絶対に成功させる!そして皆で帰る!その為にお前を倒す!」

 

「フッハッハッハッハッハッ!二天龍に加え、破壊と創生を司る二柱の龍神との共演!こんな物を見られたのは私が最初で最後かもしれんな!」

 

四体の龍と悪魔、堕天使、天使、天使もどき、戦乙女が悪神と神喰狼との戦い。その火蓋が切って落とされた。会談を阻止するため、会談を成功させるため、守りたい人を守るため、己の力を試すため。様々な渇望が入り乱れた戦いが始まる。

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