「いやはや、恐ろしい物だな。できたての技で一時的とはいえ、曹操を圧倒するのか。土壇場での成長ってのは恐ろしいもんだな」
重い一撃をくらった所為か、曹操が立ち上がるのには時間がかかった。しかもあれは並行世界で見た技にそっくりだな。求道型の渇望と
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と言ったところかな?弱点もはっきりしている分、これから鍛えるのは容易いだろう。
「そろそろ立てよ、曹操。下手な芝居打ってないで出てこい。そろそろ実験もおおずめだ。備えてないとやられるぞ」
「……まったく人使いが荒い。少しは心配してくれても良いじゃないか」
「聖槍で防ぎきったくせによく言う。……もう潮時だろう?ゲオルグ。後十分以内に来ないようならあいつは来ない。八坂を解放させてもらうぞ。契約通りにな」
「十分は些か短すぎるんじゃないか?幾ら何でもそんな短時間で来るとは思えないんだが……」
「十分待っても来ないなら、あいつは波動が感じないぐらい遠くにいるか或いはこちらに興味がないのかの二択だ。後者はこれだけの面子だからありえない。だとすれば前者しかないってことだ。……まあ、どうやらそんだけ待つことも出来なくなったみたいだが」
俺が空中に視線を向けると、そこの空間に穴が生まれつつあった。それを見た曹操は何やら『
「……違う。グレートレッドじゃない。あれは、それにこの闘気……まさか!」
空間の裂け目から出てきたのは、十数メートルほどの東洋タイプのドラゴンーーーー
「……闘戦勝仏。初代孫悟空か。まさかこんなところで会うことになるとはな。中々どうして分からない物だ。そして初めまして、だな?
「おうおう、赤龍帝の坊主かい。話は聞いておったが、お主も中々難儀な事をしとるのぉ。……しかし、お主の仕事もここで終わりだ。それならもう終わっても良いぞ」
「そうかい?それなら……そうさせてもらうとしよう」
拳を振り上げ、魔法陣に向かって思いっきり叩きつける。儚い音ともに魔法陣が砕け散り、八坂は人間の姿に戻った。そこで抱きかかえてアーシアさんのところまで避難させた。そして戦場に壮絶なまでの覇気を放ちながら戻った。
「相変わらず凄まじいまでの覇気じゃのぉ。しかし、此奴らの仕置きは儂の仕事じゃからの。手出しは必要ないぞ」
「構わんさ。貴方と曹操は旧知の仲なのだろう?それならば俺が口を挟める訳があるまい。貴方の好きにすれば良いでしょう」
「それならそうさせてもらおうかの」
初代が曹操たちに歩み寄る。その瞬間、最初に駆け出したのはーーーー六本の腕を展開させたジークフリート。それを曹操が止めようとするが、ジークフリートは一切聞こうとしない。
「お猿の大将!あの孫悟空なら相手にとって不足は」
「ーーーー伸びよ、如意棒」
そう初代が呟いた途端、手にもっていた棒ーーーー如意棒が凄まじい速度で伸び、それをくらったジークフリートはなす術もなく一発で瓦礫の山に吹き飛ばされた。相変わらず、強いな。流石は闘戦勝仏の名を持つ妖怪だ。そう思っていると、今度はゲオルグが
「天道、雷鳴をもって龍のあぎとへと括り通す。地へ這え」
「
一応言っておくが、俺の仙術の師は目の前にいる闘戦勝仏だ。昔、須弥山を訪れた時に教えてもらった。事実、世界中を歩きまわったがこの爺さんほど仙術に長けている者はいなかった。とはいえ、上位
「ーーーー槍よ!」
曹操の奇襲すら完全に対応してみせる。この爺さんが恐ろしくなってくるな。さすがに状況がやばすぎると思ったのか、英雄派は撤退し始めた。無論、それを見逃す初代ではない。
しかし魔力を溜めている高神くんを見て気が変わったのか、高神くんの眠っているオーラを引き出してあげていた。そこから濃密な魔力弾を放った高神くんはその魔力弾を縦横無尽……とは言わないまでも操ってみせたが、右目に重傷を負わせるまでに留まった。あれならおそらくはそのまま殺せていた。
「ーーーー槍よッ!神を射貫く真なる聖槍よッ!我が内に眠る覇王の理想を吸いあげ、祝福と滅びの」
「チッ、
「止めるんだ、曹操!こんな場所でそれを見せるべきではない。外で戦っているレオナルドたちももう限界のはずだ。ここはおとなしく退こう」
「……分かった。それではこちらはこれで退かせてもらいます。初代、兵藤一誠、それに創生龍ーーーーいや、高神創生。俺たちはここで失礼させてもらう。
ーーーー高神創生。もっと強くなれ。そうすればこの聖槍の全力を見せてやろう」
「言うべき事は言って行きやがったよ、あいつ。……さて、俺はいなくなった方がいいか。一時的とはいえ、英雄派に協力してましたしね。八坂の事は頼みますわ」
「お主も難儀な性格よな。まあ、よかろう。確かに頼まれた。心配する必要はない。きちんと妖怪側に送っておくわい。それじゃ、達者での」
「ええ。貴方もお元気で」
そうして初代とは傷ついたグレモリー眷属、それに俺の眷属たちを治療してから送った後に別れた。初代がいなくなったのを確認すると、髪の毛を見つめた。今、曹操が