リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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作者暴走☆また一誠がチートな能力を手に入れてしまった。元々構成の段階からあったとはいえ、パワーがインフレしすぎでヤバい。これからも作者の暴走は続くと思いますが、長い目で見てください。それではどうぞ。

追記 能力の詳細は次回説明します


新たなる境地

 

高神くんたちが中級試験を受けに行っていた時、俺は天界に行っていた。ミカエルさんは俺の突然の訪問に驚きを隠せないものの、快く歓迎してくれた。

 

「それにしても驚きました。急に訪れるんですから。連絡の一つでも入れてくれればちゃんとしたおもてなしが出来たのですが……」

 

「そういうのが目的で来たわけではありませんからね。……今日は『システム』に用があるんです」

 

「『システム』に、ですか?」

 

「ええ。俺の予想が正しいかどうかの確認という意味で、ですがね。それで、入っても良いでしょうか?」

 

「それは別に構わないのですが……一体何の確認なのですか?君の興味を引くような物があるとは思えないのですが」

 

「確かめてみないことにはなんとも言えません。所詮、俺の勝手な想像の範疇に収まるかもしれませんし、或いは俺の予想が正しいかもしれない。不確定な事はあまり口にしない主義なので」

 

「そうですか……まあ、何であれ君の興味を引けるような物であれば良いのですが。そう言えば兵藤くん、京都での一件は聞きましたよ」

 

「ああ、あれですか?それでどうしました?上級天使たちが何か文句でも言ってきましたか?俺を排斥すべし……とか」

 

「……ええ。嘆かわしい事ですがテロに参加していたというだけで彼らからすれば悪となるのです。さメタトロンを始めとした上位の者はそんな事は言わなかったのが不幸中の幸いです。彼らまでそんな事を言いだせばさすがに抑えきれませんから」

 

「上位陣しか俺の実力を知りませんしね。下の者からすれば、俺みたいな人間が世界最強を名乗っているというのは我慢ならないんでしょう。良くも悪くも人外が人間を下に見るなんて事はよくありますし。それで今英雄派の被害が出ていると言うのに呑気なものですね」

 

「……すいません」

 

「え?……ああ、別に責めてるわけじゃないんですよ?そういうのが多い、というだけですしね。それに……っと、着きましたね」

 

話し合いながら着いた先は荘厳という言葉がこれ以上似合う物などないんじゃないか、と思えるような扉の前。これが『システム』を守る最後の扉。今はセラフ陣営しか開ける事のできない扉だ。俺でも誰かの随伴でなければ会う事などできない。

 

ミカエルさんに扉を開けてもらうとそこには円卓と四つの座席、そしてその中央に金色の球体があった。これがーーーー『システム』。信徒たちに祝福を与え、神器(セイクリッド・ギア)を管理している聖書の神の遺した遺産か。こうやって見るのは久しぶりだな。

 

俺が部屋の中に一歩踏みだした瞬間、髪と瞳の両方が金色に染まった。その光景にミカエルは驚きを隠せなかった。元々、肉体的な意味で一誠はこれ以上ないのではないかと思うくらいにバランスが良い。そして金色の髪と金色の瞳がとある者を連想させるーーーー天界の主であり、今は亡き聖書の神の姿を。

 

「なるほど。これが本当の意味で目覚める、という事か。俺の予想は外れていなかった。ならば……あれの存在も」

 

一誠の言っていることがミカエルには理解できなかった。しかし、一誠の今の状態が予想通りだと言うならば問わねばならない。それが天使長の名を持つ者の役割なのだから。一誠の腕を取ろうとしたところで、莫大な神気に襲われた。懐かしくも恐ろしい、これ以上ないほどの力を内包した存在の力を。

 

一誠は金縛りにでもあったかのように硬直したミカエルを放置し、『システム』に向かってまっすぐ歩を進めた。そして一誠が『システム』に触れた瞬間、世界を照らすような輝きがその場を包み込んだ。そして光が消えた先にはーーーー変わらぬ『システム』の姿があった。

 

しかし、その時確かに何かがあったのは間違いないだろう。何故なら一誠の顔は愉悦と興奮の色に染まっていたからだ。一誠は確かに『何か』を手にいれたのだ。しかし、その興奮も長くは続かなかった。急に虚空を睨んだと思ったら次元に穴を開けてそこから出て行った。急すぎる展開にミカエルはついていけず、残ったのは硬直したミカエルと何かが起こった『システム』だけだった。

 

一方、その頃中級試験を終えて試験終わりの打ち上げをやっていたグレモリー眷属は曹操とゲオルグに襲撃されていた。リアスとサイラオーグのレーディング・ゲームを褒め称える曹操に若干引いてはいたものの、襲撃の理由を問いただした。

 

「目的?そこにいるオーフィスに、かな。少し実験に付き合って貰いたくってね。……おやおや、ヴァーリもお出ましか。二天龍の一角と創生龍に破壊龍、そして龍神。舞台としてはピッタリだな。ゲオルグ」

 

「ああ。ーーーー無限を喰らうとしよう」

 

ゲオルグが展開した魔法陣から出てきたもの、それは……かつて聖書の神の呪いを植えつけられることで作られ、されど対処できずにコキュートスに封印された存在。曰く『神の毒』、曰く『神の悪意』。原初の罪を身に宿し存在を抹消された天使であり、ドラゴンでもある存在。それが龍喰者(ドラゴン・イーター)サマエル。

 

「ハーデスの糞爺が……あの野郎、やってくれやがったな!ゼウスが各勢力と協力態勢に入ったのがそんなに気に食わなかったってのか!」

 

「まあ、ハーデス殿としてもいろいろと言いたい事はあるのだろうが……それは今はどうでもいいな。ーーーー喰らえ」

 

サマエルから飛び出た触手のような舌がオーフィスを包み込んだ。即座に対応しようとしたグレモリー眷属たちだが、聖魔剣で斬りかかっても聖魔剣の方がかき消され、白龍皇の力もヴァーリの魔力もリアスの消滅魔力もまったく効果をなさない。相手が最強の龍殺し(ドラゴン・スレイヤー)である以上、破壊の属性を司る加那や創生を司る創生は手が出せない。一歩間違えれば自分たちが死にかねないからだ。だとするならーーーー

 

「まあ、サマエルを狙うのは当然だな。しかし、こちらもそれを許すわけにはいかない。ゲオルグ!サマエルの制御を頼む。俺はこいつらの相手をする」

 

「これだけの面子を相手に勝てると思ってるのか?」

 

「勝つさ。俺たちの指標は世界最強だ。そのためならこれくらいの苦難は軽く突破してみせないといけないからな」

 

 

「ーーーー禁手化(バランス・ブレイク)

 

 

「これが俺の黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)禁手(バランス・ブレイカー)、『極夜なる(ポーラーナイト)天輪聖王(・ロンギヌス)の輝廻槍(・チャクラヴァルテイン)』だ。ーーーーまあ、まだまだ未完成なんだけどね」

 

「亜種か。今回の神器は亜種祭りか!あの七つの球体がなんなのかも分かりやしない!まったく面倒な相手だ!」

 

「ハハハッ、まあそう腐らなくても良いだろう。これはアーサーもルフェイも知っているが、英雄派の幹部全員が禁手化(バランス・ブレイク)しても赤龍帝にはまったく届かなかった程度の代物だからな」

 

「まさかお前……あいつと?」

 

「ああ。契約を結んでもらったよ。俺たちの実験の邪魔をしないという、ね。彼は契約を重んじる人間だ。そのために力を示せと言われればそうするしかあるまい?そんな御託はどうでもいい。ーーーーさあ、始めよう」

 

そしてぶつかり合う。曹操は己の禁手(バランス・ブレイカー)によって使えるようになった七宝を用いて次々と撃破していく。女宝(イッテイラタナ)によって主戦力とも言えるリアス、朱乃の双方の異能を封じた。馬宝(アッサラタナ)によって加那とルフェイ転移させ、魔法攻撃をアーシアに受け流す。それを庇った創生は鎧を貫かれて攻撃を受けたため戦闘不能。それに怒り曹操に向かっていた加那の攻撃を躱し輪宝(チャッカラタナ)によって鎧を破壊し、形状を変化させて槍状にして撃破した。

 

アザゼルとヴァーリが同時に向かっていくが、その2人の攻撃を躱しきり創生によって潰された眼の代わりに埋めこんだ邪視(イーヴィル・アイ)ーーーーメデューサの眼によってアザゼルの足下を石化させ、聖槍の一突きで撃破した。ヴァーリが撃ち出した魔力を珠宝(マニラタナ)によって受け流した。埒が明かないと判断したヴァーリが覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を使おうとしたところでサマエルの毒をくらい、倒れ伏した。

 

「これで大体クリアか。どれだけ取れた?」

 

「……四分の三強ぐらいだな。だがもう少しは取れるだろう」

 

「そうか、それなら……」

 

 

形成(イエッラー)聖天・奇跡の聖槍(ロンギヌスザント・クファールゲイン)

 

 

「なんだと!?」

 

バリィィィィィンッ!というガラスが割れる音と同時に金色の槍がサマエルの舌を断ち切った。サマエルはそれに悲鳴をあげるが、周りはそれどころではなかった。結界に侵入してきたのは金色の髪と金色の瞳の人間。倒れ伏しているグレモリー眷属たちを確認したあとにサマエルを確認すると、盛大に舌打ちした。

 

「ハーデスめ……これが終わったら一発ぶん殴ってやる。実験台にするとするかな」

 

全員が呆然としている間に瞬く間に距離を詰め、右手がサマエルの肉体を貫き心臓を抉り取った。その余りの光景に全員が動揺を隠せなかった。聖書の神にすらどうする事も出来なかった存在をあまつさえ触れ、さらには心臓を抉り取ったのだ。これに動揺しない訳がない。

 

「アクセスーーーー神器(セイクリッド・ギア)システム」

 

「なんだと!?」

 

サマエルの心臓を核に、肉体が解け新たな形ーーーー槍の形に変わっていった。一部の例外を除き誰もがその光景に唖然としていたが、アザゼルと曹操はその範疇にはいなかった。何故なら見た事もない男が呟いた言葉ーーーー神器(セイクリッド・ギア)システムという単語が信じられなかったからだ。

 

「神器化終了、っと……。随分とまあ、楽しそうな事をやってるよな?お前ら」

 

「兵藤……お前、その姿は!?」

 

「あん?ああ……力を手にいれて直で来たからな。まあ許せ」

 

髪と片方の瞳が紅く染まっていく。そこには圧倒的な力を振るいながら、誰にも従わない世界最強の座についた者ーーーー兵藤一誠が立っていたのだった。

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