リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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最近の話の字数が大体5000字前後になるという……作者としても驚きを隠せぬ今日この頃です。それでは、どうぞ!


煌めく禁断の焔

 

一誠が冥府に行っていた頃、グレモリー眷属とシトリー眷属は英雄派と戦っていた。くしくも同じ者を目標としている者たちは一進一退の攻防を繰り広げていた。双方ともすでに禁手(バランス・ブレイカー)状態。ヘラクレスはサイラオーグ・バアルに倒され、ゲオルグは覚醒したギャスパーと匙に倒された。そして遠くではジャンヌがイリナとゼノヴィア、それに朱乃が戦っていた。そしてジークフリートと木場祐斗の戦闘に聖槍十三騎士団が介入した。

 

「……一体何のつもりだい?君たちには関係のない事だろう」

 

「確かにないがな。悪りぃがこいつはリーダーの命令でな。混じらせてもらうわ」

 

「その前に名乗りが先なんじゃないの?」

 

「分かってるなら先にすりゃ良いじゃねえか……まあ、いい。ーーーー俺は聖槍十三騎士団黒円卓第四位、ハルト・ナファールだ」

 

「同じく聖槍十三騎士団黒円卓第八位、セアラ・アタナシスよ。よろしく」

 

「英雄派幹部『魔剣帝(カオスエッジ)』ジークフリート」

 

「グレモリー眷属の『騎士(ナイト)』木場祐斗」

 

「良いね良いね。戦の作法ってもんをちゃんと理解してるようで何よりだよ!さあ……始めようかぁッ!」

 

聖槍十三騎士団において、序列という物はそこまで重要ではない。四位が二位に勝つ事もあれば、五位が十位に勝つ事もある。加入順という訳でもないのだが、首領であるラインハルトが決めた事なので誰も逆らわないのだ。ラインハルト自身は反逆も嬉々として受けいれるたちだが、まずラインハルトのところに行くために大隊長を打倒しなければならない。

 

聖遺物を使う黒円卓において強さ的に言えば首領→3人の大隊長→8人の幹部の順である。そして保有する魂の量もこれに比例する。聖遺物は魂の保有量、或いは質によって出力が変わる。

 

8人の幹部の中でもハルトは最も大隊長に近い幹部。つまり魂の保有量がそれだけ凄まじいのだ。そして聖遺物ーーーーエイヴィヒカイトは集めた魂の分だけ肉体を強化し、痛覚などを鈍らせる。人を超人にさせる仕組み、それこそが『永劫破壊(エイヴィヒカイト)』なのだ。

 

そしてハルトの聖遺物は籠手と具足。形ある物を、自分の前にある物をすべて破壊したいというある意味でラインハルトに似た渇望を具現化させた物。その一撃の前にはジークフリートの魔剣の攻撃も、木場の聖魔剣も粉々に砕けていく。

 

「どうしたどうしたぁぁぁぁぁぁぁっ!?んなもんじゃねえだろ?もっと俺を滾らせろよ!大層な二つ名を持ってんだからそれぐらい出来んだろ!」

 

 

「……なら俺がやってやろう。お前なら丁度良さそうだからな」

 

 

「あん?……おお、白龍皇か。なんだよ、いたんならさっさと出てこいよ。我らが首領閣下もお前には期待してるほどなんだぜ?」

 

「賛辞痛みいる……と言ったところか?プルートも兵藤一誠が倒してしまったし、ハーデスの方には美猴たちを行かせた。さて俺はどうした物かと思っていたら……中々どうして俺も運がいいな。やるぞ、アルビオン」

 

『ああ。白龍皇の覇道を見せつけてやるとしよう』

 

白龍皇の翼が白銀色に輝き、鎧から神々しい光が溢れ圧倒的な力が溢れ出してきた。ヴァーリは一誠の覇龍を超えた覇龍の話を後で聞き、密かに接触して聞き出していた。一誠があの力を発動させるにあたって、歴代の者たちの協力が必要不可欠だった。

 

だが、歴代の殆どは意識がない。ただの呪詛を呟き続ける亡者だ。そういう者たちは戦闘する事で意識を無理矢理引っ張り上げ、意識のある奴は対話する事で協力させるという無茶苦茶な手法を取ったらしい。さすがにその話を聞いた時はヴァーリも頬を引き攣らせていた。

 

ヴァーリは自分が対話などする柄ではないと分かっていた。ならば対話ではなく、戦って屈服させる道を選択したのだ。そしてその結果得た力ーーーーそれこそがこの新しい覇龍なのだ。

 

「我、目覚めるはーーーー律の絶対を闇に堕とす白龍皇なりーーーー」

 

 

「無限の破滅と黎明の夢を穿ちて、覇道を往くーーーー我、無垢なる龍の皇帝となりてーーーー」

 

「「「「「「汝を白銀の幻想と魔道の極地へと従えようーーーー」」」」」」

 

『Juggernaut OverDrive!!!!!!!!!』

 

白銀の(エンピレオ・)極覇龍(ジャガーノート・オーバードライブ)』。神器に積もりに積もった恨みや辛みをーーーー負の感情を闘志へと変換させる事で発現した力。ただあるだけですべてを破壊するようなその圧倒的な覇気に、力にハルトは興奮を隠しきれなかった。

 

「アーハッハッハッハッ!すげえ!すげえぞ白龍皇!良いね、新しい覇龍のお披露目とその最初の相手が俺とは感謝感激雨あられってか!?さあ、思う存分やりあおうぜ!」

 

「この力を見てもその反応……やはり貴様を相手に選んだのは正解だったようだな」

 

ヴァーリの拳とハルトの籠手が激突した。普通ならここでハルトの拳を受けたヴァーリの鎧が壊れるところなのだがーーーー

 

「……ふむ、破壊龍の力もきちんと機能しているようだな。リューベンス、まだいけるか?」

 

『私の心配なら不要だよ、真なる主ヴァーリ・ルシファー。そなたがルシファーの血を引いている以上、私が窮屈に感じる事などないからな』

 

「破壊龍……だと……?なんでてめえが使えるんだ!それは」

 

「使える物は使える。それで十分だろう。こちらとしても余裕はあまりないからな。すぐに終わらせてやる」

 

「やってみろよ!白龍皇ぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 

ヴァーリはハルトの猛ラッシュをすべて躱しきり、腕を掴んで空中に投げ飛ばして右腕をハルトに向けーーーー握りしめた。

 

「ーーーー圧縮しろ」

 

『Compression Divider!!!!』

 

『DividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDivid!!!!』

 

ハルトは内包している魂で最初は耐えていたが、猛烈な速度で半減させていく白龍皇の力に耐えきれず最後には残滓も残らず消し飛んだ。それを見ていたセアラはハルトが負けた事に驚きを隠せなかったが、それでもいい物を見れたと思って退散しようとした。それを見たヴァーリは今度はセアラに右腕を向けた。

 

「逃がすと思うのか?」

 

「思うわよ。見たところ、その力は発現したばかりだから赤龍帝ほど長時間使える代物じゃない。ハルトを消し飛ばすなんて凄いとは思うけど、あいつは実力的には黒円卓のNo.5よ?それだけ力を奪えば許容量も埋まっちゃってるでしょう?」

 

セアラの言っている事は事実。いくらヴァーリにとんでもない才能があったとしても、今だけで言えばヴァーリがこれ以上の戦闘行為を行うのは不可能だ。それを理解しているヴァーリはアルビオンに言われる前に腕を降ろして近くのビルに足をつけて鎧を解除した。そして超獣鬼の方を見ると、楽しそうな笑みを浮かべた。

 

「一体君はどこまで俺を楽しませてくれるんだ?なあ、兵藤一誠!」

 

時を少し戻し、一誠は冥界に到着したばかりの頃ーーーー

 

「こいつが超獣鬼(ジャバウォック)か……本当に気持ち悪いな。さすがはあんな蠅の呪いを受けた奴だな」

 

一誠は到着と同時に鎧を解除して炎神龍の双剣(バルグレン)を取りだして超獣鬼の四肢を斬り裂いた。切断された四肢は瞬く間に焼けて灰になった。天使の翼を使って安全に地面に降りた頃にはその四肢は完全に再生されていたが。

 

「うわ〜……だりぃ。これは竜技(ヴェーダ)を使っても生き残るんじゃねえの?」

 

『それは鎧を使っても同じだと思うが……いざとなればロンギヌス・スマッシャーで殺せば良いんだが』

 

『僕としてはこのまま戦いたいな。だって一誠ってば僕を全然出してくれないし』

 

「しょうがないだろ?お前の火力は強すぎるんだから。でもな……どうしようか。……あ、そうだ」

 

一誠は魔獣創造(アナイアレイション・メーカー)を起動してドラゴンの肉体を創り出した。その色はーーーー赤。そして右手でバルグレンを持ち、左手を思いっきり叩きつけた。すると、ドラゴンは眼を開いた。

 

「どうだ、ドライグ(・・・・)?身体の感触は」

 

「相棒……これは?」

 

「神器システムのちょっとした応用さ。手伝えよ、ドライグ。お前がいれば、あんな奴はすぐに殺せるんだからさ」

 

「クククッ……やはりお前は最高の相棒だよ。赤龍帝の力をこの世に見せつけてやるとしよう!」

 

「赤と紅の共演と行こうぜ!禁手化(バランス・ブレイク)

 

炎神龍の(ヴァルガント・)煌焔双剣(アフィテ・バルグレン)。バルグレンが本来持っている火力をさらに爆発的に上昇させて触れた相手を一瞬で焼死させる程の火力を生じさせる。その火力はフェニックス家現当主の最大火力を鼻で笑えるぐらいに高い。まさにすべてを焼き尽くす煌焔なのだ。今のドライグの肉体の耐火力は滅神龍(クァルティカ)の火すらも余裕で耐えきれるレベルだ。

 

そしてパスを通じて八舞から一時的に神の火(ウリエル)の力を返してもらい、発動させた。触れただけで相手を焼き尽くす業火を生じさせながら、空に舞いあがる天使。その神々しい姿にその場にいた誰もが見惚れていた。

 

猛烈な速度で接近してくる俺を捕まえようと超獣鬼(ジャバウォック)は手を伸ばした。そしてそのでかい指が俺に触れた瞬間に左手どころか左腕が炭化した。そのまま右足を斬り裂き、同じく炭化させた。ドライグが出した炎によって右足も灰になったが、すぐさま再生した。袈裟懸けに切り払おうが魔力で穴を開けようがすぐさま再生した。

 

「どうする?ドライグ。このままじゃただのイタチごっこになるだけだ。魔力の無駄遣いも甚だしいぞ」

 

「……やはりロンギヌス・スマッシャーで決めるか?だがここで放てば首都の方にも甚大な被害が出るぞ?」

 

「あんまり頼るような事はしたくないんだけど……しょうがない。少しの間、あれを抑えててくれ」

 

「分かった」

 

一誠は身を翻して、グレイフィアたちルシファー眷属の元に向かった。地面に降り立つとグレイフィアに視線を向けた。

 

「グレイフィアさん、悪いんですけどちょっと頼まれてくれませんか?俺とドライグであいつを最大火力で消し飛ばすんで、上に吹き飛ばしてほしいんですけど……出来ますよね?」

 

「まったく……言いたい事は山のようにありますが、それは後回しにします。分かりました。その程度出来ずして何がルシファー眷属か!」

 

グレイフィアさんがやる気を出したところで、俺はドライグの方に向かった。ロンギヌス・スマッシャーを放つには俺がドライグと接触していなければならない。元々、この肉体に魂を移すという行為は俺から半径1キロ以内の範囲でなければならない。膨大な力を使うとなれば、接触していなければ使えないのだ。

 

ルシファー眷属唯一の騎士(ナイト)にして木場くんの師匠である沖田総司が超獣鬼(ジャバウォック)の足を切断し、グレイフィアさんが空中に吹き飛ばした。

 

「今です!」

 

「やれ、ドライグ!」

 

『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!!!』

 

『Transfer!!!!』

 

『Loginus Blaze Breaker!!!!』

 

バルグレンの煌焔と持つべきではない禁断の力の合成。それこそがこの覇極の煌焔(ロンギヌス・ブレイズ・ブレイカー)。細胞も存在もその残滓すら一欠片も残さない程の焔をもって、超獣鬼(ジャバウォック)はその命を散らしたのであった。

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