追記 優希→祐樹に訂正しました。
今日は本人の強い主張により祐樹と行く事になった。その上で今日行くのはーーーー遊園地。なんと自力で手に入れたらしい。言えば金ぐらい出してやったのに、と言ったらそれじゃあ意味ないんです!と言われた。
祐樹が手に入れたのは知名度も割と高い遊園地のチケットで、手に入れるのは相当難しいらしい。そのチケットでオークションを開けば一枚で五千とか一万とかいくらしい。どんなチケットだよ。いくら祐樹に浪費癖がないと言ってもこれは相当な痛手だろう。普通の女子高生と同じくらいの金しか渡してないからな。
そして先に家から出て待っているとやたらと気合の入った格好をしている祐樹が出てきた。後アホどもも今回は流石についてこないらしい。そういう事を考えてチケットを用意したのかもしれない。電車に乗ってチケットを使って中に入るとすでに人で溢れていた。うっわ、マジで暑そうだなおい。なになに……2時間待ち、か。偶に話には聞くしそんなもんなんだろう。しかし今から2時間って言ったら昼近いぞ。……用意しておいて正解だったかもな。
実はこの遊園地、アジュカが経営しているらしい。(『ゲーム』の経営と言い、アジュカは人間界で何かをしている事が多い)そこでアジュカに話を聞いてみたのだが、何でも此処のアトラクションは特別なパスを用意すれば並ばなくても乗り物に乗れるらしい。ちゃんと記載はされていても、チケットを買う事がそもそも難関だからそこまで意識を向けていられる人はいないだろう。
「えーっと……なんでここはがらがらなんですか?皆こっちにも並べば良いのに」
「ここは特別なパスを用意しないといけないんだよ。遊園地の名前を聞いてピンときたからアジュカに聞いておいた。あいつはここのオーナーだからな」
「……それ、ちなみに幾らするんですか?」
「ん?確か……十万くらいだったかな?まあ、これを食事処で見せれば半額とかいろんな特典が付くらしい。後、このアトラクションみたいに時間がかかるところでもすぐ乗れたりな」
「じゅ、十万……よくそんなポンと出せますね。私が言うのもアレですけど相当な大金ですよ?」
「別に構いやしねえよ。お前、ここに来るの楽しみにしてたじゃねえか。そんな時間をあんな人ごみに揉まれるので浪費させたくはないんだよ。金で時間を買えるなら買っちまえば良いんだよ」
「……はい!」
「それじゃあ次はどれに乗る?お前が選べよ。定番だから、とか言う理由じゃなくて自分の好きな奴をな」
「それじゃあまずはあれにしましょう!」
「はいはい……分かってるからお前も腕を引っ張るのを止めろ!」
そこからいろんなアトラクションに乗った。ジエットコースターとか何故かお化け屋敷とか。スタースプラッシュとか言う水に突っ込んで行く奴もあった。顔面に水が直撃した時は流石にイラっとしたが。何故かタオル準備していた祐樹からタオルをもらって顔を拭こうーーーーとしたところで拭かれた。
時間も時間だったので、最後に観覧車に乗ってから帰ろうという事になった。そこは流石にパスも使えなかったが、そもそも人が少なかったのでそんなに待つ事はなかった。観覧車から見える夕陽を堪能していると、祐樹が訊いてきた。
「そう言えばアイリスさんとイリナちゃんに宝石を渡してましたけど、あれは何でなんですか?」
「ん?あ〜……あれか。あれには俺が独自の護法の術式を刻んであって……まあ、お守りみたいなもんだな。二年後、俺たちは
「なるほど……私たちはそんなに頼りないんですか?私たちの事を思ってくれる事は素直に嬉しいです。でも、お守りなんてなくても生き残れます!」
「ああ、分かってるさ「なら!」でも俺は同時に知っている。戦場では何が起こるか分からないって事をな。どんな不慮の事態が起こるか分からない。ならせめて対策は打っておくべきだ」
「それはそう、ですけど……」
「それに渡してる宝石に関してはお守りとしては重きを置いていない。これは……純粋な感謝の気持ちなんだよ。今までいろんな事でお前たちには危険を強いてきた。きっとこれからもいろいろと迷惑をかける事になるだろう。それでもきっとお前たちはついて来てくれる。物心ついた時から家族がいなかった俺にとってお前たちは希望なんだ。隣にいてくれる大切な人たち。それを俺は嬉しく思うんだ」
「それは私も、いえ私たちも同じです。何かの理由であなたに救われたのが私たちですから……終生この身をあなたに捧げると誓いました。その誓約に嘘はない。あなたに私のすべてを捧げる、その事に一片の悔いもありません。私たちはあなたの事を愛しているのだから」
「分かってる。お前たちは俺のものだ。嫌がられたって離さない。死が俺たちを別つまで、お前たちを絶対に手放しはしない。俺は赤龍帝ーーーーつまりは龍だ。宝石を集めるという習性を持つのが龍だ。お前たちに渡しているその宝石は言わばマーキングに近い。どんな奴であろうとも、お前たちは絶対に渡さない」
「この誓いを、この愛を終生あなたに捧げると誓った。約定を違える事などあり得ません。この身はあなたの愛に抱かれているのだから」
「……嬉しい事を言ってくれる。お前への贈り物は、家で渡すよ。祐樹、お前は俺の三番目の臣下であり愛した女だ。無論、順番がどうこうとか言うつもりはないがな。そして、だからこそーーーー死んでくれるなよ。俺はもう愛した人を喪うのには耐えきれないと思うから」
「……はい!」
そして家に帰り、贈った宝石はトパーズのピアス。流石に学生の身分で穴を開けるわけにはいかないから、嵌めるタイプだったが。似合ってるぞ、と耳の近くで呟くと顔が紅くなっていった。その様子を笑いながら、俺は部屋に戻った。