リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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シエナ回


閑話 シエナと……

 

 

さて、今回はシエナなんだが。俺たちは今、なんと海鳴市に来ている。久しぶりに行きたいとねだられたので魔法陣を使って移動した。しかも世は休日という事もあって、アリサとすずかも呼んでいた。これ、絶対俺がいる意味ないよな?

 

「え?意味はあるよ。ーーーー荷物持ちとして、だけどね」

 

「そんな事だろうとは思ってたがな。……って言うかなんで海鳴まできて荷物持ちをしなくちゃいけないんだよ?別に此処でしか買えない物があるって訳でもないだろうに」

 

「ん〜……まあ、それはその通りなんだけどね。私としては、久しぶりに友達と騒ぎたかっただけだよ。今の友達も良いけど、昔の友達とも仲良くしたいからね」

 

「まあ、そりゃ当然だがな。……一つ聞いても良いか?」

 

「なに?」

 

「俺、逃げても良いかな?」

 

「駄目♪」

 

現在、俺たちは定番と言うか服屋にいた。それは別に問題ない。割とよくある事だから特に何も言う気はない。ただ問題はーーーー俺たちは今、下着売り場にいるという事だ。他人からの視線がキツい、キツすぎる……。

 

「あ、ねえこれどう思う?」

 

「お前らなぁ!新手の拷問か!?なんで一々俺に訊いてくるんだよ!俺が明らかに答えにくい事分かってやってるだろ!」

 

「「「うん。それがどうしかした?」」」

 

「こ、こいつら……」

 

完全におちょくってやがる。こういう場所に連れてこられた時のこっちの気苦労が分からんかね?……いや、分かってやってるんだったな。それに買う気はあまりないらしい。まあ、買うなら別に構わないけどな。

 

「まあお茶目はここまでにして、実際どれが似合うと思う?」

 

「……なんで俺に選ばせんだよ。自分で気に入ったのにすれば良いじゃん」

 

「チッチッチッ……分かってないなぁ。こういうのは好きな人に選んでもらうから良いんじゃん。そんな事言ってるとモテないよ?」

 

「モテるために行動した覚えは一切ないんだけど……それが良いんじゃねぇの?俺的にはその色合いは好きだからな」

 

「そう?じゃあ、これにしよっと。後は……アリサちゃん、これどう?」

 

「これ?うーん……あんまり趣味じゃないわね。どっちかって言うとこっちかしら」

 

……マジで如何にかならんかな。それから1時間ちょっとの間は服を見たりする時間が続いた。そして翠屋に着くと疲れきって椅子にもたれかかっていた。それをマスターが苦笑しながら見つめていた。

 

「お疲れみたいだね」

 

「……下着売り場に連れて行かれれば疲れますよ。取り敢えずコーヒー下さい」

 

「かしこまりました。少々お待ちください」

 

置かれた水を飲みつつ隣に視線を向けると、美味そうに翠屋特製のシュークリームを食べている3人の姿があった。ブレンドコーヒーを飲みながらゆったりとしていると、時間も良い具合になってきたので解散となった。そして俺たちも帰るか、と思ったらシエナが最後に行きたい場所があると言ったのでついて行くとーーーー

 

「神社?」

 

「うん。……ねえ、師匠。覚えてる?私が師匠と最初に出会った時の事」

 

「覚えてるよ。急に攻撃してきた馬鹿なガキの事もな。でも、それがどうしたんだ?」

 

「……正直な話、私はあの時師匠の事が恐ろしかった。なんの躊躇いもなく人の命を奪った師匠が。でも、それはただの一面でしかなかった。師匠はたとえ怖くても、恐ろしくても、悲しくても、辛くても。現実と戦い続けていた人だった。それを知った時、如何してそこまで出来るんだろう?って思ったんだ。それを知りたくて、私は旅について行ったんだ」

 

「…………」

 

「旅をしている過程で私は思ってたんだよ。自分は如何してそこまでして知ろうとするんだろう?って。最初はお父さんの血ーーーー探求者としての思いで動いてるんだと思ってたんだ。

 

でも単純な事だった。私は弱音もはかずに戦ってきたあなたを、支えたいんだ。あなたの事をーーーー愛しているんだ、ってね。その想いは今でも変わらない。あなたの傍であり続ける事こそが我が至福。永劫御身の傍にい続けたい。それだけが私の願いなんだ」

 

「……馬〜鹿ぁ。何を言い出すのかと思えばそんな事かよ。ーーーー誰が離すか。言っただろう?死が俺たちを別つまでお前らは永劫俺のものだ。誰にも渡さない。手離しなんてするもんかよ。いいか、一度しか言わないからよく聞け」

 

「う、うん」

 

 

「俺は、兵藤一誠は誰よりもどんな存在よりもお前の事を愛している。この愛が、この想いが尽き果てる事など永劫ありえはしない。この誓いは、この蒼穹の空を貫き宇宙のような広大さすら凌駕するんだから」

 

 

「あ、あはは……ちょっと、くさすぎるかな。でも、嬉しいよ。私、シエナ・K・ティエトはどんな存在にも劣らぬ……否どんな存在よりもあなたの事を愛しています。たとえ神などおらずとも、私はあなたに永遠の愛を捧げます」

 

橙色の光条に包まれた俺たちはそれぞれの瞳から視線を外せなくなった。何処までも蒼い、まるで海のような輝きを放つ瞳に。そしてどちらからともなく近づき、キスをしていた。今のこの瞬間だけはシエナだけを見ている。今、何よりも愛おしく感じる彼女の存在を手離したくない。宝箱に大切な物を仕舞うようにこの刹那を記憶に刻み込む。

 

一瞬のような、永遠のような甘美な時は終わり俺はシエナの首に銀色のチョーカーをつけた。それは真ん中の部分に赤龍帝のマークが刻みこまれたたった一つの物。無論、ゼノヴィア・イリナ・祐樹・アイリスの物にも同様の物が刻みこまれている。しかし、それでも確かに違うのだ。シエナはそれを何よりも愛おしげな表情で見つめたのだった。

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