俺は今ミッドチルダに来ている。ベルカ自治領なる所にある聖王教会の偉いさんーーーーはやての知り合いで機動六課成立の後押しをしているカリム・グラシアさんと会うためだ。対談とは言っていたが、俺は戦時になった時にラインハルト・ヴァーリの両者と戦うだけだからな。
言語関係は翻訳魔法をかけておく他なかった。古代ベルカの時もそうだったからな。文字を読む事は出来るんだが、喋るとなるとやはり少し不慣れな所がある。そんな事を考えながら歩いていると、でかい教会が見えてきた。あれが聖王教会か?入り口の所にシスターが立っていて俺を見つけると話しかけてきた。
「初めまして。この聖王教会でシスターをしているシャッハ・ヌエラと申します」
「ご丁寧にありがとうございます。赤龍帝、兵藤一誠です。案内という事で良いんですか?」
「はい。すでに騎士はやてを始めとした方々もすでにお待ちですので……こちらに」
シスター・シャッハ先導の下、とある一室に案内された。しかし、騎士はやて、ねぇ……似合わね。あいつは絶対にそんな柄じゃないっての。シグナムとかならまだしも、はやてが騎士……遠距離で蹂躙する光景しか出てこない。あ、これはなのはか。魔砲使いだもんな。
そんな馬鹿な事を考えながら部屋に入ると、そこにははやてと金髪の女性。それとひげだるまのいかにも父親ですみたいな容姿の男性と後ろに控えた強そうな騎士。それにクロノ・ハラオウンと紫色の髪をした白衣姿の男性。そしてその後ろにいたのは……
「よっ。数日ぶりだな、ヴァーリ」
「ああ。おかげで助かったよ」
「んんっ!……席についてくれないか?」
「分かってるよ。……って言うか、俺は聖王教会の人と話をしにきたんであってこんなに大勢いるとは予想外だったな」
「初めまして、赤龍帝さん。聖王教会で騎士をしておりますカリム・グラシアです。よく来てくれましたね」
「赤龍帝、兵藤一誠です。お招き戴き感謝します。それで……そちらは?」
「管理局地上本部で長官をしておられるレジアス・ゲイズ中将だ。そしてその後ろに控えているのが騎士ゼストだ」
「ゼスト・グランガイツだ。よろしく頼む」
「私はジェイル・スカリエッティ。管理局のトップ最高評議会がプロジェクトFを使って創り出したクローン。コードネームは
「名乗るまでもないとは思うが、一応名乗っておこう。白龍皇、ヴァーリ・ルシファーだ。よろしく頼む」
「……それで聞かせてもらいましょうか。『予言』とやらの話を」
「はい。まず今回の件は私の
『獣の軍勢と原初の守護者が交わりし地
死せる王の下、聖地より彼の翼が蘇る
死者達は踊り、中つ大地の法の塔は虚しく焼け落ち
怒りの日が始まりすべてを蹂躙せんと黄金の獣と赤き龍帝、白き龍皇による戦乱が始まる
それを先駆けに数多の海を守る法の船は砕け落ちる』
「……分かりやすい占いだな。しかし、死せる王というのは誰の事なんだ?」
「死せる王……彼の翼……聖地……まさか……いや、そんな筈がない。あれから一体、どれだけの時間が経っていると思ってるんだ。しかし……」
「一誠くん?どないしたん?なんか心当たりでもあるんか?」
「いや……ちょっと思い浮かぶ物がない事もないんだがな……ちょっと嫌な思い出がある物だっただけだから気にするな」
「……それで思い浮かぶ物というのは?」
「俺の予想が正しければ……彼の翼というのは『聖王のゆりかご』だ。死せる王というのはおそらく聖王オリヴィエの事だろうな。ジェイル・スカリエッティ。遺物から細胞を採取できるのなら、プロジェクトFでクローンを作り出す事は可能か?」
「率直に言えば可能だろうね。細胞を採取出来るなら人造魔導士として造る事は不可能ではないよ」
「だがそこまでする価値のある物なのか?ベルカ戦役が終了してからもう150年以上経過している。そこまで魅力のある物だとは思えないんだが……」
「完全に復元出来ているなら、それだけの価値はあるだろう。あれだけ長く続いていたベルカ戦役をたった一年で終わらせた聖王家の秘宝。呪わしき遺物だよ。あんな物を世に晒してはいけないんだ。あんな……人を人とも思わぬ兵器なんてな」
一誠が痛ましげな表情を浮かべ、事情を知っているクロノとはやては気まずそうな表情をした。他の面子はそんな3人の様子に首をかしげていたが、クロノは話題を変えようとした。
「……スカリエッティ、ガジェットのデータは持って来たか?」
「持って来たよ。それが条件の一つだったからね。しかしあまり役立つとは思えないな。原初の守護者……つまり最高評議会を味方に入れている彼らがそのままのスペックで使うとは到底思えないからね」
「そこは前線のメンバーに頑張ってもらう他ないやろ。……そう言えば、スカリエッティの身柄はどないしはるんですか?レジアス中将」
「機動六課にて技術協力が決まっている。儂としては貴様らの方向性を訊きたいのだがな」
「俺はドクターに協力を頼まれた身だ。ドクターが機動六課とやらに行くならついて行くさ。前線のメンバーとやらの実力も見てみたいしな」
「俺は……特に決まってないな。だがまずは情報を集める。調べるべき事は幾らでもあるんだからな。まずは死せる王ーーーーオリヴィエのクローンの所在。それにゆりかごの情報も必要だ。しばらくは情報収集、に加えて出来る限り相手を叩いておくさ」
「ところで訊きたいんだが……黄金の獣というのは何者なんだ?君らの敵だという事は分かるが」
「黄金の獣ーーーーラインハルト・アルゾフ・ハーデン。地球にいた時、テロリストとして扱われていた集団だ。あいつらの殺してきた人の数は百や千じゃきかない。万単位で人を殺してきた集団の首領だ。……言っておくが捕まえようとか思うなよ?逆に殺されるのが関の山だからな」
「何故だ?数をもって押しきれば出来ない事は……」
「ここに獣の軍勢と書いてあるだろう。これはあいつらの一種のレアスキルみたいなもんでな。人を殺せば殺すだけ魂を取りこんで肉体を強化していくという能力を使って身体能力は超人になっているんだ。あっという間に全滅させられるぞ?」
「指名手配だけはしておくか……何か訊きたい事でもありますか?レジアス中将」
「……赤龍帝と白龍皇、それにジェイル・スカリエッティ。貴様らがミッドチルダで犯罪を犯すようなら何があっても貴様らを捕まえる。それだけは覚えておけ。……私はこれで失礼する。行くぞ、ゼスト」
「分かった。それでは失礼」
「それじゃあ私たちも六課の方に向かっても良いかな?八神部隊長殿」
「技術部の皆と協力して新人のデバイスを造ったってくれへん?あんたほどの科学者やったら余裕やろ」
「ふふふっ……任されよう!さあヴァーリくん、行こうじゃないか!」
「分かったからそのテンションを抑えてくれ、ドクター。それでは失礼する」
残ったのは俺とはやてとカリムさん、それに後ろでひかえているシスター・シャッハだけとなった。俺も失礼しようかと思って席を立とうとしたら話しかけられた。
「先程から気になっていたんですが……どうして眼帯をしておられるんですか?」
「ん〜……こいつは封印みたいな物なんで。目を開かなければ大丈夫なんでこうやってるんですよ」
「封印、ですか……。先程、聖王オリヴィエ殿下の話のあれは一体何なのですか?」
「あれは……」
そこからしばらくの間話し続ける事になり、帰るのが遅れた。カリムさんの顔がやたらと輝いてたけど、あれは一体何だったんだろうか?
どもども、シュトレンベルクです。というわけで、聖王教会での対談でした。
レジアス中将とジェイルの良い人化。ジェイルがこの対談に参加している理由は、最高評議会に対して嫌気がさしたからです。そこでレジアス中将に取り引きを申し込み、その過程で予言の事を知りヴァーリに接触したという設定です。
そんな状態なのでゼストたちも普通に隊として機能しています。さて、最終決戦を書いているのですが……一誠とヴァーリの流出の文言を考えるのが難しい!ラインハルトはそのまま創造も流出も使えるんですけどね……。
まあ、ぼちぼちやって行きたいと思います。それではまた次回!