リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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新たな輝きとの出会い

 

 

聖王教会での対談が終わり、俺たちはざっと荷物を纏めてシエナたちの卒業と同時に引っ越した。ちなみにレイヴェルちゃんはリアスさんのところで預かってもらう事になった。彼女はまだ学生だし、その方が変なやっかみもなく塔城さんとギャスパーくんの力も借りやすいだろうと思ったんだ。

 

フェニックス家にはその旨を伝えていろんな人と別れを告げた後、ミッドチルダのベルカ自治領にある一軒家に引っ越す運びとなった。この家は聖王教会が用意してくれた物なのだが、俺としては有難いので何も言わない。前よりも広々としているので文句のでよう筈もない。

 

数週間後に機動六課開始となる中で、俺はいろんな世界にある違法研究所を潰していきその傍らで情報収集を続けていた。もちろんめぼしい情報など殆どなかったが、聖王オリヴィエのクローンを作り出すという計画書を見つけて俺の予想が当たっていた事を理解した。

 

その研究所もプロジェクトFの研究をしている場所だった。すべての電源を落として冥福を祈った。そして最後に違法研究所で犠牲になった人々を弔う意味も含めて建物を全壊させた。不愉快だな。これで正義を名乗るんだから、上層部ってのは相当にイかれてるんだな。

 

光となり正義を行う者の裏には影となり悪を行う者がいる。それは知っている。だが管理局自身が行う自作自演。自ら悪を作り出し、それを裁く事が本当に正義と言えるか?ーーーー否だ。納得もしよう。理解もしよう。こんな馬鹿みたいにでかい組織を保ち続けるにはそういう事も必要なんだろう。

 

だが嫌悪する。それでは救われなかった者はどうする?お前はそういう運命だった。だから諦めろとでも言うのか?そんな事を言う奴は正義の味方などであってはいけない。それは決して正義ではないのだから。

 

綺麗事ばかりを告げていたとしても、それはきっと必要な事だ。折れても良い、諦めても良い、挫折しても良い。ーーーーそれでも最後には立ち上がる者の事を、人は正義の味方(ヒーロー)と呼ぶんだ。不屈の魔導士と称される高町なのはが『エース・オブ・エース』と呼ばれるように。たとえ綺麗事であっても貫き通せる者こそが正義を名乗る事を許されるのだから。

 

そして今回も収穫がなかった事を報告した後、家に帰った。俺はいろんな世界に行っているが、他の面子は喫茶店で働いている。たまたま早く帰ったら俺も働くが、基本的には女性陣がやっている。働くって言っても、基本的に俺は厨房にいるんだがな。俺が厨房にいると爆発的に注文が増えるらしい。面倒だ。

 

店員が店員なので喫茶店は繁盛している。大人の女性という雰囲気を醸し出す八舞とアイリス。知的クール系のシエナとシュテル。元気系のイリナとレヴィ。優しいお姉さん系の祐樹。ちょっとツンデレみたいなディアーチェ。男らしいゼノヴィアにマスコットみたいなユーリ。そして隠しキャラ扱いの一誠。

 

一誠が給仕をやった時、店の中にいた女性客から熱い視線を向けられていたので女性陣が給仕はもういいです、と言われて以来厨房にこもりきりの一誠であった。眼帯の事は気になるものの、かっこ良いお兄さんのような風貌は注目を集めるには十分すぎた。

 

「……それで何か用でもあるのか?少年」

 

「ッ!?」

 

茂みが微かに揺れた。この気配は……少年と少女の2人組か。こんな時間にどういう事だ?一般的な子供ならとっくに家に帰っている時間帯だ。これ以上続けるのは意味がないと判断したのか茂みから出てきた姿に眼を疑った。

 

茂みから出てきたのはミッドチルダでも珍しい黒髪黒眼の少年と金髪に赤と翠のオッドアイの少女。オッドアイだけならまだこんなに驚かないだろう。だが彼女から漏れているこの魔力光は……!

 

「オリヴィエ……いや、そうか君が……」

 

「ヴィヴィに触るんじゃねえ!おい、おっさん。痛い目を見ないうちにとっととどっか行けよ。俺たちに関わってくんな」

 

「くっくっく……勇ましいようだけど、彼我の実力差を理解してからそういう言葉は言う物だ。……って、これじゃあまるで悪役だな。お前ら、腹減ってないか?」

 

「あん?そんなの減ってるわけ……」

 

少年がそう言った直後、間の悪い事に腹が鳴る音がした。まあ、鳴らしたのはヴィヴィと呼ばれた少女の方だったんだが、少年も顔を逸らしていた。

 

「俺についてくるなら美味い飯を食わせてやるよ。俺の家は喫茶店の経営してるからな。お前らの分を作るだけなら楽勝だよ」

 

「……どうして俺らに構おうとするんだよ。普通、こんなみすぼらしい格好したガキの事なんて放っておくだろ。一体何なんだよ、あんたは。何が目的なんだ?」

 

「目的なんて大層なもんはない。強いて言うならその娘の保護だが……お前が一緒にいた方が安心するだろうし、何かしようなんて気はない。ただ見過ごせないだけだよ。俺も物心ついた時には両親はいなかったからな。お前らはまだ幼い。俺みたいに孤独を味わってほしくなんてないんだよ」

 

「……約束してくれ。ヴィヴィに酷い事はしない、って。それが出来るならあんたについて行く」

 

「約束しよう。この命に賭けてその約束を反故にするような真似はしないと誓いを立てよう」

 

「良いか?ヴィヴィ」

 

「うん……私はアキトお兄ちゃんについて行くだけだから」

 

「決まりだな。それじゃあ……よいしょっと」

 

2人を抱え上げた俺だが、想像以上に2人の身体は軽かった。帰って2人の身体を洗った後に食事にしたのだが、すごい勢いで食べていた。どんだけ腹減ってんだよ。それに触発されたゼノヴィアとレヴィががつがつと食い始めたが、八舞とディアーチェに怒られていた。それを見ながら苦笑しつつも食事を終え、事情を多少ながら聞くと2人は自分たちがいた研究所が騒ぎになっていた時にどさくさ紛れに逃げたらしい。

 

プロジェクトFの被験体で匿っていると巻き込まれるかもしれないと心配してくれたが、その渦中の中にいるんだよと教えた。そして一緒にお前らの身は必ず守ってみせる。と誓いを立てた。家族を守る、それが俺に出来る唯一の事なのだから。

 

だからこそ、アキトとヴィヴィオを家族に迎えた。誰もがその案に同意を示し、聖王教会に管理局もそれを了承した。子供たちの笑顔を見ながら、一誠はたとえ己が身に何があろうとも守る事を誓ったのだ。

 

そしてここから、strikersの物語は始まるのであった。




空白期2終了。次回からはstrikers編へ!お楽しみに!
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