リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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strikers編
六課初日


 

 

機動六課が開始の時間となった時、俺は相も変わらず管理外世界の研究所潰しに勤しんでいた。元々期待なんて欠片もしていなかったが、やはり手に入る情報はなかった。ヴィヴィオとアキトは俺の養子になる事になった。レジアス中将が文句を言っていたが、論破すると誰も文句を言わなくなった。

 

まあ、実際会わせてみるとアキトは兎も角としてヴィヴィオが懐いたからなんだが。あのもじゃもじゃの髭が気に入ったらしい。アキトは警戒心が強すぎて話すらしなかったんだが。

 

その科学者はなのはやはやてを例にして地球のリンカーコア持ちは相当の魔力持ちなのでは?という考えの元、調べてみた結果日本のとある村に推定魔力ランクSの子供を発見し、その子を攫ってクローンを作り出した。それがアキトだ。そして膨大な量の魔法を自力(・・)で習得させる事で、管理局の新たな戦力にしようとしたらしい。

 

経験こそ足りないものの、実力だけならエース級だとシュテルを始めとした紫天組こと魔導士組が判断した。デバイスなしでこの成績ははっきり言って異常だとも。少なくとも真っ当な手段で鍛えてもこんなに習熟速度は速くならないと言っていた。

 

本人曰く、食事中であろうとトイレの最中であろうと絶えず複数同時思考(マルチタスク)を動かし続ける事を強要され続けた為、その数ざっと二十個はあると言う話だ。問題があるとするなら魔法ばかり鍛えていたから、肉体関連はまだまだ浅いという事だ。ベルカ式・ミッドチルダ式の両方を会得しているとはいえ、好んで使うのはミッドチルダ式らしい。

 

ヴィヴィオの相手は基本的にはユーリちゃんがしている。無論、手が空いていれば他の奴も相手をするんだが、如何せん喫茶店というのは忙しい。寂しそうにしているヴィヴィオを見兼ねてユーリちゃんが率先して世話を焼いてくれている。

 

レヴィも持ち味の明るさでヴィヴィオと遊んだりしている。……まあ、遊びが高じて迷惑行為に発展する事もままあるがそれは仕方のない事として注意レベルで済ませている。ヴィヴィオが楽しそうにしている手前、強く言う事が出来ないというのもあるんだが。ユーリちゃんも止めようとしないからな……そこだけが厄介だ。

 

「……それでそっちの様子はどうなんだ?ヴァーリ」

 

『フォワードの新人メンバーの実力を見ている真っ最中だ。……まあ、まだまだ弱いがな。俺や君のような境遇にいた訳ではないのだからあんな物なんだろう』

 

「俺やお前って……明らかに比べる相手が間違ってるだろ。経験と積んできた鍛練の量が違いすぎるんだからな。お前も対ガジェット戦をやるのか?ぶっちゃけ無駄だと思うけど」

 

『備えあれば憂いなし、だそうだ。俺としては隊長陣の誰かと戦ってみたいところだがな。まあ、ここにいれば後々そういう機会もあるだろう。そちらはどうだ?』

 

「芳しくはないな。現段階ではヴィヴィオの身柄を保護出来ただけでめっけもんだから、別に構わないんだけどな。俺も調査の方を一旦落ち着かせてそちらに合流するさ。見てみたくもあるしな」

 

『そうか。……おっと、俺の番のようだ。これで失礼するよ』

 

「ああ。それじゃあな」

 

通信を切り、一誠は眼下に広がる鬱蒼とした森を眺めてため息混じりに歩き始めた。今日中に帰れるのかどうかを心配しながら。

 

ところは移り変わり、機動六課訓練スペース。フォワードの新人メンバーが四苦八苦しながら課題となっていたガジェットを撃破した後、ヴァーリがそのフィールドに立っていた。

 

『それじゃあ始めるけど……本当に良いの?』

 

「何がだ?」

 

『いや、本当に数もレベルも最大で良いの?さっき見てて分かったとは思うけど、倒すのは結構苦労するよ?』

 

「強度の確認はさせてもらったが、あの程度なら問題ない。それに……あの程度に梃子摺っているようではあの男には届かない。彼ならこれぐらい鼻で笑いながら突破するだろう。俺もそれぐらいやって見せなくてはな」

 

『それじゃあ……ミッション・スタート!』

 

「行くぞ、アルビオン」

 

ヴァーリは掛け声と同時に白龍皇の翼(ディバイン・ディバイディング)を展開して駆け出した。無論、丸い細長い球体の機械ーーーーガジェットはヴァーリに瞬く間に攻撃を放ってくるが、本当に当たりそうな物だけは半減しつつ回避した。そして一瞬交錯した間に撃破していった。

 

それを遠くで見ていたフォワード陣営は驚いていた。八神はやて部隊長が連れてきた民間協力者。実力は折り紙付きと言われた青年はリンカーコアがないにも関わらず、一瞬でガジェットを撃破している。しかもどうやって倒しているのかが分からないという恐ろしいほどの実力者だ。

 

その光景を楽しげに見ていた烈火の将シグナムは側にいたライバルであるフェイト・テスタロッサ・ハラオウンに視線を向けた。視線を向けられたフェイトは首を傾げていた。

 

「テスタロッサ。彼が一体どうやってガジェットを撃破しているのか分かるか?」

 

「……両腕と両脚に魔力が見えるから、多分部分的に身体強化をする事で一撃の威力を上げてるんだと思います。私でも交錯する瞬間に腕か脚がぶれている、という事しか分かりませんから」

 

「……ますます面白いな。一度戦ってみたいものだ」

 

「シグナム副隊長?そういう事は個人の特訓に入ってから言ってくださいね?あなたとヴァーリくんが暴れたら訓練スペース、半壊どころじゃ済まないと思いますから」

 

その後もヴァーリはガジェットたちを瞬殺し、空にいた物も含めて最速タイムを叩き出した。新人たちには凄いと褒められていたヴァーリだったが、内心では禁手(バランス・ブレイカー)を使わなければこんな物か、と思っていた。そしてシグナムと眼が合うと両方とも不敵に微笑んだという……

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