中もやっぱりSFっぽいというか、機械が大量にあった。まあ、次元航空艦と言うくらいだからそれなりに必要な物が有るんだろうな。
「と思っていたんだが。これは一体どういうことだ?」
「僕に言わないでくれ……」
苦労してるんだな、こいつ。明らかに苦労人みたいなオーラを出してるし。俺はこの艦に連れてこられて案内された場所は艦長の部屋だった。扉が開くと良くも悪くも俺たちの予想を超える光景があった。
「なんで和室?ミスマッチにもほどがあるだろ。しかもちゃんと鹿威し置いてあるし」
「いらっしゃい。改めて自己紹介します。管理局所属次元航空艦アースラの艦長をしているリンディ・ハラオウンです。そしてこちらが」
「執務官のクロノ・ハラオウンだ」
「高町なのはです」
「ゆ、ユーノ・スクライアです」
「……ドライグ」
「そうですか。それでどうしてこんな事になったのか説明してもらえますか?」
「あ、それは僕が」
ユーノ・スクライアが管理局の二人に説明している間、俺は部屋をぐるりと見渡しながら監視カメラの類が何処にあるのかを確認していた。
「なるほど。それは責任感のある事ですね。しかし」
「無謀でもある!」
「……そんな事、あんたらに言う資格無いだろ。後から来ておいて何様のつもりだ?」
「なんだと?」
「あんたらよりも、ユーノ・スクライアの方が賢明だよ。幾ら力量不足であっても、この世界の住人を助けようとした事は褒められるべき行為だ。……まあ、その過程でこの世界の一般人を巻き込んだのは悪いが。それでも後から来てふんぞりかえっているあんたらよりもずっと良い」
「それは……」
「大体あんたら今まで何してた?ユーノ・スクライアが言っていた事故からそこそこ時間が経っている。動くには十分すぎる程だ」
「…………」
「魔導士を優遇するのは結構だが、遅れたのに偉そうにするのはいただけないな。実際に頑張っていたのは彼等なんだから」
「……それはその通りです。ですが、危険過ぎる事にかわりありません。そうでしょう?」
「それはその通りだ。軽率で無謀でもある。確かに言ってる事は正しい。だが偉そうにして欲しくはないな。というかあんたらは何故わざわざ俺たちを呼んだんだ?」
「……これからこの事件は我々、管理局が管轄しますので関わらない様にと」
「残念だが、ジュエルシードはもう全部集まっている。起動する事はもうない。よって貴女たちがする事はもう何もない。よって俺としてはお帰り願いたい」
「ならば、こちらにジュエルシードを渡してもらう。あれはロストロギアだ。ロストロギアは僕ら管理局が責任を持って」
「管理する、て?言ってるだろう、偉そうにすんなって。これ以上俺を怒らせんなよ。この艦を破壊されたいのか?」
「「っ!?」」
「な、何を……」
「っていうかさ、俺の前で正義の味方面すんなよ。イライラする。汚職し放題の体制になっている組織、お前らの所為で滅んだ世界もあるそうじゃないか。
ロストロギアを管理する、だって?自分達で暴走させて世界をいくつも消しているような連中が信用されると思ってんのか?その世界にはその世界の秩序があるんだ。勝手に介入してくんな。
違法研究をするのは勝手だが、その研究にその世界の人間を利用すんなよ。迷惑なんだよ、ハッキリ言ってさ。やるんなら自分とこの奴を使えよ。邪魔くさい。正義の為なら何しても良いと思ってる?だとしたら、おたくらは正義の味方じゃねぇよ。ただの傲慢野郎だ。そっちの思想押し付けてくんな。迷惑だ。
それにおたくらの魔法。非殺傷設定だっけ?ボタン一つで切り替え可能なシステム設計のくせに、何言ってんの?まだ自分で整備された武器の方が信用あるわ。トップランクの魔法なら戦略兵器クラスの力がある癖に何をとち狂ったこと言ってんの?あと、質量兵器の禁止だっけ?単純に安価で手に入る武器を恐れただけだろ。馬鹿馬鹿しい話だ。命を奪う覚悟の無い奴が魔法なんて使うんじゃねぇよ」
ぼろっカスみたいに言ってやった。正直、話を聞いた時から言ってやりたかったんだが、思っていたよりも理知的だったから言わなくても良いかと思ったが無理だった。
この世界にも管理局の違法研究の手は伸びていた。全部壊したけど。そこにあったパソコンで研究を見たら、もう腐っているとしか思えない物が出てきた。その時に管理局という組織の名前は知っていたんだが、何処の組織か分からなかったんだよな。
「……まあ、とにかくだ。あんたらは俺に対する信頼が圧倒的に欠けている。たとえあんたらが知らなかったとしても、こちらは被害を被っている。そんなあんたらにあれを預ける訳にはいかない」
「しかし我々としては次元震を起こしかねない物を放置する訳には……」
「あんたらの都合なんて知った事ではない。どうしても欲しいなら、この世界……いや、少なくともこの街に住んでいる人たちに事情を説明して謝罪しろよ。曲がりなりにもあんたらが来るのが遅れた所為で、この街の人たちに被害を与えかけたんだからな。いや、あの動物病院は事実被害を被っているな。ほら、やってみろよ」
「魔法技術の無い世界に魔法の話をするのは……」
「確かに魔法は秘匿されている。だが謝罪くらいできるだろ。政府だって自分達に不手際があったのなら謝るくらいはするぞ。当たり前の事なんだからな」
「それはその通りです。ですがこちらにもこちらの事情が……。それにあの魔導士も追わなければなりませんので、私たちは戻れません」
「だからそちらの事情など知らんと言っているだろう。それに全てのジュエルシードが集まった今、あの子を追うなんて不可能だ。それとも何か方法でも有るのか?許可なくあんな物を街にばら撒きやがって、何様のつもりだ?」
「まさかサーチャーを破壊したのは……貴方なんですか?」
「ああ、あれサーチャーっていうんだ。確かに俺が破壊した。そちらが魔法技術を持っていない、などと勝手に思ったからばら撒いたんだろうが……いらん事をするな」
「しかし我々にはこの事件を解決する義務がある!」
「解決しているだろ。ジュエルシードは全て集まり、もはや暴走する事は無い。最良の結果だろう。何が不満なわけ?」
「犯罪者を逃がす訳にはいかないだろう!」
「お前らにとって犯罪者であっても、俺にとってはこの事件を早く終わらせる事に協力した立役者だ。少なくともあんたらよりは信頼できるよ」
「…………」
「まあ、何にせよだ。あんたらは
俺はそういうと踵を返した。あの転送ポートとやらに向かい、虚空を睨みつけるとそこにあったサーチャーが消えた。
「……全く、面倒な連中だ」
俺は魔法陣を展開して座標を海鳴市にして跳んだ。