リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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開幕

 

 

管理局との接触から数日後、フェイト・テスタロッサと高町なのはがジュエルシードを賭けて戦うらしい。散歩に出ていた俺が高町なのはに捕まって、その審判を務めて欲しいと言われた。何故そんな面倒な事をわざわざやるのかは知らないが、止めようと言いくるめようとした時に高町なのはの眼を見て、考えを改めた。

 

(ああいう眼をしている奴はこっちの話なんて聞きゃしない。全力でやらせた方がいい)

 

良く言えば諦めが悪い。悪く言えば頑固者。子供なら良いが、このまま大人になったら大変だろうな。

 

「実力的にはどっこいどっこい、か。魔法に触れて一ヶ月も経っていないだろうに、よくそこまで強くなったもんだな」

 

「なのはは頑張ってましたから」

 

「まあ、俺はああいうタイプの奴を知ってるけどな。その果てには碌な結果にはならない事も。正直言うと、あの子は魔法なんて物からは離して置いた方が良い。……でも、あの子は納得しないだろうな」

 

「……すいません」

 

「あん?……ああ、別にお前さんを攻めてる訳じゃない。良くも悪くも性格の問題だからな。ああいうタイプにはパートナーになれる奴が必要なんだ。戦闘だけじゃない普段の生活でも支えられるような奴がな」

 

「…………」

 

「しかし使い魔、お前あれはどういう事だ?」

 

「?何の事だい?」

 

「本気で言ってんのか?あの子は動きが悪過ぎる。じゃなけりゃああそこ迄同等の戦いになるわけが無い」

 

「それは……!あれはライトニングバインド!?フェイトは本気だ!」

 

「なのは!」

 

「手ェ出すなよ。あの子がやってんのはただの戦いじゃない。一対一の決闘だ。邪魔するな」

 

「ありがとうございます、ドライグさん!……私は大丈夫だから!」

 

「でもフェイトのそれは本当に危険なんだよ!」

 

 

「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神よ、今導きの元撃ちかかれ。……フォトンランサー・ファランクスシフト!!」

 

 

うっわなんて量の魔力弾だよ。俺からすりゃ軽いけど、っていうかあれひょっとして広域殲滅魔法?それをわざわざ一人に撃ち込むって容量悪過ぎるだろ。

 

まあ、それでも十分なくらいだろう。あれを防ぎきるのはわりと難しいだろうからな。そう思っていたからこそ、その光景に驚いていた。

 

「無傷かよ……」

 

「あ痛たたた……撃ち終わるとバインドってのも溶けちゃうんだね。……次はこっちの」

 

「くっ!」

 

「番だよ!」

 

『Divine Buster』

 

「う、うわぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 

手の中に残りの魔力を収束させた魔力弾を投げたが、軽く消されちまった。何と言うか……エグい威力だな。盾で防いでるのに、防ぎ切れてないし。

 

「……ハァ……ハァ……ハァ……」

 

なんとか防ぎ切れたようだが、もはや満身創痍と言った感じだな。もうそろそろ、止め…て…も……

 

「受けてみて、ディバインバスターのバリエーション!」

 

『Starlight Breaker』

 

「え……!?バインド!?」

 

うわぁ……鬼畜だ。容赦ねえ。っていうか満身創痍の相手にそんな魔法使うか?

 

 

 

「スターライトォォォ……ブレイカー!!」

 

 

 

「もはや魔法じゃなくて魔砲だな。悪いが俺はあの子の相手、したくないわ」

 

「「…………うん」」

 

っていうかあれ、生きてんの?正直死んだと言われても、納得出来てしまうような威力だったんだけど。……あ、ちゃんと助けてる。でもこれ確実なトラウマだよな。

 

気が緩んでいた所為もあったんだろう。その魔法に一切気付くことが出来なかった。気付いたのは、発動直前。というかもう放たれた後だった。

 

「母、さん……」

 

「フェイトちゃん!」

 

フェイト・テスタロッサの方は高町なのはが守ったが、その時高町なのはの分も含め計八個のジュエルシードを回収しやがった。俺は発射された魔法の位置を特定し、転移で移動した。着いたその場所は……

 

「気分的には魔王に挑む勇者って感じだな」

 

『相棒なら魔王なんて敵じゃないがな』

 

「まあな。しっかし迷惑な事をしてくれた。あの一撃の所為で龍脈に乱れが生じた。結界まで揺らぎやがった。あれすんの面倒だってのに」

 

『あの娘の心配はしないんだな』

 

「大丈夫だろ。生きていれば大体の事はどうとでもなる。そこまで気をつける事じゃないし、あの魔砲に比べればどうってことないさ」

 

あれ食らえば、大体の攻撃は怖くなくなること間違いなしだろうな。そしてそのまま歩き回って探すこと三十分ほど。でかい扉を見つけた。開けてみると……

 

「わお。死に体って感じだな。重傷者多数、っと」

 

「……誰?あなた」

 

「あんたがここの主かい?ちょっと言いたいことがあったんだけど……その前に、それなに?」

 

「この子はアリシア。私の愛しい愛しい最愛の娘。私たちはジュエルシードを使って行くのよ。忘れさられた都、アルハザードへ」

 

「行ってどうすんの?まさかその子を生き返らせるとでも言うつもりか?」

 

「ええ、そうよ。……そういえば貴方もジュエルシードを持ってたわね。渡しなさい。私は必ずアリシアを……」

 

 

「……くっくっく。あっはははははは!はっはははははははははははははははは!あはははははははははははははははははは!!ははははははははははは!はははははははははははははははは!あっははははははははははははははははははははははははははははははは!!」

 

「……どういうつもり?頭でも狂ってるの?」

 

「くくくっ。いやいや、久しぶりにとんでもなジョークを聞いたぜ。魂の概念を理解していない人間が人を蘇らせるだって?神の奇跡の領域に立っていない人間が人を蘇らせるだって?……出来るわけねぇだろ!」

 

「そんな事はない!アルハザードに行けば必ず!」

 

「あんたはさ、何故人を生き返らせる術が禁忌とされているか知ってるか?他人か或いは術者の命が必要だからさ。

 

大体、アルハザードだっけ?に行ったからってあんたはそこの技術を理解出来んの?技術があればどうにかなるようなレベルじゃないのさ。そういう類の術はな」

 

「……いいえ!あるに決まっているわ!そうでなければ私が手を尽くしてきた意味がない!」

 

「そんな死体を後生大事に抱え込んでる時点で意味なんかあるわけねぇだろ!あんたがやってきた事はただの無駄な行為なんだよ。大体、自分の為に他者の命を奪うような奴が死者から迎えられるわけねぇだろ。もし迎えてくれるとしたら、そいつは相当トチ狂ってやがるな!」

 

「……黙りなさい」

 

「まあそれでも?死にたいなら勝手に死ねよ。自分には何もできなかったと悔やみながら死んでいけば良い」

 

「黙れぇぇぇぇぇぇぇっ!!」

 

「図星付かれたからって怒鳴ってんじゃねえよ!」

 

大魔導士VS赤龍帝の戦い、ここに開幕。

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