リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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ヴィヴィオ救出

 

 

ラインハルトとの通信の後、俺とヴァーリでゆりかごの破壊をする事になった。ガジェットなどの航空戦力に関しては機動六課フォワードチーム及びドクターが作り出した戦闘機人ーーーーナンバーズが管理局員と共に対応する事になった。

 

俺の眷属たちもそれに協力する。ディアーチェを司令塔にしてイリナ・レヴィ・シュテルのチームと祐樹とゼノヴィアのチーム。そしてユーリちゃんはアキトが勝手に動かないように監視する役目。八舞・シエナ・アイリスの3人は大隊長からの指名だから、下手な事は出来ない。

 

翌日、指定の座標で待っていると光学迷彩の類で隠れていたのか急に聖王のゆりかごが現れた。俺たちはそれぞれ創生龍と破壊龍鎧を纏い、情報通りとはいえ急に出現したゆりかごに動揺している管理局員を無視して一部を破壊して突入した。

 

「しかしお前の力を使うのは本当に久しぶりだな」

 

『……割と寂しかったです。他の皆がすごい活躍してるのに私だけ全然働いてすらいないんですよ!?分かりますか?この疎外感!』

 

「だって万能だけど、お前の力って使い道がないんだよ。ガジェット殲滅の為に剣を大量に創って破壊するとか、そんなかったるい事をするより赤龍帝の力使った方が早いし」

 

『うぅぅぅっ……どうせ私は使えない子ですよー!でもしょうがないじゃないですか!そういう風に創られたんですから!私にはどうしようもないじゃないですか!』

 

「………………」

 

『赤龍帝殿、その、なんというか……我の同輩が迷惑をかけてしまい申し訳ない』

 

「お前が謝ったら俺の方がどうすりゃ良いか分からんくなるから止めてくれ。……フィーエルガ。これから最大の戦闘が始まる。その時はお前の力が頼りなんだぜ?なんせ、二天龍の決着も同時につけるんだからな」

 

『ッ!……という事は、ついにつくのですね?新時代の神と魔王、どちらが強いのかという約定も』

 

「ああ。……だがその前に殺さなきゃならん奴がいる。今は我が愛娘を救いに来たのさ」

 

こんな会話をしている最中であってもわらわらと出てくるガジェット共を叩き潰している。ヴァーリは破壊龍の力を使えば簡単に壊す事が出来る。はっきり言えば群がる虫どもを潰しているだけだ。

 

あんまり多いと鬱陶しいだけなんだが、仕方ないと割り切って戦っている。一撃一撃が必殺技に近いヴァーリと瞬く間に連撃を叩き込む事で破壊する俺。魔法で一掃したりする事もやったが、やはりこれだけいると面倒だな。

 

「ヴァーリ、お前は駆動路を潰して来い。俺はその間にヴィヴィオを救出する。お前は破壊し終えた時点で脱出して俺とヴィヴィオの脱出を確認したと同時にゆりかごを圧縮して粉々に破壊しろ。……戦いの遺物なんて、もう必要ないんだからな」

 

「……そうか。分かった」

 

そこで俺たちは別れ、大体30分弱でとある部屋にたどり着いた。指が扉に触れようとした瞬間、勝手に扉が開いた。眉を歪めながら入ると、そこにはまるで亡きオリヴィエを見ているかのように感じさせるヴィヴィオが立っていた。でもその瞳には彼女が持っていた暖かさが欠片も残ってはいなかった。

 

……って、いかんいかん。ヴィヴィオはオリヴィエじゃないんだ。そんな事を考えたら駄目だ。俺は頭をふり、もう一度ヴィヴィオを見つめた。

 

「……帰るぞ、ヴィヴィオ。お前はこれ以上ここにいちゃいけないんだ。アキトも皆もお前の帰りを待ってるんだ。だから」

 

「……私は、人間じゃないんだ。だから、皆のところには帰れないよ」

 

「は?お前、何を言って……」

 

「私は、ただこのゆりかごを動かす為だけに作られた。私は皆みたいな人間じゃない。私は化け物なんだよ!」

 

 

「甘ったれた事を抜かしてんじゃねえよ!お前が化け物だ?ただゆりかごを動かす為だけに作られた?それがどうした!俺たちにとって、お前に対する評価の基準なんてそんな所にはねえんだよ!」

 

 

「でも私は……昔の人のクローンで皆みたいに人間から産まれてきた訳じゃないんだよ!?」

 

「……馬鹿か。お前の家族は全員碌な人生を歩んでないんだよ。高々クローン如きでお前の事を嫌う奴なんざ1人もいないんだ!お前はお前自身に自信を持てば良いんだ!お前は確かに聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトのクローンだ。でもそれだけだ。お前はオリヴィエじゃない。俺はお前のオリジナルを知っているよ。だからこそ、言わせてもらう。

 

お前は絶対にオリヴィエにはなれない。感じ方も生きてきた時間も違うんだ。同じになんてなれる訳がない。でも、それで良いんだ。まったく同じ人間なんて気持ち悪いだけだ。お前は兵藤ヴィヴィオであってオリヴィエ・ゼーゲブレヒトではない。それで良いんだ」

 

「分からない……分からないよ。それじゃあ私は一体どうすれば良いの?」

 

「お前はただお前が望む事を口にすれば良いんだ。ヴィヴィオは一体何をしたい?お前の望みを、お前の願いを俺に教えてくれ」

 

「……帰りたい。皆のところに、アキトお兄ちゃんが、パパが、八舞ママが、シエナママが、アイリスママが、イリナママが、ゼノヴィアママが、祐樹ママが、シュテルママが、レヴィママが、ディアーチェママが、ユーリママがいる皆のところに帰りたい!」

 

「それで良いんだ。俺がお前をあるべきところに戻してやる。先に行って待っててくれよ」

 

右腕に破戒すべき全ての符(ルール・ブレイカー)と同じ契約破棄の概念を創造し、ヴィヴィオの頭に右手をおいた。すると、ヴィヴィオの身体はたちまち小さくなり俺の手の中にはレリックがあった。ムカついた俺はそれを玉座の後ろにある制御装置に思いっきり力をこめて投げつけた。当たって砕け散るかと思ったそれは貫通して何処かに行った。

 

興味もなかった俺はヴィヴィオを抱き上げて天上に収束させた魔力弾をぶつける事で破壊し、外に出た。既に外に出ていたヴァーリが右手をゆりかごに向けるとゆりかごが圧縮され……影も形もなくなっていた。

 

その光景に唖然としていたヴィヴィオを転移魔法でユーリちゃんのところに送った。そして術式を起動させ、ミッドチルダの都市グラナガンに向かった。まるで挑発のようにこちらに闘志を向けている奴のところに……決着をつけるために。

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