アンケートの件ですが、中々伯仲している為まだ決めきれていません。なので取り敢えず土曜日までアンケートは続けます。ちなみに今の最有力候補は精霊使いの剣舞。次点で劣等生です。ところで達也のチートって思い浮かばないのですが……原作の時点で戦力としては割とチートだと思っているので。その辺りもちょっと考えてくれると嬉しいです。
長くなりましたがリリカルD×D最終話、Ein ewiger Momentを楽しんでいってください。
レリック事件から半年ほどの月日が経ち、聖王教会のとある一室に有名人が集まっていた。レジアス・ゲイズ中将、クロノ・ハラオウン提督、騎士カリム・グラシア、八神はやて二佐。そしてとある座席には誰もいない代わりに顔の映像ーーーー眼帯を外して両眼を晒している一誠の顔があった。
「……大体半年ぶりか。またこうやって顔を合わせられて良かったと思うよ」
『そうですね。つっても、俺は身体が全然動かないんで足を運べない事が少々申し訳ないんだけど』
「……あの時、きちんと局員を止められなかった所為で君の家族にはいらない敵愾心を持たせてしまった事を謝罪させてくれ」
「ウチもなのはちゃんをきちんと抑えきれんかった。ほんまにゴメンな、一誠くん」
『ああ、あれね……まあ別に俺自身は気にしてないんだけどね』
あの時、ヴァーリを殺した俺は姿勢を保つ事すらままならないほどに消耗しきっていた。ヴァーリを殺した事で疲れが表面化して地面に倒れ伏した。その時だった。空からたくさんの魔力弾が降り注いできた。とある高官が俺を捕まえて手柄にでもしようと考えたらしい。
それに局員としても、目の前で殺人をした者を放っておくなどという事は出来なかったんだろう。殺す気はなかったのだろう。その証拠に向かってきた魔力弾はすべて非殺傷設定だった。
だが、眷属にとってはそんな事はどうでもよくただ攻撃されたという事実のみが重要だった。誰よりも速く動けるレヴィが防ぎ、シュテルとディアーチェが局員を墜とした。他の眷属たちが周りを警戒しつつ、俺の治療をしようとした。だが俺の傷は破壊龍によってつけられた傷だ。自然治癒を待つ以外にこの傷を治す術はない。他には精々出血を止めることぐらいしか出来る事はない。
そして眷属たちが四苦八苦している時、桃色の閃光が飛んできた。レヴィでは防ぎきれないと認識したシュテルがカートリッジを使用してプロテクションを張って防いだ。
「……どういうつもりですか?高町なのは。味方を攻撃するとは、正気ですか?」
「……どうして、どうしてヴァーリ君を殺したの?味方だって言うのなら、どうしてヴァーリ君を殺したりなんてしたの!?」
「……ふぅ。決まっているでしょう?赤龍帝と白龍皇の決着をつけるためです。どちらが上なのか、最強という座を手に入れられるのかを決めるためです。言っていたでしょう?雌雄を決する時が来たと。2人は納得して戦った。ならば、あなたにそれを問われる筋合いはありません」
「それでも……殺す必要はなかったんじゃないの?話し合えばきっと分かりあえる筈なのに……」
「彼らの戦いは既にそんな領域にはなかった。遺伝子……いえ、魂レベルの話なのです。分かりあう必要などないのですよ。ただ目の前の敵を打倒する為に戦い、そして勝つ。それだけの話です」
「シュテル……もう、いいよ。高町なのは。お前は多分、ヴァーリを好いていた。だけどな、女子供が混じってくる話じゃないんだ。俺もヴァーリもこの戦いとその勝敗ーーーー結果に納得している。お前に文句など言う資格はないんだ」
変えられなかったのだ。高町なのはという存在は、ヴァーリ・ルシファーという存在を変える事ができなかった。あいつは最後まで力を求めた。
『覇道』は人を孤独にする。
俺はそれを知っていて、耐える事ができなかった。だからこそ、俺は人のぬくもりを欲し家族をと共に過ごす時間をなくしたくないと願ったのだ。だからこそ、俺の渇望は夢幻のような物なのだ。
だが、ヴァーリはそれでも良いと思ったのだ。たとえ自分が孤独になるのだとしても、それでも最強という座が欲しかった。真なる白龍神皇になりたいと願ったからこそ、ヴァーリの渇望は無限のような物なのだ。
1人の力などたかが知れていると思うからこそ、『個』の力ではなく『輪』の力を求めるのだ。1人で駄目ならもう1人、それでも駄目ならもう1人……『輪』を広げていけば出来ない事などない筈だから。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!エクセリオン……バスター!」
「やれやれ。……ディザスター・ヒート!」
本来、威力の差が大きすぎる筈の砲撃はまともに衝突していた。ダブルユニゾンしているシュテルにはそれぐらいは容易だったんだろう。
「「フルドライブ!!」」
どんだけ息ぴったりなんだよ、と八舞の肩を借りて立ち上がった際に思った。左腕以外まともに機能していない現状で俺が戦闘するのは難しい。だから、力を借りる事が悪い事だとは思わない。ヴィヴィオやアキトを連れて一旦真界あたりに退避しないといけないだろう。残していても碌な事にはならないだろうし。
「それなら!ブラスター……」
「そこまでだよ、にゃのは。それ以上やるつもりなら、僕も黙ってはいないよ。シュテルンのオリジナルを斬るのは偲びないけど……それでも、これ以上何かするようなら斬るよ」
「どうして邪魔するの!」
「どうして……?家族を傷つけようとするのを見逃すような冷酷な人間じゃないからだよ。大体、イッセーもヴァーリだって仕事をこなして報酬として戦っただけなのに……どうして責められなきゃいけないの!?」
「報酬……?それは、どういう意味なの?」
「やはり貴様は知らなかったのか。これは管理局地上本部と聖王教会からの依頼の報酬だ。依頼の内容は『ラインハルト・ハーデンの逮捕、或いは討伐』。それを達成した報酬として2人が求めた物が『討伐後、赤龍帝と白龍皇の
「そんな……それをはやてちゃんは……」
「知っておる。なんせ一誠をここに呼んだのは小烏だからな。我としては話しておらん事は甚だ遺憾ではあるが……貴様の様子を見て何故か分かったよ。貴様らは情が強すぎるのだ。無論、それ自体を悪い事だとは思わないが……此度の一件に限って言えば最悪と言わざるを得んな」
「ディアーチェ、その辺にしてもう行きましょう。これ以上ここにいても何も良い事などありません。ユーリたちとも合流出来ましたし、一誠の身体が心配です。こんな事にこれ以上拘っている暇はありません」
「ふむ、そうだな。それでは行くとしようか」
そうして俺たちはミッドチルダを離れた。今は真界で俺の世話をしてくれている。俺がぼろぼろの状態で真界に戻ってくると、すごい騒ぎになった。俺が目を覚ますまで、医療チームが交代で治療してくれていたらしい。まあ、全然効果がなかった事に申し訳なさそうな顔をしていたが気にしないように言っておいた。
眷属たちは皆怒っていた。あのイリナですらも、だ。傭兵にとって契約は絶対であらなければならない。そうでなければ仕事などこなせる筈がないのだから。だが、俺が依頼通り仕事をこなしたにもかかわらず報酬がきちんと払われなかったからだ。
俺はまあ、仕方ないか。と割り切っていたんだが他の皆はそうではなかったようだ。その所為でヴィヴィオがよく俺のところでぐずっていた。アキトもどうしたら良いんだろ?と訊いてくるし、ユニゾンデバイスの2人も困り果てている始末だ。皆の怒りのボルテージは相当高くなっている。
『眷属たちの怒りに関しては時間を置く他ないな。アキトとヴィヴィオは何とかそっちの学校に入れたいんだけど……あの様子じゃ無理っぽいしな。どうした物やら』
「別にそっちでも教えられるんとちゃうん?」
『勉学ならな。だけど、友達とか必要だろ?アキトも友達に何も言わずに来てるし、学校に戻りたいって言ってるんだが……そっちの情勢的にも俺はついていけない。だけど、眷属たちは怒り心頭だから行かせたがらない。はて、どうしたら良いものか……』
真界に住んでいる子供たちだと、どうしても俺のネームバリューの所為で萎縮しちまう。それにアキトもヴィヴィオも人並みの寿命だから、俺たちみたいにそんな何百何千という時間を生き残る事は出来ない。そんな中で人間の友達というのは重要だ。
「ウチで預かってもええんやけど……きっと納得はせんやろな。ウチは全員管理局員やから、皆家におらんっちゅう時もあるし」
「僕は……無理だな。エイミィや母さんに何を言われるか分かったもんじゃないし、絶対に怒られるしな。いや、それは別に構わないんだけど。僕としても何とかしたいとは思うんだが……すまない」
『ああ、謝る必要はないよ。……眷属たちも時間が経てばたて直すとは思うし。こうなればシュテルやディアーチェたちに頼むしかないか。あいつらの怒り具合は比較的マシな方だし。……その時は出来る限りで良いからサポートしてくれ』
「分かりました。他ならない『最後の聖王』オリヴィエ・ゼーゲブレヒト様のクローン……保護するというのに否と答える者はいないでしょう」
『お願いしますね、騎士カリム。さてと……そろそろお暇させてもらいます。さっきからこっちを睨んでくる視線に耐えきれなくなってきたんで。それじゃあ、よろしくお願いします』
一誠は通信を切ると、後ろに置いてある枕に身体を持たれさせる。視線をついさっき花瓶の水を変えると言って出て行き、そして戻ってきたシュテルに向ける。見るからに『自分、怒ってます』という表情をしている顔に手を当てつつ苦笑していた。
「そんな顔をするな。美人さんな顔が台無しだぞ?」
「本気、なのですか?ヴィヴィオとアキトを契約も碌に守れないような、英雄と呼ばれてもおかしくはない働きをした者に狼藉を働くような組織がある場所に行かせるなんて……」
「理解の及ばない事柄に人の思考は行かないよ。常識という物に縛られるのが人間という生物なんだから。ただ俺たちは人よりも多くの事柄を知っていたにすぎない。彼らを責めるのはお門違いだよ」
「正当な仕事をした者に正当な報酬が払われるのは当然の事です!契約をするのなら、その契約は守らなければならない。そんな至極当たり前の事すら出来ないんですよ!?」
「……だからと言ってここに置いておく事は出来ない。あの子たちは俺たちとは違う。永遠に等しい時を生き残る事なんて出来ないんだ。
あの子たちは俺たちよりも早くに死ぬ。それは避けようのない事なんだ。あの子たちは此処ではなく別の場所で友人を作るべきだ。此処で友人が出来たと思っても、きっとそいつらは臣下か取り巻きだろう。
そんな物ではなく、純粋に友と呼べる人を作って欲しいんだよ、俺は。……まあ、俺としてはついでに彼氏彼女を連れてきてくれても全然構わないがな」
俺がそう言うと、シュテルは一度間抜けな顔をして数秒経つと言葉の意味を理解したのか笑い始めた。まあ、子供の将来を心配してる奴がいきなり彼氏彼女の話なんかしてるんだからそりゃ面白いんだろうが、な。
「友情や思い出は金では買えない。かけがえのない物だ。俺がお前らに出会った事も、これまで積んできた経験も、すべてかけがえのない何物にも変える事の出来ない価値を持っているんだ。そういう大切な物をあの子たちにも持って欲しいと思うよ」
「……分かりました。私も出来うる限りあの子たちのサポートをしてあげたいと思います。ですが、他の皆の説明はよろしくお願いしますよ?」
「了解。俺たちは永遠になれない刹那だ。現実に飢えてもいるさ。でも、それで良いんだ。人は時に抗えないんじゃない。人は常に変化し続ける生き物だから、俺たちは刹那にはなれないし永遠にもなれないんだ。手に入らないからこそ焦がれるんだ。この愛しい刹那にこの言葉を送ろう」
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