リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

22 / 180
ちょっとシリアス。そして短い


闇の書

 

 

闇の書?夜天の雲とか言ってたくせに、何を言ってるんだ?……うん?待てよ。夜天って確か……

 

「おい」

 

「あん?なんだよ」

 

「貴様は何者だ?何故主の側にいる。闇の書を狙っているのか?もしそうなら」

 

 

「そうならどうだって言うんだ?ベルカの騎士は相手の話を聞く気あんのか?話がしたいなら武器を仕舞え。ここで戦えばどうなるかぐらい、分からない訳じゃないだろう」

 

 

「貴様……!」

 

「なぁ、シグナム」

 

「なんだヴィータ。今忙し」

 

「そいつ……気ぃ失ってんだけど」

 

「「え?」」

 

うわ、本当だよ。さっきから妙に静かだなと思ったら……失神してたんかい。首筋に手を当ててみたが、脈拍は正常。問題ないだろ。

 

「貴様何をしている!」

 

「見てわからんのか?脈を測ってただけだ。……さて、少し話を聞こうじゃないか。おいそこの守護獣」

 

「……なんだ」

 

「こいつが起きるまでここで自分達の主を守っていろ。こいつに危害を及ばないか心配ならな」

 

「さて、一応名前を聞いておきたいんだが、いいか?」

 

「……良いだろう。だが、そちらも答えてもらうぞ」

 

「構わねぇよ」

 

「私は烈火の将シグナムだ」

 

「鉄槌の騎士ヴィータ」

 

「湖の騎士シャマル」

 

「盾の守護獣ザフィーラ」

 

「赤龍帝兼竜具(ヴィラルト)の主兵藤一誠だ」

 

俺が名乗るとなんかすごい驚かれた。あれ?俺、そんなおかしな事したっけ?

 

そしては場所は変わり、リビングで相対した。しかしベルカの騎士か……。近接戦闘においてはガチで一騎当千を誇るからな。それを三人に加え、さらに守護獣付き。相手にのは正直面倒だな。

 

「さてとさっきも名乗ったが、兵藤一誠だ」

 

「……それは本当なのか?」

 

「何を疑ってんだコラ。正直に、名乗った相手に嘘付くほど俺も落ちこぼれちゃいねぇよ。そんなに信用が無いのか?烈火の将。ヴォルケンリッターのリーダー」

 

「いや、そういうわけではない。ただ信じられないのだ。ベルカの戦場で『常勝不敗の王者』と呼ばれた者と会えるとは」

 

「……俺にその名を名乗る資格はないよ。まあそれは置いといて、お前らの目的はなんだ?」

 

「魔力を蒐集し闇の書を完成させ、主に大いなる力を持たせる事だ」

 

力を持ってどうするっていうんだよ。ただ力を与えられた奴の末路なんて悲惨な物だぜ?力に呑み込まれれば、その力を振るう目的もなく力を振るってしまえば、それはただの暴君と変わらない。

 

「……ふ〜ん。そんな物いるのか?ぶっちゃけお前ら一騎当千のベルカの騎士がいれば十分だろ?なんでそんな事になってる訳?」

 

「そこまではさすがに……。そういう設定になっているとしか」

 

 

「お前、いい加減にしろよ!そんな設定になって、狙われるのはお前らじゃない!はやてなんだぞ!お前らだって万能じゃない!そんなんで救えなかった時、どうするんだよ!?」

 

 

「なっ……」

 

クソッ!イライラする!こいつらはあの頃の俺みたいだ。力があった自分に酔いしれて、結局守りたいと思った誓いも守れず、大切な人を泣かせてしまった俺みたいじゃないか!

 

「どうしたん、一誠くん?」

 

「……ッ!八神、起きたのか」

 

「うん。ところで……この人たち誰なん?」

 

「自分で聞けよ……。ほら、お前らの主だぞ。挨拶ぐらいちゃんとしろ」

 

駄目だ。今の俺じゃ熱くなり過ぎる。ちょっと外に出ておこう。このままじゃ駄目なのに、それを分かっているのに……それでも尚引きずってしまっている自分がいる。俺は一体、どうすればいい?

 

「どうすればいいんだろうな?○○○……」

 

初めて吐いた弱音。今まで自分を律してきた。……いや、逃げてきた。もう考えないようにしていた。だって怖いから。あの時の事を思い出すだけで胸が張り裂けそうになる。死んでしまいたいと思うほどに。

 

友との約束を裏切り、守ると誓った誓いも果たせず、大切な人を悲しませた。そんな自分を許せなくなる。自分に殺意を覚えるという言葉を実感する。そう思えてしまうほどに……自分が憎い。

 

俺は、二度と過ちを繰り返さない。そうあの場所で誓った。見守っていてくれ……そんな甘っちょろい事は言わない。でも願わくば……。

 

「この思いを、この誓いを裏切りたくない。こんな俺を友達だと言ってくれる、あいつの為にも」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。