日が明け、結界を起動させてみると俺の物も含め約二十一個が確認された。最低でも五個は集めるとしようかな。
『何でまた五個なんだ?最初から全部集めれば良いじゃないか』
「ドライグ、いくらなんでも一日でここまでの数の魔力結晶が出現するなんておかしい。明らかに人為的な要因だろう。直にこれらを回収する者が出る、いやもう出ているかもしれない。争ってまで欲しい物ではないんだから無理をする必要はない」
『相棒らしいが……何に使うんだ?こんな代物』
「魔力供給用の術式だろうな。実験が済んだから実行に移そうと思っても、専用の魔石が無かったんだがちょうど良いだろ」
持ち主の願いを叶える。言葉面だけなら良いもんだが、きちっと線引きしていない所為もあって非常にあやふやで危険な代物だ。放っておく訳にはいかない。
「さてと、一番数が多いのは……海か」
『その割に一番多い所を狙うんだな。無理はしないんじゃないのか?』
「この程度が無理に入るものか。その程度ならランキング上位の連中の足元にも届きすらしない。そうだろう?」
『まあ、危険度ならグレートレッドの攻撃の方がはるかに高い、どころか比べるのもおこがましいレベルになるな。しかしこれ落とした連中はどういうつもりなんだろうな?』
「さあ?そこまでは俺が関与するレベルじゃないしな。知らん」
俺は魔術で海岸の方に転移した。そして術符を用意して破った。すると結界が張られた。結界といっても人払いと防御の結界だ。最低限街に被害がでなければそれでいい。
そして魔力を叩きつけるように浴びせる。すると浮かび上がったのは――――六個だった。マジかよ。
「中途半端にも程があるな。まあ、ないよりはましか」
『六個か。【
「まあ、その方が確実性が高いよな。そうしようか――――
『Welsh Dragon Balance Breaker!!』
カッ!といった感じで全身が赤い光に包まれると、赤色の全身鎧の姿になった。これが『
「まずは小手調べだ」
術符を空中にばらまき、術式を発動させ攻撃させる。だが、目覚めた事で生まれた水龍に防がれた。まあ、その程度の力はあるか。背中に龍の翼の様な物を生やさせると、一気に一個に向かって接近した。勿論行かせない為に集団で襲いかかってくるが、足止めにすらならない。
『BoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoostBoost!!』
力任せに腕を振るうだけで水龍がはじけ飛んだ。そして宝玉に一枚の術符を叩きつける。といってもただの封印符、魔力の流れを止めるくらいしかできないが。
一個取る間に数匹の水龍が襲いかかってくる。幾ら身体が水で出来てるからってここまで増えるとさすがに面倒くさくなってくる。
『なら“アレ”でも使うか?』
「“アレ”ってどれの事だよ。
『そこまで行ったら魔術に頼らず直接制御すればいいだろうに』
「一度制御化に置いちまうと、元の術式がどんなのか分からなくなっちまう。それじゃあ、研究にならないだろう。それに一個一個で違いがあるかもしれないだろう?それの確認も必要になってくるだろう」
『とか何とか言いつつ、もう残り半分だろう。これならもう
「それもそうか。『
この術式はただの
それでもやっぱりこれを使うと、軽くフルマラソンしたくらいの体力を使う。中々疲れるんだよ。しかもこれ、実は肉体強化系じゃなくて時間操作系なんだよね。ようするに周りの速度を落とさせているだけであって、自分が速くなった訳じゃないって事。
でも、赤龍帝の力を使えば肉体強化も軽い為それくらいの速度を出せるようになっている。そして最後の一個も封印すると、結界が解けた。まあ、朝だからそんなに人がいないのも救いだったんだろう。すぐに海岸に付くと、鎧を解除した。そこでいったん休憩していた所だった。一本の剣が飛んできたのは。
それを皮切りに、大量の剣が飛んできた。それでもなんとか逸らし続けていると、急に剣が全て同時爆発した。
「はははっ!油断しているからそうなるんだよ!全くいきなりイレギュラーとはな、ついていないぜ」
それはこっちのセリフだ。なんとか防御術式が間に合ったから何ともないが、そうじゃなきゃ大怪我は確定、下手したら死ぬな。いや、そもそも殺す気でやってるのか。久しぶりに見たな。自分の力に酔って、ゲーム感覚で殺しをしようとする奴は。
煙を風で吹き飛ばし、アリファールを出現させた。襲ってきた奴は驚いてるみたいだけど、生かしておく訳にはいかないな。
『相棒、大丈夫か?』
「ああ、なんとかな。いきなりやってきやがって……すぐに蹴散らしてやる。アリファール」
『ようやく出番か?全く待たされたものだ』
「悪いな。一気にあいつを蹴散らすぞ。
再び俺の身体を風が包み込むと、籠手に脚甲、そしてマントを纏った。さらに剣に軽くだが装飾が加えられた。
「はんっ!たかだか姿が変わった程度で俺に勝てるか!
また大量の剣が生み出され、空中に固定化された。どうやらこいつの戦い方は武器を大量に生みだし、それによって相手をすり潰す作戦のようだ。
「一度効かなかった技が俺に通用する訳が無いだろう!」
アリファールに風を収束させる。全ての風がアリファールに集まってくる。そしてそれを掲げ、一気に振り下ろす――――!
「全投影連続掃射――――!」
「
「なっ!馬鹿な、この俺が」
そして襲ってきた奴は俺が最初に殺した奴の様にこの暴風の鉈によって体を削り取られて死んだ。あっけない最後だな。
「しっかし久しぶりに使ったな。それに疲れた。術式も作りたいし、さっさと帰るか」
そのまま帰途に着いた訳だが、俺は家に着いて初めてあいつが転生者だったのか、という事に気が付いたのだった。それを話したらドライグが大笑いしだしたので、取り敢えず神器内で殴っておいた。
はい、そんなこんなで第六話~。またも噛ませ犬。この小説に出てくる転生者はほぼ噛ませと言っても良いでしょうがね。ケケッ(笑
ここでアリファールの『
アリファールは正確に言うと神器ではないので
基本的にはアリファールの技の補助を目的とした姿となっています。マントは敵の攻撃を完全に逸らすための物です。籠手と脚甲は……取り敢えず秘密という事で(オイッ
竜具は神龍という存在が封印されているという事になっています。原作では神を殺せるほどの力を持つ龍(?)という事になっているので、この世界では神龍にしてみようかと。力的には天龍以上オーフィス・グレートレッド以下といった具合。
そして竜技もパワーアップさせていきたいと思います。というか、原作では明らかになっていない技もあるので適当に考えて行こうかと。こんなのどう?とかもありですよ?ヒロインの案もまだ募集していますので、どしどし送って下さい。それでは、また次回。