死屍累々という言葉が似合いそうな光景だった。殆どの者が倒れ伏し、立っている者ですら足は震えていた。つまり立ち上がるので精一杯という状況だった。しかし果敢に挑みかかっている者もいた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
「…………」
ギャキッ!ばきぃぃぃぃんっ!
持っていた剣は粉々に砕け散り、その音が合図となり少女も倒れ伏した。元々体力、魔力も底をついているような状況で気力のみで戦っていたような状態だった。それも剣が砕け散った事でもたなくなった。
「……こんだけの数で挑むんだから、かすり傷の一つや二つは与えてくれよ。さすがにこの戦果は情けないと言わざるを得ないぞ」
「そんな事を……言われても……一誠さん、強過ぎ」
「当たり前だ。伊達や酔狂で世界最強を名乗っているわけじゃないんだ。でもなぁ、全員武器破壊で戦闘不能ってどうなんだろうな」
「それはマスターが武器の弱点を熟知しているからでしょう。ほぼ二撃で相手の武器を破壊しています。……まあ、だからと言って私も代わるつもりはありませんが。マスターの修行はとんでもなく厳しいですが、耐え切れば必ず今とは段違いの実力が手に入りますから頑張ってください」
八舞はともかく、シエナはその口だからな。と言っても、魔法や魔術の修行だったが。あの時は……魔法の撃ち合いをしてたかな。たとえ怪我をしても、俺が治してたからいくらでもやってたな。でもやはり痛いから、必死になって魔法の運用効率・威力の操作を磨いてたな。才能もあったからか、二週間で俺に勝るとも劣らないレベルの力量になっていた。ちょっとショックだったな。
「創っても創った先から破壊されるし……もうどうしろって言うんですか?」
「それなんだけどさ、祐樹。君にとって剣っていうのは消耗品なのかい?違うなら、君はそんな風に剣を創るべきじゃないね」
「……?どういう事ですか?剣ってそもそも消耗品ですよね。それが何か間違ってるんですか?」
「君が剣に求めているのは唯一無二か量産性かって話さ。この二つは大きな違いだから、ちゃんと考えなきゃいけない。前者はより壊れにくくするために強靭に創る必要があるし、後者はより早く創るための速度を要求される」
俺は言うまでもないが、唯一無二だ。簡単に壊れる剣を数本持つより、壊れにくい剣を一本持っていた方が安心出来る。まあ、そういう使い手は相手の何処を狙えば殺せるか慎重に探らなきゃいけない。何時も相手が人型とは限らないのだから。
量産性を重視する奴はそんな心配をする必要はない。剣を連続で浴びせて弱点を探せば良いんだからな。ただこいつに必要なのは一定以上の速度。鈍重ではまったく意味がない。そして一定以上の防御力を持つ相手に弱いというデメリットもある。
「そりゃあ
創造系
俺の知っていて思いつく限りでもこれだけある。とはいえ、突出した使い手は見たことがないが。良くも悪くも複数本創れる所為で伝説の武具には届かないからだ。それでも大分有益なんだろうが。
「ま、そんなすぐに思い浮かぶ訳がないんだから、ゆっくりやれば良いんだけどな。……あんまり試したくないことの一つとしては神器の深層にいる歴代所有者の意識と対話してみることだな」
補助する道具無しに長時間潜っていると、下手すれば精神崩壊の危険すらあるからあまり試したくない。……俺は普通に何もなしで何時間も潜ってるけどな!歴代所有者と対話したり、バトルしたりしてる。大概はブツブツと呪詛を唱えてるから、まずは一発殴ったりしてから始める。陰気くさ過ぎて苛つくんだよな。
『あんな規格外なことをするのは相棒くらいだよ。エルシャや他のまだ意識を保っていた奴らに呆れられていただろう』
俺が規格内で済むような奴じゃないのはお前だって分かっているだろ?ドライグ。世界最強を名乗っている時点で十分規格外だっての。
『自覚はあったんだな、相棒。しかし、いくらなんでも厳しすぎやしないか?相棒がどの程度の実力を望んでいるのかは知らないが……こいつ等はまだ普通の人間だぞ?』
甘くして死んでもらっては困る。一時の厳しさがその後の人生で役に立ってくるなら、俺はいくらでも厳しくする。後悔してからじゃ遅いんだよ。出来ることは出来るうちにやっておく。それが1番良いことだからな。
『やれやれ、相棒も大概だな。それならば俺からは何も言わん。好きにすればいいさ』
ああ、好きにするとも。子供たちの怪我を治して休憩させているとミカエルさんから連絡がきた。なんでも明日大事な会議があるので俺にも出席してほしいということらしい。何かきな臭い感じがするな……。