リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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もはや原作乖離。あんまり原作の面影がない。自分で書いておいてなんですが、何を考えていたんだ……

ちなみにオリキャラの兵士ですが、一誠というイレギュラーが発生したために世界がその補填の為に創り上げた存在であり、転生者ではありませんのでご注意ください


婚約についての話し合い

 

 

「……は?もう一度言ってもらっても構いませんか?」

 

どうも、兵藤一誠だ。堕天使の一件から数日、そこそこ平和な時間を過ごしていた俺の所にサーゼクスさんから連絡がきた。珍しいと思いながらも、談笑していたのだが途中でよく分からん事を言い始めた。

 

『うん、だからリアスが婚約しているんだけど、それについての話し合いを明日駒王学園で行うから君にその調停の場にグレイフィアと共にいて貰いたいんだ』

 

「なんでそんな事に俺がでしゃばらなきゃいけないんです?明らかに場違いにも程がありますよね?それに冥界最強の女王がいるなら俺は絶対に不要でしょう」

 

『それはそうなんだが……新しくリアスの眷属になった子が新種の神器を所有していたんだ。創生系のドラゴン型神器(セイクリッド・ギア)で創生龍ファラクスと言うのが封印されていた神器なんだが、知っているかね?』

 

「俺はまったく知りませんね。大体、創生系の神器なんて大量にあるじゃないですか。何を創り出そうが恐れるに値しないでしょ。それこそマズい物を創ろうとしたなら、そこで殺しますね。俺なら」

 

『妹の眷属だからね。出来る限りそんな事はしたくないんだよ。それで頼まれてくれないかな?グレイフィアだけでも抑える事は出来るだろうけど、念のために頼みたいんだ』

 

「……引き受けるまでしつこいのによく言いますよ。まあ、良いでしょう。特に急いで何かをする必要がある訳でもありませんしね。連絡は事前に入れといてくださいよ?ついたら誰だ、お前?って言われるのは嫌ですから」

 

『分かっているよ。それじゃあ明日、よろしく頼むよ』

 

「はいはい、任されましたよ。それじゃあ俺は色々と用事がありますので、これにて失敬」

 

通信を切ると、背もたれに身体を預けてため息をついた。正直な話だが、面倒すぎる。どうしてそんなプライベートな話に俺が立ち会わなきゃならないんだ。万が一なんてあの人に限ってあるわけないだろうに。殲滅女王と称されるあの人が遅れを取るとかマジであり得ないだろ。

 

まあ、頼まれた以上はやらなきゃ駄目だろうな。明日は喫茶店、休みかな。約束は果たさなきゃいけないしな。嫌がってる相手に無理矢理結婚させても意味ないと思うんだがな……。そう思いながら、俺は部屋に戻り眠りについた。

 

翌日、久しぶりに平和な、そして暇な時間を過ごしていた。午後にお土産の菓子を用意して学校に向かった。着く頃には、部活動の最中だった。ちょっと遅かったかなと思いながらも、歩いている生徒に教えてもらった旧校舎に向かった。って言うか、もうフェニックスの気配もするんだけど、ひょっとしてもう話し合い始まってるのかな?

 

「やる気でないけど、しゃあないな。急ぐとしようか」

 

ちょっと人気のない木陰に移動して転移魔法を使った。着いてみると、妙に暑い。ちょっと辺りを見回してみると、フェニックスが炎をだしていた。どうりで暑い訳だよ。魔法を使って炎を消した後、暑くなった空気を窓を開ける事で入れ換えた。

 

「おい、誰だお前。なんでここにいる?」

 

「あれ?おかしいな……サーゼクスさんに頼まれて此処に来たんだけど。話、聞いてませんか?グレイフィアさん」

 

「聞いてはいますが、急に魔法陣を使って現れないでください。……空気を変えるという点では成功していますが」

 

「……ひょっとして兵藤一誠くんかしら?覚えているか分からないけど、リアス・グレモリーよ」

 

「覚えてますよ?と言うか、リアスさんが覚えていた事に驚きましたよ。もう9年も前に一回会ったきりなのに。いやあ、久しぶりにちゃんとお目にかかりましたがお綺麗になりましたね?」

 

「ふふふ。ありがとう。それでお兄様に頼まれて来たと言うことだけど、一体何を言ってきたのかしら?」

 

「今回の話し合いに立ち会ってほしい、というのが今回の依頼の内容ですよ。用心のために俺を呼んだんでしょうね」

 

まあ、無用の心配だとは思うんですがね、と言葉を続けた所で俺は後ろに跳んだ。目の前で炎と何かの武具がぶつかり合った。フェニックスとリアスさんの新しい眷属。確か名前はーーーー高神創生だったか?

 

「危ないなぁ。急に武器なんか投げてきて。相当おつむの弱いのかな?俺は一応客分だぜ?そんなことをしてただで済むとでも思っているのかい?」

 

「いきなり現れておいて部長とべたべたすんじゃねえよ!大体、お前まだ何者か名乗ってないだろうが!ふざけんのも大概にしろ!」

 

「ふざけたつもりはまったく無いんだがね……って言うかさ、これはライザー・フェニックスにも言える事なんだけどさ」

 

 

「君たちさ、死にたいのかい?」

 

 

隔絶する程の差がある相手に対していきなり攻撃してくるその無知蒙昧さ。神器使いにありがちな事だが、目覚めると急に自分が強くなったように勘違いするその愚かさ。自分の立ち位置を理解せずに戦いを挑むその無計画さ。馬鹿だろう?用心のために呼ばれた俺がグレイフィアさんよりも弱い訳がないだろうに。そんな事も分からないなんて……弱いね。

 

「……兵藤様、お戯れもほどほどにしてください。他の眷属たちも恐れてしまいます。ご両人も軽率な行動は控えてください。この方が怒ればどうなるか、私でも分かりませんので」

 

「わ、分かりました。すいません」

 

「貴女がそこまで言うならこちらも引こう。命拾いしたな、人間」

 

「命拾いしたのはどちらか、試してみますか?ライザー・フェニックス。不死を代名詞とするフェニックスですが、その本質は不死じゃない。限りなく死に難いだけだ。本当の死という物を教えて差し上げましょうか?」

 

ニコッと笑っているだけなのにも関わらず、そこに込められているのは寒気を感じる程の純粋な敵意だった。お前は死という物を実感してみたいのか?という意思を込めて。実際、一誠は自滅という形だが死を味わった事がある。じりじりと身体から生という物がこぼれてゆく感覚。あれを味わえば死ぬ気になれば大体の事はどうとでもなるという理論にすら納得がいくだろう。

 

他の死に方はどうか知らないが、少なくとも身体が崩壊していく感触とはそういう物だ。悪魔同士で行われるレーディング・ゲームとはそうではない。あくまでも勝負であるが故に、殺し合いではない。そんな事も分からないのか、と問いかける様な話し方だった。そしてその舐められた言われ方は、これまで一度たりとも実力での敗北を味わったことのないライザー・フェニックスにとって、侮辱に近い物だった。

 

「そこまで言うなら良いだろう。……決闘だ!まさか逃げる事はしないだろうな?これはお前の振った事なのだからな!」

 

「……驚いたな。まさか本当に受けるとは思わなかった。沸点の低い上級悪魔だな。逃げる?まさか。そんな事をする必要性すら感じないね。あんたと俺の実力差は月とスッポンという表現でも埋まらないほどに大きい」

 

「待ってください。そのような事を許可する訳には……」

 

 

「これは俺がふっかけ、相手が買った喧嘩だ。他人の口出しなどいらない。いくら貴女でも邪魔するようなら……潰しますよ?」

 

 

「ッ!……分かりました。しかし、やりすぎないようにしてください。後々マズい事態になりかねないので」

 

ライザーもこの段階まで行くと、さすがに一誠の実力が生半可な物ではないと理解したようだが、一度言ってしまった以上貴族として、上級悪魔として、なにより男として引けないと考えていた。そんなプライドを気にせずに一誠との戦いを拒否していれば、レーディング・ゲームをしたとしても簡単に勝てただろう。

 

「なら話は早いし、簡単だ。リアスさんとフェニックスは両方とも引く気がない。ならばレーディング・ゲームで肩をつけるとしましょう。俺と貴方の決着はゲームか、それともその前後か。どちらが良いですか?」

 

「無論、ゲームだ。リアスの眷属共々、ゲームで実力差という物を理解させてやる」

 

「それはそれは。楽しみにさせて貰うとしましょう。日取りは十日後、でしたよね?」

 

「……ええ。私はもう知りませんよ。本当に」

 

「かっかっか。ルールの設定は魔王様に任せましょう。リアスさん、何か言いたい事はありますかね?」

 

「いいえ、ないわ。ライザー、私は負けない。このゲームに勝って私は自由を手にいれてみせる」

 

「楽しみにさせて貰おう。……そこの人間とリアスの兵士(ポーン)。貴様らは俺の手で倒してやるから覚悟しておけ」

 

「やってみろ!テメェなんかに負ける訳ないだろうが!精々首を洗って待っていやがれ!」

 

「まあ、楽しみにさせて貰うとしましょう。貴方が一体どれだけ食い込めるのか。見物ではありますからね」

 

俺がそう言うと、ライザー・フェニックスは冥界に戻っていった。ああ、久しぶりに戦いがいのある相手だな。さっきはああ言ったが、あの男は外見と裏腹に強い。あれなら未だ不敗というのも納得だ。だがそういうタイプほど折れると弱い。楽しみにさせて貰おう。

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