リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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修行の前に

 

 

ライザー・フェニックスとのゲームが決定した時にリアスさんに眷属強化の為の合宿を行うので、協力してほしいと頼みこんできた。無論、俺は全然構わないのだがその決定に噛みついてきた者がいたーーーーリアスさんの兵士(ポーン)の高神創生だった。

 

「部長!こんな奴に頼らなくてもゲームぐらい勝てますよ!大体、こいつ一体誰なんですか!?いきなり現れたと思ったら、レーディング・ゲームって奴に参加するとか言いだして!訳わかりませんよ!……おい!あんたも何か言ったらどうなんだよ!」

 

周りの悪魔たちがその高神くんの言葉に戦々恐々という感じの表情を浮かべていた。まあ、世界を滅ぼしうる力を持つ神滅具(ロンギヌス)を所有している上に、世界最強と渡り合える力を持つ存在に対して喧嘩口調なんだから当然か。

 

気分を悪くさせればその段階でジ・エンドの存在にそこまでするのだから、周りの悪魔たちの心境は並大抵な物ではないだろう。なにせ怒らせればそれだけで世界を滅ぼしうる力を持っているのだから。そんな事を言われた世界最強はと言うとーーーー面白がっていた。

 

「面白いですね。この地位に至ってから初めてですよ?俺にここまで噛みついてきた人はね。いや、面白い眷属を見つけましたね。リアスさん」

 

「ごめんなさい。まだこの子は悪魔になって日が浅いの。怒らないであげてね。……ソーセー?この人、一誠くんはね。数多ある神器(セイクリッド・ギア)の中でも上位に類する神器(セイクリッド・ギア)ーーーーたった十三種しかない神滅具(ロンギヌス)の保有者の上に、世界中でも敵う者が1人もいないほどの猛者なのよ。喧嘩なんて売っちゃ駄目よ。分かったかしら?」

 

「こんな奴が?……本当に?」

 

「疑うなら挑みかかってみれば?……まあ」

 

肉体を瞬間的に加速させ、その場にいた殆どの人間が認識できない速度で動き高神くんの首元に手刀を突きつけるーーーー寸前にグレイフィアさんに手首を掴まれた。シエナに関しては、どうせ危ない事はしないだろうと認識しているからかそれともどうでもいいと考えているからか手出しはしなかった。

 

「この程度の速度も認識できないんじゃ、俺に勝つどころか触れる事すら出来ないがな。と言うか、なんで殺気を出したわけでもないのに貴女も介入してくるんです?」

 

「貴方なら息をするように人を殺す事ぐらい容易いでしょう?……それに不用意な事をされては困ります。何がそんなに気に入らないんですか?」

 

「うーん……別に気にいらない、とかじゃないよ。ただね、実力差も理解できない奴は真っ先に死ぬぜ?俺としても知り合いの眷属だし、情愛の深いグレモリーだ。死ぬような事態になったら嫌だろう?そういう意味のおせっかいだったんだが、余計なお世話だったみたいだな」

 

「……そもそも師匠に敵う訳ないじゃん。所詮下級悪魔なのに、師匠どころか私や八舞さんの足元にすら遠く及ばない。そんなので本当にフェニックスに勝てると思ってるの?もし本当にそうだったらお笑い種だね」

 

「シエナ。何がそんなに気にいらないのか知らないが、そうやって責めるのは止めろ。……まあ、実際俺も君たちはライザー・フェニックスには勝てないと思っているがね。

 

おっと、嫌味とかじゃなくて愕然とした事実さ。経験というのは、こと戦闘において大きい物だ。あの男はシエナの足元ぐらいには届く程度の実力を持っている。足元どころか10メートルにすら届きはしない君たちとは比べ物にならない」

 

「ティエトさんはそんなに強いって言うのかよ?どう見てもそうは見えないんだけど。俺にだって勝てそうだ」

 

「もう一度死ぬ覚悟があるなら、どうぞご勝手に挑んでくれ。俺は止めないからな。シエナは限定状態を解除すれば、短時間ながらグレイフィアさんレベルの実力を発揮できる。あのフェニックスですら、引くことを選択するほどのレベルに、だ。君が勝てるかどうかなど火を見るより明らかだ」

 

身体に溢れている天使の力(テレズマ)を身体強化の方に振って身体能力を劇的に上げるため、最終的には身体の方が持たなくなってぶっ倒れる。諸刃の剣が似合う状態なのだ。

 

元来天使の力(テレズマ)という物は身体に馴染ませなければ使い物にならない。それを解決するのは時間だけであり、大凡8〜10年の歳月が必要となる。シエナは安定期に入ったか入っていないかというレベルだ。俺や八舞とは違って危険も十分にあるので、俺としては使って欲しくはない物だ。

 

「私に及ぶほどのレベル、ですか……兵藤様。貴方は冥界に喧嘩を売るつもりですか?そんな力量の持ち主を保有しているなんて、疑われても仕方ありませんよ?」

 

「何とでも言ってくるがいいさ。俺は別に気にしないし、俺の仲間……家族になる奴が弱いだなんてことの方が俺は認めないしな。兵藤の名を背負う者は強くあれ、ってのが俺の心情だ。セフィラーで繋がっている者たちは俺の家族だ。それなら強くあってほしい。それが俺の願いだ。他人にとやかく言われる筋合いはない」

 

「……私たちは貴方のそういう所を危惧しているんですが。貴方は私やサーゼクス、四大魔王の面々からすれば貴方は息子も同然なのですよ?少しは自分の身の心配ぐらいしてください」

 

その姿は厳しい姉のようであり、優しい母のようだった。普段、お世話になったりすることもあったりする為こういう時は強く言い返すことができない。……まあ、1人は息子というよりは恋人というレベルの扱いだが。それでもちゃんと俺の身を案じてくれている。

 

「……分かってますよ。でも、これが俺の生き方だ。それを曲げる事は出来ないし、したくありません。それで他人がどう騒ごうが知ったことじゃないんです。でも、案じてくれること自体は嬉しい。まあ、出来る限り心配かけないようにしますよ」

 

「まったく……困った弟ですね。……まるで小さい頃のあの子のようです」

 

哀愁漂う雰囲気を出しながら、グレイフィアさんはそう呟いていた。詳しくは知らないが、グレイフィアさんには弟さんがいたらしい。確か、ユークリッド・ルキフグスという名前だったかな?もうその人は亡くなったと聞いているが、それをわざわざいう必要はないだろう。

 

そして翌日、俺たちは修行の場となるグレモリー家所有の別荘に向かっていた。だが、高神くんの体力が思っていた以上になくて到着するのが多少遅れた。今回の特訓は俺監修の元行われる。サーゼクスさんに頼みこんでこれまでライザー・フェニックスがやってきたゲームの映像を見せてもらった。

 

眷属を囮にして相手が油断している所を王と女王が撃破する。定石だが、ただの馬鹿だ。フェニックスの回復能力ありきの作戦だ。一回たりとも負けた事がないが故の慢心だろう。昔に会ったルヴァルさんの方がまだマシな作戦を立てていた。あの人は最初は今のライザーよりマシなぐらいで、ひどかったな。それでもあの人はちゃんと勝ち気があった。何度も挑んできたが、その度に打ち倒した。

 

今が無理でも、次が無理でも、その次はきっと……!という精神で挑みかかってきた。そしてゲームを重ねていく内にあの人の実力はぐんぐん伸びていった。敗北を糧にしていった。フェニックス家次期当主である彼は、その名を受け継ぐに足る実力を得た。この人たちは一体どうなるのか。正直、気になる所ではある。

 

この人たちは原石。未だ粗が目立つぼこぼこの原石だ。この才能が開花した時、一体どうなるのか?想像もつかない。覇道か?求道か?王道か?分からないが故に、その行き着く先を見て見たいと願う。……とはいえ、まずは俺に頼らずゲームにおいて良い線までいく事だろうが。




どもども、シュトレンベルクです。いやあ、ついに十五巻発売ですね。ファンの1人としては感激の一言です。……とはいえ、最近のファンタジア文庫は長寿作大量ですが。その中でも鏡先生の書いてきた数。半端ないですよね。

さて、作者は本日石踏一榮先生とみやま零先生のサイン会に行ってまいりました。いやあ、生で見る先生の姿に感動しました。列に並んで待っていたのですが、隣の人がDVD付きの奴と普通に売られている両方の本を持っていたのを見て、スゲェ。と思ってしまいました(笑)

作者は関西圏に住んでいるのでサイン会に参加できる機会が滅多にないので嬉しいです。それでは本日はここまで。それではまた次回!
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