10日間の修行期間を終え、グレモリー眷属の実力はやる前とは段違いの物に変わった。慢心がなければ勝てるだろう。八舞とシエナには観客席に行ってもらい、俺は駒王学園の部室に向かった。格好は俺が前世で好んだ魔法加工されてあるコートとそれぞれ魔術のルーンを刻んであるシャツとズボン。すでにグレモリー側の準備は完了しており、後はグレイフィアさんの指示待ちだった。
「兵藤様には二つ制約を負っていただきます。まず
「ええ、大丈夫よ。皆でこのゲームを勝ち残りましょう!」
『はい!』
魔法陣の上に立ち、移動したその先は……駒王学園のレプリカのフィールド。俺は
他の面子もゲームが初めての高神くんとアーシアさんを除けば、リラックスしていた。まあ、こんな序盤からケリをつけようとする奴なんて普通いないからな。非公式とはいえ、今日はリアスさんの初陣だ。そんな人に対してそんな事をすればまず間違いなく反感を買う事は間違いない。普通の戦闘ではアウトだが、ゲームだからこそ起こりうる事だ。
「リアスさん、分かっているとは思うが俺は君の指示には従えない。君が俺の実力を把握していないし、俺は本質的に戦略を破壊しかねないからな。遊撃に回る」
「ええ。私も貴方の全力を少し聞きはしたけど、それも昔の事だから意味はないでしょう。他の眷属のサポートにまわってくれれば結構よ」
「分かっているみたいですね。行動を始める前に言っておきたい事がある。まずリアスさんはライザー・フェニックスが挑発してきても、乗らない事。貴女が負けたらこのゲームは終わりなんですから。
次に眷属の皆には戦場の真理である“終わった後も油断しない”という言葉を送っておく。相手の手口は相手が眷属を撃破した時にそれを女王か王が撃破するやり方だ。倒しても周りには注意しろ」
眷属の皆が頷いて動きだした段階で屋上に向かった。そして高神くんと塔城さんが相手の眷属を足止めし、姫島さんがまるごと撃破した所を確認した所で一発の魔力弾を用意した。遠目にライザー・フェニックスの女王が見えたからだ。塔城さんを撃破しようとしたんだろうが、失敗していた。
「こちらで処理しますから、姫島さんは木場くんのサポートに回ってください。それからそこの2人は伏せろ」
話しながら魔力弾が砲撃レベルになったのを確認しつつ、2人が伏せたのを視認し即座に砲撃を放った。世界には偶像崇拝理論という物がある。たとえ本物ではなく形が似ているだけの物でも力が宿るという物だ。例をあげるなら十字架や聖書などだ。だが、やはり形が似ているだけでは宿る
その点、直接
とにかく、そんな物を直撃したライザー・フェニックスの女王はタダではすまない。無論、威力は抑えたが一瞬でリタイアした。当たり前だろうな。あのタンニーンですら受ければ死ぬと思うような一撃だからな。地面を蹴って2人の元に向かうと怒られた。
「危ないじゃないか!あんなのかすっただけでも危ないぞ!?冷や汗と悪寒がはしったんだけど!?」
「良いじゃん、当たってないんだから。それに言ったじゃん。伏せとけ、ってさ。それに怪我がないならそれで良いだろ?ほらほら、木場くんのサポートに行くぞ。手っ取り早く終わらせようぜ?こんなの長くする意味ないんだからさ」
「その通りなんだけど、釈然としねえ。……もういいや。木場と朱乃さんはどこに」
『ライザー・フェニックス様の
木場くんも派手にやったな。ライザー・フェニックスの眷属はフルメンバーだ。現段階で既に
そこから2人を連れてグラウンドの方に向かった。すると体育館倉庫のような場所で木場くんと姫島さんが待っていた。さて、ここからどうするかと考えたところで思いもよらぬ事が起きた。
「私はライザーさまに仕える『
「あの
「いや、相手は騎士として言ってきたんだからこちらもそれに答えないと駄目じゃないですか」
「馬鹿か。そういうのは卓越した技術を持つ奴がやるんだ。俺なら未だしも、木場くんが行ってどうする。……好きにしろよ。面倒だな。もう勝手にやれ。俺は止めんから、やりたいようにやれ。負けるとは思ってないが万一の対策を忘れるなよ」
「はい!それじゃあ、創生くんも行こうよ!ここで行かないと男の名が廃るよ?」
勝手にやれとは言ったが……いや、気にしないようにしよう。どうせ何を言っても止まらないだろうしな。ちなみに姫島さんと塔城さんは残りの眷属を探しに行った。俺も隠れるのを止めた。ばれた以上は隠れていても意味がないからな。相手は
「……それでそこの子は戦わないのかよ?」
「ああ、あの子は特別でね。ライザー様の妹でレイヴェル・フェニックスという」
「あ、思いだした!あの時の小鳥ちゃんか!うっわ、久しぶりすぎて忘れてたぜ。大っきくなったな、マジで」
「「……え?」」
昔、冥界を歩き回ってた時に堕天使に攫われたあの子を助けた事があったんだよな。まあ、助けて送っていったらルヴァルさんに襲われたんだけどな。懐かしい思いでだぜ。
「お久しぶりです。赤龍帝様。あの時は本当にお世話になりました。お礼を言う暇もなく何処かに行ってしまわれてずっと心残りだったんです。良かったです」
「真面目だね。そんなの気にしなくてもいいのにさ。まあ、受け取っておこう。しかし、こんな所にいるとはちょっと予想外だったなぁ。戦うような子には見えなかったからな」
「……兄の趣味のような物です。私としては何でも構わないのですが、今回のゲームで兄は父や他の兄から止められていました。それが何故なのか分からなかったのですが……今ようやく分かりました。確かにこれでは勝ちようもありませんね」
「……いつまで喋ってんだよ!ちゃんと戦えよ!なに1人だけ怠けてんだよ!」
「?何言ってんの?彼女は戦わないよ。多分ライザー・フェニックスが何かしらの理由で眷属にしたんだろうけど……どうせまともな理由じゃないだろうさ。まあ、何でも良いかな。君たちも何をてこずってんの?なんだったら俺が2人同時に相手してあげようか?」
「ハッ!冗談言うな!」
「もちろん、自分でケリをつけますよ!」
「なにっ!急に速く……!?」
「ぐっ!ガァァァァッ!」
『ライザー・フェニックス様の
「私もここで失礼いたします。それでは赤龍帝様。またいずれ」
「そんな畏まった話し方じゃなくてもいいよ。あの時は名乗らなかったが……兵藤一誠だ。好きに呼んでくれ」
「それではまたお会いしましょう。イッセー様」
『ライザー・フェニックス様の
それから暫くして
『ライザー・フェニックス様の
「後は
旧校舎の方から魔力反応を感じたので振り返ってみると、巨大な爆炎が見えた。なるほどな。直接将取りって訳か。上等じゃないか!俺たちはほぼ同時に旧校舎に向かったが、俺はスピードを合わせる気がさらさらなくすぐに距離が出来た。
そして旧校舎の扉を蹴り飛ばして純度を劣化させたテレズマを放った。それも通路にいたライザー・フェニックスの放った炎によって打ち消された。手に持っていたラヴィアスを構えた。
「終わりにしようぜ?ライザー・フェニックス!」