「ん?」
とある休日の日、ジュエルシードが覚醒するのを確認した。まあ、俺にとっては平日だろうが休日だろうが全部似たような物なんだが。
「それはどうかと思うんだけどなぁ……」
そう言いながら俺の思考を呼んだのはアレクサンドラ・アルシャーヴィン。『討鬼の双刃』バルグレンに宿る人格だ。今は俺の魔力を使って肉体を作っている。
「しょうがないよ。学校なんてかったるい場所には行きたくないし、っていうか行かなくても知ってるし。しかしこれは……」
「何かあったの?浮かない顔だけど」
こっちはソフィーヤ・オベルタス。『退魔の祓甲』ザートに宿る人格で、こちらもバルグレンと同じく俺の魔力で現界している。
「……おそらく魔導士とやらがもう一人いる。介入しなくても構わないんだが……見ておいた方が良いか」
「そう言えば、ジュエルシードって今何個だったっけ?僕はずっとここにいるから認識してないんだけど」
「十一個だな。確か高町が一個持っていたはずだから、残りは九個だ。こんな物は無い方が良いしな。速ければ速いだけ良いだろう」
「まあ、それもそうだね。僕達の出番はまだないんだろう?」
「そうだな。今は頼る事も無いし……しばらくは待機していてくれ。……とはいえ、そんなに時間は無いんだろうが」
「え?何か言った?」
「何でもない。行ってくる」
転移の魔法陣を展開すると、座標を指定し一気に跳んだ。残された二人はその光景を眺めながらボソリと呟いた。
「あんなに小さい子が戦う世の中っていうのもどうかと思うよ。僕は」
「それはそうなんでしょうけど……戦場ではそんな事言ってられないし、あの子がそんな言い分に従うとは思えないわね」
「それもそう、か……」
所は変わり、俺が転移魔法陣で移動した場所は森の中だった。魔力反応がした先に向かって進んでいるとそこでは巨大化した猫がいた。
「…………は?」
猫?しかも巨大化しただけ?そう言えばこのジュエルシードって単純な願いには無害だったっけ?それでもまあ、怪しいにも程があるし抜いておくか。そう思いながら近づくと――――めっちゃ恐がられた。本能で俺の中にいるドライグを感じているんだろう。
「こういうのはあまり趣味じゃないんだが……」
俺は強化した身体能力で猫に近づき、魔力の出所に向かって腕を突っ込みジュエルシードを引っこ抜いた。所詮でかくなったのは魔力でコーティングされているだけなので、この猫に対する危険はほぼ無い。だが一応は容体を確認すると、その場所を去ろうとした――――が。
体を少し右にずらすと、ちょうどその部分に黄色の魔力弾(?)の様な物が飛んできた。そして飛んできた方向を見てみると、レオタード姿?の女子が立っていた。あの年で露出狂の気でもあるんだろうか?ちょっと不憫そうな視線を向けてみると、怪訝そうな顔をしていたが俺に持っていた黒い鎌を構えた。
「ジュエルシードを渡して下さい」
「なぜ?」
「それは危険な物なんです。もし渡してくれないなら……」
「なら?どうするっていうんだ?」
「奪います」
「クックック、ハーハッハッハッハッハ!奪うだって?そういうのは実力差を理解してから言う言葉だぜ?――――小娘、嘗めるのも大概にしろよ。
『Welsh Doragon Balance Breaker!!』
「赤い鎧?一体どこから……?」
金髪の小娘は
「理解させてやるよ!お前が喧嘩を売った存在はどういう存在なのかをな!」
「くっ!バルディッシュ!」
『Photon Lancer』
「フォトンランサー、ファイア!」
これはさっき飛んできた魔力弾か。なんかバチバチ言ってやがるな。電気でも纏っていやがるのか?
「しゃらくせえ!その程度の攻撃が届くかよ!格上の敵に出し惜しみなんかしてんじゃねえぞ!」
乱暴に腕を振り回すだけで、飛んできた魔力弾の全てを破壊した。腕力で破壊したと言うよりかは、そこに展開されている魔術障壁で粉砕したと言った方が正しいんだが。それでも傍から見れば腕力だけで破壊したように見える。それに唖然としたのか、相手は固まっていた。
「ボケッとしてんじゃねえぞ!」
「ッ!」
『Blitz Action』
だが振り上げた拳は見事にからぶった。高速移動で攻撃から逃れたらしい。少し遠くにいた金髪の小娘に向かって俺は言い放った。
「おい、小娘。俺はお前がどうしてこの宝石を集めているのか、なんて知らない。そしてその理由に関しても興味がない。だが、俺はここの支配者なんでな。ここの平穏の邪魔となる者は排除しなくてはならない。こいつもその一つだ。それは前に話したな?高町なのは」
「ひうっ!」
さっき気が付いたんだが、木の影に前の三人組が隠れていた。俺は金髪の小娘に警戒しつつも、そちらにも話しかけた。
「そして俺は今十一個の、いや今は十二個かのジュエルシードを保持している。もうすぐ回収が完了する。敵に回るなら容赦はしない。よく覚えておく事だ」
「そんな、この短期間でそんなに集めるだなんて……」
「座標はある程度は認識していると言っただろう?落ちている場所が分かっているんだ。探す事位、訳は無い」
「それなら、なんとしてでも手に入れる。母さんの為に」
「ふん、母親の為か。下らん理由だ。他人の目的のために一生懸命になどなれる物か。親愛、友情と言えば聞こえはいいが、そんな物他者に対する責任の押し付けでしかない。責任を取れない者が、強くなどなれるものか」
「そんな事!貴方に言われる筋合いはない!」
「確かに。俺にそんな筋合いはないな」
俺がいきなりそんな事を言いだした為、金髪の小娘は眉をひそめていた。
「だが、俺はこの土地を守るという自分の目的のために戦っている。その目的を阻むのならお前は敵だ。精々覚悟をしておくといい。お前がこれから挑むのは世界最強の
魔法陣を起動させると、俺はその場を立ち去ろうとした。金髪の小娘はそんな俺の行動を阻む為に動こうとしたが、俺は軽めの魔力弾を撃ちその行動を阻んだ。ただの魔力弾とはいえ、赤龍帝の力で強化した物だ。その威力は半端じゃない。その攻撃を回避した時、俺は術式を発動させた。