サーゼクスさんに頼み込んでゼノヴィアとイリナ、それに祐樹を学校に転入させた。教会から離れる事になったのだから多少は勉学に励んで貰わねば困るのだ。そしてそれと同時進行で2人、いや3人かを一から鍛え直しているところだ。サーゼクスさんから三大勢力会談の話とその末席に俺も参加してほしいと言われた。
まさかあの三大勢力が手を取り合うなんてねぇ……昔じゃ夢にも見ない事だな。アザゼルはなんとかこれを結ぼうとするだろう。堕天使勢は三大勢力の中でも勢力的に見ても1番弱いし、あいつの作ったアレにも気づいている節がある。だからこそ、神器使いを集めているんだろうしな。あいつの行動は世界を混沌で包むだろう。
「オーフィス。お前はそんなに次元の狭間に帰りたいのか?あんな場所に戻ってお前は一体どうするんだよ?」
「……マスター?どうかなされたんですか?」
「いや……混沌が始まろうとしてる、とそう思ってな。大きな出来事の後には必ず強大な敵が現れるんだよ。そういう点でこの世界は良くできているよ」
「……?仰られている意味がよく分からないのですが?」
「独り言みたいなもんだから気にする必要はないよ。ところで、アイリスはまだ眠ったままなのか?」
「ええ。……マスター、どれだけ激しくしてるんですか。行為が激しすぎでしょう。腰が痛くなるくらいやったんですか?たまに腰を抑えているようなんですが」
「ん〜……いや、そこまでヤった覚えはない。アイリス本人が大分感じやすかったみたいだけどな。まあ、それはどうでもいいや。セフィラーも無事機能しているようだし体調に関してもほぼ良好と言って構わない。これなら問題ないだろ」
「何をそんなに急いでいらっしゃるのですか?まるで戦争の準備をしているかのようですが……」
「その通りだよ。今度の三大勢力会談。まず襲撃される事に間違いはないだろう。トップ陣営が揃うんだからな。ここで叩いておかない手はないだろ?それと同時にあいつらが動き出すなーーーー
「無限の龍神が作り出した組織、ですか……英雄派を除けば有象無象ばかりだと思いますが?」
「どうかな。魔法使い派の面子には
「その割にどこか楽しんでいるように見えるのは私の勘違いでしょうか?その表情は明らかに恐怖よりも歓喜に包まれているようですが」
「まあ、面白くないか?と聞かれれば面白いって答えるよ。一体ただの人間がどれだけこの世界に抗う事ができるのか。気にはなるしな。……俺たちに危害が及ぶようならその時点で叩き潰すけどな」
目を細め、敵意が溢れ出ていたのを感じた八舞は少し身震いした。一体このお方はどういうつもりなのか?はっきり言って、初めて出会った時とはまるで変わってしまっている。最初の頃はまるで人形のようだった。向かってきたから叩き潰す。オーフィスのように一種の完結した存在。すべてに諦観しきっていたと言えば良いのだろうか?大凡、人のような気配がしなかった。
次に会ったのが一誠が聖書の神に呑み込まれていた時。この時点で一誠の内面には大きな変化が起きていた。何があったのかは知らないが、それでも己を変えるような重要な何かがあった事は事実なのだろう。内心驚いてはいたが、問題はないと断じた。……よしんばあったとしても、何も言わなかったろうが。
それからシエナと共に旅をした。そこから一誠の内面に着々と変化を促す何かが蓄積されていった。家族を守ることを第一に、それに危害を加えようとするなら消えてなくなれと言わんばかりになってしまった。自分の興味と家族の安全の為以外戦う気がまるでないのだ。他者のことなど欠片も気にしないというその思想は世間一般から見ても、間違っているのだろう。しかしすべてを救おうとした彼を救おうとする者は1人もいなかったのだ。責められる筋合いなどないだろう。
旅をする中で一誠は己の手が届く範囲なら救ってみせると誓った。まさに彼は大切な小を救うために無関係の大を見殺しにできる人種なのだ。一誠は言った。自分は決して英雄などと呼ばれる人種の人間ではないと。英雄なら大切な小を切り捨て大を救うのかもしれない。けれどそれをしてしまえば、そいつはもう人ではなくなると。人ではない、英雄という名の皮を被った化け物になるのだと。
それならば自分は人で良い。無関係な顔も名前も知らぬ誰かを救うよりも、自分にとって大切な人を救うのだ。その為なら何だってしてみせよう。仲間だろうが友達だろうが身内を犠牲にしようとするならば敵だ。一切合切の容赦なく叩き潰してみせると、そう誓ったのだ。
そう言いながらも、一誠は自分に若干ながらも戦闘狂の気があることを自覚している。自分でもなんとかしたくはあるが、もはやどうしようもないと言わざるを得ない物なのだ。故に犠牲を自分1人だけに抑えようとする。とことん自分にはまったく価値を見出していないのだ。自分が傷つくことで周りがどれだけ悲しく悔しい気持ちを味わうのか、理解していない。真龍の身体が全ての傷を癒すからだ。無限と夢幻は傷つかない。完成しているが故に。傷つくという概念を有していないが故に。
そんな一誠が戦力を求め始めた。それはこれから起こる戦いを戦争レベルの物になると思っているからではないのか?今まで一誠に戦力として求められた事があまりない八舞としては当てにされているというだけで歓喜の一言だ。求められる事がこれほど嬉しいとは驚きだ。一誠の第一の臣下ではあるが、これまで敵対する者はすべて一誠が潰してきた。一誠が臣下とはいえ、家族の手を血で濡らすという事を嫌ったからだ。
一誠のために戦いたいと思っている八舞と出来る事はすべて己の手でなそうとする一誠。一誠とて鈍感ではない。八舞の言わんとする事ーーーー望んでいる事が分かっていない訳ではないのだ。それでも望めるなら出来る限り綺麗なままでいてほしい。自分のために汚れてほしくはないという想いが一誠にはあった。しかし時代の流れがそれを許さなかったのだ。故に一誠も覚悟を決めたのだ。共に生き抜くために共に汚れてもらう覚悟を。
「これから乱世が始まる。お前たちの力も借りる事になるだろう。共に来てもらうぞ、我が従者よ。俺と共に覇道を歩み、その身を血で濡らしてもらう」
「私の居場所は何時だってあなたがいる場所だ。主の為に幾千幾万の敵がいようとも、すべて屠りさって見せましょう。この命も力も私を構成する何もかもがあなたの物だ。故に堂々と命じれば良いのですよ、我が主」
「……ふっ。そうかい。ならば命令だ。我が覇道を共に進み、どれだけの敵がいようともそのすべてを屠り、そして……生き延びろ。これは如何なる命令よりも遵守される物としれ」
「
どもども、シュトレンベルクです。
作者本人も気づいていなかったのですが、どうやら作品内でアンケートを取るのは禁止だそうなんです。いやぁ、本当に書いてくださった皆様には本当に申し訳ありません。
これからアンケートを取る時は活動報告にして、活動報告にそういうのを載せているという報告をここでさせてもらう事にいたします。作者の不注意の所為で大変ご迷惑をおかけしました。忠告してくださったh995様本当にありがとうございました。それではまた次回。