リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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会談開始

 

その後、セラさんに絡まれたりとかはあったもののサーゼクスさんとグレモリー卿と挨拶を交わし、俺は帰った。その晩、シエナに色々と文句は言われたものの放置した。そしたらまた怒りだした。めんどくさっ。

 

それから数日後、会談の日になった。眷属を連れて入った会場にはすでにサーゼクスさんとセラさんが座っていた。俺は四つ目の席に座りながら眠っていた。眷属たちは後ろに置いてあった椅子に座っている。気配でアザゼルと白龍皇、ミカエルさんとその護衛が入ってくるのを確認しながらそのままの体勢を維持していると、グレモリー眷属とソーナさんがやってきた。

 

「私の妹とその眷属たちだ。それでは会談を始めるとしよう」

 

そこからそれぞれ意見を言いあっていた。主にサーゼクスさんとミカエルさんが言い合い、アザゼルが狙ったように場を凍らせるような事を言う。

 

そして説明役としてはリアスさん、ソーナさん、姫島さん。幾らか緊張気味だが、このような場だ。致し方ないという他ないだろう。自分たちの言葉で世界が変わるのだから、しょうがない。

 

結果的に言って、コカビエルは『赤龍帝』が倒し聖人に関してはアザゼルの方で契約を結んで獲得したらしい。そして当のコカビエルはコキュートスにて永久凍結の刑にあい二度と外に出られる事はあるまい、というのはアザゼルの弁だ。

 

「説明としては最低の部類ですが……あなたですからね。しょうがないと我慢しましょう」

 

「いきなりこき下ろすなよ。それで……お前は何も言わないのか?兵藤」

 

「……何か言ってほしいわけ?俺が今ここにいるのは第三者として中立に立つ必要があるからだ。今更アザゼルが丁寧に説明している姿なんて想像つかん。ただ……もう少し真面目にやれ、とは思うがな」

 

「ハハハッ、手厳しいね……アザゼル、ひとつ訊きたいのだが、どうしてここ数十年神器(セイクリッド・ギア)の所有者をかき集めている? 最初は、人間たちを集めて戦力増強を図っているのかと思っていた。天界か我々に対し、戦争を仕掛けるのではないかと予想していたのだが……」

 

「そう、いつまで経ってもあなたは戦争を仕掛けてこなかった。『白い龍(バニシング・ドラゴン)』を手に入れたと聞いた時には、他の上級天使たちが強い警戒心を抱いたものです」

 

そう、アザゼルは神器使いを集め続けているがその理由は未だ誰も知らないのだ。少なくとも他勢力の者は誰も。まるで戦争の前準備をしているようでトップ陣営の一部以外は警戒を強めている。

 

神器(セイクリッド・ギア)研究の為さ。なんなら、一部研究資料もお前達に送ろうか? って研究していたとしても、それで戦争なんざ仕掛けねぇよ。戦に今更興味なんて無いからな。俺は今の世界に充分満足している。部下に『人間界の政治にまで手を出すな』と強く言い渡しているぐらいだぜ? 宗教に介入するつもりはねぇし、悪魔の業界に影響を及ぼすつもりもねぇ。――ったく、俺の信用は三竦みの中でも最低かよ」

 

「それはそうだ」

 

「そうですね」

 

「その通りね☆」

 

「何を今更言っているのやら」

 

「ひっでえな!?……まあ、それはいいや。もうこんな話し合いを続けても意味なんかねえよ。ーーーー和平を結ぼうぜ。元々そのつもりで来たんだ。お前らもそうだろう?」

 

俺とサーゼクスさんにグレイフィアさん、それにミカエルさんを除いて全員が驚いていた。アザゼルに対する信用の薄さという物がはっきりする事態だな。戦争を仕掛ける気はないと分かってはいても、やはり和平を結ぶには切っ掛けと理由は必要だ。だからこそ、サーゼクスさんとミカエルさんはわざとこの質問をした。

 

「それしか手はないでしょう。次の戦争が起これば天使も堕天使も悪魔も滅ぶでしょう。我らが主がいなくなってしまったことで、純粋な天使が生まれなくなった。これは由々しき事態です」

 

「……結局、和平を結ぶんでしょう?その問題もおいおい解決していけば良いことだ。まずはここまで進んだことを喜ぶべきだ」

 

「それもその通りだな。ーーーーそれじゃあ、俺たち以外の力を持っている連中にも尋ねてみようじゃねえか。まずヴァーリ、お前はどうする?」

 

「別に。俺は強いやつと戦えればそれで良いさ。最終的には兵藤一誠を倒すレベルまで駆け上がってみせる」

 

「ははははっ。精々楽しみにさせてもらおう。出来るだけ早く俺に追いついてくれ。せめて俺に一撃与えられるようにはなってくれよ?」

 

「……一誠くんはどうするんだい?これからこの世界で何を望むんだい?」

 

「別に聞かれなくても和平に関して嫌はないです。望むことなんて精々が家族との生活を邪魔されないことかな?それ以上に望むことなんてないですし」

 

「そうですか。……それではそろそろ創生龍くんの聞きたい事に答えるとしましょう」

 

全員の視線が高神くんに集中した。それに少したじろいでいたようだが、直ぐにミカエルさんの目をしっかり見定めて話し始めた。俺自身としては割と驚く部類の話だ。悪魔が神に祈っても痛まないようにさせるなんてな。

 

「『システム』には一部の神器が近くにあれば厄介な事態になりかねないのです。それはアーシア・アルジェントの黄昏の微笑み(トワイライト・ヒーリング)もそうですし……兵藤くんの赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)も白龍皇の白龍皇の翼(ディバイン・ディバイディング)もそうなのですが、何故か兵藤くんは『システム』に影響を与えず我々よりも多くの信徒に恩恵をもたらしました。はっきり言って、兵藤くんがいなければ今よりも恩恵を受ける者は減っています」

 

「俺だってなんでそんな事が出来るかは知りませんよ。さらに神の不在を知る者が天界にいる事はできない。それもまた『システム』に悪影響を与えるからだ。イリナとゼノヴィアが教会に戻れない理由はこれだ」

 

「ええ。その点で2人には申し訳なく思っています。ゼノヴィアはデュランダル使いであり、手放すには惜しい存在なのですが……これも致し方ない事なのです」

 

「つってもよ、2人ともどうやら兵藤の眷属になったみたいじゃねえか。同質の気配を感じる。この世界の天使とは違う天使の感覚をよ。そうなんだろう?」

 

「……お前に言われるのはしゃくだが、その通りだ。俺が戦力を整え始めた理由。お前なら分かってるんじゃないのか?アザゼル」

 

「まさか……いや、お前の事だ気づいていてもなんら不思議じゃないな。そうだな、俺が神器使いを集めていたもう一つの理由は」

 

アザゼルがそこまで言った瞬間、何か異質な感覚が俺たちを縛りつけた。あまりにも鬱陶しかったので左腕を一凪ぎすると簡単に砕け散った。なんなんだ?この異様な感覚は。窓から外を見てみると、外で警戒に当たっていた悪魔・堕天使・天使の混成部隊の動きが止まっていた。なるほど、時間停止か。こんな事を起こすって事はーーーー

 

「さあ、戦争の始まりだ。ってところなのかな。我が友(オーフィス)よ」

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