リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

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新勢力登場!


テロ

 

リアスさんの眷属には『停止世界の邪眼(フォービトウン・バロール・ビュー)』を有する吸血鬼がいると聞く。神器を強制的に禁手化(バランス・ブレイク)させでもしたんだろう。俺たちはーーーー正確に言うなら俺と眷属たちは内に保有する天使の力(テレズマ)に神器が干渉してきたのを感じられたので量を増やすことで防御した。

 

サーゼクスさんとリアスさんはそもそも滅びの魔力が勝手に打ち消した。他のトップ陣営と白龍皇は魔力を使って防御した。リアスさんの眷属で未だ動けるのはリアスさん、高神くんに木場くんだけだ。木場くんは聖魔剣を有するが故だろう。

 

サーゼクスさんとミカエルさんはこの部屋に結界を張った。まったく意味をなしていないが、窓の外には大量の魔法使いの姿がある。いくら殺しても瞬く間に増援が出てくる。はっきり言ってしつこいにもほどがある。しかもこの現状も放置できない。あまり放っておくと、トップ陣営とて停止させられる可能性がある。

 

リアスさんと高神くんが旧校舎に置いてある戦車(ルーク)の駒とキャスリングを行い、旧校舎にいる僧侶(ビショップ)のギャスパーくんを助けに行くらしい。白龍皇ーーーーヴァーリはギャスパーくん諸共敵を殺した方が良いのではないか?と提案してきた。当然と言うか認められなかったが。

 

「マスター、我々はどうしましょう?」

 

「……そうだな。ゼノヴィアに祐樹、それに八舞は外にいる敵を殺せ。デュランダルの使用は許可するがよほどの事がない限りは文言開放するな。シエナはリアスさんたちを影ながら援護しろ。危険なようなら、魔法使いたちを捕縛しろ。後で引き渡す。アイリスとイリナは俺の護衛だ。自分の役割を理解したら行動を開始しろ」

 

「そう言えばアザゼル。先ほど何か言いかけたようだが、一体どうして神器使いを集めていたんだ?」

 

「……戦いに備えるためさ。戦いって言っても戦争じゃねえ。今回のテロを起こした組織ーーーー禍の団(カオス・ブリゲード)のな。そしてこの組織のトップは、兵藤を除く世界最強の龍だ」

 

「そうか、彼が……」

 

無限の龍神(ウロボロス・ドラゴン)、オーフィスが……」

 

 

「そう。彼が私たちのトップです」

 

 

その言葉と共に、魔法陣が展開された。この魔法陣は……そうかいそうかい。誰かしらが襲撃してくるだろうとは考えていたが、初っ端はお前らか。

 

「……ッ!そういう事か!グレイフィア!早くリアスとソーセーくんを飛ばせ!」

 

「……レヴィアタンか。それも旧の方の。またけったいな遺物が出てきたもんだ」

 

そう。旧レヴィアタンの魔法陣が目の前にはあった。悪魔を絶対と考えている愚か者の塊だ。奴らにとっては滅亡の危機など、どうでも良いのだろう。敵である堕天使や天使と手を結ぶ屈辱に比べればなんでもない。しかしこの声……どっかで聞いた事あるような?

 

「お初にお眼にかかります、堕天使の総督に天使長。私はカテレア・レヴィアタン。真なる魔王の血族です。貴殿らを屠りに来ました」

 

「旧魔王の奴か」

 

アザゼルがそう言うと、激昂したのだろう。魔力を放ってきた。むろん挨拶がわりというか、余波だけなので気にするほどの威力ではないのだが。俺が相殺すると、カテレアの視線はこちらに向いた。そして大層驚いたような顔をしていた。……ああ、あの時の。

 

「こうやってちゃんと顔を合わせたのは初めてですね、赤龍帝。先ほども申しましたが、カテレア・レヴィアタンと申します。以後お見知り置きを」

 

「名前は聞いてなかったし、何分昔の事だったから完全に忘れてたよ。……まさかこういう形で再会する事になるとは思わなかったけどね」

 

「お、おい、兵藤。なんでお前がカテレア・レヴィアタンとそんなに親しげなんだよ?」

 

「んーっと、あれは確か俺が世界最強になってから冥界で色々とやってた時だったかな?複数の上級堕天使がカテレアを襲ってたんだよ。それをなんの気なしに助けたんだよ。その時に館に招かれた。そこで夕食とかをご馳走してもらった。その程度の関係だよ」

 

「まるで石ころを蹴飛ばすかのような勢いで吹き飛ばしていきましたからね。あの時はとても驚きました。……赤龍帝殿。オーフィスの友たるあなたに我々の世界創造の手伝いをしていただきたい」

 

「……オーフィスからなんで俺があんたらに協力しないのか、聞いていないのか?」

 

「彼はそこまでお喋りではありませんので。私たちは彼を旗印として新世界を創造する。そのためにはあなたたちが邪魔なのですよ。サーゼクス、セラフォルー」

 

「カテレアちゃん!私は」

 

「お黙りなさい!貴女たちの所為で私たちは……!」

 

「お怒りはごもっともだがな。そういう事態に至ったのはお前ら自身の所為だろう?魔王の座を巡って仲間同士で戦争を起こしたんだ。危険視扱いされてもしょうがないってもんだ」

 

「アザゼル……あなたもこの場では殺すべき相手です。お相手願えるでしょうか?堕天使の総督殿?」

 

「構わないぜ。まあ、お前はここで死ぬ事になるだろうが、な!」

 

2人が結界から出たのに乗じて俺も外に出た。屋上から見れば混沌具合がよく分かる。圧倒的な魔力で魔法使いたちを屠る白龍皇ヴァーリ。己が持つ武器で敵を殺していく八舞たち。そして光の槍と魔力をぶつけあうアザゼルとカテレア。戦争の縮図だな。どちらかというと殲滅戦に近い有様だが。魔法使いの増援も減ってきている。そろそろ頃合いなのかな、と思っているとヴァーリが後ろからアザゼルに襲いかかった。……なるほど、そういう事なのか。

 

「……ちぃっ。ここで反旗か、ヴァーリ」

 

「ええ。今回の情報源も手引きも全て白龍皇です。仲間を信頼するのは結構ですが、信頼しすぎるのもどうかと思いますよ?」

 

「カッ!耳に痛いな。こんな風になっちまうとはな……なんとなく予期はしていたが」

 

アザゼルがへこたれていると、ヴァーリは空中に飛び上がり誰の目にも見えるような場所で停止した。

 

 

「俺の名はヴァーリ。ヴァーリ・ルシファーだ」

 

 

「旧ルシファー、ね。それなら歴代最強ってのも納得は出来るな。しかも才覚に関しては上回っていると言っても過言ではない、と」

 

「ああ。そして兵藤一誠。正直に言うと、俺は感心している。俺のように悪魔の血が流れている訳でもなく、聖人であるわけでもなく、ドライグのーーーー赤龍帝の力だけで世界最強になった君にはね」

 

「ふぅーん……それで?」

 

「俺と戦ってもらいたい。今の俺がどれほどの位置にいるのか、非常に気になるんだ。俺に腕試しをさせてくれ」

 

「……まぁ、いいか。ドライグとの約束だ。籠手は使うが、禁手(バランス・ブレイカー)にはならない。やらせたきゃそれだけの力を俺に示してみせろ。さもなきゃただのワンサイドゲームに変わるだけだ」

 

「それで十分だ。さぁ、行くぞ!……と、言いたい所なんだが。そこにいる君たちは誰だ?口を挟むなら速くしてくれないか?」

 

 

「ハハハッ。こいつは失敬。赤白の前哨戦を見てからにしようかと思ってたんだが……バレちまってたか」

 

 

特殊な魔道具か能力かは知らないが、月をバックにしてこちらを見下ろしている2人がいた。ここにたった2人ぽっちで来るわけがない。どっかに隠れてやがる。そう思っていると、八舞がカテレアに近づき投げ飛ばした。そして背後から飛んできた赤色の槍を弾き飛ばした。

 

「あ〜あ。リーダーがバレちまうから俺までバレちまったじゃん。それで、どうするんだよ?この姉ちゃんも殺しちゃっていいのかよ?リーダー」

 

「その女は赤龍帝の眷属だ。舐めてかかるのは止めろ。ーーーー全力で殺せ。原作に関わりのない存在だ。容赦や情けの類は一切不要としれ」

 

「へいへい。それじゃあーーーー禁手化(バランス・ブレイク)

 

外見的変化はなし。しかしさっき投げた槍。あれは……なるほどなるほど。あいつの神器は……。

 

「おやおや。赤龍帝にはもうあいつの神器がなんなのか、バレてしまったようだな。その慧眼、実に恐ろしいものだな」

 

あいつの神器は……魔槍を創り出す魔槍精製(ミスティック・ランサー)。さっきのはおそらく、ケルト神話の英雄ディルムッド・オディナのゲイ・ボウ。治癒不能の破壊の呪を刻まれた槍。あれの通常の禁手(バランス・ブレイカー)光穿つ魔槍の閃刃槍(ゲルン・メキス・ランサー)。概念を加えた槍を精製する力を持つ、ただそれだけの力。

 

でも、あいつのはおそらく違うだろう。どれだけの力を持っているのか分からない以上、放置しておくのは危険だ。しょうがない。あんまり使わせたくはないんだが、目を瞑るとしよう。

 

「……八舞、文言の開放を許可する。お前の敵を、俺の敵を、焼き尽くせ」

 

 

了解しました(ヤヴォール)我が主(マインヘル)

 

 

「祐樹、ゼノヴイア。すぐにそこから退避しろ。イリナとアイリス。お前らもよく見ておくと良い。あれが、お前らに分け与えた天使の力だ」

 

八舞は持っている槍を構え、翼を大きく広げた。白色であったその翼が段々と緑色に変わっていった。対称に瞳の色は真っ赤な紅蓮のごとき色に変わっていった。それを不審に思った相手は八舞に近づこうとしたがーーーーできなかった。八舞の周りには超高熱の空間が出来ていたからだ。

 

「主より賜りし我が力の意は燃やし尽くす事。

 

我が敵を焼き尽くし、主に敵対する全ての者を焼き尽くす。

 

我は主の先兵となり、主の望みうる願いのためにこの命の全てをかけよう。

 

全てを焼き尽くし、破壊する。我が断罪の焔を受け、朽ち果てよ。灰すら残らぬ焔を受け、その生涯に後悔せよ。

 

貴様の命は主に敵対したその時から、我が眼前にたった瞬間に終焉を刻まれたのだから。

 

さぁ、主の敵を断罪するために我が劫火を振るおう!主の覇道の道を開こう!

 

目覚めなさいーーーー『神の火(ウリエル)』ーーーー」

 

八舞の姿が完全に変化し、その気高い姿は見る者の全てを魅了させた。そして同時にその焔の危険性を理解させた。あれに触れてはいけない、あの焔に掠ってはいけない、あの焔に当たった時がーーーー自分の最後だと。神の火と呼ばれ裁きを象徴する天使、それがウリエル。熾天使随一の火力を誇るウリエルの炎だ。それも文言によって開放された状態なのだから、この世界のウリエルの火力を大きく上回っている。

 

「……なんだよ、あれは?あんな莫大な力、掠っただけでもこっちの身体が吹き飛ぶぞ?」

 

「嘆いている事ですね。そして誇りにでも思っていなさい。貴方はマスターに敵として認められた。まぁ、認められたのは貴方ではなく、貴方を含めたあの方々かもしれませんが」

 

「……俺がリーダーやあのクソ野郎の付随品にすぎないだと?舐めくさってんじゃねぇぞ!このクソアマが!万象貫く破壊の魔槍(ファガート・グライズ・ゲルドナント)!!」

 

放たれた魔槍は滅びの魔力のような物を纏っていた。ふむふむ、なるほどね。確かに破壊の名を関するだけあって大層な威力だな。あれなら下位の神格なら致命傷を負わす事が出来そうだな。だがーーーー

 

「無駄だと言っているでしょうに……物わかりの悪い人ですね」

 

ーーーージュワッ!

 

放たれた魔槍は八舞の放つ焔に耐え切る事ができず、放たれてからたった数秒で全て溶けた。万象一切を焼き尽くすウリエルの焔。その焔に耐え切る事などできるはずもないのだ。何故ならそれは悲しき罪人を断罪するための焔なのだから。抗えるはずもなく、ただ一方的に敵を殺す焔なのだから。

 

 

「あなたの次の生に幸あれ。終焉と断罪の鉄槌者(ファール・ナハムント・ウリエル)

 

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァッ!熱い熱い熱い熱いアツィィィィィィィ!お願いだ、リーダー!後生だから助けてくれ?俺たちは仲間だろう!?なぁ、頼む!」

 

それの返事をしたのはリーダーと呼ばれる男ではなく、そばに控えていたまるで石像のような男だった。そいつの眼科でのたうちまわっているその男にはまるで下等な生物を見ているかのような冷め切った光を宿していた。

 

「……貴様如きの雑魚を助けるわけがないだろう。そこの女の言うとおり、次の生に期待するんだな。哀れな仔羊」

 

「ラグリス……てんめぇぇぇぇ!お前も死ね!このクソ野郎がぁぁぁぁぁぁっ!」

 

身体を数千度の焔に包まれ、立つことも厳しい筈なのにラグリスに向かっていったその姿。まさに驚嘆の一言だ。向かってきたその男を殺したのはーーーーラグリスではなく、リーダーと呼ばれた男だった。しかも返り血を浴びてもニコニコしたままだった。正直、気持ち悪い。

 

「うん、ご苦労様。本来の正史に事を済ませるために君を送ったんだけど、思わぬ副産物を目にすることができた。君はもう休んで良いよ。どちらにせよ、君がこれ以上する事なんてなんにもないんだからね」

 

「そんな、リーダー……俺は」

 

さようなら(アウフ・ヴィーダゼン)戦友(カメラード)。君の活躍は僕たちのこれから糧となるんだ。君はよく働いてくれたんだから、それ相応の報酬を与えないといけないだろう?しかし君はもう死に行く身だ。だからこそ、これなのさ」

 

得体の知れない槍に心臓を貫かれたその男は、身体を粒子状にして死んだ。そしてその粒子は槍に取り込まれた。その槍を見ていると気分が悪くなってくる。それはおそらく……

 

「お前、何人喰ったんだ(・・・・・・・)?」

 

「へぇ……これだけで分かるもんなんだな。この槍の名前は聖約・運命の神槍(ロンギヌス・ランゼ・テスタメント)っていうんだ。その能力は」

 

「喰らった者の命を己の力とする……か?醜悪な武器だな。しかもそれ、魂レベルで繋がってやがるな?威圧感だけなら黄昏の聖槍(トゥルー・ロンギヌス)以上だな」

 

「まぁ、まだ喰らった数は大した事ないんだよね。大体、300人弱ってところかな?自己紹介だけはさせてもらうとするかな」

 

まるで隙だらけに見えるその状態は、余裕の現れだろう。おそらくここの面子でこいつと相対せるのは俺ぐらいのものだ。八舞であっても勝てないし、俺だって覇龍(ジャガーノート・ドライブ)を使う事を強いられるに違いない。こいつはそれ程までの力を持っているのだから。

 

 

「我が名はラインハルト・アルゾフ・ハーデン。これでもドイツ人の血が入ってるんだ。そしてこっちはラグリス・ヨルム・ミューヘン。僕の腹心さ。そして僕たちの組織の名前はーーーー」

 

聖槍十三騎士団さ♪と楽しげに答えたその男ーーーーラインハルトは意気揚々とその場を去った。どうやら顔合わせが目的だったらしいな。ラインハルトがその場から消えると同時に腑抜けているヴァーリに拳を振るった。

 

「っ!?」

 

「ぼやぼやすんなよ、ヴァーリ。お前は俺との戦いがお望みなんだろう?この程度で腑抜けていてどうするんだ?」

 

「……そう、か。そうだな。少々茶々は入ったが関係ないな。ここで腕試しをやらせてもらう!」

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