リリカルD×D~狩り人の戦記~   作:シュトレンベルク

99 / 180
VS白龍皇

 

 

ヴァーリは高速で動き回り背後からはたまた正面から四方八方から攻撃をしてくる。俺がその攻撃の全てを見切り、カウンターの容量で拳を振るう。

 

「両方の被弾率は0か……いやはや中々優秀じゃないか。まさかここまで攻撃が当たらないとは思っていなかったよ。純粋な戦闘力もちゃんとあるみたいでなによりだよ」

 

「まさかここまで攻撃が当たらないとはこちらも予想外だよ。こちらは動き回っているのに、そちらは未だその場所から一歩も動いていないんだから尚更だ」

 

「それぐらいのハンデは必要かと思ってね。……まぁ、実力を見るのはこれぐらいにして真面目にやるか。ドライグ、よろしく」

 

『Boost!!』

 

「行くぞ、アルビオン。俺たちも彼に白龍皇としての力を見せつける!」

 

『DividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDividDivid!!』

 

やはり禁手(バランス・ブレイカー)状態の白龍皇の方が力を大きく削る事ができる。こちらが倍加している間に相手はその何倍もの量の力を奪っていく。相手の力が大きい程にその力を奪い、自分を高みへと導いていく覇道の権化こそが白龍皇。対して何者にも関係なく足りないならばただ己の力を上げ続ける事で高みへと昇っていく求道の権化こそが赤龍帝。故にーーーー

 

「どうしたどうした?俺から力を奪ってもその程度かよ?あんまり俺をがっかりさせるな」

 

「くっ!総量が大きすぎる」

 

そう、真龍から肉体を新生させた一誠の身体は規模こそ多少はグレートレッドに劣るが夢幻で構成されている。白龍皇の特性である半減を受けても力の減少がない、というよりは減少しても即座に元に戻る。さらにそこから倍加を繰り返しているのだ。一誠の力は瞬く間に真龍に届く。何故グレートレッドがオーフィスを上回るのか?それはグレートレッドの夢幻の総量がオーフィスの無限の総量を上回っているからだ。

 

されどグレートレッドは有限。ならば己の力を高め続ける赤龍帝である一誠が負ける道理などないに等しい。まだ力が弱いヴァーリが挑んできても一誠に負ける道理などないのだ。ヴァーリが無限の力を得ない限り、肉体強度や瞬間出力等の面において一誠に届き得ない。一誠の拳が完全にヴァーリを捉え、鎧を破壊しながら吹き飛ばした。さすがに半減と後ろに後退された事で威力は六割減といった感じだが。一誠は転がっていた宝玉を拾い、良い事が思いついたとでも言わんばかりに破顔していた。その一誠の考えはドライグにも伝わっていた。

 

『相棒、お前も中々危険な事を考えるな。そんな事をすれば、下手を打てば死ぬかも知れないのだぞ?』

 

「博打上等だよ。大丈夫だろ。聖書の神が死ぬ前ならばともかく、今なら不可能じゃないはずだ。それに……これが成功したら面白いだろ?」

 

『ガハハハッ!さすがは相棒だ!良いだろう!見事にやってのけ白いのに目に物を見せてやろうじゃないか!』

 

「くくくっ。ドライグのそういうノリの良いところ、俺は嫌いじゃないぜ?それじゃあ……やりますか!」

 

持っていた宝玉を右手に押しつけた。すると右手に籠手が現れ、まるで拒絶するかのように赤色の光と白色の光がぶつかり合った。そして一誠とドライグの両方にとんでもない激痛が襲いかかってきた。対の力を持つ物が接触するとこうなるのか、と感じた一瞬だ。だが幸いと言うべきか、グレートレッドの最大出力の攻撃に比べればマシだと考えれば耐えられた。

 

「俺にお前の力を寄越せぇぇぇぇぇぇぇっ!」

 

『Vanishing Dragon Power is taken!!』

 

白い光が周りを包み込み、その光が晴れる頃には一誠の右手の籠手が白色に変わっていた。そのあり得ない光景に白龍皇であるアルビオンが吠えかかった。

 

「馬鹿な!相反する我々の力が合わさるはずがない!貴様らは一体何をやったのだ!?」

 

「やったのは単純さ。神器(セイクリッド・ギア)システムの不備をついただけだ。まぁ、博打だったし確率もそんなに高くはなかったが……成功したんだし良しとしようかね」

 

「……そんな事をすれば寿命が削れるぞ。ヴァーリのような悪魔ではなく人間であるお前は少ない寿命を削ったのだぞ?」

 

「夢幻は死なない。少なくともこの程度の事ではな。……しっかし、白龍皇の力ってのは面白いもんだな。なるほど、覇道のありようにピッタリじゃないか」

 

一誠は右手の籠手をひとまず戻した。彼個人としても解析してみたい物であるためというのと、ここで対策を立てられても困るという考えからだ。あまり得る物はないかと思っていた戦いで思っていた以上の力を得られた事で一誠は割と上機嫌だった。そう、礼として自分の禁手化(バランス・ブレイク)を見せても良いと思うくらいには。

 

禁手化(バランス・ブレイク)

 

『Welsh Dragon Balance Breaker!!』

 

一誠の身体が赤い龍帝の鎧に包まれた。一誠が上機嫌であるため、何時もより力を引き出せていた。地面に立っただけで地面が陥没するくらいの力を倍加もせずに引き出せるくらいには。

 

一誠にはヴァーリを殺すつもりは一切ないと言っていい。だがここまでやってくれたヴァーリに本気の一撃を見せてやろうというつもりだったのだ。だが、その一撃は膨大すぎる力を奪った所為でボロボロだった状態で一誠の攻撃を受けたヴァーリを殺すには充分な威力を持っていたのだった。それを理解したアザゼルは一誠の前に躍り出た。

 

「待ってくれ兵藤!今ヴァーリを殺すのは止めてくれ!」

 

「……?え、まさかこの程度の威力も耐えられないの?」

 

まだまだ耐えられると思っていたのだが、まさかこの程度も耐えきれないのかと思った一誠の機嫌は急速に下落していった。その場にいた全員(ドライグも含む)がハラハラしていると、大きなため息をついて鎧を解除した。そして戦う事にすら萎えた一誠はその場を去ろうとしたーーーーその瞬間、後ろから魔力弾が飛んできた。その方向を見ると、ヴァーリがこちらに手を向けていた。さらに鎧の中からの視線は未だ闘志に満ち溢れていた。

 

「やっぱりお前は俺の期待を裏切らないんだな。実に嬉しいよ、ヴァーリ・ルシファー。第二ラウンドと行きたいところだけど……どうやらお迎えが来たらしいな。今日はここまでか」

 

 

「おいおい、仙術も使ってるんだぜ?これにも気付くなんて今代の赤龍帝は化け物かよ?」

 

 

限界も近いヴァーリを抱きかかえながら俺に話しかけて来たのは、何処か猿っぽい顔の若者だった。俺との年の差は大体二つか三つぐらいかな?俺や俺の眷属たち以外は戦闘体勢に入っていた。

 

「闘戦勝仏……の末裔かな?初代孫悟空の気と似通ってる物があるしな。やれやれ、あの爺さんの血族もテロリストかい」

 

「カカカッ。美猴ってんだ。よろしく頼むぜ、赤龍帝。カテレアも作戦に失敗したみたいだし、俺っち達も退くとしようや。北の田舎(アース)神族との戦闘も待ってるんだしよ。退かねえと置いてけぼりだぜ?」

 

「なに?カテレアはもう死んだのか?」

 

「お前、何言ってんだ?アザゼルの片腕が無くなってんだろ。それにさっきファーブニルの気配も感じた。アザゼル、お前の仕業だろう?」

 

俺がそう言うと、アザゼルは肩を竦ませただけだった。俺がアザゼルから目を離すと、美猴が持っていた棍を振り回し地面に突き刺した。するとずぶずぶと沈んでいく2人を見ていた。

 

「じゃあな、ヴァーリ・ルシファー。次会う時にはもう少し強くなっていてくれよ」

 

「もちろんだ。次戦う時こそは俺が君に一撃は当ててみせる。先ほどのようなまぐれではなく、な」

 

楽しみに待っているよ、と一誠が言った瞬間にヴァーリと美猴の姿は完全に消えた。その後、テロによって起きた混乱を抑えつつ、三大勢力トップ陣営は改めて同盟を結んだ。その同盟の内容は、三大勢力が手を結ぶこと、共に禍の団(カオス・ブリゲード)の対処をすることに加えて禍の団(カオス・ブリゲード)に匹敵する第三者勢力である聖槍十三騎士団の討伐も含まれた。

 

あのラインハルトとラグリスと名乗った男は俺の見立てだと転生者だ。つまりあいつがリーダーをしている聖槍十三騎士団というのは、転生者たちが組みした組織。しかも仲間意識のないまるで魔術師のような思考をしている連中だ。油断はならないことに違いはないだろう。そして結ばれた同盟の名前は結んだ駒王学園から取りーーーー駒王協定と名付けられたのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。