月城町みたいな話   作:とましの

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慶次ルート

小学校に入ってからおれはたくさんのトモダチを作った。目標の100人にはまだ届かないし、フジサンにも行けないけどな。

だけど最近ずっと考えてた。みっちゃんにはトモダチがいないんじゃないかって。

だっておれたちは毎朝みんなで集まって学校に行くけどみっちゃんは違う。ひとりで家を出てひとりで行ってる。

みっちゃんは「小学生とは違うんです」とか言うけど、あれはウソだ。一緒に行くトモダチがいないに違いない。

 

だからおれはみっちゃんのトモダチを探す旅に出た。

 

三才の時だってこうやって旅に出てみっちゃんを見つけられたんだ。それなら今回だってみっちゃんみたいにスゴいヤツをみつけられるはずだ!

 

家を出たおれはあてもなく歩いた。みっちゃんのトモダチになるヤツなんだから、そこらの子供じゃだめだ。

おれが認めるくらいに、安心して任せられる男じゃないとな。

猫が通り道に使う狭い道を抜けて、知らないばあちゃんにおかしをもらう。そこからトモダチからオバケが出ると聞いた空き家を見ながら川原に向かった。

 

朝見たテレビだと川の近くの屋根の下でたくさんのザコ敵をやっつけてた。レッドがすごいピンチになってブルーたちがそれを助けにいった。その間にザコ敵は人間を襲おうとしたんだけど、そこに六人目があらわれたんだ。

 

土手を降りたおれはまっすぐに線路の下に走った。土手を降りてるところから戦ってるのは見えてるぞ!

すごい蹴り技でふたりの敵を倒したのはやっぱり黒い色のヒーローだった。朝の六人目と同じ色で強くて足が長いし大きい。

こいつはみっちゃんを任せてもだいじょうぶなヤツだ!

 

だけどヒーローは最初はみっちゃんとトモダチにならないって言った。

トモダチはおねがいしてなるものじゃないとかなんとか。たぶんヒーローのジジョウってやつだな。ヒーローだから簡単にトモダチは作れないんだ。

だいたいこいつ六人目だから、レッドたちともあまり仲良くならないはずだからな。

それでもヒーローは学校で会ったら声をかけろって言ってくれた。だからもうだいじょうぶだ。あとはみっちゃんが学校でこいつを見つけて声をかけたらカンペキだ。

 

帰り道の途中でジュースを買ってくれたヒーローは近くの公園までついてきてくれた。こいつ絶対すごくイイヤツだ。みっちゃんくらい優しいにちがいない。

「あのな、みっちゃんすげー優しいからな。ヒーローのジジョウとか、ちゃんとわかってくれるからな」

「ヒーローの事情って……」

六人目の戦士はいつもひとりだったりするもんな。でもそういうのだってみっちゃんならわかってくれる。

わかっててトモダチになってくれるはずだ。

そう思ったから、そのままヒーローに言ったら変な顔で頭かいてた。

「…まぁ、いいか。じゃあ俺は帰るけど、後は大丈夫だよな」

「俺の家はこの近くだ!」

「それならいっか」

だいじょうぶだって言ったらヒーローは手を振りながら歩きだした。おれも手を振って見送って、やっぱり足が長いなって思う。

おれもあれだけ大きくなったら、みっちゃんを守るヒーローになれるのにな。

 

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