うちのスーパードクターは年相応にガキで未熟でへこたれる。
だがそれは、患者と真剣に向き合っているからこそのことだから仕方ねぇ。切れば必ず助けられるってもんでもないからな。
俺たち医者は神でもなんでもないんだから。
平日午後六時、伊達川から出されたレポートに目を通していると携帯が鳴った。
電話の相手はうちのスーパードクターだが、今回の用件はそっちの話じゃないらしい。
携帯を耳に当てたまま職員室を飛び出すと通りかかった前木が驚きの声をあげる。
だがそっちに目を向ける余裕はなさそうだ。
うちのスーパードクターは手がかかる。
泣き虫で強引で鈍感で、訳がわからない事をしでかすこともある。
けどその手間を面倒だと思ったことは一度もない。
久しぶりの発情期はかなり酷い有り様だった。少なくとも治療で二時間かかるなんて普通じゃありえねぇ。
おかげで俺は治療室のベッドから降りることもできずに午後九時半を告げる時計をぼんやり眺めることになった。
今夜も徹夜仕事になりそうだ。
けどあいつが発情期を過ぎて落ち着きを取り戻したならそれでいい
さっきから口を開くたびに「ごめん」を繰り返すその殊勝な態度も別にいい
いいっつーか……こいつが無事なら何でも流せるつーか
こいつがどんな姿でも何をしでかしても、俺はこいつに惚れてんだから仕方ねぇよな
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