青鬼 ~もう一つの咄~   作:彩風 鶴

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「そういえば俺たち最近出番少なくないか?」
「……確かにそうですね……。まぁ、仕方がないとは思いますが……。」
「いやぁ………暇なんだよな……。」
「そうよね……こうも出番なしが続くと……。」

「大丈夫だよ。そのうち出番も増えるだろうし。」
「何を根拠に言ってんだよ……つうか俺たちより先にたけしの出番があるっておかしくね?」

「いや、でも彼はおそらく最初に……。」
「まぁな」「まぁね」「…だよね。」


「へ……?」




注意です。

この作品は100%作者の妄想で構成されております。
そのため原作などの設定とは異なる部分。
キャラが一致しない。
何か違和感。
ブルーベリー欠乏症。

上記の事柄が発生する恐れがあります。

他にも単なる作者の文章力の欠如などが多々見られると思われます。

それでも耐えられるという勇者の皆様方はこのまま館へとお進み下さいまし......。


10話  引金

「ここは…………。」

目の前の扉に掲げられた『図書室』の文字。

そしてポケットの中の鍵についている『図書室』のタグ。

ここの鍵であることは誰の目にも明らかだろう。

 

俺は鍵を差し込む。

………差し込んだはいいが手を捻るのを躊躇う。

状況が状況だとはいえ、やはりここは他人の家だ。

むやみやたらにあちこち歩き回るよりもさっさと里桜を見つけて助けが来るのを待つのが賢明では?

それに、ここに来ることになったきっかけのあのじぃさん。

卓郎の言うとおり確かに怪しいとは思うが話が通じないわけではないだろう。

そのうち俺たちに気づいて外に出してもらえるかもしれない。

 

「………。」

 

ここを開ける必要なんてあるのか……?

微動だにせずに自問自答を繰り返す。

そう。ここを開ける理由なんて探せばいくらでも湧いてくる。

出口を探すため。

外との連絡手段を探すため。

いるかも分からない家主を探すため。

………。

しかし、開けてはいけない気がした。

開けてしまったら何かが終わる気がした。

この手を捻ったら最後、何かが壊れてしまう気がした。

自分の手が震えているのに気づくまで数秒も必要なかった。

 

「なんだよそれ……。」

 

自分の中の異常な感覚をその呟きで一蹴する。

慣れない非常事態に疲れているのかもしれない。

どうにかすぐに帰って、もう今日は寝てしまおう。

ごちゃごちゃとした頭の中をかき分けて埃を被った引き出しから『勇気』を引っ張り出す。

何故それが必要なのか、理解する暇もなく腕が動いた。

 

《ガチャッ》

 

妙に重々しい音と共に扉が開く。

開いた扉の隙間から見えたのは大きな本棚。

部屋の中に入り、辺りを見渡す。

目の前、右の壁、左の壁、至る所に本棚が置かれている。

そして何より驚いたのは部屋の広さだ。

一室にしてはとんでもなく広い。

越してくる前の町立図書館並みの揃えの良さなんじゃないだろうか………?

思わずキョロキョロと忙しなく首を回しながら部屋を歩く。

「誰か……いますかー……?」

声をかけるが返事はない。

おそらく無人なのだろう。

兎にも角にも脱出出来そうな場所がないか探ることにする。

ふぅ……と力を抜いた後、顔を上げて気合いを入れ直した。

 

 

「くそ………ここもハズレか…………。」

ため息をつきながら部屋の隅のテーブルに腰を下ろす。

ここにも窓や換気扇の類は見あたらなかった。

やはり、換気など大丈夫なのか不思議でならない。

まぁ……考えても仕方ないか………。

「とりあえず里桜を探さねぇとな……。」

いなくなった弟を探そうと立ち上がる。

そのとき、服に引っかかったのか机に乗っていた新聞が床に落ちた。

「っと………。」

すぐにソレを拾い上げる。

何気なく記事に目をやると一つの記事が目に入ってきた。

『N市O町で轢き逃げ』

『被害者の学生は未だ意識不明の重体』

『犯人は未だ捕まってはおらず逃亡中である。』

日付を見ると一昨日のものだ。

どうやら隣町で轢き逃げがあったらしい、それに犯人の男はまだ捕まっていないようだ。

「って……こんなことしてる場合じゃないよな…………。」

見覚えのない記事を読み進めたくなるのを抑えて新聞を畳む。

するとシュルッと紙が擦れる音がして新聞の隙間から何かが落ちる。

《チャリン……。》

床に落ちたときの音と一瞬だけ見えたフォルムで何が落ちたのか予想はつく。

「鍵……?」

新聞を机に戻し鍵を拾おうと腰を屈める。

部屋の照明を反射してチラチラと光っているソレを手に取った。

 

 

 

 

 

 

 

ガタッ……………。

 

 

 

 

 

 

 

手を口に当てて漏れる息を減らす。

本棚が背になるようにして身を隠す。

 

 

明らかに何かが動いた。

 

入り口とは逆の方向。

 

物が落ちたとかそういう感じの音じゃない。

 

ゆっくりと大きな何かが動いたような重々しい音。

 

どこかのホラーゲームの効果音にでもありそうだ。

 

自分の鼓動音が酷くやかましい。

 

 

音の正体は恐らく里桜か家主だろう。いつの間に部屋に入ってきたのかは分からないが……。

反射的に隠れてしまったが別に隠れる必要などあったのだろうか?

やましいことが何もない。……といえば嘘になるが隠れなくても良かっただろう。

とにかく相手が誰なのか確認しよう。

そう思って本棚の陰から顔をのぞかせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

声にならない叫び。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

自分で何を見たのか理解できない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうしようもなく震えだす足を何とか押さえつける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蛇口を捻ったように額を流れ続ける冷や汗を気にも留めず目を瞑る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

嘘だ。悪い夢だ。疲れているだけ。嘘。嘘嘘嘘嘘嘘嘘!!!!!!。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

頭を抱えて言葉を紡ぎ続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

見開いた目が痛む。口を押さえる手が肌に小さな傷をつくった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

麻痺していた脳がなんとか思考を再開する。

 

 

 

 

 

 

 

本棚の隅にいたもの。

 

 

 

 

 

 

体長3メートルはあろうかという巨人。

 

 

 

 

 

熟れすぎたブルーベリーのように濁った濃い青色の体。

 

 

 

 

異常なほど肥大した……体とほぼ同じ大きさの顔。

 

 

 

つり上がった口元。

 

 

見開かれた目。

 

顔のパーツはしっかりとは整っていない。

福笑いでもして作られたかのようだ。

自分の体ほどありそうな両腕は筋肉が浮き上がっている。

 

怖い。

 

見る者に直感的にそう感じさせる見た目。

声を抑えられたのが不思議なくらいだ。

これ以上想像することすら躊躇われる。

 

 

 

 

 

 

……ギシ…………。

 

 

 

 

 

床が軋む音。

間違いない、アレが動いている。

 

 

 

 

 

ギシ………ギシ………ギシィ………。

 

 

 

 

 

どんどんと音が近づいてくる。

『逃げろ』

本能が張り裂けんばかりの大声で脳に伝える。

ガクガクと情けなく震える足を抱えるようにしてその場を離れる。

 

動き出してしまえば後は何も考える必要はない。

 

ただ一目散に部屋のドアへ駆ける。

震える手で何とかドアを開けて図書室を後にした。

 

 

 

 

 

 

とぅーびーこんてぃにゅー。

 

 




はい!どうも鹿です!!

鹿の鳴き声ってどんな何だろう……?

さてさて、今回も後書きまで見てくださり本当にありがとうございます!
いやぁ……やっとこさ主役(違う)の登場です。
かなり長くかかりました……まぁ、ちまちま書いているのでそんなものかもしれませんが……。

それにしても………ホラー描写ってどう書けばいいのか分かっていません……。
活字だけで恐怖を煽るというのは一筋縄ではいかないみたいですね………。
これからも微妙な文章になったりもすると思いますが根気よく付き合っていただければ幸いです。

それでは!次回もゆっくりしていって下さいね!!
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